JPH0522897Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、内視鏡に係り、特に先端部に面板状
イメージセンサを設け、対物光学系で得られた光
学像を映像電気信号として出力する内視鏡に関す
るものである。

〔考案の背景〕

いわゆる光学繊維束をイメージガイドとした内
視鏡の他に、微小受光体をマトリクス配列したも
のでCCDで代表される電荷転送素子を組み合わ
せた面板状のイメージセンサを利用するTV内視
鏡が提案されている。このようなTV内視鏡で
は、イメージガイドフアイバーを用いた従来から
の内視鏡に比較して耐久性があること、映像出力
としての電気信号に種々の処理ができること、コ
スト的有利性などの点で優れ、実用化が検討され
ている。

ところで、TV内視鏡の場合、内視鏡外径寸法
を体腔内挿入のため細径にするという要求と、イ
メージセンサの解像度の向上、すなわちイメージ
センサ上の絵素数をふやしたいという要求が生
じ、内視鏡先端部構造、特にイメージセンサある
いはこれに光学像を結像させるための対物光学系
をスペース的にいかに効率的に配置するかという
ことが重要なポイントとなつてくる。

そこで、内視鏡の挿入部先端を太くしないで面
板状イメージセンサを配置することを目的とし
て、本件出願人において既に面板状イメージセン
サを内視鏡長手方向の中心軸を含む面上に配置す
ると共に、その面板状イメージセンサの一側にこ
れと軸線を平行にして対物光学系を配置し、この
対物光学系の後方に設けた直角プリズムで光路を
90°変換して光射出面をイメージセンサに接合す
る構成を提案している（特開昭60−104915号）。
これにより内視鏡の外径を有効に利用して広幅な
イメージセンサを小径な先端部内に設けることが
可能となつた。

ところで、対物光学系で患部を観察する為には
ライトガイドで患部を照射する必要がある。この
為光フアイバ束等からなるライトガイドが、内視
鏡先端部内で対物光学系の両側部に対物光学系と
平行に配設される。即ち、ライトガイドはイメー
ジセンサの受光側の面に接近した配置構成とされ
る。このライトガイドを構成する光フアイバ束は
通常シリコンゴム製のチユーブ等で被覆して内視
鏡内に挿通されている。しかしながらその先端部
は先端金具の開口部に嵌着する関係上、チユーブ
を剥離し、ライトガイドのチユーブからの露出部
分をエポキシ樹脂等で硬めてほつれ防止を図つて
いる。この為、この剥離部分からライトガイドの
光がイメージセンサの受光面に漏れるおそれがあ
つた。イメージセンサの撮像域であるイメージエ
リアに対物光学系以外の光が入ると撮像機能が阻
害され、また転像域であるストレージエリアに結
像に寄与する光以外の光が入ると転送機能が損な
われる。その結果、正常な像が得られなかつた
り、ブルーミング等の原因によつて画像が不鮮明
になる。

このため本件出願人は、実願昭59−130217号明
細書でイメージセンサと対物光学系との間に遮光
板を配置し、その遮光板は対物光学系のプリズム
からの光が入射する部分に円形孔を形成して、対
物孔学系から得られる光学像のみがイメージセン
サに受光されるようにライトガイドからの光が入
らない内視鏡を提案した。

しかしながら、このような構成の内視鏡に於い
て遮光板をイメージセンサに接着するときに遮光
板の円形孔の中心がイメージセンサのイメージエ
リアの中心から外れて配置すると、観察画像はモ
ニタテレビの中心から外れてモニタテレビ上で映
し出される不具合があり、遮光板はイメージエリ
アに正確に位置合わせしなければならない。又、
遮光板の円形孔の中心が対物光学系のプリズムの
中心から外れて配置されると、対物光学系からの
光学像は遮光板によつて一部が遮られ、モニタテ
レビ上には一部像が欠落した観察画像が映し出さ
れることになる。このため、対物光学系、遮光
板、イメージセンサの位置合わせを含むこれらの
部材の組立作業は容易ではない。又、対物光学系
とイメージセンサとは透明接着樹脂により接着さ
れるが、この透明接着樹脂には気泡が生じる場合
があり、この気泡はプリズムからの入射光の乱反
射の原因となる。

