JPH05178830A - シクロヘキシルアミン誘導体 - Google Patents

シクロヘキシルアミン誘導体

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JPH05178830A
JPH05178830A JP3357513A JP35751391A JPH05178830A JP H05178830 A JPH05178830 A JP H05178830A JP 3357513 A JP3357513 A JP 3357513A JP 35751391 A JP35751391 A JP 35751391A JP H05178830 A JPH05178830 A JP H05178830A
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JP
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compound
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cyclohexylamine
group
ethyl
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JP3357513A
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English (en)
Inventor
Hideki Kurokawa
川 秀 樹 黒
Mitsumasa Minafuji
藤 光 雅 皆
Akiyoshi Onishi
西 章 義 大
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D211/00Heterocyclic compounds containing hydrogenated pyridine rings, not condensed with other rings
    • C07D211/04Heterocyclic compounds containing hydrogenated pyridine rings, not condensed with other rings with only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom
    • C07D211/06Heterocyclic compounds containing hydrogenated pyridine rings, not condensed with other rings with only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom having no double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D211/36Heterocyclic compounds containing hydrogenated pyridine rings, not condensed with other rings with only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom having no double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D211/40Oxygen atoms
    • C07D211/44Oxygen atoms attached in position 4
    • C07D211/46Oxygen atoms attached in position 4 having a hydrogen atom as the second substituent in position 4
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
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    • C08K5/16Nitrogen-containing compounds
    • C08K5/34Heterocyclic compounds having nitrogen in the ring
    • C08K5/3412Heterocyclic compounds having nitrogen in the ring having one nitrogen atom in the ring
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    • C08K5/3435Piperidines

