JPH05194531A - チアゾール中間体のシン異性体を用いたセファロスポリン抗生物質の製造法 - Google Patents

チアゾール中間体のシン異性体を用いたセファロスポリン抗生物質の製造法

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JPH05194531A JP4282134A JP28213492A JPH05194531A JP H05194531 A JPH05194531 A JP H05194531A JP 4282134 A JP4282134 A JP 4282134A JP 28213492 A JP28213492 A JP 28213492A JP H05194531 A JPH05194531 A JP H05194531A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アンチ異性体やΔ異性体を実質的に含まな
い7−〔2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
−(Z)−メトキシイミノアセタミド〕−3−〔(1−
メチル−1−ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−
4−カルボキシレートとしても知られる抗生物質セフェ
ピム(cefepime)の二塩酸塩水和物を製造する
ための、追加の反応工程を必要とせず、保護基を除去す
る工程、立体化学的に制御する工程、クロマトグラフィ
ー処理段階などのない簡便で廉価な直接的化学的アシル
化法を提供する。 【構成】 7−アミノ−3−〔(1−メチル−1−ピロ
リジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4−カルボキシレ
ートをアンチ異性体を実質的に含まない、安定で結晶性
の2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メト
キシイミノアセチルクロリド塩酸塩のシン異性体でもっ
てN−アシル化し、アンチ異性体やΔ異性体を実質的
に含まない、温度安定性で結晶性のセフェピム二塩酸塩
水和物が製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、7−〔2−(2−アミ
ノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−メトキシイミ
ノアセタミド〕−3−〔(1−メチル−1−ピロリジニ
オ)メチル〕セフ−3−エム−4−カルボキシレートと
しても知られる抗生物質セフェピム(cefepim
e)の二塩酸塩水和物を製造するための化学的アシル化
法、特に水性中のアシル化法を提供する。本発明はさら
に、広い抗菌スペクトルをもつ有用な抗細菌剤の製造に
利用できるチアゾール中間体のシン異性体の安定な結晶
性の塩と、その製造法を提供する。
【0002】
【従来の技術】よく知られたアシル化法によりセファロ
スポラン酸の7位のアミノ基に2−(2−アミノチアゾ
ール−4−イル)−(Z)−2−メトキシイミノ酢酸側
鎖を結合させたセファロスポリン系抗生物質が多数知ら
れている。ほとんどの例では、アシル化の工程中で、ア
ミノ部分を保護して側鎖のカルボキシル酸を活性化する
段階が必要である。したがってこのアシル化技術とし
て、チアゾール環の2位のアミノ基を保護するためのア
ミノ保護基と、カルボキシル酸を活性化するための活性
化基が、多数開示されている。所望の抗生物質を製造す
るための新規な保護基および新規な活性化基の探索研究
は、コスト面やある種の活性化基に付随して生じる毒性
の面で、現在でも多数の出版物における主題となってい
る。それゆえ、現在でも、広い抗菌スペクトルをもつ有
用な抗生物質を製造するための、セファロスポリン環の
7位のアミノ基に容易に結合させることができる、所望
の(Z)幾何異性体をもつ、単純な、安定で、結晶性
の、廉価で、無毒の側鎖が必要とされている。既報のチ
アゾール側鎖の例を以下に記載する。
【0003】1980年5月20日に公表されたオチア
イ(Ochiai)らの米国特許4,203,899で
は、以下の式に示す化合物を開示している、
【化1】 (ここで、Rはアミノ基、保護アミノ基、水酸基、保
護水酸基;Rは水酸基あるいは保護水酸基;Wは水酸
基、炭素数1から4のアルコキシ基、ハロゲン、OM
(Mはアルカリ金属)を表している)。
【0004】1985年3月6日に公表された英国特許
出願GB−2,144,424では、一連のピリジニウ
ムセファロスポリン誘導体のさまざまな製造法を開示し
ており、その中で以下の式に示す化合物やその塩あるい
はこの化合物の活性化誘導体を用いる、
【化2】 (ここでRは水素原子あるいはハロゲン原子;R
水素原子あるいは炭素数1から6のアルキルラジカル;
は水素あるいはアミノ保護基を表している。)。
【0005】1985年11月6日に公表された欧州特
許出願EP−160,546でも、一連のセファロスポ
リン化合物のさまざまな製造法を開示しており、その中
で以下の式に示す置換オキシイミノチアゾリル酢酸化合
物あるいはその反応誘導体を用いている
【化3】 (ここでRは水素原子あるいはアミノ基の保護基を表
している。)。ここで使用される反応誘導体の適当な例
として開示されているものに、混合酸無水物類、酸無水
物類、酸ハロゲン化物類、活性エステル類類、活性アミ
ド類、酸アジド類がある。
【0006】1983年5月24日に公表されたファル
ゲ(Farge)らの米国特許4,385,181で
は、以下の式に示すチオロエステル類、
【化4】 (ここでRは水素あるいは保護ラジカル;Rは水
素、アルキル基、ビニル基、シアノメチル基、保護ラジ
カル;Rはアルキル基、L−2−アミノ−2−カルボキ
シエチル基、フェニル基、あるいは4〜8欄のリストに
記載された多数の複素環ラジカル類を表している。)、
それらのシン−、アンチ−異性体類、それらの混合物類
を開示している。
【0007】上記で引用した参考文献に加えて、7−ア
ミノセファロスポリン化合物のアシル化に使用する、2
位のアミノ置換基のさまざまな保護基や、カルボキシル
酸部分のさまざまな活性化基/脱離基を開示した参考文
献が多数ある。
【0008】しかしながら、最も重要な文献は1987
年3月16日に公表されたチェコスロバキア特許23
8,950〔ケミカルアブストラクト(Chemica
l Abstracts)、110巻、544ページ
(1989年)〕であり、ここでは以下の式に示す簡便
な化合物を開示しており、
【化5】 この化合物はシン配置であると根拠無く主張されてい
る。この特許の生成物に関する証拠は、塩素含有率が理
論値に対して99%から100.5%であることだけで
ある。
【0009】抗生物質の生産のための新規な合成法を開
発する仕事に関連し、本発明者達あるいは当業者のその
他の発明者達は、抗生物質の製造に使用するためには単
純なもので、簡便に利用でき、廉価で、結晶性で、安定
であり、無毒性の出発材料が必要であると感じていた。
保護基を使用せずに、2−(2−アミノチアゾール−4
−イル)−2−メトキシイミノ酢酸の酸塩化物を製造し
使用しようとする初期の試みは成功しなかった。しか
し、本発明者達は、特別に設定した反応条件下で本発明
の化合物を製造できることをここで発見した。本発明者
達は、さらなる追試を行い、上記で引用したチェコスロ
バキア特許の指示通りではその生成物を再現できなかっ
た。所望の抗生物質を製造するためには必要であるその
酸の塩化物塩酸塩の所望シン異性体を製造することはで
きなかったのである。さらなる追加実験を行うことによ
り、その文献に指示された方法では、本明細書に記載し
たようなプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NM
R)をもつ、アンチ異性体を実質的に含まない該酸の塩
化物塩酸塩の所望のシン異性体を製造できないことがわ
かった。
【0010】広い抗菌スペクトルをもつ抗生物質セフェ
ピム(cefepime)は、1983年9月27日に
公表されたアブラキ(Aburaki)らによる米国特
許4,406,899で開示され、その製造法がふたつ
の反応スキームにより記載されており、反応物と生成物
にブロッキング基とデブロッキング基を使用することが
必要とされている。反応スキームの中で、ΔとΔ
異性体混合物を分離するため、生成物をクロマトグラフ
ィーにより精製する段階が必要であり、それゆえ、セフ
ェピム(cefepime)生成物は両性イオンの形で
製造されることが実際に例証されてる。しかし、両性イ
オンの形のセフェピム(cefepime)は、室温の
もとあるいは高温下で不安定である。
【0011】1990年3月20日に公表された米国特
許4,910,301において、マレイ A.カプラン
(Murray A.Kaplan)らは、アブラキ
(Aburaki)らが米国特許4,406,899に
記載した両性イオン形のセフェピム(cefepim
e)に比べ、室温で非常に安定で高温でもかなり優れた
安定性を示す、乾燥粉体の形態の温度安定性の結晶性塩
のセフェピム(cefepime)を開示している。
【0012】1989年9月19日に公表された米国特
許4,868,294において、ブランディジェ(Br
undidge)らは、Δ異性体を実質的に含まない
7−アミノ−3−〔(1−メチル−1−ピロリジニオ)
メチル〕セフ−3−エム−4−カルボキシレート塩類の
製造法と、それらを水性中のアシル化反応に使用して、
硫酸塩として抗生物質セフェピム(cefepime)
を製造する方法を記載している。
【0013】1988年6月28日に公表された米国特
許4,754,031において、アンガーバウアー(A
ngerbauer)らは、両性イオンの形のセフェピ
ム(cefepime)を含め、さまざななセファロス
ポリン系抗生物質の製造法を記載している。しかし、こ
こに記載された方法は保護基を使用せず、水性中のアシ
ル化反応における活性化のために無水物を使用している
ため、精製の段階でクロマトグラフィーを必要とし、両
性イオンの形のセフェピム(cefepime)が得ら
れる。
【0014】1990年6月24日に公表された米国特
許4,943,631において、ブレイン E.ルッカ
ー(Brain E.Looker)は抗生物質セフェ
ピム(cefepime)をヨウ化水素酸塩として製造
する改良法を記載している。この方法は、セファロスポ
リンスルフォキシド中間体を使用することにより、望ま
しくないΔ異性体の生成を制御している。しかしなが
らこの特許に記載された方法は、それ以前の方法に比べ
て反応段階がふたつ増えており、また、ブロッキング処
理とデブロッキング処理を必要とする保護基を使用し続
けているため、コストが高く、効率的ではない。さら
に、この方法は精製法にカラムクロマトグラフィーの使
用が必要なため、工業スケールでは実用的でない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】文献に記載されたセフ
ェピム(cefepime)の結晶性硫酸塩や両性イオ
ンの製造は、本質的に同じ水性中のアシル化法を使用し
ており、さまざまなブロッキング基およびデブロッキン
グ基と活性エステルを使用している。すべての例におい
て、両性イオンのセフェピム(cefepime)の精
