JPH05229304A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JPH05229304A
JPH05229304A JP4073273A JP7327392A JPH05229304A JP H05229304 A JPH05229304 A JP H05229304A JP 4073273 A JP4073273 A JP 4073273A JP 7327392 A JP7327392 A JP 7327392A JP H05229304 A JPH05229304 A JP H05229304A
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JP
Japan
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cord
belt
fiber
layer
rigidity
Prior art date
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JP4073273A
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English (en)
Inventor
Kenji Yanagi
健司 柳
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 複数層のベルト補強層を有する空気入りラジ
アルタイヤにおいて、ベルト補強層の少なくとも1層が
引張強度15g/d以上の有機繊維を樹脂中に包埋した
繊維−樹脂複合材素線で構成されたコードで補強され、
このコードの曲げ剛性が20000mg以上、80000
mg以下であり、コード長手方向にコード横断面の中心軸
が螺旋を描くようにゴム中に埋設されたベルト層であ
り、このベルト層の上層又は下層、あるいは間に挟み込
むように引張強度15g/d以上の有機繊維を撚り合わ
せた曲げ剛性10000mg以下のコードよりなるベルト
層を1層又は複数層配置したコンビネーションベルト構
造を含む空気入りラジアルタイヤ。 【効果】 全有機繊維コードを使ったベルトを使用して
いるにも拘らず、ベルト剛性を高く保持できると共に、
接地性も高くでき、軽量化、低転り抵抗性、易廃棄性を
満足させながら、全体として操縦安定性の高いタイヤと
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベルト層に特異な有機
繊維を強化材とするベルト補強層を有する空気入りラジ
アルタイヤに関する。更に詳しくは、接地性が高く、操
縦安定性が高く、全有機繊維ベルトで軽量かつ転がり抵
抗が低く、易廃棄性を有するラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、一般に用いられているスチールラ
ジアルタイヤは、有機繊維撚りコードをベルトに用いた
タイヤよりも、はるかに高いベルト剛性が得られるの
で、操縦安定性、耐摩耗性などの点で極めて優れてい
る。しかし一方で、スチールコード故の欠点、つまり比
重が大きいためタイヤ重量が重くなり、転がり抵抗が劣
り、また外部から水が浸入した場合、錆が発生し、タイ
ヤ破壊の懸念がある。また廃タイヤを燃焼処理する場合
にスチールが残るという廃棄性が悪いといった問題も有
している。
【0003】特にタイヤ軽量化による転がり抵抗の低
減、易廃棄性は社会的要求も非常に高く、これらの要件
を満たすベルト材としては、有機材料が最も適している
と考えられる。しかしながら、一般的な有機繊維撚りコ
ードでは、引張方向には十分な弾性率を有するものの、
圧縮や曲げに対しては、極めて低い弾性率しか示さな
い。このためコーナリング時の接地性は良好であるにも
かかわらず、ベルト曲げ剛性が小さいので、十分なコー
ナリングフォースが発生せず、操縦性が劣っていた。
【0004】これに対し、軽量で、転り抵抗が小さく、
かつ十分な操縦安定性を備えたベルト材として、特開昭
63−134310号公報、特開昭63−151505
号公報、特開平3−151229号公報などが提案され
ている。
【0005】特開昭63−134310号公報では、引