〔考案の目的〕

本考案は、このような事情に鑑みてなされたも
ので、内視鏡先端部に配置されるイメージセンサ
と対物光学系のレンズ等とを容易に組立てること
ができると共にイメージセンサに結像に寄与する
光以外の光が入るのを防止し、正確かつ鮮明な映
像が得られるようにした内視鏡を提供することを
目的としている。

〔考案の概要〕

本考案に係る内視鏡は、前記目的を達成する為
に先端部に面板状イメージセンサを設け、対物光
学系で得られた光学像を映像信号として出力する
内視鏡において、前記対物光学系を構成する光学
要素のうちイメージセンサに接着される光学要素
に撮像光路を残して周囲を遮蔽材料で遮蔽し、光
学要素の撮像光路中心とイメージセンサ中心とを
位置合わせして対物光学系とイメージセンサとを
接着して構成したことを特徴とする。

〔実施例〕

以下、添付図面に従つて本考案に係る内視鏡の
好ましい実施例を詳説する。

第１図、第２図は本考案を直視型内視鏡に適用
した一例を、それぞれ先端部の側断面図、概略正
面図として示したものである。第１図に示すよう
に内視鏡挿入部の先端部１０は、先端硬性部１２
と、軟性部１４とから構成される。先端硬性部１
２は、先端金具１６から構成されて湾曲不能であ
る。この先端金具１６は硬性部１２の主体部分を
なす筒状金具１６ａと、その先端に嵌着された円
盤状金具１６ｂとから構成される。軟性部１４は
互いに連結された複数の節輪１８で形成され、操
作ワイヤ１７により上下左右に湾曲自在である。
第２図で示すように内視鏡先端部１０には対物光
学系２０の他に、その両側にライトガイド２２，
２４、上方に鉗子チヤンネル２６、送気送水チヤ
ンネル２８が内視鏡の長手方向（第１図上で左右
方向）に挿通されている。第１図から明らかなよ
うに、対物光学系２０は一般に複数のレンズ構成
をもつているが、本考案ではその後方に直角プリ
ズム３０が設けられ、対物光学系２０の光路を
90°変換し、その光射出面には矩形状で且つ面板
状のイメージセンサ３２が接合されている。イメ
ージセンサ３２は、内視鏡の長手方向の中心軸
（第１図Ｘ−Ｘ線及び第２図−線）を含
む面の近傍に沿つて位置することになり、内視鏡
の外径を有効に利用できる。対物光学系２０を構
成する各光学部品は先端金具１６に直接、あるい
は鏡枠３４等を介して先端金具１６に固定され
る。金具１６ｂにはその他の前記各種チヤンネル
に応じて開口が形成され、例えば鉗子チヤンネル
２６には第１図のように鉗子チユーブ３６が接続
され、鉗子がここに挿通使用されることになる。

第３図は対物光学系２０とイメージセンサ３２
との接合部分を示す分解斜視図である。

イメージセンサ３２はプリズム３０から受光し
た光から撮像するイメージエリア３２ａと、イメ
ージエリア３２ａで受光した像を転送するストレ
ージエリア３２ｂとから構成されている。イメー
ジセンサ３２は基板３８の後部にはリード線４０
を接続するための接続部５１が形成されている。
リード線４０は図示しないコントロールユニツト
の駆動回路からイメージセンサ３２に駆動信号を
送ると共に、イメージセンサ３２からの映像信号
をコントロールユニツトに送る。

第３図に示すようにプリズム３０の接合面に
は、円形孔３０Ａを残してクロムメツキあるいは
遮光塗料で遮光部３０Ｂが形成されている。組立
てに於いて、プリズム３０の円形孔の中心Ｏとイ
メージセンサ３２のイメージエリア３２ａの中心
Ｃとが位置合わせされ、その後プリズム３０はイ
メージセンサ３２に接合される。このため、イメ
ージエリア３２ａの撮像面には対物光学系２０か
らプリズム３０を経て得られる光学像が円形孔３
０Ａから入射する以外は遮光部３０Ｂにより遮光
されその他の光は入光しない。また接合後のプリ
ズム３０の周囲のイメージセンサ３２上には遮光
用の塗料が塗布され、光学像以外の光は入光しな
い。