製を経て、所望の結晶性セフェピム(cefepim
e)二塩酸塩水和物を製造している。これゆえ、追加の
反応工程を必要とせず、保護基を除去する工程、立体化
学的に制御する工程、クロマトグラフィー処理段階など
のない簡便で廉価な直接的アシル化法の開発が必要とさ
れる。さらに重要なこととして、アンチ異性体やΔ
性体を実質的に含まない所望の抗生物質セフェピム(c
efepime)二塩酸塩水和物を得ることのできるア
シル化法の開発が必要とされる。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、アンチ異性体
やΔ異性体を実質的に含まない抗生物質セフェピム
(cefepime)の二塩酸塩水和物を製造するため
の化学的アシル化法、特に水性中のアシル化法を提供す
る。本発明はさらに、広い抗菌スペクトルをもつ抗生物
質セフェピムの製造に利用できるアンチ異性体を実質的
に含まない安定な結晶性の2−(2−アミノチアゾール
−4−イル)−2−メトキシイミノアセチルクロリド塩
酸塩のシン異性体を提供する。以下、本発明をさらに詳
しく説明する。本発明は、7−アミノ−3−〔(1−メ
チル−1−ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4
−カルボキシレートをアンチ異性体を実質的に含まない
2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキ
シイミノアセチルクロリド塩酸塩のシン異性体でもって
N−アシル化し、以下の式V(ここでZは1あるいは
2)に示す、アンチ異性体やΔ異性体を実質的に含ま
ない、温度安定性で結晶性のセフェピム(cefepi
me)二塩酸塩水和物を製造するための水性中のアシル
化法を提供するものである。
【化6】
【0017】本発明の水性中のアシル化法の利点は、す
べての利点を組み合わせて全体として考えれば、当業者
らに明白に理解されるであろう。アミノ保護基やカルボ
キシ保護基の脱離やブロッキングとデブロッキングに必
要なさらなる化学反応段階における対応する脱離におい
て、既報の方法に比べて工程全体の効率と材料のコスト
の面で明らかに有利である。さらに本方法は、望ましく
ないセファロスポリン副産物をクロマトグラフィーで分
離しなくても、米国特許4,043,631に記載され
ているような立体化学制御のためのスルフォキシド中間
体を使用しなくても、メトキシイミノ異性体やセファロ
スポリン環のΔ3二重結合における立体化学配置を制御
することができる。本発明のその他の利点は、式III
に示す2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
メトキシイミノアセチルクロリドのシン異性体の保護し
ていない結晶性塩酸塩を製造し使用するため、文献に記
載されているような特別なそして時として複雑な有機脱
離基を使用しなくても済む点である。単純な塩化物イオ
ンを脱離基として使用すると、2−メルカプトベンゾチ
アゾールといった潜在的に毒性のある脱離基の使用を避
けることができる。この水性中のアシル化反応の望まし
い具体例中のさらなる利点は、セフェピム(cefep
ime)の硫酸塩や両性イオンを製造し単離することな
く、アシル化反応の反応混合液から直接、所望の温度安
定性結晶性セフェピム(cefepime)二塩酸塩水
和物を製造できることである。本水性中のアシル化法の
望ましい具体例の主な利点は、シリル化剤や可溶性シリ
ル化誘導体を使用しなくても、所望の抗生物質を製造で
きることである。本方法は、保護基、立体化学を制御す
る基、可溶化するためのシリル化基、クロマトグラフィ
ーを使用せずに効率的に行われ、アンチ異性体やΔ
性体を実質的に含まない水溶性結晶性セフェピム(ce
fepime)二塩酸塩水和物を直接水−有機反応混合
液から高収率で製造することができる。
【0018】また本発明は、以下の式IIIで示される
アンチ異性体を実質的に含まない安定で結晶性の2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイ
ミノアセチルクロリド塩酸塩のシン異性体を提供するも
のである。
【化7】
【0019】化合物IIIはアンチ異性体を実質的に含
まないため、クロマトグラフィーによるシン/アンチ異
性体の分離をしなくても、アンチ異性体を実質的に含ま
ない広い抗菌スペクトルをもつセファロスポリンに変換
することができる。化合物IIIは安定性が向上してい
るため、単離したり保存したりすることができ、必要な
らば、Δ異性体を実質的に含まない所望の抗生物質の
製造に有利な別の溶媒中で、化合物IIIを最終生成物
に変換することもできる。式IIIに示す中間体のさら
なる利点に、アシル化の前にアミノ基をブロッキング
(保護)したり、アシル化の後にアミノ基をデブロッキ
ング(脱保護)する必要がないため、反応が効率的にな
る点がある。式IIIに示す酸塩化物は、さらに、広い
抗菌スペクトルをもつセファロスポリンを製造するため
のアシル化反応に使用できる利点もある。アブラキ(A
buraki)らによる米国特許4,406,899に
記載されているような他の方法に比べ、式IIIに示す
中間体は単純で無毒性の脱離基として塩化物イオンをも
っているため、所望の抗生物質から除去するときに、文
献で知られている他のほとんどの脱離基の例ような用心
深さは必要ない。さらに、文献で知られている他の脱離
基をもつ中間体のいくらかは製造するのが難しく、2−
メルカプトベンゾチアゾールのような脱離基をもつ他の
中間体は毒性が見い出されている〔ケミカル アブスト
ラクト(Chem.Abstracts)、1989
年、111巻(3号)、19243ページ〕。
【化8】
【0020】式IIIに示す酸塩化物塩酸塩のシン異性
体は、反応スキーム1の式Iに示す酸のシン異性体から
製造することができる。まず、式Iに示す酸を、当業者
に公知の方法により式IIに示す対応する塩酸塩に変換
し、その後、もし必要ならば、式IIに示す無水の結晶
性化合物を単離する。塩酸塩の生成は、約−10℃から
約50℃の温度下でトルエン、アセトニトリル、ジクロ
ロメタン、アセトン、ベンゼン、キシレン、シクロヘキ
サン、ヘキサン類、ジオキサン、ジエチルエーテルとい
った不活性有機溶媒中、少なくとも1モル等量の塩化水
素ガスを用いて、効率的に行われる。望ましくは、反応
はトルエン、ジクロロメタン、アセトニトリル中で行
い、それにより生成した式IIに示す塩酸塩を単離する
か、insituで使用する。この反応をアセトニトリ
ル中で行うと、生成した式11に示す塩酸塩は溶媒との
緩い結合を保つ傾向がある。つまり、アセトニトリルか
ら得られた式IIに示す酸塩酸塩を次の段階の適当な時
期に使用すると、空気中の水分による溶媒置換を防ぐこ
とができ、有利である。この反応は、トルエンあるいは
ジクロロメタン中、約0℃から室温で行うのが最も望ま
しい。
【0021】その後、塩素化剤、最も望ましくはオキサ
リルクロリドをジメチルホルムアミドと組み合わせて用
いて、式IIに示す酸塩を効率的に処理し、安定で結晶
性の化合物IIIのシン異性体を製造する。本明細に記
載したように、他の既知の塩素化剤を使用すると異性化
反応がおこり、所望しないアンチ異性体やシン/アンチ
異性体の混合物が生成することがある。さらに、五塩化
リンのような塩素化剤を用いると、チアゾール環の5位
で塩素化がおこるため、抗生物質に望ましくない不純物
が混じる。本発明者達は、式IIに示す酸塩酸塩の製造
を発見したことに加え、アンチ異性体を実質的に含まな
い化合物IIIのシン異性体の製造法において適当な塩
素化剤の選択や溶媒や温度といった反応条件の選択が決
定的であることを発見した。
【0022】酸類を活性化するために一般的に用いられ
る塩素化の方法は、当業者によく知られている。最も広
く用いられている塩素化剤である五塩化リンは、やはり
メトキシイミノ基の異性化をおこして化合物IIIの所
望でないアンチ異性体が生成するため、化合物IIの塩
素化に用いるのに適当ではない。このことは、本明細の
実施例12、13、14、16に明確に記載してある。
そのほかに、オキサリルクロリドをジメチルホルアミド
と組み合わせて使用する塩素化法が知られている。しか
しながら、ジメチルホルムアミドを触媒とするオキサリ
ルクロリド法を用いると、化合物IIIの所望のシン異
性体を大量に得ることはできないことを、本発明者達は
発見した。このことも、本明細の実施例15に明確に記
載してある。さらなる研究の結果、本発明者達は、ジメ
チルホルムアミドをオキサリルクロリドに対して等モル
より少ない量で使用すると、式IIIに示す酸クロリド
塩酸塩の所望のシン異性体の製造が妨げられることを発
見した。ジメチルホルムアミドのモル量が、オキサリル
クロリドのモル量を越えることが最も望ましい。発明者
達は、さらに、ジメチルホルムアミドの使用モル量を過
剰にすると、反応が阻害され、所望の生成物の安定性が
妨げられることを発見した。これゆえ、発明者達は、ア
ンチ異性体を実質的に含まない化合物IIIの安定な結
晶性シン異性体の製造に決定的なオキサリルクロリドあ
るいは過剰のジメチルホルムアミドにより生じる過剰の
塩素イオンが反応物質を不安定にするのを制御する方法
を発見した。例中で、式IIに示す化合物から式III
に示す化合物への変換が完全でないとき、単離した生成
物化合物IIIの中に式IIの酸のシン異性体が少量残
存している。生成物化合物IIIの中に未反応の化合物
IIがいくらか存在していたり、化合物IIIのアンチ
異性体が少量存在していても、その後のアンチ異性体を
実質的に含まない所望の抗生物質の製造におけるアシル
化反応に影響を与えない。
【0023】また、本発明者達は、塩素化反応における
温度と反応溶媒も決定的であることを見い出した。反応
は、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリルと
いった不活性有機溶媒中で−10℃未満の温度で行うこ
とが望ましく、ジクロロメタン中で約−15℃から約−
40℃で効率的に行うことが最も望ましい。
【0024】反応スキーム2は、有用な広い抗菌スペク
トルをもつ抗生物質を製造するため、式IIIに示す酸
クロリド塩酸塩のシン異性体を一般的なアシル化反応に
利用することを表している。さらに詳細には、反応スキ
ーム2は、アンチ異性体やΔ異性体を実質的に含まな
い広い抗菌スペクトルをもつ抗生物質セフェピム(ce
fepime)を製造するため、式IIIに示す酸クロ
リドを利用することを表している。さらに、セフォジジ
ム(cefodizime)、セフメノキシム(cef
menoxime)、セフォタキシム(cefotax
ime)、セフピロム(cefpirome)、セフポ
ドキシム(cefpodoxime)、セフキノム(c
efquinome)、セフテラム(ceftera
m)、セフチオフル(ceftiofur)、セフェタ
メト(cefetamet)、セフゾナム(cefuz
onam)といったセファロスポリン環の7位のアミノ
基に2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メ
トキシイミノアセチルのシン異性体が結合しているセフ
ァロスポリン抗生物質類を製造するために、式IIIに
示す酸クロリド塩酸塩を利用することもできる。
【0025】さらに、既報の文献における酸クロリド塩
