JPH05254388A - 衝突センサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 衝突センサから外れた位置へのバンパ等の衝
突を早期に感知する。 【構成】 弾性変形した際に接点１７に接触してスイッ
チオンする感知部材１６を、サイドインパクトビーム１
３に取付けるとともに、その端部１６ａを、衝突時に変
形するアウタパネル１２の内面に近接配置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、衝突を感知した際に
エアバッグを膨張させて、乗員を二次衝突から保護する
エアバッグ装置の衝突センサに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】車両の衝突を感知する衝突センサとして
は、英国特許出願ＧＢ２２２５６６０Ａ号に記載されて
いるものがある。この従来の衝突センサ１は、図６およ
び図７に示すように、サイドドア２のアウタパネル２ａ
の内側にほぼ水平に配設されている剛性の大きなサイド
インパクトビーム３の車体外側の面に取付けられてい
る。そして、車両に側面衝突されたときには、衝突によ
り変形するアウタパネル２ａとサイドインパクトビーム
３との間で衝突センサ１が圧潰され、衝突センサ１の接
点が連通して信号電流が流れ、インフレータ４を着火さ
せて、発生するガスによってエアバッグ５を膨張させる
ようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし前述したよう
に、衝突センサ１をサイドインパクトビーム３に取付け
た構造では、衝突車両のフロントバンパが、側面衝突さ
れた車両のサイドインパクトビーム３とほぼ同じ高さで
ある場合には、側面衝突をいち早く感知してインフレー
タ４を着火させるが、図７に示すように、衝突車両のフ
ロントバンパ６の高さが、サイドインパクトビーム３の
高さより低い場合には、フロントバンパ６が衝突した時
点では、衝突センサ１は側面衝突を感知できず、その後
に、ボデ―本体７が衝突した時に、サイドインパクトビ
ーム３上の衝突センサ１が圧潰して初めて側面衝突を感
知することとなる。その結果、車両側面に衝突されてか
ら、衝突センサが側面衝突を感知するまでにかかる時間
が、フロントバンパ６がサイドインパクトビーム３と同
じ高さに衝突した場合に比べて長くなるという問題があ
った。

【０００４】この発明は、上記の事情に鑑みなされたも
ので、衝突車両の先端が、衝突センサの設置位置から外
れた位置に衝突した場合であっても早期に検知でき、車
体の広い範囲への衝突を、早くかつ確実に検知すること
のできる衝突センサを提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段としてこの発明は、車体のアウタパネルの内面
に臨むように設けられ、車両の衝突を検知した時に衝突
検知信号を出力する衝突センサにおいて、先端がアウタ
パネルに近接するように車体側の高剛性部材に取付けら
れた変位可能な感知部材と、衝突時の前記アウタパネル
の変形に伴う前記感知部材の変位によりこの感知部材と
接触して衝突検知信号を出力するように設けられた接点
とを有することを特徴としている。

【０００６】

【作用】上記のように、衝突センサの変位可能な感知部
材が、その先端をアウタパネルに近接させて配設されて
いるため、衝突車両のバンパ等の先端部が、衝突センサ
の設置位置から外れた位置に衝突しても、この衝突によ
って変形するアウタパネルが感知部材に接触し、この感
知部材を変位させてスイッチオンさせる。したがって、
衝突センサは広い範囲への衝突を早期に感知して、衝突
検知信号を出力することによって、エアバッグ装置等の
機器を速やかに作動させる。

【０００７】

【実施例】以下、この発明の衝突センサの実施例を図１
ないし図５に基づいて説明する。

【０００８】図１および図２は、この発明を側面衝突用
エアバッグ装置のプライマリ衝突センサに適用した第１
実施例で、図２に示すように、車両のサイドドア１１の
外側を覆うアウタパネル１２の内側には、その高さ方向
のほぼ中央にサイドインパクトビーム１３が、その両端
をドアフレーム（図示せず）に支持されてほぼ水平に設
けられている。このサイドインパクトビーム１３は、断
面ほぼ井形のアルミニウム合金製の型材で、その車体外
側となる面、すなわちアウタパネル１２の内面に臨む側
面には、偏平で長尺な角パイプ状のセカンダリ衝突セン
サ１４が、サイドインパクトビーム１３のほぼ全長に亘
って取付けられており、その角パイプ内には、所定以上
の外力が加わって角パイプ部分が圧潰された際に接触し
てスイッチオンする接点１４ａが配設されている。