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 各種有機材料用安定剤またはそれらの中間体
として、あるいは医薬、農薬等の中間体としても有用な
化合物の提供。 【構成】 下記式(I)で示される、2,2,6,6‐
テトラメチルピペリジン骨格を有するシクロヘキシルア
ミン誘導体。 [式中、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数2〜7のアシル基など、Rは水素原子、炭素数
1〜4のアルキル基、RおよびRは、共に水素原
子、一方が水素原子でかつ他方が−CH−R、ある
いは両者が一諸になって=CH−Rを表す(Rは、
非置換またはC〜Cアルキル置換フェニル基、2‐
フリル基などを表す)。Xは炭素数1〜3のアルキレン
基、nは、1または2である。] 【効果】 安定剤として使用した場合はブリードアウト
が少なく、光安定化効果が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、新規な構造のシクロヘ
キシルアミン誘導体に関し、さらに詳しくは、各種有機
材料用光安定剤あるいはそれらの中間体として有用であ
り、医薬、農薬等の中間体としても使用可能な、2,
2,6,6‐テトラメチルピペリジン骨格を有するシク
ロヘキシルアミン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、2,2,6,6‐テトラアル
キルピペリジン骨格(いわゆるヒンダードアミン骨格)
を有する化合物は、ラジカル捕捉能に優れていることが
知られており、この性質を利用して有機材料、特に樹脂
などの光安定剤として用いられてきた。
【0003】例えば、「高分子添加剤の最新技術」(中
原豊ら著、シーエムシー社、1988年)に記載されて
いるように、代表的な光安定剤である、ビス(2,2,
6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジニル)セバケート
(下記化合物〔I〕。商品名:サノールR LS770。
以下、LS770と略す)は、2,2,6,6‐テトラ
メチル‐4‐ピペリジノールとセバシン酸とのエステル
体であり、ポリオレフィンを中心にして多くの樹脂に対
して高い光安定化効果を示すことが知られている。
【0004】
【化2】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このL
S770は、高い光安定化効果を有するものの、使用時
に樹脂からのブリードアウトが激しいため、フィルムな
ど薄いものには使用しにくく、また、比較的厚みのある
ものでも長期使用に際しては樹脂表面の塗装などに悪影
響を及ぼすなどの問題点があった。
【0006】近年、上記のようなブリードアウトの問題
点を解決するために、下記に示すような高分子量化され
た光安定剤(下記化合物〔2〕。商品名:CHIMAS
SORBR 944)が開発されているが、この化合物は
樹脂からのブリードアウトはしないものの、光安定化効
果は十分ではなかった。
【0007】
【化3】
【0008】本発明者らは、上記のような問題点を解決
すべく検討を行った結果、工業的に製造可能であり、ま
た光安定剤として使用した際に、光安定化効果が高く、
かつ樹脂よりのブリードアウトが少ない一般式〔I〕で
示される新規なシクロヘキシルアミン誘導体を見いだし
本化合物を開発するに至った。
【0009】 〔発明の概要〕
【課題を解決するための手段】本発明は、特定の分子構
造を有する化合物を提供することによって、上記従来技
術に認められた問題点を解決しようとするものである。
【0010】<要旨>本発明によるシクロヘキシルアミ
ン誘導体は、下記、一般式〔I〕で示される化合物であ
る。
【0011】
【化4】
【0012】〔式中、Rは水素原子、または炭素数1
〜4のアルキル基、または炭素数2〜7のアシル基、ま
たは炭素数7〜10のアリールアルキル基を表し、R
は水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
【0013】RおよびRは、共に水素原子、一方が
水素原子でかつ他方が−CH−R、あるいは両者が
一緒になって=CH−Rを表す(ただしRは、非置
換またはC〜Cアルキル置換フェニル基、2‐フリ
ル基、シクロヘキシル基、あるいは2‐テトラヒドロフ
リル基を表す。)。また、Xは炭素数1〜3のアルキレ
ン基を表し、nは、1または2である。〕
【0014】<効果>本発明によるシクロヘキシルアミ
ン誘導体は、分子内にシクロヘキシル基を有しているた
め、従来の光安定剤に比べ、樹脂をはじめとする各種有
機材料、特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン等のポリオレフィン、に対する相溶性に著しく優れ