酸塩生成物はアンチ異性体であり所望のシン異性体では
ないことを確認するため、本発明者達は、反応スキーム
2に記載したアシル化反応における式IIIに示す化合
物のシン異性体を、実施例14の生成物のような既報の
文献の産物に置き換えてみた。その結果得られた実施例
17、18記載のセファロスポリン生成物を、本発明の
セフェピム(cefepime)抗生物質生成物と比較
した。実施例19に記載した比較をみるとわかるよう
に、既報の文献の方法で製造したアンチセフェピム(c
efepime)は、本発明の方法を利用した製造した
有用な広い抗菌スペクトルをもつシンセフェピム(ce
fepime)と同じではない。
【0026】本明細および請求項に記載された用語「実
質的に含まない」とは、化合物中に所望でない異性体は
約5%未満しか含まれていないことを意味している。化
合物中に所望でない異性体が約1%未満しか含まれてい
ないことが望ましい。
【0027】反応スキーム2に示すように、本発明の方
法に従って式IIIに示す酸クロリド塩酸塩のシン異性
体を用いて式IVに示す化合物をN−アシル化すること
により、アンチ異性体やΔ異性体を実質的に含まない
広い抗菌スペクトルをもつ抗生物質セフェピム(cef
epime)二塩酸塩水和物を製造することができる。
【化9】
【0028】Δ異性体を実質的に含まない7−アミノ
−3−〔(1−メチル−1−ピロリジニオ)メチル〕セ
フ−3−エム−4−カルボキシレート塩は、HXが塩
酸、ヨウ化水素酸、硫酸である式IVとして表され、
S.P.ブランディジェ(Brundidge)らの米
国特許4,868,294に記載された一般的な方法で
製造することができる。
【0029】水性中のアシル化法に使用できる適当な溶
媒は、水とメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセ
トニトリル、ジオキサン、ジメチルアセタミド、ジメチ
ルホルムアミド、あるいはこれらと類似の水と混合可能
な有機溶媒である。水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア
水、1級アミン、2級アミン、3級アミン、あるいはそ
れらと類似の適当な非有機性塩基あるいは有機性塩基で
滴定することにより生成する塩酸を中和し、工程中のp
Hを制御する。工程で用いる有機塩基は、例えば、ジエ
チルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミン、N−メチルモルフォリン、2,6−ルチジン、
N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリ
ン、あるいはこれらと類似のものが望ましい。最も望ま
しい塩基は、アンモニア水、トリエチルアミン、N−メ
チルモルフォリンである。
【0030】アシル化はpH約5から約7.5の範囲
で、望ましくはpH約6.2から6.8の範囲で効率的
に行われる。本発明の反応は、約−50℃から室温くら
いの温度、望ましくは−10℃から−40℃くらいの温
度で行われる。アシル化反応が完結した後、適当な酸、
望ましくは硫酸を用いて反応混合液をpH約1.8から
2.6に酸性化し、アンチ異性体やΔ異性体を実質的
に含まない所望のセフェピム(cefepime)抗生
物質の硫酸塩を製造する。もし必要なら、セフェピム
(cefepime)の硫酸塩を、カプラン(Kapl
an)らの米国特許4,910,301に記載された二
塩酸塩水和物のような他のセフェピム(cefepim
e)塩類に変換することもできる。
【0031】本発明は、アンチ異性体やΔ異性体を実
質的に含まない広い抗菌スペクトルをもつ抗生物質セフ
ェピム(cefepime)を製造するため、Δ異性
体を実質的に含まない7−アミノ−3−〔(1−メチル
−1−ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4−カ
ルボキシレート塩を、アンチ異性体を実質的に含まない
2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキ
シイミノアセチルクロリド塩酸塩のシン異性体と、水中
あるいは望ましくは水−有機混合溶媒中pH約5.0か
ら7.5に注意深く制御した条件下で反応させるアシル
化法を提供する。
【0032】本発明は、さらに、以下の式に示す安定で
結晶性のアンチ異性体を実質的に含まない2−(2−ア
ミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノアセ
チルクロリド塩酸塩のシン異性体を提供する。
【化10】
【0033】本発明は、さらに、2−(2−アミノチア
ゾール−4−イル)−2−メトキシイミノ酢酸のシン異
性体の無水結晶性酸塩酸塩を、少なくとも1モル当量の
オキサリルクロリドと少なくとも1モル当量からオキサ
リルクロリドに対してやや過剰のジメチルホルムアミド
の混合物と、不活性有機溶媒中−10℃未満の温度で反
応させて、安定で結晶性のアンチ異性体を実質的に含ま
ない2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メ
トキシイミノアセチルクロリド塩酸塩のシン異性体を製
造する方法を提供する。
【0034】文献等で知られる検出法、例えば薄層クロ
マトグラフィーや高圧液体クロマトグラフィーや分光器
を用いる方法を用いて、式IVに示す化合物のN−アシ
ル化反応が完結したことを確認するとき、;本発明の望
ましい方法に従って、完結した反応液に塩酸、硫酸、あ
るいはそれらと類似の酸を充分量加えて所望のセフェピ
ム(cefepime)塩の結晶化を確実にした後、水
と混合可能な適当な有機溶媒、例えばメチルエチルケト
ン、アセトン、イソプロパノール、ブタノール、あるい
はこれらと類似のもので希釈し、結晶化を促進完結させ
る。望ましくは、充分な量の硫酸を用いて水−有機反応
混合物を処理し、アンチ異性体やΔ異性体をほとんど
含まないセフェピム(cefepime)の硫酸塩を結
晶化させる。その後、セフェピム(cefepime)
の硫酸塩を、カプラン(Kaplan)らの米国特許
4,910,301に記載された方法により、望ましい
結晶性セフェピム(cefepime)二塩酸塩一水和
物に変換することができる。本方法で製造したセフェピ
ム(cefepime)の硫酸塩を、塩基、望ましくは
当業者によく知られた弱塩基性イオン交換樹脂、望まし
くはアンバーライト(Amberlite)LA−2、
ダウエックス(Dowex)WGR、バイオラッド(B
io−Rad)AG3−X4A、アンバーライト(Am
berlite)IRA93、アンバーライト(Amb
erlite)IRA35、あるいはこれらと類似の市
販の樹脂を用いて中和し、両性イオンの形のセフェピム
(cefepime)を含む水溶液あるいは水−有機溶
液を製造することができる。その後、その溶液を充分な
量の塩酸で処理し、続いて任意に水と混合可能な有機溶
媒で処理し、所望の結晶性セフェピム(cefepim
e)二塩酸塩水和物の結晶化を促進する。最も望ましく
は、本方法の水性中のアシル化により得られた水−有機
反応混合物を充分量の塩酸で処理し、アセトンのような
水と混合可能な有機溶媒を加えて、上記の抗生物質セフ
ェピム(cefepime)二塩酸塩水和物の結晶化を
促進し完結させる。加える水と混合可能な有機溶媒の量
は、上記の抗生物質の結晶化を完結させるのに充分な量
でなければならず、アンチ異性体やΔ異性体をほとん
ど含まない温度安定性結晶性セフェピム(cefepi
me)二塩酸塩水和物を製造するためには、水−有機反
応混合物の水層の約2倍量から約9倍量であることが有
効である。
【0035】もしセフェピム(cefepime)二塩
酸塩−水和物だけを製造したいならば、本明細に記載さ
れているように、水性中のアシル化により得られた水−
有機反応混合物を充分量な量の塩酸で効率的に処理した
後、適量の水と混合可能な有機溶媒で希釈し、所望の一
水和物の形で結晶化を完結させる。それに対して、もし
安定なセフェピム(cefepime)二塩酸塩二水和
物を製造したいならば、水−有機反応混合物をより高濃
度の塩酸で効率的に処理した後、水と混合可能な有機溶
媒を曇点まで加えたところで結晶化を一度停止させ、そ
の後さらに有機溶媒を追加して結晶化を完結させる。し
かしながら、水−有機反応混合物からの単離段階を注意
深く制御しなければ、結晶性セフェピム(cefepi
me)二塩酸塩の一水和物形と二水和物形との混合物と
なってしまう可能性があることを、当業者達は理解しな
ければならない。いずれにしても、どちらの水和物形か
らでも、あるいは両水和物形の混合物からでも、本明細
に記載した再結晶法を用い、所望の一方の水和物形だけ
を製造することができる。
【0036】本方法で製造した結晶性セフェピム(ce
fepime)二塩酸塩一水和物を使用し、本明細に記
載したように、溶媒濃度、塩酸濃度、濁点で維持する時
間(初期結晶化)の条件を制御して再結晶することによ
り安定な結晶性セフェピム(cefepime)二塩酸
塩二水和物を製造することができる。それに対して、本
方法で製造した結晶性二塩酸塩二水和物を使用し、本明
細に記載したように、異なる条件に制御して再結晶化す
ることにより安定な結晶性セフェピム(cefepim
e)二塩酸塩一水和物を製造することもできる。これゆ
え、本発明の方法は、上記の抗生物質の所望する一水和
物と二水和物の、どちらの製造にも利用することができ
る。
【0037】米国特許4,910,301に記載された
2モル目の水を容易に失う不安定なセフェピム(cef
epime)二塩酸塩二水和物と比較して、本方法で製
造される結晶性セフェピム(cefepime)二塩酸
塩二水和物は、2モル目の水を保持する一定の結晶構造
をもっている。新規な結晶性二水和物(針状結晶)は非
常に安定であり、その結晶形はさまざまな条件下、例え
ば温度70℃の空気中で2か月以上、50℃で五酸化二
リンとともに減圧した条件下で48時間、70℃の乾燥
した炉の中で96時間、高い相対湿度下や低い相対湿度
下でも、変化しないことがわかった。この結晶性二水和
物は、KBrと13mmのサンプルカップとニコレット
(Nicolet)20SX分光計を使用してFT−I
R拡散反射率を分光学的に測定すると、3574cm
−1と3432cm−1に吸収ピークをもつ特徴的な赤
外吸収スペクトルを示す。さらに、この温度や水分に安
定なセフェピム(cefepime)の結晶性二水和物
形は、表1に示すようなX線粉体回折パターンを特徴と
する。表中で「d」は面間隔を示しており、「I/
」は相対強度の割合(%)を示している。このX線
パターンは、リガクガイガーフレックス(Rigaku
Geigerflex)X線回折装置を用いて1.5
425Åの波長のニッケルを通した銅線(Kα)で測定
した。
【表1】
【0038】これゆえ、本発明の具体例は、Δ異性体
をほとんど含まない7−アミノ−3−〔(1−メチル−
1−ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4−カル
ボキシレートを、アンチ異性体をほとんど含まない2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイ
ミノアセチルクロリド塩酸塩のシン異性体とpH約5.
