JPH0518028A - 壁パネルの連結方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 中空押出セメント板等の壁パネルを内組み工
法にて連結できるようにする。 【構成】 壁パネル１０、１２の側端面に凹部１６、１
８が形成されている。この凹部には斜面２２、２４が設
けられており、連結ピース２６の可撓片２８、３０の先
端の楔部３４、３６が弾性的にかつ摺動自在に当接して
いる。壁パネル１２を押し込むと、丸みを帯びた角縁部
１２ｒ、２６ｒが当接し、連結ピース２６が凹部１６内
に押し込まれる。壁パネル１０、１２の側端面が合致す
ると、連結ピース２６の後端が第２の凹部１８内に入り
込み、壁パネル１０、１２の連結が完成する。 【効果】 中空押出セメント板であってもきわめて容易
に内組み工法にて連結することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えばユニットバスル
ーム等のユニットルームの壁面の構築時に採用される壁
パネルの連結方法に関する。詳しくは、押出セメント板
などの押出パネルよりなる壁パネルの連結に好適な方法
に関する。さらに詳しくは、壁パネル同志の連結作業が
きわめて簡単に行なえるよう改良された壁パネルの連結
方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】隣接配置された壁パネル同志の連結を行
なうために、壁パネルの背面に、双方の壁パネルにまた
がる金具を固着する方法が行なわれている。ところが、
かかる金具の固着作業は作業員が壁パネルの背後に回っ
て行なう、いわゆる外組み工法のものであるため、壁パ
ネル背後のスペースが小さい場合には不適当である。

【０００３】そこで、壁パネルをユニットルームの室内
側から起立させ、適宜の金具に係合させる内組み工法が
種々行なわれるようになってきた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の内組み工法は、
金属製のフレームに化粧パネルを取り付けたフレーム型
パネルについて開発されたものである。

【０００５】ところで、近年、安価でかつ剛性の高い中
空押出セメント板よりなる壁パネルの利用が考えられて
いる。このような中空押出セメント板については、従来
の内組み工法は適用できない。そこで、中空押出セメン
ト板についても作業性の良い内組み工法の開発が期待さ
れている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１の壁パネルの連
結方法は、側端面を対面させて隣接配置される第１及び
第２の壁パネルの該側端面にそれぞれ凹部を形成してお
き、双方の凹部にまたがるように連結ピースを該凹部に
挿入して壁パネル同志を連結する方法において、第１の
壁パネルの凹部は、該凹部の入口側に向って拡開する形
状の１対の斜面を備えており、該連結ピースは、その先
端側から該第１の壁パネルの凹部に挿入可能とされてお
り、該連結ピースは該先端に向って延在する２片の可撓
片と、該可撓片の基端側同志をつなぐ基片とを有し、該
可撓片の先端は前記第１の壁パネルの凹部の斜面と摺動
自在であり、該連結ピースは、該可撓片の先端が斜面か
ら受ける反力により退出方向に付勢可能であり、該連結
ピースの後部の基片と一方の可撓片との交叉角縁及び該
パネルの一方の板面の角縁はそれぞれ丸みを帯びてお
り、第１の壁パネルの凹部に連結ピースを挿入し、該連
結ピースの可撓片の先端を該凹部の斜面に当接させると
共に、該連結ピースの後部を該凹部から突出させてお
き、一方の壁パネルを起立させておくと共に、他方の壁
パネルを若干傾いた起立近似姿勢としておき、次いで該
他方の壁パネルを起立方向に回動させ、まず、該第２の
壁パネルの丸みを帯びた角縁を前記連結ピースの丸みを
帯びた後部角縁に当接させ、該丸みを帯びた角縁同志の
係合により連結ピースを第１の壁パネルの凹部内に押し
込み、次いで、双方の壁パネルの側端面の凹部同志を対
面させ、第２の壁パネルの凹部内に前記連結ピースの後
部を挿入させて第１及び第２の壁パネル同志を連結させ
ることを特徴とするものである。

