JPH05200769A - 電子部品の樹脂封止成形方法及び装置 - Google Patents

電子部品の樹脂封止成形方法及び装置

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JPH05200769A
JPH05200769A JP3426892A JP3426892A JPH05200769A JP H05200769 A JPH05200769 A JP H05200769A JP 3426892 A JP3426892 A JP 3426892A JP 3426892 A JP3426892 A JP 3426892A JP H05200769 A JPH05200769 A JP H05200769A
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JP
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resin
air
cull
pot
lower mold
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Application number
JP3426892A
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Inventor
Michio Osada
道男 長田
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TOOWA KK
TOWA KK
Original Assignee
TOOWA KK
TOWA KK
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Publication date
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各ポット4内に供給した樹脂タブレット3を
加熱膨張してその内部に含まれる空気及び水分をカル部
8内に流出させると共に、これを外部へ強制的に吸引排
出して、前記残溜空気等が溶融樹脂材料中に混入し樹脂
封止成形体20の内外部にボイドが形成されるのを防止す
る。 【構成】 上下両型の型締時に、下型ポット4内に供給
した樹脂タブレット3の底面部及び周面部を加熱して、
ポット上方のカル部8側へ加熱膨張させることにより、
樹脂タブレットの熱膨張部分の内部と外部とを通気可能
な状態として、樹脂タブレット内部に閉じ込められてい
た空気及び水分が外部に流出し易い状態とし、更に、カ
ル部8に連通接続させた空気通路11を通して該カル部8
内を真空状態に設定することにより、該カル部8内に流
出した空気・発生ガス・水分と、該カル部8に連通する
上下両型面間の空間部内の残溜空気及び水分を外部へ強
制的に排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、IC、LS
I、ダイオード、コンデンサー等の電子部品を樹脂によ
り封止成形する方法及び装置の改良に係り、特に、電子
部品の樹脂封止成形体(モールドパッケージ)の内外部
にボイド(気泡)が形成されるのを防止するものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、トランスファモールド法によ
って電子部品を樹脂封止成形することが行われている
が、この方法は、例えば、樹脂成形用金型(図1〜2参
照)を用いて、通常、次のようにして行われる。
【0003】即ち、予め、上型(1) 及び下型(2) を加熱
手段(22)にて樹脂成形温度にまで加熱する。次に、電子
部品(19)を装着したリードフレーム(18)を下型(2) の型
面に設けた凹所(21)の所定位置に嵌合セットすると共
に、樹脂タブレット(3) をポット(4) 内に供給する(図
1参照)。次に、下型(2) を上動して上下両型(1・2) を
型締めする。このとき、前記電子部品(19)及びその周辺
のリードフレーム(18)は、該上下両型(1・2) の型面に対
設した上下両キャビティ(9) 内に嵌装セットされること
になる。また、前記ポット(4) 内の樹脂タブレット(3)
は加熱されて順次に溶融化されるので、該樹脂タブレッ
ト(3) をプランジャー(5) にて加圧すると、その溶融樹