0から7.5の混合水−有機溶媒中で反応させ、アンチ
異性体やΔ異性体をほとんど含まない抗生物質セフェ
ピム(cefepime)二塩酸塩水和物の製造方法を
提供する。
【0039】本発明の望ましい具体例は、さらに、2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイ
ミノ酢酸のシン異性体の無水酸塩酸塩を、少なくとも1
モル等量のオキサリルクロリドと少なくとも1モル等量
からそのオキサリルクロリドの量に対してやや過剰のジ
メチルホルムアミドとの混合物と不活性有機溶媒中−1
0℃未満の温度下で反応させ、アンチ異性体をほとんど
含まない2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
−メトキシイミノアセチルクロリド塩酸塩のシン異性体
を製造する方法を提供する。
【0040】本発明の望ましい具体例は、さらに、Δ
異性体をほとんど含まない7−アミノ−3−〔(1−メ
チル−1−ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4
−カルボキシレートを、アンチ異性体をほとんど含まな
い2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メト
キシイミノアセチルクロリド塩酸塩のシン異性体と水−
有機溶媒中で反応させ、さらに、反応が完結した混合物
に充分量の塩酸と水と混合可能な有機溶媒を加え、アン
チ異性体やΔ異性体をほとんど含まない抗生物質セフ
ェピム(cefepime)二塩酸塩水和物の製造する
方法を提供する。
【0041】本発明の最も望ましい具体例は、本発明の
方法により得られた水−有機反応混合物から直接抗生物
質セフェピム(cefepime)二塩酸塩一水和物お
よびセフェピム(cefepime)二塩酸塩二水和物
を製造する方法を提供する。
【0042】セフェピム(cefepime)(化合物
V)の有用性はアブラキ(Aburaki)らの米国特
許4,406,899に示されている。本方法により製
造したセフェピム(cefepime)の安定な二水和
物形は、上記米国特許4,406,899に記載された
セフェピム(cefepime)の抗生物質特性を示
し、抗生物質として同様の有用性を示す。
【0043】本明細の説明や実施例は、本発明を例証す
るためのものであることを理解しなくてはならない。決
して、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならな
い。
【0044】
【実施例1】シン−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
メトキシイミノ酢酸塩酸塩 2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキ
シイミノ酢酸(25g、124.25mmol)のトル
エン(250m1)懸濁液に、20℃から28℃の温度
下で塩酸ガスを吹き込む。塩酸は、30分間の攪拌をは
さんで8.1g(222.2mmol)と4.8g(1
31.7mmol)との2回に分割して、表面下に吹き
込む。20℃の温度下で1時間放置した後、窒素ガス下
で濾過して生成物を集め、トルエン(50ml)とヘキ
サン(250ml)で洗浄し、20℃から25℃で真空
乾燥し、28.68g(収率97%)の表題化合物を得
る。
【0045】
【実施例2】シン−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
メトキシイミノアセチルクロリド塩酸塩 5℃のジメチルホルムアミド(0.77ml、10mm
ol)のジクロロメタン(40ml)溶液に、98%オ
キサリルクロリド(0.89ml、10mmol)のジ
クロロメタン(4.1ml)溶液を加える。滴下して加
えることにより、温度を4℃から5℃に保つ。得られた
懸濁液を−27℃に冷却し、実施例1で製造した2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイ
ミノ酢酸塩酸塩(2.37g、10mmol)を加え
る。懸濁液を−25℃で2.5時間攪拌する。窒素ガス
下で濾過し、ジクロロメタン(50ml)とヘキサン
(100ml)で洗浄し、20℃で真空乾燥し、1.7
8g(収率69.5%)の白色の結晶状表題化合物を得
る。
【0046】表題の酸クロリドをアシル化した7−アミ
ノデスアセトキシセファロスポリン酸ジフェニルメチル
エステル塩酸塩のピリジン溶液は、TLCで単一スポッ
トとなり、真の所望のデスアセトキシセファロスポリン
エステルのサンプルのスポットと一致し、分離できな
い。
【0047】
【実施例3】シン−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
メトキシイミノアセチルクロリド塩酸塩 5℃のジメチルホルムアミド(1.55ml、20mm
ol)のジクロロメタン(80ml)溶液に、純度98
%のオキサリルクロリド(1.78ml、20mmo
l)のジクロロメタン(8.2ml)溶液を加える。5
℃から8℃で、5分間かけて加える。得られた懸濁液を
5℃で10分間攪拌し、その後、−30℃に冷却する。
実施例1で製造した2−(2−アミノチアゾール−4−
イル)−2−メトキシイミノ酢酸塩酸塩(4.75g、
20mmol)を加える。懸濁液を−25℃から−30
℃で2.5時間攪拌する。窒素ガス下で濾過し、ジクロ
ロメタン(75ml)とヘキサン(100ml)で洗浄
し、20℃で真空乾燥し、3.57g(収率69.7
%)の結晶状の表題化合物を得る。
【0048】固形の酸クロリド塩酸塩生成物の一部をア
シル化した7−アミノデスアセトキシセファロスポリン
酸ジフェニルメチルエステル塩酸塩のピリジン溶液は、
TLC上で本質的に単一スポットとなり、真の所望のデ
スアセトキシセファロスポリンエステルのサンプルのス
ポットと一致し、分離できない。
【0049】
【実施例4】7−〔2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
(Z)−メトキシイミノアセタミド〕−3−〔(1−メ
チル−1−ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4
−カルボキシレート(cefepime)の製造
【化11】 〔S.P.ブランディジェ(Brundidge)らの
米国特許4,714,760に記載された方法に従い製
造した〕7−アミノ−3−〔(1−メチル−1−ピロリ
ジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4−カルボキシレー
トの一ヨウ化水素酸塩(0.85g、2.0mmol)
を、トリエチルアミンを用いて、pH6.5、20℃の
条件下でアセトン:水(2:1)9mlに溶解させる。
トリエチルアミンを用いてpHを5から7の範囲に制御
しながら、〔実施例3で製造した〕シン−2−(2−ア
ミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノアセ
チルクロリド塩酸塩(0.56g、2.2mmol)を
加える。得られた溶液を高圧液体クロマトグラフィーを
用いてアッセイした結果、所望のセファロスポリン(c
efepime)が58%の収率で得られたことがわか
る。1983年9月27日に公開されたアブラキ(Ab
uraki)らの米国特許4,406,899や、19
90年3月20日に公開されたカプラン(Kapla
n)らの米国特許4,910,301に記載されている
ように、硫酸を用いてpH2.2に酸性化し、表題の抗
生物質の硫酸塩0.63g(収率51%)を得る。
【0050】
【実施例5】 シン−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
メトキシイミノアセチルクロリド塩酸塩 5℃のジメチルホルムアミド(9.75ml、125.
9mmol)のジクロロメタン(450ml)溶液に、
98%オキサリルクロリド(11.21ml、125.
9mmol)のジクロロメタン(15ml)溶液を滴下
して加える。5℃から7℃の温度範囲で、10分間かけ
て滴下する。得られたスラリーを−25℃に冷却し、シ
ン−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メ
トキシイミノ酢酸塩酸塩(28.5g、119.9mm
ol)を一度に加える。−25℃から−30℃の温度範
囲でスラリーを3.5時間攪拌し、窒素ガス下で濾過
し、ジクロロメタン(100ml)とヘキサン(400
ml)で洗浄し、20℃から25℃で真空乾燥する。結
晶性の表題化合物30.7g(収率72.5%)を得
る。
【0051】表題の酸クロリドをアシル化した7−アミ
ノデスアセトキシセファロスポリン酸ジフェニルメチル
エステル塩酸塩のピリジン溶液は、TLC上で本質的に
ひとつの所望のデスアセトキシセファロスポリンエステ
ルのスポットとなることが、真のサンプルと比較するこ
とによりわかる。
【0052】表題の酸クロリド(200mg、0.8m
mol)を、水中で加水分解する。単離した生成物の
H−NMRは、出発シン酸と同一である。
【0053】
【実施例6】シン−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
メトキシイミノアセチルクロリド塩酸塩 5℃のジメチルホルムアミド(8.13ml、105m
mol)のジクロロメタン(350ml)溶液に、(9
8%の純度の)オキサリルクロリド(9.34ml、1
05mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液を滴下
して加える。滴下中の最大温度は7℃に達する。得られ
た懸濁液を5℃で10分間攪拌した後、−27℃に冷却
する。2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
メトキシイミノ酢酸塩酸塩(23.8g、100mmo
l)を一度に加える。懸濁液を−25℃から−30℃で
2.5時間攪拌し、窒素ガス下で濾過し、ジクロロメタ
ン(25ml)とヘキサン(125ml)で洗浄し、2
0℃で真空乾燥する。結晶性の酸クロリド塩酸塩21.
39g(収率83.5%)を得る。
【表2】
【0054】
【実施例7】シン−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
メトキシイミノ酢酸塩酸塩 22℃のシン−2−(2−アミノチアゾール−4−イ
ル)−2−メトキシイミノ酢酸(87g、432.4m
mol)のトルエン(870ml)懸濁液に、塩化水素
を2回に分けて吹き込む;30分間かけて17.5g、
480mmolを吹き込んだ後、20分間攪拌し、さら
に20分間かけて15.0g、410mmolを吹き込
む。スラリーを25℃で1.5時間攪拌し、窒素ガス下
で濾過し、トルエン(100ml)とヘキサン(400
ml)で洗浄し、20℃から25℃で真空乾燥する。表
題の化合物100.2g(収率97.5%)を得る。
【表3】
【0055】
【実施例8】シン−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
メトキシイミノアセチルクロリド塩酸塩 5℃のジメチルホルムアミド(32.4ml、419.