ており、ポリオレフィン用の光安定剤として使用した際
には、樹脂からのブリードアウトが少なく、かつ光安定
化効果が高いという優れた特長を有している。
【0015】〔発明の具体的説明〕 <化合物>本発明による、シクロヘキシルアミン誘導体
は、一般式〔I〕で示される。ここで、Rは(i) 水素
原子、または(ii)メチル基、n‐ブチル基などの炭素数
1〜4のアルキル基、または(iii) アセチル基、ベンゾ
イル基などの炭素数2〜7のアシル基、または(iV)ベン
ジル基、1‐フェニルエチル基などの炭素数7〜10の
アリールアルキル基から任意に選定することができ、い
ずれの場合も同様な光安定化効果を示す。しかし、製造
上は、Rは水素原子あるいはメチル基が好ましく、な
かでも水素原子が特に好ましい。また、Rが水素原子
の場合、本発明の化合物は比較的強い塩基性を示すた
め、使用に際して、酸性の塗料や他の添加剤等と共存さ
せる場合には、光安定化効果の他、分散性、相溶性およ
びブリードアウトの点で、Rはメチル基、アセチル
基、ベンゾイル基など水素原子以外の置換基を選択する
ことが好ましい。
【0016】Rは(i) 水素原子、または(ii)メチル
基、n‐ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基から
選ぶことができ、なかでも水素原子、またはメチル基が
好ましく、特に水素原子が好ましい。
【0017】RおよびRは、(i) 共に水素原子、(i
i)一方が水素原子でかつ他方が−CH−R、あるい
は(iii) 両者が一緒になって=CH−Rであり、R
は、(イ)フェニル基、(ロ)p‐トリル基、p‐t‐
ブチル基などのC〜C置換フェニル基、(ハ)2‐
フリル基、(ニ)シクロヘキシル基、または(ホ)2‐
テトラヒドロフリル基である。なお、アルキル置換フェ
ニル基(ロ)の置換位置は、芳香環のいずれの位置であ
っても良い。このようなRおよびRのなかでは、
(a)RおよびRが、共に水素原子、(b)R
水素原子で、かつRがベンジル基、(c)Rが水素
原子で、かつRがシクロヘキシルメチル基が好まし
く、(a)RおよびRが水素原子であるものが特に
好ましい。
【0018】また、Xは、−CH−、−CH−CH
−、あるいは−CH(CH)−CH−などのC
〜Cアルキレン基であり、これらのなかでは特に−C
−CH−が好ましい。nは、1または2であり、
このようなnのなかでは、nが1であるものが好まし
い。
【0019】式〔I〕から明らかなように、本発明によ
るシクロヘキシルアミン誘導体は、シクロヘキシルアミ
ンであることの塩基性とRが水素原子またはアルキル
基またはアリールアルキル基である場合のピペリジン環
による塩基性とを有する化合物であり、従って本発明に
よるシクロヘキシルアミン誘導体にはその酸付加塩があ
りうる。従って、本発明で「シクロヘキシル誘導体」と
いうときは、その酸付加塩を包含するものとする。シク
ロヘキシルアミンおよびピペリジンと付加塩をつくるこ
とのできる酸は周知であって、本発明においても有機酸
および無機酸の中から合目的的な任意のものを選ぶこと
ができる。具体的には、たとえば、(i)有機酸、たとえ
ば、モノまたはジないしポリカルボン酸および(ii)無機
酸、たとえば、塩酸、硫酸、リン酸、その他がある。
【0020】本発明による一般式〔I〕で表されるシク
ロヘキシルアミン誘導体の代表的なものとしては、次の
化合物があげられる。 1) N,N‐ビス(2‐(2,2,6,6‐テトラメ
チル‐4‐ピペリジニルオキシカルボニル)エチル)シ
クロヘキシルアミン(例示化合物1)
【0021】
【化5】
【0022】2) N,N‐ビス(2‐(1,2,2,
6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジニルオキシカルボ
ニル)エチル)シクロヘキシルアミン(例示化合物2)
【0023】
【化6】
【0024】3) N,N‐ビス(2‐(1‐アセチル
‐2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジニルオ
キシカルボニル)エチル)シクロヘキシルアミン(例示
化合物3)
【0025】
【化7】
【0026】4) N,N‐ビス(2‐(1‐ベンジル
‐2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジニルオ
キシカルボニル)エチル)シクロヘキシルアミン(例示
化合物4)
【0027】
【化8】
【0028】5) N,N‐ビス(2‐(1‐ベンゾイ
ル‐2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジニル
オキシカルボニル)エチル)シクロヘキシルアミン(例
示化合物5)
【0029】
【化9】
【0030】6) N,N‐ビス(2‐(3‐ベンジル
