JPH052409Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、硬貨をその面方向に沿つて一枚ずつ
送つて重積状態に収納する硬貨集積装置に関する
ものである。

「従来の技術」 複数枚の硬貨を包装する場合などには、包装工
程等に先立つて硬貨を重積状態に揃える必要があ
る。

従来、硬貨を重積状態に揃えるための硬貨集積
装置として、例えば特開昭58−171318号に記載さ
れたものがある。この硬貨集積装置は、第４図お
よび第５図に示すように、搬送部１から水平に送
り出される硬貨Ｃを収納部２１内に落とし込んで
重積状態に収納するようになつているとともに、
該収納部２１に、その長さ方向に沿う一対の無端
ベルト４が対向配設され、これら無端ベルト４
に、硬貨Ｃを載置させる受け部材２２が突設され
ている。そして、該受け部材２２を収納部２１の
最上位に配置させておいて、その上に硬貨Ｃを一
枚ずつ載置させながら、無端ベルト４の走行によ
り第４図の矢印ニで示す下方に硬貨一枚分ずつ受
け部材２２を移動させていき、集積終了後は、収
納部２１の最下位から第５図の矢印ホで示す両外
側方に逃がして、重積硬貨Ｃを下方に排出するよ
うになつている。また、収納部２１の上方には、
搬送部１から水平に送り出される硬貨Ｃを前傾姿
勢にする自由ローラ２３と、前傾させられた硬貨
Ｃの先端をすくい上げる案内部材（ローラ）２４
と、すくい上げられた硬貨Ｃの先端を衝突させて
落下させる規制部材２５とが配設されて、第４図
の鎖線で示すように硬貨Ｃの先端を上向きにした
状態で落下させることにより、該硬貨Ｃの後端と
次に送り込まれる硬貨Ｃの先端との衝突による硬
貨詰まりが生じないように配慮されている。

「考案が解決しようとする問題点」 しかしながら、このような硬貨集積装置である
と、搬送部１から収納部２１に硬貨Ｃを受け渡す
際の硬貨Ｃの衝突を防止するために、自由ローラ
２３によつて硬貨Ｃを前傾姿勢にした後、その先
端をすくい上げ、さらに規制部材２５に衝突させ
て落下させるという複雑な工程を経る必要があ
り、処理速度の低下を招き易いとともに、装置が
複雑化、大型化し易いという問題点がある。

本考案は、搬送部から収納部への受け渡し時の
硬貨の衝突を有効に防止して、硬貨詰まりの発生
を抑制するとともに、装置を簡略化することを目
的とするものである。

「問題点を解決するための手段」 このような目的を達成するため、本考案は、無
端ベルトの表面に設けられる受け部材の硬貨載置
面を搬送部の搬送方向前方に向けて上向きに傾斜
させたことを特徴とするものである。

「作用」 このように構成した硬貨集積装置は、搬送部か
ら送り込まれる硬貨を受け部材の硬貨載置面に沿
う傾斜状態に重積させることにより、該硬貨の後
端を下げた状態とし、次に送り込まれる硬貨の先
端を重積硬貨の上面を滑らせるように案内するも
のである。

「実施例」 以下、本考案の硬貨集積装置の一実施例を第１
図ないし第３図に基づいて説明する。

この硬貨集積装置においても、搬送部１が搬送
ベルト２によつて硬貨Ｃを一枚ずつ第１図の矢印
イで示すように面方向に搬送して先端から水平に
送り出すようになつているとともに、該搬送部１
から送り出される硬貨Ｃを落とし込んで重積状態
に収納する収納部３に、第２図及び第３図に示す
ように収納空間に対して搬送部の搬送方向の両側
方に位置するように一対の無端ベルト４が対向配
設され、これら無端ベルト４に、収納空間内に突
出して硬貨Ｃを載置させる受け部材５が配設され
ており、これらの点は第４図および第５図に示す
従来例と同様である。また、この場合、両無端ベ
ルト４は、それぞれ支持ブロツク６両端のプーリ
７に巻回された状態で、搬送部１の搬送方向に対
して直交する方向に対向しており、パルスモータ
８により間欠駆動されながら収納部３の長さ方向
に循環走行するようになつている。該パルスモー
タ８は、搬送部１に設けられたセンサ９が硬貨Ｃ
の通過を検出したときに、受け部材５を硬貨一枚
分下降させるように無端ベルト４を駆動するもの
で、その駆動量を規定する一対のセンサ１０ａ，
１０ｂを有している。一方、受け部材５は、両無
端ベルト４において相互に対象位置となるように
かつ無端ベルト４の長さ方向に沿つて等間隔で二
つずつ配設されている。