7mmol)のジクロロメタン(400ml)溶液に、
98%オキサリルクロリド(37.4ml、419.7
mmol)を滴下して加える。得られた懸濁液を−25
℃に冷却し、実施例7で製造したシン−2−(2−アミ
ノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノ酢酸塩
酸塩(95g、399.7mmol)を−25℃の懸濁
液に加える。懸濁液を−25℃から−28℃で2.5時
間攪拌し、窒素ガス下で濾過し、ジクロロメタン(10
0ml)とヘキサン(500ml)で洗浄し、20℃か
ら25℃で真空乾燥する。結晶性の表題化合物84.3
g(収率82.3%)を得る。
【表4】
【0056】
【実施例9】7−〔2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
(Z)−メトキシイミノアセタミド〕−3−〔(1−メ
チル−1−ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4
−カルボキシレート(cefepime) アセトン240mlと水80mlの溶液に、7−アミノ
−3−〔(1−メチル−1−ピロリジニオ)メチル〕セ
フ−3−エム−4−カルボキシレートヨウ化水素酸塩
(20g、0.047mol)を加え、攪拌する。終点
をpH6.5に合わせてN−メチルモルフォリンで満た
したラジオメーター(Radiometer)ABU8
0自動滴定器を使用し、pHを6.5に保ちながら、
〔実施例5で製造した〕シン−2−(2−アミノチアゾ
ール−4−イル)−2−メトキシイミノアセチルクロリ
ド塩酸塩(20.0g、0.0785mol)を5分間
隔で4回に分けて加える。加え終わったら、薄いスラリ
ーを室温でさらに20分間攪拌する。反応混合液に6N
硫酸を21ml加え、pHを2.65に下げる。表題化
合物の沈殿が生成する。スラリーに種を加え、室温で2
0分間攪拌する。6N硫酸16mlを加えてスラリーの
pHを1.8に再調整し、さらに60分間攪拌を続け
る。スラリーを真空濾過し、70mlの水−アセトン
(1:1)、続いて70mlのアセトンで洗浄し、実施
例4の化合物と同一の、そして1983年9月27日に
公表されたアブラキ(Aburaki)らの米国特許
4,406,899や1990年3月20日に公表され
たカプラン(Kaplan)らの米国特許4,910,
301に記載されたセフェピム(cefepime)と
同一の、表題化合物24.09g(収率88.5%)を
得る。
【0057】
【実施例10】シン−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
メトキシイミノアセチルクロリド塩酸塩の製造 5℃のジメチルホルムアミド(8.76ml、0.11
3mol)のジクロロメタン(375ml)溶液に、温
度を5℃から6℃に保ちながら、オキサリルクロリド
(9.64ml、0.111mol)を滴下して加え
る。懸濁液を10分間攪拌した後、−25℃に冷却す
る。乾燥した窒素ガス下で、シン−2−(2−アミノチ
アゾール−4−イル)−2−メトキシイミノ酢酸塩酸塩
(25.0g)を少しずつ11分間にわたって加える。
スラリーを−25℃で2.5時間攪拌する。乾燥した窒
素ガス下で生成物を濾過し、ケーキをジクロロメタン
(80ml)で洗浄する。生成物を20℃から25℃で
五酸化二リンを用いて真空乾燥し、淡黄色結晶状固体の
表題化合物23.88g(収率88.6%)を得る。
【表5】
【0058】上記の実験生成物の、酢酸−d中でのプ
ロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)特性を図
1に示す。H−NMR(CDCOD)はδ:4.
14(CH)と7.10(H5)にピークを示し、ケ
ミカルシフト4.11(CH)の積分値から、残存し
ている酸塩酸塩の量は5.1%であることがわかる。
7.67ppmの位置に、痕跡量の異性化H5が見られ
る。
【0059】
【実施例11】シン−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
メトキシイミノアセチルクロリド塩酸塩 5℃のジメチルホルムアミド(17.92ml、23
1.9mmol)のジクロロメタン(375ml)溶液
に、オキサリルクロリド(19.76ml、220.8
mmol)を加える。5℃から6℃で、15分間にわた
って加える。得られた懸濁液を5℃から6℃で10分間
攪拌した後、−25℃に冷却する。2−(2−アミノチ
アゾール−4−イル)−2−メトキシイミノ酢酸塩酸塩
(25.0g、105.2mmol)を加える。得られ
た溶液に表題化合物の種を加え、生成物のスラリーを製
造する。懸濁液を−25℃で3.5時間攪拌し、乾燥し
た窒素ガス下で濾過し、ジクロロメタン(150ml)
で洗浄し、20℃から25℃で真空乾燥する。結晶性の
表題化合物9.61g(収率35.7%)を得る。
【0060】固体の酸クロリド塩酸塩生成物の一部をア
シル化した7−アミノデスアセトキシセファロスポリン
酸ジフェニルメチルエステル塩酸塩のピリジン溶液は、
TLC上で本質的に単一のスポットとなり、所望のデス
アセトキシセファロスポリンエステルの真のサンプルの
スポットと一致し、分離できない。
【0061】
【実施例12】2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキ
シイミノアセチルクロリド塩酸塩の製造 チェコスロバキア特許238,950の実施例1に記載
されている実験方法を以下のように再現した。:カール
フィッシャー法による水分含量0.06%のシン−2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイ
ミノ酢酸(4.0g)のサンプルを、21℃のベンゼン
30ml中でスラリーにする。ジメチルホルムアミド一
滴を加え、続いて粉体にした五塩化リン5gを一度に加
える。約2分後、温度は34℃に上昇し、さらに1分
後、温度は40℃に上昇して完全な溶液となる。溶液を
放冷すると、36℃で沈殿が生成する。30分間攪拌
後、温度は22℃になる。淡黄色の固体を乾燥した窒素
ガス下で濾過し、30mlのベンゼンと20mlのヘプ
タンで洗浄する。五酸化二リンを用いて20℃から25
℃で18時間真空乾燥し、2.88gの収量を得る。
【0062】上記の実験生成物の、酢酸−d中でのプ
ロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)特性を図
2に示す。H5が7.56ppmの位置に、CH
4.34ppmの位置に見られる。このスペクトルは表
題化合物のアンチ異性体配置を示しており、上記チェコ
スロバキア特許に開示しているようなシン異性体配置で
はない。
【0063】
【実施例13】2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキ
シイミノアセチルクロリド塩酸塩の製造 チェコスロバキア特許238,950の実施例2に記載
されている実験方法を以下のように再現した。:カール
フィッシャー法による水分含量0.06%のシン−2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイ
ミノ酢酸(4.0g)のサンプルを、カールフィッシャ
ー法による水分含量(KF)が0.22%になるように
調整して、20mlのアセトニトリル中でスラリーにす
る。ジメチルホルムアミドを一滴加え、温度を20℃に
する。粉体にした五塩化リン6gを加えると、温度が4
0℃に上昇し、完全な溶液が得られる。溶液を20℃に
まで冷却していくと、33℃で沈殿が生成する。30分
間攪拌した後、乾燥した窒素ガス下で濾過して生成物を
集め、30mlのベンゼンと20mlのヘプタンで洗浄
する。20℃から25℃で五酸化二リンを用いて18時
間真空乾燥し、1.86gの収量を得る。
【0064】上記の実験生成物の、酢酸−d中でのプ
ロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)特性を図
3に示す。H5が7.56ppmの位置に、CH
4.31ppmの位置に見られる。このH−NMRス
ペクトルは、生成物が表題化合物のアンチ異性体配置で
あることを示しており、上記チェコスロバキア特許に開
示しているようなシン異性体配置ではない。
【0065】
【実施例14】2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキ
シイミノアセチルクロリド塩酸塩の製造 チェコスロバキア特許238,950の実施例3に記載
されている実験方法を以下のように再現した。:30m
lのジクロロメタンに、濃塩酸(0.16ml)を加え
る。−10℃に冷却した後、五塩化リン6.5gを加え
る。0℃に温めた後、カールフィッシャー法による水分
含量0.06%のシン−2−(2−アミノチアゾール−
4−イル)−2−メトキシイミノ酢酸4.0gを一度に
加える。温度が2℃に上昇する。0℃で9分後、完全な
溶液が得られる。40分後、沈殿が生成し始める。2℃
から3℃で生成物スラリーを2.8時間攪拌し、乾燥し
た窒素ガス下で濾過し、30mlのベンゼンと20ml
のヘプタンで洗浄し、20℃から25℃で五酸化二リン
を用いて18時間真空乾燥する。淡黄色の粉体3.42
gを得る。
【0066】上記の実験生成物の、酢酸−d中でのプ
ロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)特性を図
4に示す。H5が7.56ppmの位置に、CH
4.31ppmの位置に見られる。このH−NMRス
ペクトルは、生成物が表題化合物のアンチ異性体配置で
あることを示しており、上記チェコスロバキア特許に開
示しているようなシン異性体配置ではない。
【0067】
【実施例15】2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキ
シイミノアセチルクロリド塩酸塩製造の試み 米国特許4,203,899の実施例7に記載されてい
る保護アミノチアゾール酢酸から対応する酸クロリドに
変換する一般的な方法を、以下に記載するように非保護
アミノチアゾール酢酸に適用した。:シン−2−(2−
アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノ酢
酸塩酸塩(2.38g、0.01mol)のサンプルを
30.5mlのベンゼンに懸濁し、20℃に冷却する。
オキサリルクロリド(2.09ml、0.024mo
l)を加えた後、ジメチルホルムアミド(0.50m
l、0.0065mol)を加える。温度が22℃に上
昇し、激しくガスが発生する。20℃で20分以内でガ
スの発生は静まる。そして、スラリーを20℃±2℃で
2時間攪拌する。スラリーを真空濃縮して溶媒を除去
し、得られた黄色の生成物を、20℃から25℃で五酸
化二リンを用いて16時間真空乾燥する。2.59gの
収量を得る。
【0068】上記の実験生成物の酢酸−d中でのプロ
トン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)は、H5が
7.60ppmの位置に、CHが4.37ppmの位
置に見られる。この生成物のスペクトルは、表題化合物
のアンチ異性体配置のものと一致する。
【0069】
【実施例16】 2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキ
シイミノアセチルクロリド塩酸塩製造の試み 米国特許4,203,899の実施例59に記載されて
いる保護アミノチアゾール酢酸から対応する酸クロリド
に変換する一般的な方法を、以下に記載するように非保
護アミノチアゾール酢酸に適用した。: シン−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
メトキシイミノ酢酸塩酸塩(2.38g、0.01mo
l)のサンプルを、25mlのジクロロメタンに懸濁す
る。4℃に冷却した後、五塩化リン2.08g(0.0
1mol)を加える。氷冷していても温度は6℃にまで
上昇する。温度が4℃に戻った後、スラリーを1時間攪
拌する。沈殿を、乾燥した窒素ガス下で濾過して集め、
ジクロロメタン(10ml)で洗浄し、20℃から25
℃で真空乾燥し、淡黄色の固体1.4gを得る。
【0070】上記の実験生成物の酢酸−d中でのプロ
トン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)は、H5が
7.61ppmの位置に、CHが4.34ppmの位
置に見られる。この生成物のスペクトルは、表題化合物
のアンチ異性体配置のものと一致する。さらに、この産
物には未変換の酸(7.07ppmの位置にH5が、
4.06ppmの位置にCHが見られるH−NMR
を示す)が混入しており、出発酸のスパイキング(sp
iking)によってもその混入が確認された。
【0071】
【実施例17】2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキ
シイミノアセチルクロリド塩酸塩(実施例14で製造し
たアンチ異性体)を用いた7−アミノ−3−〔(1−メ
チル−1−ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4
−カルボキシレートヨウ化水素酸塩のアシル化 10℃に予備冷却した9mlのアセトンと3.4mlの
水の溶液に、7−アミノ−3−〔(1−メチル−1−ピ
ロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4−カルボキシ
レートヨウ化水素酸塩(1.13g、2.66mmo
l)を加える。トリエチルアミン(0.37ml、2.