【０００９】さらに、図１(A) に示すように、サイドイ
ンパクトビーム１３の両側面（上下面）には、複数のプ
ライマリ衝突センサ１５が、所定の間隔でそれぞれ配設
されている。このプライマリ衝突センサ１５は、幅の狭
い帯状で弾性を有する金属板をクランク状に折曲形成し
た感知部材１６と、同様の金属板をＬ字状に折曲形成
し、リード線（図示せず）を接続した接点１７が、その
先端１８ａ付近に電気的に絶縁された状態で取付けられ
ている接点支持部材１８とから構成されており、前記感
知部材１６と接点支持部材１８とは、互いの基端側を重
ねた状態でサイドインパクトビーム１３の上面および下
面にタップねじ等で一体に取付けられている。また、感
知部材１６の先端側１６ａは、サイドインパクトビーム
１３の上下面とそれぞれ平行でかつアウタパネル１２に
対してほぼ垂直に配設されて、その先端がセカンダリ衝
突センサ１４よりもアウタパネル１２に接近した位置と
なるように設けられ、また接点１７が取付けられている
接点支持部材１８の先端側１８ａが、クランク状の感知
部材１６のビーム１３に垂直な中間部１６ｂに対して平
行に隣接するように設けられている。

【００１０】そして、車体側面のサイドインパクトビー
ム１３より低い位置に車両が側面衝突した場合に、サイ
ドインパクトビーム１３のアウタパネル１２側に設けら
れたセカンダリ衝突センサ１４が圧潰する前に、衝突荷
重によって変形するアウタパネル１２が、先ずプライマ
リ衝突センサ１５の感知部材１６の先端１６ａに接触し
てこれを車内側へ押圧すると、押圧されて変形する感知
部材１６の中間部１６ｂが接点１７に当接してスイッチ
オンすることによって側面衝突を感知するようなってい
る。

【００１１】次に、上記のように構成されるこの実施例
の作用を説明すると、プライマリ衝突センサ１５とセカ
ンダリ衝突センサ１４とからなるこの衝突センサは、衝
突車両のフロントバンパ（図示せず）が車体側面のサイ
ドインパクトビーム１３より低い位置に衝突した場合に
は、セカンダリ衝突センサ１４が圧潰して側面衝突を検
出する前に、サイドインパクトビーム１３の下方部分に
おいて車内方向に侵入するフロントバンパによって、ア
ウタパネル１２が車内方向に引込まれるように変形し、
この変形するアウタパネル１２が、先ず下段の感知部材
１６の先端１６ａに接触する。その結果、感知部材１６
の中間部１６ｂが接点１７に当接してスイッチオンし、
外部からの入力を検知することができる。そして、スイ
ッチオンしたプライマリ衝突センサ１５の数および位置
（衝突荷重の入力された範囲）から車両の衝突とそれ以
外の原因による入力との判別を行い、車両の衝突と判定
された場合には、図示してないインフレータに対して信
号を送って着火させ、発生するガスによってエアバッグ
を膨張・展開させる。