このようにしてプリズム３０が接合されたイメ
ージセンサ３２の基板３８と先端金具１６との間
には、熱伝導性材料３９が介在されている。この
熱伝導性材料３９は例えばエポキシ樹脂にアルミ
ニウム等の金属粉を混入して構成され、第１図上
で基板３８の上方空間部に充填されている。

以上の如く構成された本考案に係る内視鏡の実
施例によれば、プリズム３０面に撮像光路として
の円形孔３０Ａ以外には遮光部３０Ｂが施され、
円形孔対物光学系２０から得られる光学像のみが
受光されるようにし、それ以外の光、特に隣接し
て配置されるライトガイド２２，２４からの光が
入らない構成となつている。また、プリズム３０
とイメージセンサ３２とを接合して組立てるに
は、プリズム３０の円形孔３０Ａの中心Ｏとイメ
ージエリア３２ａの中心Ｃとの位置合わせをする
だけで容易に組立てができる。これにより観察画
像をモニタテレビに正確な画像を映し出すことの
できる内視鏡が得られる。

前記実施例に於いてクロムメツキをプリズム３
０に施して遮光部３０Ｂを形成したが、これに限
るものではなく遮光可能な材料であればよい。
又、第４図に示すようにプリズム３０の上面の円
形孔３０Ａを段付き形成して高く形成し、遮光性
のコーテイング膜５２を円形孔３０Ａ以外の部分
に形成しても良い。尚、この場合にはコーテイン
グ膜に限らず、肉薄の遮光可能な樹脂板を使用し
ても良い。

第５図は本考案に係る内視鏡の第２実施例を示
した断面図である。第５図に示すようにイメージ
センサ３２は高感度のCCD等を使用して形成さ
れ内視鏡挿入部の中心軸−と直交して配置さ
れており、対物光学系２０を構成するレンズ５４
が直接イメージセンサ３２に接合されている。第
６図に示すようにレンズ５４は円形孔５４Ａを除
いてクロムメツキがリング状に施されている。こ
のように構成されたイメージセンサ３２は第１実
施例と同様に撮像面に撮像系以外の不要な光が入
らず、レンズ５４の中心円５４Ａの中心Ｏとイメ
ージセンサ３２のイメージエリアの中心Ｃを合わ
せれば、レンズ５４とイメージセンサ３２との組
立も容易にできる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案に係る内視鏡によ
れば、対物光学系の光学要素に遮光部材を設けて
撮像光路以外を覆い、対物光学系とイメージセン
サの中心の位置合わせをして対物光学系とイメー
ジセンサとを接着して撮像ユニツトを構成し、こ
の位置合わせ済の撮像ユニツトを内視鏡先端に組
込んだので、内視鏡先端部の組立が容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る内視鏡の実施例を直視型
内視鏡に適用した場合を示す側断面図、第２図は
その概略正面図、第３図は第１図、第２図と要部
を拡大して示す分解斜視図、第４図は対物光学系
のプリズムの他の態様を示した側面図、第５図は
本考案に係る内視鏡の第２実施例を示す側断面
図、第６図は対物光学系レンズの斜視図である。 １０……内視鏡先端部、２０……対物光学系、
３０……プリズム、３０Ａ……円形孔、３０Ｂ…
…遮光部、３２……イメージセンサ、３２ａ……
イメージエリア。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内視鏡先端部に面板状イメージセンサを設け、
   対物光学系で得られた光学像を映像信号として出
   力する内視鏡において、 前記対物光学系を構成する光学要素のうちイメ
   ージセンサに接着される光学要素に撮像光路を残
   して周囲を遮蔽材料で遮蔽し、 光学要素の撮像光路中心とイメージセンサ中心
   とを位置合わせして対物光学系とイメージセンサ
   とを接着して撮像ユニツトを構成し、 この位置合わせ済の撮像ユニツトを内視鏡先端
   部に組込んだことを特徴とする内視鏡。