66mmol)を用いてpHを6.0から7.0に保ち
ながら、0℃で、〔実施例14で製造した〕2−(2−
アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノア
セチルクロリド塩酸塩(1.09g、4.21mmo
l)を5回に分けて加える。反応混合液を室温で15分
間攪拌する。得られた溶液を高圧液体クロマトグラフィ
ー(C18グラジエントカラムを使用し、0.005M
リン酸アンモニウムを溶媒とした2%から25%アセト
ニトリル勾配)を用いてアッセイすると、保持時間1
3.08分のアンチ−セフェピム(cefepime)
の面積は72.4%を示し、保持時間約8.5分と予想
されるシン−セフェピム(cefepime)は検出さ
れない。硫酸を加えてpHを1.9に酸性化し、アンチ
−セフェピム(cefepime)の硫酸塩1.48g
を得る。H−NMRスペクトル(DMSO−d)を
測定して、生成物を同定確認する。このH−NMRス
ペクトルは、トリエチルアミン塩を0.58mol含む
ことを示す。
【0072】
【実施例18】2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキ
シイミノアセチルクロリド塩酸塩(実施例14で製造し
たアンチ異性体)を用いた7−アミノ−3−〔(1−メ
チル−1−ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4
−カルボキシレートヨウ化水素酸塩のアシル化 10℃に予備冷却した108mlのアセトンと40.5
mlの水の溶液に、7−アミノ−3−〔(1−メチル−
1−ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4−カル
ボキシレートヨウ化水素酸塩(13.5g、0.031
7mol)を加える。スラリーのpHを、14%アンモ
ニア水2.7mlを用いて7.0に調整する。14%ア
ンモニア水(27ml)を用いて前半はpH6.3から
7.0、後半はpH6.1から6.6に保ちながら、1
0℃で、〔実施例14の方法で製造した〕2−(2−ア
ミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノアセ
チルクロリド塩酸塩(13.05g、0.015mo
l)を60分間にわたり少しずつ加える。反応混合液を
室温で30分間攪拌する。反応混合液を濾過し、6ml
のアセトン:水(2:1)で洗浄し、その後、濾液に6
N硫酸(15ml)をゆっくり加えてpHを1.87か
ら1.90に調整する。1時間攪拌後、不溶性物質を濾
過して除き、ケーキを21mlのアセトン:水(2:
1)で、続いて30mlのアセトンで洗浄する。濾液に
1リットルのアセトンを30分間にわたって加え、混合
液を5℃から8℃で40分間攪拌する。生成物を濾過し
て集め、24mlのアセトン:水(4:1)で2回、6
0mlのアセトンで1回洗浄し、真空中で乾燥し、アン
チ−セフェピム(cefepime)の硫酸塩(HPL
Cによる純度95.4%)20.64g(収率116
%)を得る。H−NMRスペクトルは、約3モルのア
ンモニウム塩を含むアンチ−セフェピム(cefepi
me)の構造と一致する。
【0073】
【実施例19】実施例9の生成物〔セフェピム(cef
epime)シン異性体〕と実施例17の生成物〔セフ
ェピム(cefepime)アンチ異性体〕を比較する
と、物理学的特徴に以下の違いが見られる。
【0074】ウオーターズ ミューボンドパック(Wa
ters μBondpack)C18カラム(3.9
×300mm)を用いて、1000mlの水に2.88
g(0.013mol)のヘプタンスルフォン酸ナトリ
ウム塩とpHを4.0に調整するための酢酸と100m
lのアセトニトリルとを含むシステム混合液を溶媒と
し、流速2.0ml/分の条件で、セフェピム(cef
epime)異性体の高圧液体クロマトグラフィーを行
う。可変波長検出器ウオーターモデル(Water M
odel)450を用い、波長を254λに合わせて生
成物を記録し、以下の結果を得た。
【表6】
【0075】セフェピム(cefepime)二塩酸塩
のシン−、アンチ−メトキシム異性体のプロトンNMR
スペクトルを、重水化ジメチルスルホキシドを溶媒とし
て、ブルッカー(Bruker)AMX−400 FT
NMR分光器を用いて測定した。DMSOを2.49
ppmとしたケミカルシフトを報告する。以下の式や表
における番号付けは、便宜上のためのものにすぎない。
【化12】
【表7】
【0076】上に示すように、セフェピム(cefep
ime)のふたつのメトキシム異性体のH−NMRス
ペクトルは非常に異なる。シン−(Z)−メトキシム異
性体のチアゾール環のCH(18)は6.88ppmの
位置に、アンチ−(E)−メトキシム異性体のCH(1
8)は7.57ppmの位置に検出される。
【0077】
【実施例20】シン−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
メトキシイミノ酢酸塩酸塩 ジクロロメタン(570ml)中のシン−2−(2−ア
ミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノ酢酸
(85.3g、424mmol)を、窒素ガス下、ブレ
ンダーで15分間粉砕する。得られた微粒子懸濁液をジ
クロロメタン(100ml)で希釈し、窒素ガス下、1
リットルバッチジャッケット反応器に移す。窒素(5p
si)で反応器を高圧にし、混合液を375rpmで攪
拌し、−2℃に冷却する。反応器の頭部に、塩化水素
(15.4g、424mmol)を1分あたり0.2g
の流量になるように装填すると、温度が2℃まで上昇す
る。混合液をさらに0℃で30分間攪拌し、窒素ガス下
で濾過し、ジクロロメタン(350ml)で洗浄する。
固体を45℃で18時間真空乾燥する。淡黄色粉体の表
題化合物(不正確な収量110.9g、不正確な収率1
11%)を得る。
【表8】
【0078】H−NMR(DMSO−d)シグナル
は、δ:4.05(s,3H,CH)、5.9(s,
15モル%残存CHCl)、7.1(s,1H,C
−5H)に見られる。4.18(s,3H,CH)と
7.7(s,1H,C−5H)にもシグナルがみられ、
これは計算上2%含まれるアンチ異性体のものである。
【0079】
【実施例21】シン−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
メトキシイミノ酢酸塩酸塩 アセトニトリル(125ml)中のシン−2−(2−ア
ミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノ酢酸
(25g、124mmol)を、窒素ガス中で、1.3
9M塩酸のアセトニトリル(89.2ml、123.9
mmol)溶液で滴定し、10℃から15℃に保つ。混
合物を10℃から15℃でさらに30分間攪拌し、窒素
ガス下で濾過し、アセトニトリル(200ml)で洗浄
する。固体を45℃で3時間にわたり真空乾燥する。淡
黄色粉体の表題化合物(不正確な収量29.5g、不正
確な収率97.4%)を得る。
【0080】H−NMR(CDOD)シグナルは、
δ:2.05(s,13重量%残存アセトニトリル)、
4.1(s,3H,CH)、7.1(s,1H,C−
5H)に見られる。4.2(s,3H,CH)と7.
8(s,1H,C−5H)にもシグナルがみられ、これ
は計算上0.5%含まれるアンチ異性体のものである。
【0081】
【実施例22】シン−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
メトキシイミノアセチルクロリド塩酸塩 ジクロロメタン(450ml)中の約11重量%の残存
アセトニトリルを含むシン−2−(2−アミノチアゾー
ル−4−イル)−2−メトキシイミノ酢酸塩酸塩(5
6.24g、210mmol)を、窒素ガス中で、ブレ
ンダーで3分間粉砕する。その後、−35℃に冷却し、
窒素ガス下、やはり−35℃に冷却したよく攪拌したビ
ルスマイヤー(Vilsmeier)試薬のスラリーに
5分間にわたって加える。ビルスマイヤー(Vilsm
eier)試薬のスラリーは、0℃のジメチルホルムア
ミド(16.89g、231mmol)のジクロロメタ
ン(300ml)溶液にオキサリルクロリド(28.2
g、221mmol)を少しずつ加えた後、−35℃に
冷却して製造する。加えていくと、反応温度が−28℃
に上昇する。加えた後、反応混合液に生成物の種を入れ
る。さらに−28℃から−35℃で2.5時間放置した
後、混合物を濾過し、窒素ガス下、フィルター上のケー
キをジクロロメタン(200ml)で洗浄する。ケーキ
に窒素ガスを30分間通過させた後、固体を室温で12
時間真空乾燥する。淡黄色粉体の表題化合物(収量4
2.9g、収率72%)を得る。
【0082】H−NMR(CDOD)シグナルは、
δ:4.06(s,3H,CH)、7.12(s,1
H,C−5H)に見られる。7.18にみられるシグナ
ルは計算上5%含まれる酸塩酸塩のものであり、7.8
0(s,C−5H)に見られるシグナルは計算上0.5
%ふくまれるアンチ異性体のものである。アセトニトリ
ル中でジエチルアミンを用いて誘導体化してHPLCで
分析すると、表題化合物(シン異性体、そのジエチルア
ミド誘導体として)が保持時間9.6分、酸塩酸塩が保
持時間2.8分、アンチ異性体(そのジエチルアミド誘
導体として)が保持時間16.4分で検出される。シン
異性体と酸塩酸塩とアンチ異性体との比は、90:5:
<1である。
【0083】
【実施例29】シン−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
メトキシイミノアセチルクロリド塩酸塩 ジクロロメタン(570ml)中のシン−2−(2−ア
ミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノ酢酸
(84.7g、421mmol)を、窒素ガス中で、ブ
レンダーで20分間粉砕する。得られた微粒子懸濁液を
ジクロロメタン(100ml)で希釈し、窒素ガス下、
1リットルバッチジャッケット反応器に移す。窒素(5
psi)で反応器を高圧にし、混合液を375rpmで
攪拌し、−2℃に冷却する。反応器の頭部に、塩化水素
(15.3g、421mmol)を1分あたり0.2g
の流量になるように装填すると、温度が2℃まで上昇す
る。混合液をさらに0℃で30分間攪拌し、ブレンダー
で3分間粉砕した後、−35℃に冷却し、窒素ガス下、
やはり−35℃に冷却したよく攪拌したビルスマイヤー
(Vilsmeier)試薬のスラリーに5分間にわた
って加える。ビルスマイヤー(Vilsmeier)試
薬のスラリーは、0℃のジメチルホルムアミド(33.