張強度10g/d以上、引張弾性率200g/d以上の
フィラメント多数本からなるコード状繊維束又は織物に
硬化後の引張弾性率が150kgf /mm2 以上の熱硬化性
樹脂を15重量%以上含浸付着させた繊維強化剤をベル
ト補強層に用いた空気入りラジアルタイヤが開示されて
いる。
【0006】特開昭63−151505号公報では、こ
の熱硬化性樹脂の代りに熱可塑性樹脂を含浸させたベル
ト層を有する空気入りラジアルタイヤが開示されてい
る。
【0007】特開平3−151229号公報には、ポリ
パラフェニレンテレフタルアミドの連続フィラメントに
対して、少なくとも15重量%のエポキシ樹脂を含浸さ
せ、フィラメント束の線密度が300〜2000デシテ
ックスであり、合成物質の量がフィラメント束の20〜
50重量部であるラジアルタイヤの強化部材が開示され
ている。
【0008】このように、高強度、高弾性の繊維状フィ
ラメントに熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させ
た繊維強化材を用いることは既に提案されているが、こ
のコードはドラム上でスリップアングルをかけ、連続走
行させる条件下で耐久性を評価したところ、コードに圧
縮入力が加わり、コードが座屈し、更にはコード破断に
至ることが判った。
【0009】この耐久性を改良すべく、本出願人は先に
コード横断面の中心軸がコード長手方向に対し、螺旋を
描くようにゴム中に埋設することによって操縦安定性を
損なうことなく耐久性を大幅に向上させたラジアルタイ
ヤを出願している。しかし、前記のコードは、スチール
コードに近い曲げ剛性を持っているためコーナリング時
もスチールベルトタイヤと同等のバックリング変形が発
生し、接地性が悪化して、その結果操縦性が十分なもの
でないことが判った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は空気入
りラジアルタイヤにおいて、有機繊維コードを使用する
ことによるタイヤ軽量化により、転り抵抗の低減、易廃
棄性の要件を満たすと共に、有機繊維コードで問題とな
る圧縮や曲げ剛性を高く保つと共に、接地性を改良し
て、良好な操縦性を有する空気入りラジアルタイヤを提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するため鋭意研究を重ねた結果、複数のベルト補強
層のうち少なくとも1層が、コード断面の中心軸が螺旋
を描く、繊維−樹脂複合コードからなるベルト層であ
り、この上層、又は下層又はこれに挟み込むように有機
繊維撚りコードよりなるベルト層を配したコンビネーシ
ョンベルト構造とすることにより解決し得ることを見い
出し本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明は、(1) タイヤ周方
向に対するコード角度が10〜35°で互いに交差する
複数層のベルト補強層を有する空気入りラジアルタイヤ
において、該ベルト補強層の少なくとも1層が引張強度
15g/d以上の有機繊維を樹脂含浸剤中に包埋して形
成した繊維−樹脂複合材素線1本もしくは複数本で構成
されたコードで補強され、このコードの曲げ剛性が20
000mg以上、80000mg以下であり、コード長手方
向にコード横断面の中心軸が螺旋を描くようにゴム中に
埋設されたベルト層であり、該ベルト層の上層もしくは
下層または間に挟み込むように引張強度15g/d以上
の有機繊維を撚り合わせた曲げ剛性10000mg以下の
コードよりなるベルト層を一層もしくは複数層有するコ
ンビネーションベルト構造を含んでなる空気入りラジア
ルタイヤである。
【0013】この発明に用いられる繊維樹脂複合材素線
の繊維材としては、高強度、高弾性、かつ軽量の芳香族
ポリアミド繊維、高強力、高弾性ポリビニルアルコール
繊維などが好適に用いられる。これらの繊維の比重は
1.3〜1.5位であり、スチールコードの比重7.9
に比べ非常に小さく、更に引張り強度も高いために使用
する繊維量が少なくてすみ、軽量化を考える上で必要不
可欠である。この比重が小さく、強度が高いという条件
さえ満たせば、繊維樹脂複合材素線の繊維材料に使える