脂材料は該ポット(4) と両キャビティ(9) との間に設け
られた樹脂通路(8・10)を通して両キャビティ(9) 内に移
送され且つ注入・充填されることになる。なお、前記し
たキャビティ(9) 内と外部とを溝状のエアベントを介し
て連通させて、溶融樹脂材料を該両キャビティ(9) 内に
注入・充填させるときに、該樹脂注入・充填作用を利用
して、該キャビティ(9) 内部の残溜空気を該エアベント
を通して外部へ自然に押し出すように設けられている。
従って、電子部品(13)及びその周辺のリードフレーム(1
8)は、両キャビティ(9)の形状に対応して成形される樹
脂封止成形体(20)内に封止されることになり、樹脂硬化
後に下型(2) を下動して上下両型(1・2) を型開きすると
共に、これと略同時的に、両キャビティ(9) 内の樹脂封
止成形体(20)とリードフレーム(18)及び樹脂通路(8・10)
内の硬化樹脂(17)を離型機構(16)により夫々離型させれ
ばよい(図2参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上下両型(1
・2) の型締時(図1参照)においては、ポット(4) や両
キャビティ(9) 及び該ポットと両キャビティ間を連通さ
せる樹脂通路(8・10)等から構成される上下両型面間の空
間部内に存在する残溜空気・水分は、前記したように、
エアベントから外部に自然に排出されるように考慮され
ている。しかしながら、該エアベントは両キャビティ
(9) 内に注入された溶融樹脂材料が外部に流出するのを
防止する目的で浅い溝状に形成されていることとも相俟
て、該エアベントを利用した残溜空気・水分の自然排出
手段は、その排出作用が不確実であると云う技術的な問
題がある。更に、この排出作用が不確実である場合は、
両キャビティ(9) 内に空気・水分が残溜することにな
り、従って、これらの残溜空気・水分が該両キャビティ
内に注入された溶融樹脂材料中に混入し、或は、該溶融
樹脂材料に巻き込まれて、成形された電子部品の樹脂封
止成形体の内外にボイド(気泡)が形成されて、製品の
耐湿性・耐久性を損なうと云った重大な問題がある。
【0005】本発明は、上下両型の型締時において、上
下両型面間の空間部内に存在する残溜空気・水分と、樹
脂タブレット中に含まれる空気(該樹脂タブレットから
発生したガスを含む)・水分を外部へ効率良く且つ確実
に排出して、該空気・水分が溶融樹脂材料中に混入し、
或は、該溶融樹脂材料に巻き込まれるのを防止すること
により、樹脂封止成形体の内外にボイドが形成されない
高品質性及び高信頼性を備えた製品を成形することがで
きる電子部品の樹脂封止成形方法及びその装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ための本発明に係る電子部品の樹脂封止成形方法は、複
数のポットを配設した下型と、該各ポットの位置と対応
する位置にカル部を夫々配設した上型とを対向配置する
と共に、該上下両型の型締時に該各カル部を連通接続さ
せる空気通路を構成する工程と、前記各ポット内に樹脂
タブレットを供給する樹脂タブレットの供給工程と、前
記上下両型面に対設したキャビティ部の所定位置に電子
部品を供給セットする電子部品の供給セット工程と、前
記樹脂タブレットの供給工程、及び、前記電子部品の供
給セット工程を経た後に、上下両型面を圧接させる該上
下両型の型締工程と、前記樹脂タブレットの供給工程に
て供給した前記各ポット内の樹脂タブレットを加熱膨張
させて、該樹脂タブレット中に含まれる空気及び水分を
前記カル部内に流出させる樹脂タブレットの加熱膨張工
程と、前記空気通路を通して、各カル部とこれに連通す
る上下両型面間の空間部内に残溜する空気及び水分を外
部へ強制的に排出するバキューム工程と、前記各ポット
内の樹脂タブレットを所定温度にまで加熱して溶融化さ
せる樹脂タブレットの加熱溶融化工程と、前記溶融樹脂
材料を加圧移送して前記上下両型キャビティ内に注入す
ることにより、前記電子部品の供給セット工程にて供給
セットされた該キャビティ内の電子部品を該注入樹脂材
料によって封止成形する電子部品の樹脂封止工程とを備
えていることを特徴とする。
【0007】また、本発明に係る電子部品の樹脂封止成
形方法は、前記した各ポット内の樹脂タブレットに対す
る加熱膨張工程と、該樹脂タブレット中から流出した空