8g、462mmol)のジクロロメタン(880m
l)溶液にオキサリルクロリド(56.1g、439m
mol)を少しずつ加えた後、−35℃に冷却して製造
する。加えていくと、反応温度が−28℃に上昇する。
加えた後、反応混合液に生成物の種を入れる。さらに−
28℃から−35℃で2.5時間放置した後、混合物を
濾過し、窒素ガス下、フィルター上のケーキをジクロロ
メタン(350ml)で洗浄する。ケーキに窒素ガスを
30分間通過させた後、固体を室温で12時間真空乾燥
する。淡黄色粉体の表題化合物(不正確な収量95.2
g、不正確な収率89%)を得る。
【表9】
【0084】H−NMR(CDOD)シグナルは、
δ:4.06(s,3H,CH)、7.12(s,1
H,C−5H)に見られる。7.18にみられるシグナ
ル(s,C−5H)は計算上4%含まれる酸塩酸塩のも
のであり、7.80(s,C−5H)に見られるシグナ
ルは計算上2%ふくまれるアンチ異性体のものである。
アセトニトリル中でジエチルアミンを用いて誘導体化し
てHPLCで分析すると、表題化合物(そのジエチルア
ミド誘導体として)が保持時間9.6分、出発物質の酸
が保持時間2.8分、アンチ異性体(そのジエチルアミ
ド誘導体として)が保持時間16.4分で検出される。
シン異性体と出発物質の酸とアンチ異性体との比は、9
0:4:2である。
【0085】
【実施例24】7−〔2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
(Z)−メトキシイミノアセタミド〕−3−〔(1−メ
チル−1−ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4
−カルボキシレート二塩酸塩水和物の製造 7−アミノ−3−〔(1−メチル−1−ピロリジニオ)
メチル〕セフ−3−エム−4−カルボキシレートヨウ化
水素酸塩(15.01g、35.29mmol)を、ト
リエチルアミンを用いてpHを6.5以下に保ちながら
水60mlに少しずつ溶解させる。アセトン(120m
l)を加え、得られた水−アセトン溶液を−15℃から
−20℃に冷却する。トリエチルアミンを満たして終点
をpH6.5に調節したラジオメーター(Radiom
eter)ABU80自動滴定器を使用し、pHを7.
5以下5以上に保ちながら、シン−2−(2−アミノチ
アゾール−4−イル)−2−メトキシイミノアセチルク
ロリド塩酸塩(14.6g活性、45.4mmol)を
2時間と7分間にわたって加える。反応混合物を−12
℃からアシル化が完結する5℃まで(HPLCで確認す
る)少しずつ温め、その後、反応混合物を濾過する。
【0086】濾液を12N塩酸(17.6ml、0.2
12mol)で酸性化した後、アセトン(210ml)
を加えて結晶化を開始させる。スラリーを1.25時間
攪拌した後、さらなるアセトン(195ml)で希釈す
る。スラリーを0℃から5℃に冷却し、0.75時間攪
拌した後、濾過する。真空濾過した後、湿ったケーキを
アセトンで洗浄し、45℃で一晩真空乾燥する。純度9
5.5%の表題化合物の二塩酸塩水和物(収量12.8
g、収率63.8%)を得る。
【0087】
【実施例25】7−〔2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
(Z)−メトキシイミノアセタミド〕−3−〔(1−メ
チル−1−ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4
−カルボキシレート二塩酸塩水和物の製造 アセトン(120ml)と水(40ml)との冷却(−
30℃)溶液に、7−アミノ−3−〔(1−メチル−1
−ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4−カルボ
キシレートヨウ化水素酸塩(15.0g、35.0mm
ol)とシン−2−(2−アミノチアゾール−4−イ
ル)−2−メトキシイミノアセチルクロリド塩酸塩(1
0.49g活性、40.9mmol)を、固体として同
時に別々に30分間にわたって加える。反応pHは、ト
リエチルアミンを満たして終点をpH6.5に調節した
ラジオメーター(Radiometer)ABU80自
動滴定器を使用して5.5から7.0に保ち、温度は、
−20℃から−40℃に保つ。反応物を加え終わった
ら、得られた薄い不透明なスラリーを0℃から5℃に温
め、固体が溶解する(20分間)まで攪拌し、アシル化
の完結をHPLCにより確認する。その後、反応混合物
を濾過する。
【0088】濾液を12N塩酸(17.6ml、0.2
12mol)で酸性化した後、アセトン(150ml)
を加えて結晶化を開始させる。スラリーを1時間撹拌し
た後、さらなるアセトン(315ml)を30分間かけ
て加えて希釈し、室温で30分間攪拌し、0℃から5℃
で1時間冷却する。真空濾過した後、生成物をアセトン
(250ml)で洗浄し、45℃で真空乾燥する。純度
94.9%の表題化合物の二塩酸塩水和物塩(収量1
7.68g、収率87.7%)を得る。カールフィッシ
ャー法による水分含量は、4.45%である。
【0089】
【実施例26】7−〔2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
(Z)−メトキシイミノアセタミド〕−3−〔(1−メ
チル−1−ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4
−カルボキシレート二塩酸塩水和物の製造 7−アミノ−3−〔(1−メチル−1−ピロリジニオ)
メチル〕セフ−3−エム−4−カルボキシレートヨウ化
水素酸塩(14.75g、34.7mmol)を、トリ
エチルアミンを用いてpHを6.5以下に保ちながら室
温で60mlの水に少しずつ溶解させる。赤橙色の溶液
を0℃から5℃に冷却し、活性炭(3g)を用いて脱色
する。炭素を濾過し、得られた淡琥珀色の溶液を0℃か
ら5℃で保存する。炭素ケーキを22.5mlの水で洗
浄する。洗浄液を68mlのアセトンと混合し、得られ
た水−アセトン溶液を−30℃に冷却する。温度を−2
0℃から−30℃に保ちながら、トリエチルアミンを満
たして終点をpH6.5に調節したラジオメーター(R
adiometer)ABU80自動滴定器を使用して
5.5から6.5に保ちながら、脱色した7−アミノ−
3−〔(1−メチル−1−ピロリジニオ)メチル〕セフ
−3−エム−4−カルボキシレート溶液を、炭素ケーキ
の洗浄液から得た水−アセトン***液の中に一定速度で
滴下し、同時にシン−2−(2−アミノチアゾール−4
−イル)−2−メトキシイミノアセチルクロリド塩酸塩
(9.06g活性、35.4mmol)と180mlの
アセトンを(一定速度で)加える。反応物を加え終わっ
たら、反応混合物を0℃から5℃に温め、固体が溶解す
るまで攪拌する。アシル化が完結(HPLCで確認す
る)したら、反応混合物を濾過する。
【0090】濾液を12N塩酸(17.6ml、0.2
12mol)で酸性化した後、室温でアセトン(690
ml)を1時間にわたって加えて希釈し、室温で1時間
放置する。生成物を真空濾過し、アセトン(250m
l)で洗浄した後、約45℃で15時間真空乾燥する。
純度89.6%の表題化合物(収量15.44g、収率
76.4%)を得る。カールフィッシャー法による水分
含量は、4.07%である。
【0091】
【実施例27】7−〔2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
(Z)−メトキシイミノアセタミド〕−3−〔(1−メ
チル−1−ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4
−カルボキシレート二塩酸塩水和物の製造 アセトン(120ml)と水(40ml)との冷却(−
30℃)溶液に、7−アミノ−3−〔(1−メチル−1
−ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4−カルボ
キシレート塩酸塩(14.34g、43.0mmol)
とシン−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
−メトキシイミノアセチルクロリド塩酸塩(11.01
g活性、43.0mmol)を、固体として同時に別々
に30分間にわたって加える。反応pHは、トリエチル
アミンを満たして終点をpH6.5に調節したラジオメ
ーター(Radiometer)ABU80自動滴定器
を使用して5.5から7.0に保ち、温度は、−20℃
から−40℃に保つ。反応物を加え終わったら、得られ
た薄い不透明なスラリーを0℃から5℃に温め、固体が
溶解する(20分間)まで攪拌し、アシル化の完結をH
PLCにより確認する。その後、反応混合物を濾過す
る。
【0092】濾液を12N塩酸(21.4ml、0.2
57mol)で酸性化した後、アセト(75ml)を加
えて結晶化を開始させる。結晶化スラリーを1時間攪拌
した後、アセトン(505ml)を30分間にわたって
加えて希釈する。室温で30分間攪拌した後、スラリー
を0℃から5℃で1時間冷却し、濾過する。生成物をア
セトン(250ml)で洗浄し、45℃で真空乾燥す
る。純度93.5%の表題化合物の二塩酸塩水和物塩
(収量18.81g、収率85.1%)を得る。カール
フィッシャー法による水分含量は、4.2%である。
【0093】
【実施例28】セフェピム(cefepime)二塩酸塩一水和物から
セフェピム(cefepime)二塩酸塩二水和物への
変換 セフェピム(cefepime)二塩酸塩一水和物(3
00g、HPLCで確認した純度99.9%、カールフ
ィッシャー法による水分含量3.8%)を、脱イオン水
(1200ml)に溶解させる。6N塩酸(132m
l、1.5当量)を加える。溶液を濾過して、脱イオン
水(300ml)で洗浄する。
【0094】濾過した溶液にアセトン(1500ml)
を加える。さらなるアセトン(4000ml)を、20
分間にわたって滴下する。二水和物の結晶が急激に生成
するまで(顕微鏡観察は不要;任意に曇点で種を加え
る)、溶液を曇点で保つ。さらなるアセトン(8000
ml)を25分間にわたって加える。濃厚なスラリーを
25℃で1時間攪拌する。
【0095】結晶の形を顕微鏡で観察し、真のサンプル
の結晶と比較することにより、二水和物(針状結晶)で
あることを確認した。スラリーを濾過し、アセトン(1
500ml×2回)で洗浄する。ケーキを40℃で15
時間真空乾燥する。セフェピム(cefepime)二
塩酸塩二水和物305.10g(収率98.6%)を
得、HPLCによる純度は99.0%、カールフィッシ
ャー法による水分含量6.5%となる。
【0096】
【実施例29】セフェピム(cefepime)二塩酸塩二水和物から
セフェピム(cefepime)二塩酸塩一水和物への
変換 セフェピム(cefepime)二塩酸塩二水和物(1
5.0g、HPLCで確認した純度99.2%、カール
フィッシャー法による水分含量6.4%)を、脱イオン
水(75ml)に溶解させる。6N塩酸(0.9ml、
0.2当量)を加える。溶液を、0.45ミクロンのフ
ィルターで濾過する。
【0097】濾過した溶液に、アセトン(200ml)
を20分間にわたって滴下して加え、曇った溶液を得る
(任意にここで種を加える)。ここで止めることなく、
さらなるアセトン(400ml)を40分間にわたって
滴下して加える。スラリーを0℃から5℃の氷浴で1時
間冷却する。
【0098】結晶の形を顕微鏡で観察し、真のサンプル
の結晶と比較することにより、一水和物であることを確
認する。スラリーを濾過し、アセトン(60ml×2
回)で洗浄する。ケーキを40℃で15時間真空乾燥す
る。セフェピム(cefepime)二塩酸塩一水和物
13.28g(収率91.8%)を得、結晶の構造がカ
プラン(Kaplan)らの米国特許4,910,30
1に記載されたものと同じであることを確認する。
【0099】
【実施例30】 7−〔2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
(Z)−メトキシイミノアセタミド〕−3−〔(1−メ
チル−1−ピロリジニオ)−メチル〕セフ−3−エム−
4−カルボキシレート二塩酸塩水和物の製造 アセトン(120ml)と水(40ml)の冷却(−2
2℃)溶液に、7−アミノ−3−〔(1−メチル−1−
ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4−カルボキ
シレートヨウ化水素酸塩(14.67g活性、0.03
45mol)とシン−2−(2−アミノチアゾール−4
−イル)−2−メトキシイミノアセチルクロリド塩酸塩
(9.93g活性、0.0388 mol)を、固体と
して同時に別々に25分間にわたって加える。反応pH
は、トリエチルアミンを満たして終点をpH6.5に調
節したラジオメーター(Radiometer)ABU
80自動滴定器を使用して5.0から7.0に保ち、温
度は、−20℃から−30℃に保つ。反応物を加え終わ
ったら、得られた不透明なスラリーを0℃から5℃に温
め、固体が溶解するまで攪拌し、アシル化の完結をHP
LCにより確認する。反応混合物を濾過し、濾液を二等
分する。
【0100】方法A 上記の濾液の一方を12N塩酸(8.8ml、0.10
6mol)で酸性化し、濾液が曇るまでアセトン(11
4ml)を加えて希釈する。濾液にセフェピム(cef
epime)二塩酸塩二水和物結晶(0.5g)の種を
加え、スラリーを40℃で約3時間加温する。混合物を
0℃から5℃で1時間冷却し、濾過する。生成物をアセ
トンで洗浄し、室温で真空乾燥する。93.3%の純度
で表題化合物の二塩酸塩の結晶(収量7.34g、収率
67.3%)を得る。カールフィッシャー法による水分
含量は4.1%である。FT−IR(KBrを用いた拡
散反射)分析では3574cm−1と3432cm−1
に吸収ピークが見られ、これは生成物が表題化合物の一
水和物(粒状様結晶)形と二水和物(針状様結晶)形と
の混合物であることを示している。
【0101】方法B 濾液のもう片一方を12N塩酸(8.8ml、0.10
6mol)で酸性化し、濾液が曇るまでアセトン(20
6ml)を1時間にわたって加えて希釈する。スラリー
を結晶化が観察されるまで放置した後、0℃から5℃に
冷却し、1時間放置する。スラリーを濾過し、生成物を
アセトンで洗浄した後、45℃で真空乾燥する。95.