ので、繊維種は前記の2種に限られるものではない。
【0014】この発明で用いられる芳香族ポリアミド繊
維としては、例えばポリ(1,4‐フェニレンテレフタ
ルアミド)繊維、ポリ1,4‐フェニレンテレフタルア
ミド‐3,4′ジアミノジフェニルエーテル共重合体繊
維、ポリ(1,4‐ベンズアミド)繊維、ポリ(1,3
‐フェニレンイソフタルアミド)繊維等が挙げられる。
【0015】高強度高弾性ポリビニルアルコール繊維と
しては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレン
グリコール、グリセリン等の有機溶剤系紡糸原液から半
乾半湿式紡糸方法にて紡糸し、延伸して得られる高強度
高弾性のポリビニルアルコール繊維であって、15g/
d以上の原糸強度を有し、従来のビニロンと区別される
繊維が挙げられ、特にこのような繊維のポリビニルアル
コール分子内の水酸基の一部を脱水酸基又は水酸基封鎖
処理したものが耐疲労性にすぐれており好適に使用され
る。
【0016】この発明で用いられる前記繊維のヤーン引
張強度TY が15g/d以上であることが必要であり、
この値より小さいと、コードを過度に太くしたり、ベル
ト層数を増加しなければならないので、十分な軽量化が
達成できない。
【0017】前記繊維を包埋するのに用いられる樹脂含
浸剤としては、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂のいずれ
でも使用することができる。熱硬化性樹脂としては、エ
ポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹
脂、ビスマレイミド樹脂、フリーデルクラフツ樹脂、フ
ラン樹脂、シリコン樹脂、アリル樹脂などが挙げられ
る。熱可塑性樹脂としては、66ナイロン、6ナイロ
ン、4,6ナイロン、ポリエステル、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリカーボネート、ポリアセタールなどが
挙げられる。これら樹脂は、熱硬化性樹脂の2種以上、
熱可塑性樹脂の2種以上又は熱硬化性樹脂と熱可塑性樹
脂との適宜選択されたブレンドでもよい。
【0018】この発明に用いられる繊維樹脂複合コード
は、コードの横断面の各素線の中心軸がそのコード長手
方向に対し、螺旋を描くようにゴム中に埋設され、コー
ドに圧縮入力が加わった時に、コード全体が歪み入力を
緩和し、耐久性が向上する。この螺旋は、螺旋ピッチが
長過ぎると、圧縮入力が加わった時に、螺旋変形が起き
ず、全く螺旋形状を施していないコードと同様にコード
の座屈が早期に生じてしまう。また螺旋ピッチが短過ぎ
ると、圧縮入力を加えた時に、充分な圧縮剛性がなく、
タイヤのベルト材としての機能を果さない。
【0019】また、螺旋ピッチと同様に螺旋の描く螺旋
半径についても同じことが言え、螺旋半径が小さいと、
圧縮入力を加えてもコードが螺旋変形を生じないため、
コードの座屈がやはり早期に生じる。逆に螺旋半径が大
き過ぎると圧縮入力を加えた場合、圧縮剛性が低く、タ
イヤの性能上好ましくない。
【0020】一般に螺旋のモデルを図1に示した場合、
螺旋の座標をθの関数で表わすと x=f(θ)=γcos θ y=g(θ)=γsin θ z=h(θ)=λ×θ/2π (θ=0の時、z=
0,θ=2πの時、z=λの条件) いま1ピッチの螺旋の描く、軌跡の長さを線分Lとする
【0021】
【数1】
【0022】によってL=(4π2 γ2 +λ2 1/2
表わせる。螺旋ピッチも螺旋半径も、この螺旋の描く軌
跡の長さに含まれるから1ピッチ当りの螺旋の描く軌跡
の長さが 1.01<L/λ<1.50 の範囲にあると前述した耐久性と圧縮剛性の両方を満た
し、タイヤのベルト材に好適に用いられる。更に好まし
くは、1.01<L/λ<1.30である。また、コー
ド断面の平面に螺旋の描く軌跡を投影した場合、円に限
られる訳ではなく、楕円であってもよい。
【0023】この螺旋形状の繊維樹脂複合コードは曲げ
剛性が20000mg以上、80000mg以下の範囲であ
ると、スチールベルト並のベルト曲げ剛性を得ることが
でき、操縦安定性向上のために好適に用いられる。曲げ
剛性が20000mg未満であると、ベルト曲げ剛性が小
