JPH0518828U - グルーマシン用糊付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のライダーロール使用の糊付装置のよう
な段頂部の圧潰変形を起こす虞れのない糊付装置の提
供。 【構成】 糊付ロール１に対し所定の隙間Ｓを持って２
本のロール８ａ，８ｂを並設し、同３本のロール１，８
ａ，８ｂ間を走行する片面段ボールシート５を所定の角
度同糊付ロール１へ捲回させるよう構成してなるもの
で、２本のロール８ａ，８ｂのうち入口側ロール８ａに
回転を任意にコントロールできるブレーキを具備する。
また２本のロール８ａ，８ｂにエンドレスベルト１０を
捲回させ、走行する片面段ボールシート５を糊付ロール
１の側周面へ押圧するもので、シートの接触状態が軸方
向の線接触から面接触となり、圧潰変形を無くす。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はコルゲートマシンに設備するグルーマシン用糊付装置に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

図４はコルゲートマシンに設備した従来型グルーマシン用糊付装置の構造説明 図、図５〜図６は同糊付ロール部の構造例説明図である。グルーマシンＧの糊付 装置は、図４に示す如く糊付ロール１、ドクターロール４及び糊付ロール１の下 方に位置する糊溜２等によって構成されており、糊付ロール１と所定の間隙を持 って対設したライダーロール７との間を走行する片面段ボールシート５の芯紙６ の段頂部に糊３を転移供給するものである。また図中１３はシート導入口部の押 さえロール、１４はテンションロールであり、同両ロール１３，１４は共に片面 段ボールシート５の走行を安定化すべく機能している。

【０００３】 さて前工程のシングルフェーサにおいて製造された片面段ボールシート５は、 ガイドロール１５、プレヒートロール１６を捲回走行する事によって適度に加熱 された後、グルーマシンＧへ送り込まれ、糊付ロール１とライダーロール７との 中間を走行する途上において糊付ロール１と接触し、芯紙６の段頂部に外周面の 糊が転移供給される。糊付ロール１の外周上の糊量（糊厚）は、糊溜２へロール 周面の一部を浸して矢印方向へ回転する同糊付ロール１の中途に並設したドクタ ーロール４によってコントロールされるもので、掻き取られた余剰糊は、再度糊 溜２内へ落下して回収されるようになっている。前記グルーマシンＧを通過した 片面段ボールシート５は、更に次工程のダブルフェーサＷのヒーティングパート ９へ導入され、他経路を経て送り込まれたライナ１７と合流し、互いに貼合され て両面段ボールシート１２に形成される。

【０００４】 この両面段ボールシート１２には使用する目的によって種々多様なものがある が、図４のものは２枚の片面段ボールシート５ａ，５ｂ、つまり糊付装置Ｒａに よって糊３が付けられた片面段ボールシート５ａと、糊付装置Ｒｂによって糊３ が付けられた片面段ボールシート５ｂ及びライナ１７を互いに貼着する事によっ て、複両面段ボールシート１２を形成する場合を例示している。糊付装置におけ る片面段ボールシート５を介して対設した糊付ロール１とライダーロール７の係 合状態（間隙、挟持圧）は、両面段ボールシート１２の品質（強度）を左右する 重要な要素であり、例えば図７に示す如く芯紙６の段頂部が０．１ｍ／ｍ以上圧 潰された場合には、片面段ボールシートの強度が急激に低下する事が知られてい る。従って芯紙段頂を潰さずに糊付けする事が重要となる。

【０００５】 以下図５〜図６をもとに、従来採用されていたライダーロール７部の構造につ いて説明する。先ず図５の例は、位置固定的に設備した糊付ロール１に対し、ラ イダーロール７側の両軸端をシリンダ１８ａ，１８ｂのヘッド１９ａ，１９ｂを 介して軸支させたもので、シリンダ１８ａ，１８ｂの作用力（伸縮力）をコンプ レッサ２０との中間に具備したレギュレータ２１を介してコントロールし、エア バランスさせる事によって、中間を走行する片面段ボールシート５への押圧力を 調整する構造としたものである。しかし本方式のものはオーダーチェンジに伴う 原紙（ライナ、芯紙）幅や厚さ、強度の変動に伴う同圧力の設定が困難で、調整 ミスによってシートを圧潰する虞れが多分にあった。 次に図６の例は、ライダーロール７と糊付ロール１との間隙を微調整する方式 のもので、紙継ぎ等に伴う片面段ボールシート５の厚さ変動によって芯紙６の段 頂部を圧潰したり、或いは逆に間隙が広く、挟持圧力（シートの接触圧）が小さ くなって、充分な糊転移ができない等の不具合があった。その他図５及び図６の 両形式に共通した事項として、構造が複雑となり、装置の製造原価が高騰すると いった問題があった。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