気・水分及び各カル部とこれに連通する上下両型面間の
空間部内に残溜する空気・水分を外部へ強制的に排出す
るバキューム工程とを夫々略同時的に行うことを特徴と
する。
【0008】また、本発明に係る電子部品の樹脂封止成
形方法は、前記した各ポット内の樹脂タブレットに対す
る加熱膨張工程及び加熱溶融化工程と、該樹脂タブレッ
ト中から流出した空気・水分及び各カル部とこれに連通
する上下両型面間の空間部内に残溜する空気・水分を外
部へ強制的に排出するバキューム工程とを夫々略同時的
に行うことを特徴とする。
【0009】また、本発明に係る電子部品の樹脂封止成
形方法は、前記した各ポット内の樹脂タブレットに対す
る加熱膨張工程及び加熱溶融化工程と、該樹脂タブレッ
ト中から流出した空気・水分及び各カル部とこれに連通
する上下両型面間の空間部内に残溜する空気・水分を外
部へ強制的に排出するバキューム工程とを行った後に、
各ポット内の樹脂材料を加圧して上下両型キャビティ内
に移送注入する電子部品の樹脂封止工程を行うことを特
徴とする。
【0010】また、本発明に係る電子部品の樹脂封止成
形方法は、前記した上下両型の型締工程時に、各カル部
とこれに連通する上下両型面間の空間部内に残溜する空
気及び水分を外部へ強制的に排出するバキューム工程を
行うことを特徴とする。
【0011】また、上述した課題を解決するための本発
明に係る電子部品の樹脂封止成形装置は、複数のポット
を配設した下型と、該各ポットの位置と対応する位置に
カル部を夫々配設した上型とを対向配置した樹脂成形用
金型を備える電子部品の樹脂封止成形装置であって、該
上下両型の型締時において、該上下両型面間に該各カル
部を連通接続させる空気通路を配設すると共に、前記ポ
ット部・カル部・キャビティ部及び該カル部とキャビテ
ィ部とを連通させる樹脂通路部等から構成される上下両
型面間の空間部外側方周囲の位置に該空間部内と外気と
を遮断するシール部材を配設し、更に、前記各カル部を
連通接続させる空気通路と真空源に連通させた真空経路
とを連通接続させて構成したことを特徴とする電子部品
の樹脂封止成形装置。
【0012】また、本発明に係る電子部品の樹脂封止成
形装置は、前記した各カル部に連通させた空気通路と真
空源に連通させた真空経路との間に、エアバルブを配設
して構成したことを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明によれば、上下両型の型締時において、
各ポット内の樹脂タブレットを加熱膨張させて該樹脂タ
ブレット中に含まれる空気及び水分をカル部内に流出さ
せることができ、更に、この流出空気及び水分を該カル
部に連通接続させた空気通路を通して外部へ効率良く且
つ強制的に排出することができる。なお、ここに流出空
気及び水分とは、樹脂タブレット中に含まれている空気
・水分のみならず、例えば、該樹脂タブレットの予備加
熱時等において発生するガス等の流出気体をも含む概念
である。
【0014】また、上下両型の型締時において、下型ポ
ット内に供給した樹脂タブレットはその底面部及び周面
部が加熱されるので、ポットの上部が開放された状態に
あることとも相俟て、その上面部側からポット内の上方
へ、即ち、カル部側へ加熱膨張されることになる。ま
た、樹脂タブレットの前記熱膨張部分は、その内部と外
部とが通気可能な状態となり、従って、樹脂タブレット
内部に閉じ込められていた空気及び水分は外部に流出し
易い状態となる。そこで、カル部に連通接続させた空気
通路を通して該カル部内を真空状態に設定することによ
り、該カル部内に流出した樹脂タブレットからの前記流
出空気及び水分と、該カル部とこれに連通する上下両型
面間の空間部内に残溜する空気及び水分とを外部へ効率
良く且つ強制的に排出することができる。
【0015】
【実施例】図はマルチプランジャタイプの構成を採用し
た電子部品の樹脂封止成形装置を概略的に示しており、
図1はその上型1と下型2との型締状態を、図2は該上
下両型(1・2) の型開状態を、図3は該下型2の型面を、
図4は該上型1の型面を、図5は図1のA−A線におけ
る縦断面を夫々示している。
【0016】また、前記下型2側には、樹脂タブレット
3を供給するためのポット4が所要複数個配設されると
共に、該各ポット内には樹脂タブレット3を加圧するた
めのプランジャ5が常時嵌合状態に嵌装されている。従