さくなり、十分な操縦性が得られなくなる。また曲げ剛
性が80000mg超であると、コードが剛直すぎて、疲
労性で問題が生じてくる。
【0024】この発明に用いられる有機繊維撚りコード
には、高強度、高弾性、かつ軽量の芳香族ポリアミド繊
維、高強力、高弾性ポリビニルアルコール繊維などが好
適に用いられる。これは、これら繊維の比重が1.3〜
1.5位で、スチールコードの比重7.9に比べ非常に
小さく、更に引張り強度も高いために使用する繊維量が
少なくてすみ、軽量化を考える上で必要不可欠である。
この比重が小さく、強度が高いという条件さえ満たせ
ば、有機繊維撚りコード用素線の繊維材料として使える
ので、繊維種は、前記2種に限られるものではない。
【0025】この有機繊維撚りコードは、曲げ剛性で1
0000mg以下の範囲であればベルト曲げ剛性が小さく
なるので、接地性向上のため有効に用いられる。曲げ剛
性が10000mg超であると、ベルトが剛くなるので、
接地性向上には効果がなくなる。
【0026】この発明に用いられるベルト構造としては
図2のようなものが考えられる。接地性向上を目指す場
合には、トレッド側ベルトに撚りコードベルトを用いれ
ばよい。ただし、図2ののように撚りコードベルトが
2枚になると接地性も増し、ベルト剛性もあがり、操縦
性もよくなるが、タイヤ重量がスチールベルト並になっ
てしまい、オール有機繊維ベルトの軽量効果がなくなっ
てしまう。従っての構造が好適に用いられる。
【0027】曲げ剛性の高い繊維樹脂複合コードベルト
と、曲げ剛性の低い有機繊維撚りコードベルトを組み合
わせることによって、ベルト剛性としては多少おちる
が、しかしながら接地性が高く、トータルとして操縦安
定性の高いタイヤを作ることができる。なおかつ、オー
ルテキスタイルベルトという事で軽量化、低転り抵抗、
易廃棄性を満たすことができる。
【0028】
【実施例】以下に実施例によって、本発明を更に具体的
に説明するが、本発明は、この実施例によって限定され
るものでないことは勿論である。繊維樹脂複合材素線の
繊維には、アラミド繊維1500デニールの無撚りを用
い、これにエポキシ樹脂を繊維:樹脂の重量比率60:
40になるように含浸し、ヒートゾーンにて熱処理し、
半硬化させた後、適宜複合材素線を束ね、更に200℃
のヒートゾーン内で、径の中心を軸として回転している
金属棒にななめ方向から数回からませ、連続的にからん
でいる間に熱硬化させ、螺旋を型付けした。更に通常の
レゾルシノール‐ホルムアルデヒド‐ラテックス(RF
L)のディップ液を塗布し、乾燥熱処理したものを使用
した。有機繊維撚りコードの繊維には、アラミド繊維
(1500デニール2本撚)、ポリビニルアルコール繊
維(1500デニール2本撚)を使用した。
【0029】これらのコードの曲げ剛性はガーレー・ス
ティフネスの測定法で測定を行った。ガーレー・スティ
フネスの測定法は以下の通りである。処理コードを枠に
固定させ、繊維種に見合う温度で熱セットし、コードを
真直な状態に保たせる。これを規定の試料長さに切断
し、ガーレー・スティフネス・テスターでスティフネス
を測定する。図3にガーレー式試験機の斜視図を示す。
試料の取付け及び測定法は ア、チャック設定位置1.0インチ(駆動軸に任意設定
のチャックが取付けられている)にチャックを固定さ
せ、テストピースを取付ける。 イ、回転棒(軸より下部)に荷重任意設定孔が軸より1
インチ、2インチ、及び4インチの位置にあるので試料
の柔軟性に応じ荷重の重さ及び孔の位置を設定する。こ
の場合、目盛板に針が2〜4に指示する様、荷重及び孔
の位置を選ばなければならない。 ウ、テスト・ピースに見合う設定が出来たならば、駆動
ボタンを押し、駆動軸を左右に動かし、針が指す目盛板
の数値を0.1単位迄読取る。 エ、1つのテストピースにつき、左右1回、テストピー
ス10本、計20回の値を求め、1試料の平均値を求め
る。 計算法は次の通りである。各測定値の平均値を次式で計
算する。 スティフネス(mg)=RG× {(W1 ×1)+(W2 ×2)+(W3
×4)}/5 × L2 /W ×9.88 但し、RG:測定値の平均値 W1:1インチの荷重位置(孔)に掛ける荷重(単位