【０００７】請求項２の壁パネルの連結方法は、第１及
び第２の壁パネルを、各パネルの板面を直交させて配置
し、その側辺同志を連結する方法であって、両壁パネル
の側端面から背面に回り込む略Ｗ字形の断面形状のアン
グルを第２の壁パネルの側端面部分に固定しておき、第
１の壁パネルの側端面に凹部を形成し、該アングルの該
凹部に対面する位置に開口を設けておき、該凹部から開
口にまたがるように連結ピースを該凹部及び開口に挿入
して壁パネル同志を連結する方法において、第１の壁パ
ネルの凹部は、該凹部の入口側に向って拡開する形状の
１対の斜面を備えており、該連結ピースは、その先端側
から該第１の壁パネルの凹部に挿入可能とされており、
該連結ピースは該先端に向って延在する２片の可撓片
と、該可撓片の基端側同志をつなぐ基片とを有し、該可
撓片の先端は前記凹部の斜面と摺動自在であり、該連結
ピースは、該可撓片の先端が斜面から受ける反力により
退出方向に付勢可能であり、第１の壁パネルの凹部に連
結ピースを挿入し、該連結ピースの可撓片の先端を該凹
部の斜面に当接させると共に、該連結ピースの後部を該
凹部から突出させておき、まず、この連結ピースの基片
が該凹部から非突出となるように連結ピースを凹部内に
押し込み、第１の壁パネルの側端面が、起立姿勢にある
第２の壁パネルの側端面に沿って移動するように該第１
の壁パネルを起立させ、連結ピースの基片を前記アング
ルに当接させ、次いで、第１の壁パネルの側端面の凹部
と前記アングルの開口とを対面させ、該開口内に前記連
結ピースの後部を挿入させて第１及び第２の壁パネル同
志を連結させることを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】請求項１の壁パネルの連結方法においては、該
他方の壁パネルを起立させると、まず該他方の壁パネル
の丸みを帯びた角縁が連結ピースの丸みを帯びた後部角
縁に当接する。

【０００９】そこで、さらに該他方の壁パネルを起立方
向に回動すると、丸みを帯びた角縁部分同志の係合によ
り連結ピースが第１の壁パネルの凹部内に押し込まれ
る。他方の壁パネルをさらに起立させると、該第２の壁
パネルの側端面が連結ピースの基片に被さった状態とな
る。その後、双方の壁パネルの側端面が完全に合致する
と、両壁パネルの凹部同志が対面し、連結ピースの後部
が第２の壁パネルの凹部内に押し込まれる。即ち、連結
ピースは、その可撓片の先端が第１の壁パネルの凹部内
の斜面に当接し、退出方向に付勢されているため、第１
及び第２の壁パネルの凹部が対面すると、連結ピースの
後部が自動的に第２の壁パネルの凹部内に挿入される。

【００１０】このようにして、壁パネルを起立させると
自動的に双方の壁パネルの連結が行なわれる。

【００１１】請求項２の方法においても、第１の壁パネ
ルを起立方向に回動させると、第１の壁パネルの凹部と
アングルの開口とが対面した時点で、連結ピースの後端
が該開口に挿入され、壁パネル同志の連結が行なわれ
る。

【００１２】

【実施例】以下図面を参照して実施例について説明す
る。第１図、第２図及び第３図はそれぞれ請求項１の実
施例方法を説明する水平断面図であり、第１図及び第２
図は連結途中図、第３図は連結完成図である。第４図は
第１の壁パネルの斜視図、第５図は連結ピースの平面図
である。