そして、本考案においては、各受け部材５の硬
貨載置面５ａが、搬送部１の搬送方向前方に向け
て上向きに傾斜させられている。

なお、図中符号１１Ａ，１１Ｂは両無端ベルト
４間の間隙を閉塞して収納部３の前方および後方
への硬貨Ｃの脱落を規制する閉塞部材、符号１２
は収納部１の下方を開閉可能なシヤツタ、符号１
３はシヤツタ１２を開放状態としたときに収納部
１から落下させられる重積硬貨Ｃを受ける支持棒
である。

このように構成した硬貨集積装置は、受け部材
５を収納部３の最上位に配置しておき、搬送部１
から硬貨Ｃを一枚ずつ送り込むと、これら硬貨Ｃ
が両無端ベルト４の受け部材５間にまたがるよう
にこれらの硬貨載置面５ａ上に載置させられると
ともに、搬送部１から送り込まれる硬貨Ｃの枚数
に応じて、センサ９からの検出信号に基づきパル
スモータ８の駆動が制御され、無端ベルト４が受
け部材５を硬貨一枚分ずつ第１図の矢印ロで示す
下方に移動させ、もつて硬貨Ｃを順次重積状態に
収納するものである。そして、この場合、受け部
材５の硬貨載置面５ａが搬送部１の搬送方向前方
に向けて上向きに傾斜させられていることによ
り、該硬貨載置面５ａに載置させた各硬貨Ｃも第
１図に示すように後端を下げた状態となり、搬送
部１から水平に送り出される硬貨Ｃが鎖線で示す
ように重積硬貨Ｃの上面を滑るように案内され
て、該重積硬貨Ｃの上に重ねられるものである。

このようにして硬貨Ｃを重積状態に収納した後
は、無端ベルト４を走行させることにより受け部
材５を収納部３の下方から第２図の矢印ハで示す
両外側方に逃がすとともに、シヤツタ１２を開放
状態として重積硬貨Ｃを支持棒１３上に落下させ
る。また、この場合、受け部材５を収納部３の下
方から逃がすと、無端ベルト４に設けられている
もう一方の受け部材５がそれぞれ収納部３の上方
からその中の空間の最上位に配置させられること
になり、次の収納処理の準備が同時に行なわれる
ものである。

「考案の効果」 以上説明したように、本考案の硬貨集積装置に
よれば、次のような硬貨を奏するとができる。

（） 受け部材の硬貨載置面を搬送部の搬送方
向前方に向けて上向きに傾斜させたから、該硬
貨載置面上に載置させられる硬貨の後端を下げ
た状態として、搬送部から水平に送り込まれる
硬貨の先端を重積硬貨の上面を滑らせるように
案内し得て、両硬貨の衝突を有効に防止し、も
つて硬貨詰まりの発生を抑制することができ
る。

（） 搬送部から水平に送り出される硬貨の受
け渡しが、受け部材の硬貨載置面に単に載置さ
せるだけでなされるから、従来例に比べて、処
理速度の高速化を図ることができ、また、受け
部材の硬貨載置面を傾斜させるという単純な構
造であるから、装置を簡略化、小型化すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の硬貨集積装置の一実施例を示
す正断面図、第２図は第１図の−線に沿う矢
視図、第３図は第１図の−線に沿う矢視図、
第４図は硬貨集積装置の従来例を示す正断面図、
第５図は第４図の−線に沿う矢視図である。 １……搬送部、２……搬送ベルト、３……収納
部、４……無端ベルト、５……受け部材、５ａ…
…硬貨載置面、６……支持ブロツク、７……プー
リ、８……パルスモータ、９……センサ、１０
ａ，１０ｂ……センサ、１１Ａ，１１Ｂ……閉塞
部材、１２……シヤツタ、１３……支持棒、Ｃ…
…硬貨。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 硬貨をその面方向に沿つて一枚ずつ搬送して水
   平状態に送り出す搬送部と、該搬送部先端から送
   り出される硬貨を落とし込んで重積状態に収納す
   る収納部とを有するとともに、該収納部の硬貨収
   納空間に対して搬送部の搬送方向の両側方位置
   に、該収納部の長さ方向に沿つて循環走行する一
   対の無端ベルトが硬貨収納空間を介して対向配設
   され、これら無端ベルトの表面に、硬貨を載置さ
   せる受け部材が突設された硬貨集積装置におい
   て、前記受け部材は、その硬貨載置面が前記搬送
   部の搬送方向前方に向けて上向きに傾斜している
   ことを特徴とする硬貨集積装置。