‐2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジニルオ
キシカルボニル)エチル)シクロヘキシルアミン(例示
化合物5)
【0031】
【化10】
【0032】7) N,N‐ビス(2‐(3‐シクロヘ
キシルメチル‐2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピ
ペリジニルオキシカルボニル)エチル)シクロヘキシル
アミン(例示化合物7)
【0033】
【化11】
【0034】8) N,N‐ビス(2‐(3‐(2‐フ
ルフリル)‐2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペ
リジニルオキシカルボニル)エチル)シクロヘキシルア
ミン(例示化合物8)
【0035】
【化12】
【0036】9) N,N‐ビス(2‐(3‐ベンジル
‐1,2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジニ
ルオキシカルボニル)エチル)シクロヘキシルアミン
(例示化合物9)
【0037】
【化13】
【0038】10) N,N‐ビス(2‐(3‐シクロ
ヘキシルメチル‐1,2,2,6,6‐ペンタメチル‐
4‐ピペリジニルオキシカルボニル)エチル)シクロヘ
キシルアミン(例示化合物10)
【0039】
【化14】
【0040】11) N,N‐ビス(2‐(1‐アセチ
ル‐3‐ベンジル‐2,2,6,6‐テトラメチル‐4
‐ピペリジニルオキシカルボニル)エチル)シクロヘキ
シルアミン(例示化合物11)
【0041】
【化15】
【0042】12) N,N‐ビス(2‐(1‐アセチ
ル‐3‐シクロヘキシル‐2,2,6,6‐テトラメチ
ル‐4‐ピペリジニルオキシカルボニル)エチル)シク
ロヘキシルアミン(例示化合物12)
【0043】
【化16】
【0044】13) N‐(2‐(2,2,6,6‐テ
トラメチル‐4‐ピペリジニルオキシカルボニル)エチ
ル)ジシクロヘキシルアミン(例示化合物13)
【0045】
【化17】
【0046】14) N‐(2‐(1,2,2,6,6
‐ペンタメチル‐4‐ピペリジニルオキシカルボニル)
エチル)ジシクロヘキシルアミン(例示化合物14)
【0047】
【化18】
【0048】15) N‐(2‐(1‐アセチル‐2,
2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジニルオキシカ
ルボニル)エチル)ジシクロヘキシルアミン(例示化合
物15)
【0049】
【化19】
【0050】16) N‐(2‐(1‐ベンジル‐2,
2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジニルオキシカ
ルボニル)エチル)ジシクロヘキシルアミン(例示化合
物16)
【0051】
【化20】
【0052】17) N‐(2‐(3‐ベンジル‐2,
2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジニルオキシカ
ルボニル)エチル)ジシクロヘキシルアミン(例示化合
物17)
【0053】
【化21】
【0054】18) N‐(2‐(3‐シクロヘキシル
メチル‐2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジ
ニルオキシカルボニル)エチル)ジシクロヘキシルアミ
ン(例示化合物18)
【0055】
【化22】
【0056】19) N,N‐ビス(2,2,6,6‐
テトラメチル‐4‐ピペリジニルオキシカルボニルメチ
ル)シクロヘキシルアミン(例示化合物19)
【0057】
【化23】
【0058】20) N,N‐ビス(1‐メチル‐2‐
(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジニルオ
キシカルボニル)エチル)シクロヘキシルアミン(例示
化合物20)
【0059】
【化24】
【0060】21) N,N‐ビス(1,2,2,6,
6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジニルオキシカルボニル
メチル)シクロヘキシルアミン(例示化合物21)
【0061】
【化25】
【0062】22) N,N‐ビス(1‐メチル‐2‐
(1,2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジニ
ルオキシカルボニル)エチル)シクロヘキシルアミン
(例示化合物22)
【0063】
【化26】
【0064】<化合物の製造>本発明におけるシクロヘ
キシルアミン誘導体は、結合ないし基の形成に関して合
目的的な任意の方法により製造することができる。代表
的な製造方法のいくつかを挙げれば、下記の通りであ
る。
【0065】(1)アミン化合物へのα,β‐不飽和化