g) W2:2インチの荷重位置(孔)に掛ける荷重(単位
g) W3:4インチの荷重位置(孔)に掛ける荷重(単位
g) L :サンプル長−1/2インチ(インチ) W :サンプルの幅(mm)
【0030】実施例、比較例で使用した各コードの曲げ
剛性値を表1に示す。
【表1】 上記複合コードの曲げ剛性は、撚り本数でコントロール
したが、含浸樹脂の種類及び複合コード径でコントロー
ルすることもできる。これらのコードを平行に並べ、上
下からコーティングゴムで挟み、繊維樹脂複合コードベ
ルトトリート、アラミドもしくはPVA繊維撚りコード
ベルトトリートとし、これらを用いた2枚切り離しベル
ト構造で、175/70R13サイズのベルト層に適用
して、各種試験を行った。カーカスとしてはポリエステ
ル1500デニール/2の1プライを適用した。ベルト
構造は図2ののタイプで下の1ベルトが繊維樹脂複合
コード、上の2ベルトがアラミド繊維又はPVA繊維撚
りコードである。
【0031】ベルト剛性の測定は、タイヤからベルト交
錯層部を一定長さの板状に切り出し、3点曲げ治具を用
いて、サンプルに一定速度の歪みを加え、その時の応力
変化を記録し、その初期の傾きより求めた。(図4、
A、B参照) スリップアングル(S.A.)付加時の接地性の評価
は、タイヤをリム組後、内部に石膏を流し込み、内圧
1.8kg/cm2 、加重440kgをかけ、スリップアング
ル10°を与えたままタイヤを半回転させ、そのまま固
定し、路面内部に発生した波うち(バックリング)の型
をとったものを取り出して、その波うちの深さを測定し
て接地性の評価とした。操縦性は375kgの負荷をかけ
た時のCP(kgf /deg.)で評価した。外径1,500
mmのドラム上に内圧1.70kg/cm2 に充填した
試験タイヤを設置し、荷重375kgを負荷させた後3
0km/hrの速度で30分間予備走行させ、無負荷状
態で、内圧を1.70kg/cm2 に再充填し、再度3
75kgの荷重を負荷し、同一直径の前記ドラム上でス
リップアングルを最大±14°迄正負連続してつける。
正負各角度でのコーナリングフォース(CF)を測定
し、次式でコーナーリングパワー(CP)を決めた。 CP(kg/deg)={CF(1°)(kg) +CF(2°)(kg) /2 +CF(3
°)(kg)/3 +CF(4°)(kg) /4 }/4 更にコーナリングの際の操縦性のフィーリング評点を1
0点満点評価した。即ち、各試作タイヤを乗用車に装着
し、専門のドライバーにより操縦安定性フィーリングテ
ストを行なった。 評価はコントロールとの対比で 0:「変らない」 +2:「やや良いと思われる」 +4:「やや良い」 +8:「良い」 +9:「かなり良い」 に区分した。測定結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】実施例1に対し、比較例1は1ベルト、2
ベルト共にスチールコード並の高い曲げ剛性を持つ複合
コードを使用しているためベルト曲げ剛性が非常に高く
またCP値も高い。しかし接地性が非常に悪いためコー
ナリング時のフィーリング評点では早期にスリップが発
生してしまい操縦性は悪い。また比較例2では1ベル
ト、2ベルト共に曲げ剛性の低いアラミド撚コードを使
用しているためベルト曲げ剛性は非常に低く、接地性は
良いにも拘らずCP値が低くコーナリング時のフィーリ
ング評点では応答性が悪い。以上の事より曲げ剛性の高
い繊維樹脂複合コードと曲げ剛性の低い撚りコードを組
み合わせるコンビネーションベルト構造によって、ベル
ト剛性としては若干落ちるが全体として操縦安定性が高
くなるといえる。更に以下のような比較を行いコンビネ
ーションベルト構造が十分な操縦安定性を示すコード曲
げ剛性の範囲を定めた。実施例1に対し、比較例3は、
複合コードの曲げ剛性が低すぎて、十分なベルト剛性を
もつことができず、接地性は良いにも拘らず、CP値が
低く、ドライブフィーリング、特にコーナリング時の応
答性が遅い。また比較例4では、複合コードの曲げ剛性
が高すぎ、ベルト剛性が高くまたCP値も高いにも拘ら
ず、接地性が極端に悪化し、コーナリング時のフィーリ
ング評点では早期にスリップが発生してしまい操縦性は
悪い。
【0034】実施例2のように撚り本数を変えて、複合