【００１３】本実施例では、第１の壁パネル１０及び第
２の壁パネル１２はいずれも中空押出セメント板よりな
り、かつ同一形状のものとなっている。これら壁パネル
１０、１２には、押出方向に延在する空洞部１４が設け
られている。また、この押出方向に沿う側端面には凹部
が設けられている。以下、第１の壁パネル１０に設けら
れている凹部を第１の凹部１６といい、第２の壁パネル
１２に設けられている凹部を第２の凹部１８という。こ
れら凹部１６、１８は、いずれも押出成形時に形成され
たものであり、その内面はきわめて平滑なものとなって
いる。これら凹部１６、１８は、その入口２０がやや狭
まっており、その途中が拡幅している。この途中部分か
ら凹部１６、１８の奥部にかけては、入口部２０に向っ
て拡開する１対の斜面２２、２４となっている。

【００１４】壁パネル１０、１２には、丸みを帯びた角
縁１０ｒ、１２ｒと、やや尖った角縁１０ｓ、１２ｓと
が設けられている。

【００１５】この第１の壁パネル１０の凹部１６に連結
ピース２６が挿入される。この連結ピース２６は、１対
の平行な可撓片２８、３０と、これら可撓片２８、３０
の後端側を連結している基片３２とを有している。可撓
片２８、３０の先端側には、前記斜面２２、２４に倣っ
て傾斜した外面を有する楔部３４、３６が設けられてい
る。

【００１６】次に、この連結ピース２６を用いて壁パネ
ル１０、１２を連結する手順について説明する。

【００１７】まず、第４図に示す如く、第１の壁パネル
１０の凹部１６に連結ピース２６を挿入する。この際、
楔部３４、３６は斜面２２、２４に弾性的に当接し、斜
面２２、２４から受ける分力により基片３２側（後端
側）が凹部１６から退出する方向に付勢される。

【００１８】本実施例では、第１の壁パネル１０を鉛直
姿勢にて起立させておく。また、第２の壁パネル１２
は、鉛直から若干室内側４０に傾いた姿勢としておく。
そして、第１図の如く、第２の壁パネル１２を鉛直起立
方向に向って回動させる。矢印４２はこの回動方向を示
している。

【００１９】壁パネル１２を鉛直起立方向に回動させて
いくと、まず該第２の壁パネル１２の背面の角縁部１２
ｒが連結ピース２６の角縁部２６ｒと当接する。そし
て、この丸みを帯びた角縁部１２ｒ、２６ｒの係合によ
り、連結ピース２６は第１の凹部１６内に押し込まれ
る。さらに第２の壁パネル１２を鉛直起立方向に回動さ
せると、第２図に示す如く、壁パネル１２の側端面が基
片３２に被さった状態となる。そして、さらに壁パネル
１２を矢印４２方向に起立移動させると、ついには壁パ
ネル１０、１２の側端面が完全に合致し、第１の凹部１
６と第２の凹部１８とが対面した状態となる。そうする
と、連結ピース２６の後端側は第２の凹部１８内に挿入
される。即ち、可撓片２８、３０の先端の楔部３４、３
６が斜面２２、２４に当接しているところから、第２図
の如く楔部３４、３６が接近した弾性変形状態において
は連結ピース２６は斜面２２、２４から後退方向に強い
反力を受ける。そのため、第３図の如く、凹部１６、１
８が合致すると、連結ピース２６が後退方向に押し戻さ
れ、その後端側が凹部１８内に嵌合するのである。

【００２０】このように、本実施例方法にあっては、第
２の壁パネル１２を鉛直起立方向に回動させると、連結
ピース２６が一旦凹部１６内に挿入され、その後壁パネ
ル１０、１２が鉛直起立姿勢になった時点で連結ピース
２６が凹部１８内に入り込み、両壁パネル１０、１２の
連結が完成する。そして、壁パネル１２は室内側から室
外側に向って起立回動されるものであり、この壁パネル
１０、１２同志の連結を完全に内組み作業によってきわ
めて容易に行なうことができる。