って、樹脂タブレット3を供給するための実際のポット
部分は、上記ポット4の上端部分とこれに嵌装したプラ
ンジャの上端部5aとによって構成される上部の空間部
分である(図1参照)。また、上記プランジャ5は油圧
或は空圧若しくは電動モータ等の適宜な駆動機構(図示
なし)により上下動するように設けられている。
【0017】また、前記プランジャ5の中間部にはポッ
ト4の下部に密に嵌合させるための摺動部5bが設けら
れており、更に、前記プランジャの上端部5aと摺動部
5bとの間には小径部5cが設けられている。また、上
記プランジャの小径部5cが上下動する範囲内における
ポット4の内部と、真空ポンプ等の真空源6とは、吸気
孔や吸気パイプ等の真空経路7を介して連通接続されて
いる。従って、該真空源6を作動させると、該真空経路
7を通してポット4内の空気及び水分を強制的に外部へ
吸引除去することができるように設けられている。
【0018】また、上記各ポット4の位置と対応する上
型1の型面には、溶融樹脂分配用のカル部8が設けられ
ており、また、上下両型面には樹脂成形用のキャビティ
9が対設されており、更に、該キャビティ9とカル部8
とは所要長さのゲート10を介して連通されている。従っ
て、後述するように、該各ポット4部において加熱され
る樹脂タブレット3を前記プランジャ5にて加圧する
と、該樹脂タブレット3は加熱溶融化されると共に、そ
の溶融樹脂材料は前記カル部8及びゲート10から成る溶
融樹脂の移送用通路部(図1参照)を通して上下両キャ
ビティ9内に夫々加圧注入されるように設けられてい
る。
【0019】また、前記した各カル部8間は、図3〜4
に示すように、上型1の型面に形成した適宜な凹溝状の
空気通路11によって相互に連通接続されている。また、
一端および/または両端位置のカル部8に連通された空
気通路11a(図4参照)と、真空ポンプ等の真空源12と
は、吸気孔や吸気パイプ等の真空経路13を介して連通接
続されている。更に、該空気通路11a若しくは該真空経
路13中には、該通路若しくは経路を開閉させる適宜なエ
アバルブ14が配設されている。従って、該エアバルブ14
を開いて該真空源12を作動させると、該真空経路13及び
空気通路11を通して該各カル部8内の空気及び水分を強
制的に外部へ吸引除去することができるように設けられ
ている。
【0020】また、上下両型(1・2) の型締時において
は、図1に示すように、前記ポット4部・カル部8・上
下両キャビティ9部、及び、該カル部8と両キャビティ
9部とを連通させる樹脂通路部(溶融樹脂の移送用通路
部)等から成る上下両型面間の空間部が構成されること
になる。該上下両型面間の空間部は、少なくとも、樹脂
封止成形時においては真空状態に設定すべき範囲である
ので、例えば、該空間部の外側方周囲となる下型2の型
面位置に、該空間部内と外気とを遮断する適宜なシール
部材Sを配設し、上下両型(1・2) の型締時において、該
シール部材Sを該上下両型面間に圧接介在させることに
より、該空間部の外気遮断効果を高めることができる。
【0021】なお、上下両型(1・2) の型締時において、
前記した下型2型面のシール部材Sを上型1型面に圧接
させるようにしてもよいが、例えば、図4に示すよう
に、上型1の型面に該シール部材Sと嵌合する溝部15を
形成してもよい。また、図例に示すように、気密性が要
求される他の接合面や摺動面間等の部位においても、前
記したシール部材と同様のシール部材Sを介在配設して
もよい。
【0022】図中の符号16は、上下両型(1・2) の各カル
部8及び上下両キャビティ9部の各位置に設けられたエ
ジェクターピンであって、図1に示す型締時において
は、該カル部8及びキャビティ9の底面と略同じ位置に
まで後退し、且つ、図2に示す型開時においては、該両
型面の方向へ前進して樹脂通路(カル部8とゲート10)
部内において硬化した樹脂17及びキャビティ9内で成形
されたリードフレーム18上の電子部品19を樹脂封止した
樹脂封止成形体20を離型させることができるように設け
られている。また、同符号21は下型2の型面に設けたリ
ードフレーム嵌合セット用の凹所、同符号22は上下両型
(1・2) に配設した加熱手段を夫々示している。
【0023】以下、前記した樹脂封止成形装置を用いて
リードフレーム18に装着した電子部品19を樹脂封止成形