前述の如くグルーマシンに設備した従来の糊付装置では、糊付ロールと片面段 ボールシートを介して対設したライダーロールとの係合状態を調整する一般的な 手段として、両ロールの軸間距離を微調整する、或いはライダーロールの押圧力 をエアシリンダ等を介してエアバランスさせる等の方法が採られていた。しかし 前者はオーダーチェンジ等に伴い片面段ボールシートの厚さが変わると圧潰され たり、シートの接触圧が不足する等の不具合があり、また後者はエアバランスの 調整が困難であった。その他両者に共通な事項として構造が複雑で、装置の製造 原価が高騰する等の問題があった。 本考案は前記従来の問題に対処すべく提案されたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

このため本考案は、糊付ロールに対し所定の隙間を持って２本のロールを並設 し、同３本のロール間を走行する片面段ボールシートを所定の角度同糊付ロール へ捲回させるよう構成すると共に、前記２本のロールのうち入口側ロールに回転 を任意にコントロールできるブレーキを具備してなるもので、これを課題解決の ための手段とするものである。 また本考案は、並設した２本のロールにエンドレスベルトを捲回させ、走行す る片面段ボールシートを糊付ロール側周面へ押圧すべく作用させてなるもので、 これを課題解決のための手段とするものである。 更に本考案は、糊付ロールに対して押圧力が調整できるよう構成した弾性体を 具備させ走行する片面段ボールシートを糊付ロール側周面へ押圧すべく作用させ てなるもので、これを課題解決のための手段とするものである。

【０００８】

【作用】

本考案は、片面段ボールシートを糊付ロールへ捲回走行させる事によって面接 触させ、単一芯紙段頂部に対する押圧力を軽減させるよう構成したものであり、 また入口側ロールへ具備したブレーキは、走行する片面段ボールシートの張力を 調整して接触圧を可変すべく機能し、またエンドレスベルトを介して片面段ボー ルシートを糊付ロール側へ押圧するもので、糊付ロールから転移する糊付着状態 を微妙にコントロールできる。以上の如く本考案は、従来型の如きロールの重量 が片面段ボールシートを介して糊付ロールへ直接的、かつ線接触として掛からな い様構成した点、及び片面段ボールシートを糊付ロールへ捲回して走行させる事 によって、糊の転移効率を向上させた点に特徴を有するもので、シート状況、例 えば片面段ボールシートの厚さ変動等に伴う芯紙段頂の圧潰や、糊の転移量不足 等不具合を大幅に改善できる。

【０００９】

【実施例】

以下本考案を図面の実施例について説明すると、図１〜図３は本考案の実施例 を示し、図１はグルーマシン用糊付装置の基本構造説明図、図３は同装置に設備 した糊付ロール部の構造例説明図である。さて図１において糊付ロール１の一部 を糊溜２内の糊３に浸して糊３をロール周面に付着させ、回転移送する途上にお いて並設したドクターロール４を介して余剰糊を掻き落とし、所定の糊厚に調整 した後片面段ボールシート５の芯紙６の段頂部へ転移供給する糊付装置としての 基本機能は、前記従来の図４において説明したものと同様である。

【００１０】 さて本考案の糊付装置は、従来のライダーロールの重量が片面段ボールシート ５を介して直接糊付ロール１へ掛からない様にした事を特徴とするもので、以下 図３について構成、機能について説明する。先ず図３（ａ）の例は、糊付ロール １に対し所定の隙間Ｓをもって２本のロール８ａ，８ｂを並設させたもので、入 口側ロール８ａにはロールの回転を適宜制動する事のできるブレーキを具備させ てある。ここで図３（ａ）において、前工程より連続的に給送されてくる片面段 ボールシート５は、入口側ロール８ａの下方を捲回した後、糊付ロール１の周面 へ図中θの角度捲回した状態で走行し、糊３の転移を受けた後、出口側ロール８ ｂを経て下流側のダブルフェーサＷのヒーティングパート９へ送り込まれる。ま た入口側ロール８ａに具備したブレーキは、走行する片面段ボールシート５へバ ックテンションを付加し、芯紙６の段頂部が糊付ロール１へ接触する接触圧を可 変すべく機能している。