【００２１】第３図に示す如く、連結完了状態にあって
は、壁パネル１０、１２のシャープな角縁部１０ｓ、１
２ｓが室内側４０に位置するため、壁パネル１０、１２
同志の継目もきわめて目立たないものとなる。

【００２２】上記実施例では、第１の壁パネル１０を鉛
直としておき、第２の壁パネル１２を鉛直に向って回動
させているが、逆に第２の壁パネル１２を鉛直起立姿勢
としておき、第１の壁パネル１０を鉛直起立方向に矢印
４４の如く起立回動させても良い。ただし、この場合、
第１の壁パネル１０を第２の壁パネル１２よりも室外側
に位置させるところから、上記実施例の如く、第２の壁
パネル１２を室内側４０から起立回動させるのが好適で
ある。

【００２３】第６図、第７図及び第８図は請求項２の方
法の実施例を説明するものであり、第６図はアングルの
取付状態を示す斜視図、第７図は連結途中状態を示す水
平断面図、第８図は連結完了後の水平断面図である。

【００２４】この請求項２の方法では、第２の壁パネル
１２にアングル５０をビス５２で取り付けておく。この
アングル５０は、第１の壁パネル１０の背面に回り込む
第１片５４と、第１の壁パネル１０の側端面に当接する
第２片５６と、第２の壁パネル１２の側端面に当接する
第３片５８と、第２の壁パネル１２の背面に回り込む第
４片６０とを備えた略Ｗ字形状の断面形状を有してい
る。この第２片５６には、複数個の開口６２が設けられ
ている。この第２片５６は第２の壁パネル１２の室内側
の面と面一となるように配置される。

【００２５】本実施例は、壁パネル１０、１２が直交配
置される場合において、前記と同様の連結ピース２６を
用いて両壁パネル１０、１２の連結を内組み工法にて行
なうものであり、連結作業に際しては、第２の壁パネル
１２を鉛直起立姿勢としておく。そして、第１の壁パネ
ル１０の凹部１６に連結ピース２６を挿入しておく。

【００２６】第７図に示す如く、第１の壁パネル１０の
側端面を第２の壁パネル１２の前面（又はアングル５０
の第２片５６）に当接させ、連結ピース２６を凹部１６
内に押し込んでおく。次いで、第１の壁パネル１０を鉛
直起立方向に回動させ（矢印６４）、第１の壁パネル１
０の背面をアングル５０の第１片５４に当接させる。こ
の状態になると、凹部１６と開口６２とが対面し、連結
ピース２６の後端側が開口６２内に入り込み、第８図に
示す如く壁パネル１０、１２の連結が完成する。

【００２７】本実施例においても、壁パネル１０、１２
を内組み工法にてきわめて容易に連結することができ
る。

【００２８】

【発明の効果】以上の通り、本発明の請求項１の工法に
よると、壁パネルの側端面を突き合わせるようにして壁
パネルの建て込みを行なう場合、内組み工法にて容易に
両壁パネルを連結することができる。また、請求項２の
方法によると、壁パネルの断面が直交するように壁パネ
ルを建て込む場合、両壁パネルを内組み工法にて容易に
連結することができる。本発明の方法は、壁パネルが中
空押出セメント板等の押出成形板である場合に適用する
のにきわめて好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１の実施例方法を説明する水平断面図で
ある。

【図２】請求項１の実施例方法を説明する水平断面図で
ある。

【図３】請求項１の実施例方法により連結された連結状
態を示す水平断面図である。

【図４】第１の壁パネルの斜視図である。

【図５】連結ピースの平面図である。

【図６】請求項２の方法を説明する要部斜視図である。

【図７】請求項２の実施例方法を説明する連結途中の水
平断面図である。

【図８】請求項２の方法により連結された壁パネルを示
す水平断面図である。

【符号の説明】

１０ 第１の壁パネル １２ 第２の壁パネル １４ 空洞部 １６ 第１の凹部 １８ 第２の凹部 ２２、２４ 斜面 ２６ 連結ピース ２８、３０ 可撓片 ３２ 基片 ５０ アングル ６２ 開口