する方法について説明する。
【0024】まず、上下両型(1・2) を型開きして(第2
図参照)、その下型2型面の凹所21に電子部品19を装着
した半導体リードフレーム18を嵌合セットすると共に、
下型ポット4内に、予め予備加熱した或は予備加熱して
いない樹脂タブレット3を供給する。
【0025】次に、該上下両型(1・2) を型締めすると共
に(第1図参照)、エアバルブ14を開いて真空源12を作
動させると(第4図参照)、真空経路13及び空気通路11
を通して各カル部8内の空気及び水分は強制的に外部へ
吸引除去されるので、該カル部8や各空気通路11及び真
空経路13内の全空間部を真空状態に設定することができ
る。このとき、下型ポット4内の樹脂タブレット3は該
上下両型(1・2) の加熱手段22により加熱されることにな
る。
【0026】また、前記上下両型(1・2) の型締時におい
て、下型ポット4内に供給した樹脂タブレットはその底
面部及び周面部が加熱されるので、ポット4の上部が開
放された状態にあることとも相俟て、図5に示すよう
に、その上面部側からポット4内の上方へ、即ち、カル
部8側へ加熱膨張されることになる。また、樹脂タブレ
ット3の熱膨張部分は、その内部と外部とが通気可能な
状態となり、樹脂タブレット内部に閉じ込められていた
空気及び水分は外部に流出し易い状態となる。なお、こ
のとき、該樹脂タブレットの外部に流出した流出空気及
び水分には、該樹脂タブレット中に含まれる空気及び水
分だけではなく、該樹脂タブレットの予備加熱時等にお
いて発生するガス等の流出気体も含まれている。従っ
て、前記した状態で、該カル部8や空気通路11及び真空
経路13内を真空状態に設定すると、上下両型の型締時に
おいて存在したカル部8内の残溜空気及び水分のみなら
ず、該ポット4とカル部8内に流出した樹脂タブレット
からの流出空気(ガス等の流出気体も含む)及び水分
と、該カル部8に連通する前記した上下両型面間の空間
部内の残溜空気及び水分をも外部へ同時に効率良く且つ
強制的に排出することができる。
【0027】なお、下型ポット4内に供給される樹脂タ
ブレット3は比較的に小形状のものが用いられているの
で、所要時間(例えば、約10秒間)の加熱作用により、
前記した樹脂タブレットの加熱膨張作用に続いて、その
略完全な加熱溶融化作用を行なうことができる。そこ
で、ポット4内の樹脂タブレット3をプランジャ5にて
加圧すると、その溶融樹脂材料は前記樹脂通路(カル部
8とゲート10)部を通して上下両キャビティ9内に移送
され且つ注入される。従って、該上下両キャビティ9内
にセットしたリードフレーム上の電子部品19は注入充填
された樹脂材料によって封止成形されることになる。
【0028】次に、所要のキュアタイム後に該上下両型
(1・2) を再び型開きすると共に、上下のエジェクターピ
ン16を前進させて上下両キャビティ9内及び樹脂通路(8
・10)部内の樹脂封止成形体20及び硬化樹脂17を夫々同時
に離型させればよい。
【0029】前記したように、この実施例においては、
上下両型(1・2) の型締時において、上下両型面間の空間
部内に存在する残溜空気・水分のみならず、樹脂タブレ
ットからの流出空気(ガス等の流出気体も含む)及び水
分をも外部へ効率良く且つ確実に排出することができ、
従って、この空気・水分が溶融樹脂材料中に混入した
り、或は、該溶融樹脂材料に巻き込まれるのを防止する
ことができるので、樹脂封止成形体20の内外にボイドが
形成されない高品質性及び高信頼性を備えた電子部品の
樹脂封止成形品を得ることができるものである。
【0030】また、このように、各ポット4の位置と対
応する位置にカル部8を夫々配設すると共に、該各カル
部8に空気通路11を連通して該空気通路から各カル部と
これに連通する上下両型面間の空間部内に残溜する空気
及び水分を外部へ強制的に排出するようにしたので、該
上下両型(1・2) を、図1に示すような完全型締状態とし
ても、該各カル部及びこれに連通する上下両型面間の空
間部内の残溜空気及び水分を外部へ効率良く且つ強制的
に排出することができる。従って、例えば、上下両型(1
・2) の中間型締と、これに続く完全型締時においてバキ
ューム工程を連続して行うものと較べて、少なくとも、
該中間型締時におけるバキューム工程を省略することが
できるため、全体的な樹脂成形時間を短縮することがで