【００１１】 次に図３（ｂ）の例は、前記図３（ａ）の例の如く配設した入口側ロール８ａ と出口側ロール８ｂへエンドレスベルト１０を捲回させたもので、エンドレスベ ルト１０の走行方式としてはロール８ａ，８ｂを回転自在に軸支しておき、走行 する片面段ボールシート５へ追随させるもの、又はロール８ｂ側を回転駆動させ 、片面段ボールシート５と連動して走行させるもの等種々の形式が考えられる。

【００１２】 次に図３（ｃ）の例は、走行する片面段ボールシート５を糊付ロール１側へ押 圧すべく構成した弾性体（例えば板バネ）１１を具備させたもので、糊付ロール １の所定周長にわたって片面段ボールシート５を接触させると共に、或る程度押 圧力（接触圧）が変更できる構造となっている。 本考案は以上の如く構成されたもので、従来型糊付装置のように片面段ボール シート５を糊付ロール１の周面上軸方向において線接触させるのではなく、或る 程度の弾力性を持って面接触させた点に強調すべき特徴がある。従って前記構成 、機能により変形がなく、もって剛性の高い両面段ボールシート１２の製造がで きる。

【００１３】

【考案の効果】

以上詳細に説明した如く本考案は、従来型糊付装置のように糊付ロールに対し て片面段ボールシートを介し１本のライダーロールを係合させたものではなく、 所定の隙間をもって２本のロールを並設しているため、シートの接触状態が軸方 向の線接触から面接触となる。従って荷重（接触圧）が分散されるため、片面段 ボールシートの芯紙段頂部を押し潰す不具合が解消されるばかりでなく、オーダ ーチェンジ（紙継ぎ）等に伴い製造された片面段ボールシートの厚さに多少の変 動が発生しても、この厚さの変動量を吸収でき、製品品質のバラツキを減少させ る事ができる。またシートを糊付ロールの一部へ捲回させた状態で走行させる為 、より小さな圧力でも糊転移効率を増大させる事ができる。このため圧潰変形が なく、もって剛性の高い両面段ボールシートを製造する事ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示すグルーマシン用糊付装置
の基本構造を示す側断面図である。

【図２】図１のＰ部詳細図である。

【図３】本考案の実施例を示す糊付ロール部の各例の詳
細側断面図である。

【図４】従来のグルーマシン用糊付装置の側断面図であ
る。

【図５】図４におけるライダーロールの挟圧状態を示す
側面図である。

【図６】図５と異なる従来のライダーロールの挟圧状態
を示す側面図である。

【図７】片面段ボールシートの段頂部の状況説明図であ
る。

【図８】段ボールの強度と潰れ量との関係を示す説明図
である。

【符号の説明】

１ 糊付ロール ２ 糊溜 ３ 糊 ４ ドクターロール ５ 片面段ボールシート ６ 芯紙 ７ ライダーロール ８ ロール ９ ヒーティングパート １０ エンドレスベルト １１ 弾性体（例えば板バネ） １２ 両面段ボールシート １３ 押さえロール １４ テンションロール １５ ガイドロール １６ プレヒートロール １７ ライナ １８ シリンダ １９ ヘッド ２０ コンプレッサ ２１ レギュレータ Ｗ ダブルフェーサ Ｇ グルーマシン Ｒ 糊付装置 Ｓ 糊付ロール周面とロール周面との間隙 θ 糊付ロールに対するシートの捲回角度

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 糊付ロールに対し所定の隙間を持って２
   本のロールを並設し、同３本のロール間を走行する片面
   段ボールシートを所定の角度同糊付ロールへ捲回させる
   よう構成すると共に、前記２本のロールのうち入口側ロ
   ールに回転を任意にコントロールできるブレーキを具備
   してなることを特徴とするグルーマシン用糊付装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載のグルーマシン用糊付装置
   において、並設した２本のロールにエンドレスベルトを
   捲回させ、走行する片面段ボールシートを糊付ロール側
   周面へ押圧すべく作用させたことを特徴とするグルーマ
   シン用糊付装置。
3. 【請求項３】 糊付ロールに対して押圧力が調整できる
   よう構成した弾性体を具備させ走行する片面段ボールシ
   ートを糊付ロール側周面へ押圧すべく作用させたことを
   特徴とするグルーマシン用糊付装置。