コードの曲げ剛性を低くしていくと、接地性は良くなる
が、CP値は多少小さくなる。実施例3のように、複合
コードの曲げ剛性を高くしていくと、接地性は悪化する
ものの、CP値は高くなる。実施例2,3をフィーリン
グ評点で比較すると、トータルとして殆ど同じ結果とな
った。また実施例4のようにPVA繊維撚りコードを使
用すると、曲げ剛性が多少大きくなるが、ベルト剛性、
接地性共に実施例1のアラミド繊維撚りコードベルトと
殆ど変らず、フィーリング評点もほぼ同等である。すな
わち、複合コードの曲げ剛性が20000mg以上、80
000以下の範囲であると、ベルト剛性と接地性のバラ
ンスがうまく取れて、フィーリング評価において十分な
操縦安定性を示す。
【0035】
【発明の効果】曲げ剛性の高い繊維樹脂複合コードと曲
げ剛性の低い撚りコードベルトを組み合わせるコンビネ
ーションベルト構造によって、ベルト剛性としては若干
落ちるが、接地性が高くなり、全体として操縦安定性の
高いタイヤを作ることができる。またオールテキスタイ
ルベルトということで、軽量化、低転り抵抗性、易廃棄
性を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は繊維−樹脂複合材のコードの螺旋形の説
明図である。
【図2】図2はベルト補強層中の繊維樹脂複合コードベ
ルト(螺旋コード)と繊維撚りコードベルトとの配置を
示した説明図である。
【図3】図3はガーレー・スティフネス試験機(A)及
びその主要部(B)の説明図であり、コード曲げ剛性測
定法の説明用図である。
【図4】図4はベルト剛性の測定法(A)とその概念の
説明図(B)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 21:00 105:10 B29L 30:00 4F

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤ周方向に対するコード角度が10
    〜35°で互いに交差する複数層のベルト補強層を有す
    る空気入りラジアルタイヤにおいて、該ベルト補強層の
    少なくとも1層が引張強度15g/d以上の有機繊維を
    樹脂含浸剤中に包埋して形成した繊維−樹脂複合材素線
    1本もしくは複数本で構成されたコードで補強され、こ
    のコードの曲げ剛性が20000mg以上、80000mg
    以下であり、コード長手方向にコード横断面の中心軸が
    螺旋を描くようにゴム中に埋設されたベルト層であり、
    該ベルト層の上層もしくは下層または間に挟み込むよう
    に引張強度15g/d以上の有機繊維を撚り合わせた曲
    げ剛性10000mg以下のコードよりなるベルト層を一
    層もしくは複数層有するコンビネーションベルト構造を
    含んでなる空気入りラジアルタイヤ。
JP4073273A 1992-02-25 1992-02-25 空気入りラジアルタイヤ Pending JPH05229304A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6774172B1 (en) 1998-12-28 2004-08-10 Bridgestone Corporation Adhesive composition, resin material, rubber article and pneumatic tire
WO2018083939A1 (ja) * 2016-11-02 2018-05-11 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ

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US6774172B1 (en) 1998-12-28 2004-08-10 Bridgestone Corporation Adhesive composition, resin material, rubber article and pneumatic tire
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