きる利点がある。
【0031】本発明は、上述した実施例のものに限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内
で、必要に応じて、任意に且つ適宜に変更・選択して採
用できるものである。
【0032】例えば、前記した空気通路11は、上型1の
型面に形成した適宜な凹溝によって各カル部8間を相互
に連通接続させる場合を例示しているが(図3〜4参
照)、該空気通路は、下型2の型面に形成した適宜な凹
溝によって各カル部間を相互に連通接続させる構成であ
っても差し支えなく、従って、このように、空気通路を
上下両型のいずれの型面に配設するかは、必要に応じ
て、任意に且つ適宜に変更・選択して採用できるもので
ある。
【0033】また、上型面の各空気通路11及び真空経路
13を通して、各カル部8内の前記空気及び水分と、該各
カル部8内と連通する上下両型面間の空間部内に残溜す
る空気及び水分を外部へ強制的に排出するバキューム工
程を行うと同時に、前記した真空源6を作動させてポッ
ト4内の空気及び水分を真空経路7を通して外部へ強制
的に吸引除去するバキューム工程を行うようにしてもよ
い。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、上下両型の型締時にお
いて、各ポット内の樹脂タブレットを加熱膨張させて該
樹脂タブレット中に含まれる空気及び水分をカル部内に
流出させることができ、更に、この流出空気(該樹脂タ
ブレットから発生したガスを含む)及び水分を該カル部
に連通接続させた空気通路を通して外部へ効率良く且つ
強制的に排出することができるので、樹脂封止成形体の
内部や表面部に前記空気及び水分に起因したボイドや欠
損部が形成されるのを効率良く且つ確実に防止すること
ができる電子部品の樹脂封止成形方法及び装置を提供で
きる効果を奏するものである。
【0035】また、本発明によれば、真空状態下におい
て電子部品の樹脂封止成形を行うことができるので、電
子部品及びこれを装着したリードフレームとその封止用
樹脂との完全密着化を図ることができる。即ち、該電子
部品及びこれを装着したリードフレームと封止用樹脂と
の間に空気等が存在しないので両者の密着性が著しく向
上されるため、例えば、樹脂封止成形体の吸湿時やはん
だ浸漬時における両者間の剥離とそのクラック発生等の
弊害を効率良く防止することができ、従って、高品質性
及び高信頼性を備えたこの種製品を成形することができ
ると云った優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】マルチプランジャタイプの構成を採用した電子
部品の樹脂封止成形装置における金型要部の一部切欠縦
断面図で、その完全型締状態を示している。
【図2】図1に対応する金型要部の一部切欠縦断面図
で、その型開状態を示している。
【図3】図1に対応する金型の下型面を示す一部切欠平
面図である。
【図4】図1に対応する金型の上型面を示す一部切欠底
面図である。
【図5】図1のA−A線における一部切欠縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 上 型 2 下 型 3 樹脂タブレット 4 ポット 5 プランジャ 5a 上端部 5b 摺動部 5c 小径部 6 真空源 7 真空経路 8 カル部 9 キャビティ 10 ゲート 11 空気通路 11a 空気通路 12 真空源 13 真空経路 14 エアバルブ 15 溝 部 16 エジェクターピン 17 硬化樹脂 18 リードフレーム 19 電子部品 20 樹脂封止成形体 21 凹 所 22 加熱手段 S シール部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29L 31:34 4F

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のポットを配設した下型と、該各ポ
    ットの位置と対応する位置にカル部を夫々配設した上型
    とを対向配置すると共に、該上下両型の型締時に該各カ
    ル部を連通接続させる空気通路を構成する工程と、 前記各ポット内に樹脂タブレットを供給する樹脂タブレ
    ットの供給工程と、 前記上下両型面に対設したキャビティ部の所定位置に電