【００１２】また、衝突車両のフロントバンパがサイド
インパクトビーム１３の高さに衝突した場合には、車室
内側へ変形するアウタパネル１２が上段および下段のプ
ライマリ衝突センサ１５，１５にそれぞれ当接してスイ
ッチオンさせ、前述した場合と同様に、スイッチオンし
たプライマリ衝突センサ１５の数および位置から車両の
衝突とそれ以外の原因による入力との判別を行い、車両
の衝突と判定された場合には、図示してないインフレー
タに対して信号を送って着火させ、発生するガスによっ
てエアバッグを膨張・展開させる。さらに、サイドイン
パクトビーム１３より高い位置に衝突した場合には、上
段のプライマリ衝突センサ１５がスイッチオンして、サ
イドインパクドビーム１３より低い位置に衝突した場合
とほぼ同様に作用する。したがって、この実施例のプラ
イマリ衝突センサ１５を用いることにより、衝突車両の
フロントバンパが車体側部のサイドインパクトビーム１
３から外れた位置に衝突した場合でも、エアバッグを早
期に展開させて二次衝突から乗員を確実に保護すること
ができる。

【００１３】なお、この実施例においては、感知部材１
６が塑性変形あるいは弾性変形することにより変位して
スイッチオンする場合について説明したが、感知部材１
６が変形せずに下方へスライドしてスイッチオンするよ
うに構成することもできる。

【００１４】また図３は、この発明の第２実施例を示す
もので、衝突センサ２１は、鋼管製のサイドインパクト
ビーム２２に、その一面がアウタパネル２３の内面と対
向するように所定のピッチで取付けられた平板状のブラ
ケット２４上に、アウタパネル２３との間に所定の間隙
が形成されるように設けられている。

【００１５】そして、前記衝突センサ２１は、弾性を有
する薄い鋼板製の感知部２５と、ブラケット２４のアウ
タパネル２３側の面の中央に配置された接点２６とを備
えており、感知部２５は、その上端２５ａおよび下端２
５ｂが、中央部分よりアウタパネル２３に接近するよう
に弓状に湾曲させるとともに、この上端２５ａおよび下
端２５ｂを、車内側へ折曲げた後、更に折返してそれぞ
れＶ字状に折曲した脚部２５ｃが形成されており、前記
感知部２５が、ブラケット２４のアウタパネル２３側の
面の中央に配置された接点２６を覆うように配設されて
いる。

【００１６】そして、上記のように構成されるこの実施
例の衝突センサ２１は、衝突車両のフロントバンパが車
体側面のサイドインパクトビーム２２より低い位置に衝
突した場合には、図３(B) に示すように、アウタパネル
２３のサイドインパクトビーム２２より下方の部分が車
内方向に引込まれるため、変形するアウタパネル２３
が、衝突センサ２１の感知部２５の下端２５ｂに接触
し、この下端２５ｂを車内方向（図において左方向）に
押圧する。その結果、感知部２５の下端２５ｂ側に形成
された脚部２５ｃが圧縮されて、弓状に湾曲する感知部
２５が傾斜してブラケット２４上の接点２６に接触して
スイッチオンし、図示してないインフレータに対して信
号を送って着火させ、発生するガスによってエアバッグ
を膨張・展開させる。また、衝突車両のフロントバンパ
がサイドインパクトビーム２２の高さに衝突した場合に
は、衝突センサ２１の上下の脚部２５ｃが同時に圧縮さ
れてスイッチオンし、前述した場合と同様にインフレー
タに対して信号を送って着火させ、発生するガスによっ
てエアバッグを膨張・展開させ、二次衝突から乗員を確
実に保護する。

【００１７】また図４はこの発明の第３実施例を示すも
ので、衝突センサ３１は、前記第２実施例の衝突センサ
の場合より上下方向に長い弓状に湾曲した感知部３５を
備えており、この感知部３５にそれぞれ連設された上端
３５ａおよび下端３５ｂは、Ｖ字状の脚部３５ｃ，３５
ｃとブラケット３４とを介して、サイドドア内に配設さ
れたサイドインパクトビーム３２に取付けられるととも
に、ブラケット３４から上下方向に大きく張出して、上
端３５ａおよび下端３５ｂがアウタパネル３３の内面に
近接した位置にそれぞれ配置されている。さらに、感知
部３５に覆われたブラケット３４上には接点３６が設け
られており、感知部３５が弾性変形して接点３６に接触
することによってスイッチオンし、側面衝突を感知する
ようになっている。