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 側端面を対面させて隣接配置される第１
   及び第２の壁パネルの該側端面にそれぞれ凹部を形成し
   ておき、双方の凹部にまたがるように連結ピースを該凹
   部に挿入して壁パネル同志を連結する方法において、 第１の壁パネルの凹部は、該凹部の入口側に向って拡開
   する形状の１対の斜面を備えており、 該連結ピースは、その先端側から該第１の壁パネルの凹
   部に挿入可能とされており、 該連結ピースは該先端に向って延在する２片の可撓片
   と、該可撓片の基端側同志をつなぐ基片とを有し、該可
   撓片の先端は前記第１の壁パネルの凹部の斜面と摺動自
   在であり、 該連結ピースは、該可撓片の先端が斜面から受ける反力
   により退出方向に付勢可能であり、 該連結ピースの後部の基片と一方の可撓片との交叉角縁
   及び該パネルの一方の板面の角縁はそれぞれ丸みを帯び
   ており、 第１の壁パネルの凹部に連結ピースを挿入し、該連結ピ
   ースの可撓片の先端を該凹部の斜面に当接させると共
   に、該連結ピースの後部を該凹部から突出させておき、 一方の壁パネルを起立させておくと共に、他方の壁パネ
   ルを若干傾いた起立近似姿勢としておき、次いで該他方
   の壁パネルを起立方向に回動させ、 まず、該第２の壁パネルの丸みを帯びた角縁を前記連結
   ピースの丸みを帯びた後部角縁に当接させ、該丸みを帯
   びた角縁同志の係合により連結ピースを第１の壁パネル
   の凹部内に押し込み、 次いで、双方の壁パネルの側端面の凹部同志を対面さ
   せ、第２の壁パネルの凹部内に前記連結ピースの後部を
   挿入させて第１及び第２の壁パネル同志を連結させるこ
   とを特徴とする壁パネルの連結方法。
2. 【請求項２】第１及び第２の壁パネルを、各パネルの板
   面を直交させて配置し、その側辺同志を連結する方法で
   あって、 両壁パネルの側端面から背面に回り込む略Ｗ字形の断面
   形状のアングルを第２の壁パネルの側端面部分に固定し
   ておき、 第１の壁パネルの側端面に凹部を形成し、該アングルの
   該凹部に対面する位置に開口を設けておき、該凹部から
   開口にまたがるように連結ピースを該凹部及び開口に挿
   入して壁パネル同志を連結する方法において、 第１の壁パネルの凹部は、該凹部の入口側に向って拡開
   する形状の１対の斜面を備えており、 該連結ピースは、その先端側から該第１の壁パネルの凹
   部に挿入可能とされており、 該連結ピースは該先端に向って延在する２片の可撓片
   と、該可撓片の基端側同志をつなぐ基片とを有し、該可
   撓片の先端は前記凹部の斜面と摺動自在であり、該連結
   ピースは、該可撓片の先端が斜面から受ける反力により
   退出方向に付勢可能であり、 第１の壁パネルの凹部に連結ピースを挿入し、該連結ピ
   ースの可撓片の先端を該凹部の斜面に当接させると共
   に、該連結ピースの後部を該凹部から突出させておき、 まず、この連結ピースの基片が該凹部から非突出となる
   ように連結ピースを凹部内に押し込み、 第１の壁パネルの側端面が、起立姿勢にある第２の壁パ
   ネルの側端面に沿って移動するように該第１の壁パネル
   を起立させ、連結ピースの基片を前記アングルに当接さ
   せ、 次いで、第１の壁パネルの側端面の凹部と前記アングル
   の開口とを対面させ、該開口内に前記連結ピースの後部
   を挿入させて第１及び第２の壁パネル同志を連結させる
   ことを特徴とする壁パネルの連結方法。