    子部品を供給セットする電子部品の供給セット工程と、 前記樹脂タブレットの供給工程、及び、前記電子部品の
    供給セット工程を経た後に、上下両型面を圧接させる該
    上下両型の型締工程と、 前記樹脂タブレットの供給工程にて供給した前記各ポッ
    ト内の樹脂タブレットを加熱膨張させて、該樹脂タブレ
    ット中に含まれる空気及び水分を前記カル部内に流出さ
    せる樹脂タブレットの加熱膨張工程と、 前記空気通路を通して、各カル部とこれに連通する上下
    両型面間の空間部内に残溜する空気及び水分を外部へ強
    制的に排出するバキューム工程と、 前記各ポット内の樹脂タブレットを所定温度にまで加熱
    して溶融化させる樹脂タブレットの加熱溶融化工程と、 前記溶融樹脂材料を加圧移送して前記上下両型キャビテ
    ィ内に注入することにより、前記電子部品の供給セット
    工程にて供給セットされた該キャビティ内の電子部品を
    該注入樹脂材料によって封止成形する電子部品の樹脂封
    止工程、とを備えていることを特徴とする電子部品の樹
    脂封止成形方法。
  2. 【請求項2】 各ポット内の樹脂タブレットに対する加
    熱膨張工程と、該樹脂タブレット中から流出した空気・
    水分及び各カル部とこれに連通する上下両型面間の空間
    部内に残溜する空気・水分を外部へ強制的に排出するバ
    キューム工程とを夫々略同時的に行うことを特徴とする
    請求項1に記載の電子部品の樹脂封止成形方法。
  3. 【請求項3】 各ポット内の樹脂タブレットに対する加
    熱膨張工程及び加熱溶融化工程と、該樹脂タブレット中
    から流出した空気・水分及び各カル部とこれに連通する
    上下両型面間の空間部内に残溜する空気・水分を外部へ
    強制的に排出するバキューム工程とを夫々略同時的に行
    うことを特徴とする請求項1に記載の電子部品の樹脂封
    止成形方法。
  4. 【請求項4】 各ポット内の樹脂タブレットに対する加
    熱膨張工程及び加熱溶融化工程と、該樹脂タブレット中
    から流出した空気・水分及び各カル部とこれに連通する
    上下両型面間の空間部内に残溜する空気・水分を外部へ
    強制的に排出するバキューム工程とを行った後に、各ポ
    ット内の樹脂材料を加圧して上下両型キャビティ内に移
    送注入する電子部品の樹脂封止工程を行うことを特徴と
    する請求項1に記載の電子部品の樹脂封止成形方法。
  5. 【請求項5】 上下両型の型締工程時に、各カル部とこ
    れに連通する上下両型面間の空間部内に残溜する空気及
    び水分を外部へ強制的に排出するバキューム工程を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子部品の樹脂封止
    成形方法。
  6. 【請求項6】 複数のポットを配設した下型と、該各ポ
    ットの位置と対応する位置にカル部を夫々配設した上型
    とを対向配置した樹脂成形用金型を備える電子部品の樹
    脂封止成形装置であって、該上下両型の型締時におい
    て、該上下両型面間に該各カル部を連通接続させる空気
    通路を配設すると共に、前記ポット部・カル部・キャビ
    ティ部及び該カル部とキャビティ部とを連通させる樹脂
    通路部等から構成される上下両型面間の空間部外側方周
    囲の位置に該空間部内と外気とを遮断するシール部材を
    配設し、更に、前記各カル部を連通接続させる空気通路
    と真空源に連通させた真空経路とを連通接続させて構成
    したことを特徴とする電子部品の樹脂封止成形装置。
  7. 【請求項7】 各カル部に連通させた空気通路と真空源
    に連通させた真空経路との間に、エアバルブを配設して
    構成したことを特徴とする請求項6に記載の電子部品の
    樹脂封止成形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104626536A (zh) * 2015-02-27 2015-05-20 吉林钰翎珑钢管钢构制造有限公司 用于金属管内衬塑料制造复合管的热熔夹具

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