【００１８】そして、上記のように構成することによっ
て、前記第２実施例の衝突センサの場合と同様の作用・
効果が得られる他に、感知部３５の両端３５ａ，３５ｂ
が大きく張出している分だけ広い範囲への衝突を検知す
ることができるという利点を有している。

【００１９】さらに、図５はこの発明の第４実施例とし
て、衝突車両のフロントバンパが、サイドインパクトビ
ームの高さ以下へ衝突したことを早期に感知することの
できる衝突センサ４１を示すもので、サイドドア内にほ
ぼ水平に配設された剛性の大きな角パイプ状のサイドイ
ンパクトビーム４２のアウタパネル４３の内面と対向す
る面には、弾性を有する細幅の鋼板をＵ字状に折曲形成
した感知部材４５が、その平行する２辺の各端部４５
ａ，４５ｂが下側となるようにして取付けられている。
そして、この感知部４５の下方の両端部４５ａ，４５ｂ
間には、接点４６がサイドインパクトビーム４２に取付
けられている側の端部４５ａ側に支持して設けられてお
り、アウタパネル４３側の自由端となる端部４５ｂが弾
性変形して接点４６に接触するとスイッチオンして衝突
が感知されるようになっている。そして、上記のように
構成することによって、衝突車両のフロントバンパが、
サイドインパクトビーム４２の高さより低い位置に衝突
した場合には、前記各実施例の場合とほぼ同様の作用・
効果が得られるとともに、構造が簡単で軽量化およびコ
ストダウンを図ることができる。

【００２０】なお、上記各実施例においては、この発明
の衝突センサを、側面衝突時に膨張して乗員を保護する
サイドエアバッグ装置の衝突センサに適用した場合につ
いて説明したが、正面衝突用のエアバッグ装置の衝突セ
ンサとしても好適に実施することができ、また、エアバ
ッグ装置用以外の衝突センサとしても使用することがで
きる。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したようにこの発明は、車体の
アウタパネルの内面に臨むように設けられ、車両の衝突
を検知した時に衝突検知信号を出力する衝突センサにお
いて、先端がアウタパネルに近接するように車体側の高
剛性部材に取付けられた変位可能な感知部材と、衝突時
の前記アウタパネルの変形に伴う前記感知部材の変位に
よりこの感知部材と接触して衝突検知信号を出力するよ
うに設けられた接点とを有しているので、衝突センサの
設置場所から外れた位置への衝突車両の車体先端部の衝
突を素早く検出して、エアバッグを早期に膨張・展開す
ることができ、乗員を二次衝突から確実に保護すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１実施例の衝突センサを示す図２
のＩ−Ｉ線断面図である。

【図２】この衝突センサを備えたサイドドアの一部断面
斜視図である。

【図３】同じく第２実施例の衝突センサを示す断面側面
図である。

【図４】同じく第３実施例の衝突センサを示す断面側面
図である。

【図５】同じく第４実施例の衝突センサを示す断面側面
図である。

【図６】従来のサイドエアバッグ装置の衝突センサを示
すサイドドアの断面図である。

【図７】そのサイドドアに車両が側面衝突した状態を示
す説明図である。

【符号の説明】

１１ サイドドア １２ アウタパネル １３ サイドインパクトビーム １４ セカンダリ衝突センサ １５ プライマリ衝突センサ １６ 感知部材 １６ａ 先端部 １７ 接点 １７ａ 開口部 １８ 接点支持部材 ２１ 衝突センサ ２５ 感知部 ３１ 衝突センサ ３５ 感知部 ４１ 衝突センサ ４５ 感知部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体のアウタパネルの内面に臨むように
   設けられ、車両の衝突を検知した時に衝突検知信号を出
   力する衝突センサにおいて、 先端がアウタパネルに近接するように車体側の高剛性部
   材に取付けられた変位可能な感知部材と、衝突時の前記
   アウタパネルの変形に伴う前記感知部材の変位によりこ
   の感知部材と接触して衝突検知信号を出力するように設
   けられた接点とを有することを特徴とする衝突センサ。