3%の純度で表題化合物の二塩酸塩の結晶(収量8.6
g、収率85.3%)を得る。カールフィッシャー法に
よる水分含量は4.6%である。FT−IR(KBrを
用いた拡散反射)分析の結果、生成物は、表題化合物の
二水和物(針状様結晶)形を約0.4%未満含む、一水
和物(粒状様結晶)形であることがわかる。
【0102】
【実施例31】7−〔2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
(Z)−メトキシイミノアセタミド〕−3−〔(1−メ
チル−1−ピロリジニオ)−メチル〕セフ−3−エム−
4−カルボキシレート二塩酸塩二水和物の製造 アセトン(120ml)と水(40ml)の冷却(−2
2℃)溶液に、7−アミノ−3−〔(1−メチル−1−
ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4−カルボキ
シレートヨウ化水素酸塩(14.61g活性、0.03
44mol)とシン−2−(2−アミノチアゾール−4
−イル)−2−メトキシイミノアセチルクロリド塩酸塩
(9.94g活性、0.0388 mol)を、同時に
そして固体として別々に25分間にわたって加える。反
応pHは、トリエチルアミンを満たして終点をpH6.
5に調節したラジオメーター(Radiometer)
ABU80自動滴定器を使用して5.0から7.0に保
ち、温度は、−20℃から−30℃に保つ。反応物を加
え終わったら、得られた不透明なスラリーを0℃から5
℃に温め、固体が溶解するまで攪拌し、アシル化の完結
をHPLCにより確認する。反応混合物を濾過し、濾液
を二等分する。
【0103】方法A 上記の濾液の一方を12N塩酸(11.7ml、0.1
404mol)で酸性化し、濾液が濁るまでアセトンを
加えた。濾液にセフェピム(cefepime)二塩酸
塩二水和物結晶(0.3g)の種を加え、スラリーを5
0℃で約1時間加温する。混合物を室温に冷却し、アセ
トンで希釈し、15時間攪拌した。スラリーを再度40
℃で1時間加温し、アセトンで希釈した。全部で280
mlのアセトンを用いて生成物を結晶化した。1時間0
℃から5℃に徐々に混合物を冷却し、スラリーを濾過
し、アセトン(125ml)で洗浄し、生成物を45℃
で真空乾燥する。表題化合物、セフェピム二塩酸塩二水
和物の結晶を97.8%の純度(収量8.19g、収率
80.9%)を得る。カールフィッシャー法による水分
含量は6.5%である。FT−IR(KBrを用いた拡
散反射)分析では3574cm−1と3432cm−1
に吸収ピークが見られ、これは本生成物が二水和物(針
状様結晶)形であることを示している。
【0104】方法B 濾液のもうかた一方を12N塩酸(14.6ml、0.
1752mol)で酸性化し、濾液が濁るまでアセトン
を加えた。濾液にセフェピム(cefepime)二塩
酸塩二水和物結晶(0.3g)の種を加え、スラリーを
室温で約1.5時間攪拌した。混合物をさらにアセトン
で希釈し、室温で約15時間攪拌し、次に40℃で1時
間加温した。さらにアセトンを加え、混合物を希釈し、
全部で231mlのアセトン液とした。1時間0℃から
5℃に徐々に冷却し、生成物を濾過して集め、125m
lのアセトンで洗浄し、45℃で真空乾燥する。表題化
合物、セフェピム二塩酸塩二水和物の結晶を96.3%
の純度(収量8.68g、収率85.7%)を得る。カ
ールフィッシャー法による水分含量は6.7%である。
FT−IR(KBrを用いた拡散反射)分析では357
4cm−1と3432cm−1に吸収ピークが見られ、
これは本生成物が二水和物(針状様結晶)形であること
を示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例10のシン−2−(2−アミノチアゾー
ル−4−イル)−2−メトキシイミノアセチルクロリド
塩酸塩の酢酸−d中でのプロトン核磁気共鳴スペクト
ルを示している(100MHz)。
【図2】実施例12の生成物の酢酸−d中でのプロト
ン核磁気共鳴スペクトルを示している(100MH
z)。
【図3】実施例13の生成物の酢酸−d中でのプロト
ン核磁気共鳴スペクトルを示している(100MH
z)。
【図4】実施例14の生成物の酢酸−d中でのプロト
ン核磁気共鳴スペクトルを示している(100MH
z)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン エム ロービー アメリカ合衆国ニューヨーク州 13057 イーストシラキューズ コベントリー ロ ード ノース 7205

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 7−アミノ−3−〔(1−メチル−1−
    ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4−カルボキ
    シレートを、アンチ異性体を実質的に含まない2−(2
    −アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノ
    アセチルクロリド塩酸塩のシン異性体と反応させること
    を特徴とするアンチ異性体やΔ異性体を実質的に含ま
    ない抗生物質セフェピム二塩酸塩水和物の製造法。
  2. 【請求項2】 7−アミノ−3−〔(1−メチル−1−
    ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4−カルボキ
    シレートを、アンチ異性体を実質的に含まない2−(2
    −アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノ
    アセチルクロリド塩酸塩のシン異性体と、水−有機溶媒
    中で反応させることを特徴とする請求項1記載のアンチ
    異性体やΔ異性体を実質的に含まない抗生物質セフェ
    ピム二塩酸塩水和物の製造法。
  3. 【請求項3】 7−アミノ−3−〔(1−メチル−1−
    ピロリジニオ)メチル〕セフ−3−エム−4−カルボキ
    シレートを、アンチ異性体を実質的に含まない2−(2
    −アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノ
    アセチルクロリド塩酸塩のシン異性体と、pH約5.0
    から7.5の水−有機溶媒中で反応させることを特徴と
    する請求項1記載のアンチ異性体やΔ異性体を実質的
    に含まない抗生物質セフェピム二塩酸塩水和物の製造
    法。
  4. 【請求項4】 2−(2−アミノチアゾール−4−イ
    ル)−2−メトキシイミノ酢酸のシン異性体の無水酸塩
    酸塩を、少なくとも1モル当量のオキサリルクロリドと
    少なくとも1モル当量からオキサリルクロリドに対して
    やや過剰のジメチルホルムアミドを含む混合物と、不活
    性有機溶媒中−10℃未満で反応させて上記アンチ異性
    体を実質的に含まない2−(2−アミノチアゾール−4
    −イル)−2−メトキシイミノアセチルクロリド塩酸塩
    のシン異性体を製造したものであることを特徴とする請
    求項1記載の製造法。
  5. 【請求項5】 反応混合物に充分量の酸と水と混合可能
    な有機溶媒を加えて上記抗生物質を製造することを特徴
    とする請求項1記載の製造法。
  6. 【請求項6】 pHが約6.2から6.8である請求項
    1記載の製造法。
  7. 【請求項7】 水−有機溶媒が、水−アセトンである請
    求項1記載の製造法。
  8. 【請求項8】 オキサリルクロリドの量が1.0から
    2.0モル当量でジメチルホルムアミドの量がオキサリ
    ルクロリドの量に対してやや過剰モル当量である請求項
    4記載の製造法。
  9. 【請求項9】 オキサリルクロリドの量が1.05モル
    当量でジメチルホルムアミドの量が上記無水塩酸塩に対
    して1.075当量である請求項8記載の製造法。
  10. 【請求項10】 温度が約−15℃から−40℃である
    請求項4記載の製造法。
  11. 【請求項11】 不活性有機溶媒がジクロロメタン又は
    アセトニトリルである請求項4記載の製造法。
  12. 【請求項12】 酸が硫酸である請求項5記載の製造
    法。
  13. 【請求項13】 得られた硫酸塩を塩基で中和した後、
    充分量の塩酸を加えて上記抗生物質を製造することを特
    徴とする請求項12記載の製造法。
  14. 【請求項14】 上記抗生物質が2.5%から7.0%
    の水分を含むものである請求項1記載の製造法。
  15. 【請求項15】 上記抗生物質がセフェピム二塩酸塩一
    水和物である請求項1記載の製造法。
  16. 【請求項16】 上記抗生物質がセフェピム二塩酸塩二
    水和物である請求項1記載の製造法。
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