合物の付加(〔反応1〕)およびピペリジノール誘導体
とのエステル化反応(〔反応2〕)。 Xが−CHCH−あるいは−CH(CH)CH
−の場合には、下記のスキーム1に従い製造することが
できる。
【0066】
【化27】
【0067】〔反応1〕は、アミン化合物〔A〕のα,
β‐不飽和化合物〔B〕へのマイケル付加型の反応であ
る。具体的にはアミン化合物〔A〕であるシクロヘキシ
ルアミン(n=2)あるいはジシクロヘキシルアミン
(n=1)と、α,β‐不飽和化合物〔B〕であるアク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリルアミド、メ
タクリル酸メチル、あるいはメタクリル酸エチルとを無
溶媒、あるいは適当な溶媒を用いて無触媒、あるいは適
当な触媒の存在下、反応させる。溶媒を用いて反応を行
う場合には、その種類は特に限定されないが、α,β‐
不飽和化合物〔B〕としてα,β‐不飽和エステル(C
=CRCO)を用い、かつ溶媒としてアル
コールを用いる場合には、アルコール溶媒はROHで
あることが好ましい(例えば、α,β‐不飽和エステル
としてアクリル酸メチルを用いた場合には溶媒としてメ
タノールを用いる。)。
【0068】反応に際して、通常、α,β‐不飽和化合
物は、アミン化合物〔A〕に対して1〜10倍等量、好
ましくは1〜5倍等量、さらに好ましくは1〜3倍等
量、用いて行われる。この際、過剰のα,β‐不飽和化
合物〔B〕は、反応終了後、蒸留などにより除去され、
再び反応に利用される。また、反応後の精製は、α,β
‐不飽和化合物〔B〕を過剰に用いることにより反応を
十分進行させれば、蒸留などにより簡単に高純度の目的
化合物が得られる(通常、未反応のα,β‐不飽和化合
物〔B〕を除去すれば95%以上の純度で目的化合物が
得られる。)。
【0069】触媒は、通常、特に必要としないが、十分
な反応速度が得られない場合には、触媒として酢酸など
を適宜用いても良い。また、反応温度は、特に限定され
ないが、一般的には、反応混合物の還流温度で行われ、
特に反応の進行が遅い場合には、加圧反応器を用いて還
流温度以上で行われる。
【0070】〔反応2〕は、ピペリジノール誘導体であ
る化合物〔D〕と〔反応1〕で得た化合物〔C〕(未精
製、あるいは精製したもの何れでもよい)とのエステル
交換反応である。この反応は、触媒の存在下、溶媒中、
反応で生成するアルコールを除去しながら行う。
【0071】反応に際して、エステル交換反応を十分進
行させるため、化合物〔D〕は、化合物〔C〕に対して
1.0〜1.5倍等量、好ましくは1.0〜1.2倍等
量、で用いられる。反応終了後、過剰のピペリジノール
化合物〔D〕は、再結晶、あるいは適当な溶媒を用いて
抽出することなどにより除去されて、高純度の目的化合
物〔I〕が得られる。また、特に有機材料用の安定剤と
して使用するにあたり、過剰のピペリジノール化合物
〔D〕が、悪影響(ここでいう悪影響とは、目的化合物
〔1〕の安定剤としての機能を低下させることのみでな
く、有機材料を使用する際に必要とされている物理的、
あるいは化学的性質の低下全般を指す。)を及ぼさなけ
れば精製することなしにそのまま用いても良い。
【0072】触媒は、一般的なエステル化、あるいはエ
ステル交換反応に使用されている酸、あるいは塩基触媒
を用いることができる。例えば、(i) 酸触媒としては、
塩酸、硫酸などの鉱酸、テトライソプロポキシチタン
(IV)、トリイソプロポキシアルミニウム(III)などの
金属アルコキシド類、12タングストリン酸、12モリ
ブドケイ酸などのヘテロポリ酸類、結晶性、あるいは非
結晶性シリカ‐アルミナなどの酸化物、等が用いられ、
(ii)塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カル
シウムなどのアルカリ、あるいはアルカリ土類金属水酸
化物、ナトリウムメトキシド、マグネシウムメトキシド
などのアルカリ、あるいはアルカリ土類金属アルコキシ
ド類、リチウムアミド、ナトリウムアミド、などのアル
カリ、あるいはアルカリ土類金属アミド類、酸化マグネ
シウム、酸化カルシウムなどの酸化物、等があげられ
る。これらの中では、テトライソプロポキシチタン(I
V)、トリイソプロポキシアルミニウム(III)、ナトリ
ウムメトキシド、リチウムアミドが好ましく、特にリチ
ウムアミドが好ましい。
【0073】溶媒は、反応物の溶解度、触媒、反応温度
などとの組み合わせにより適宜選択されるが、通常は、
ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、など
が用いられる。これらの溶媒は、好ましくは、反応で生
成するアルコール(ROH)と共沸混合物を生成する
もので、かつ常温でアルコール(ROH)と相分離す
るもの(ディーンスターク型の分離装置を用いて、反応
により生成する前記アルコールを連続的に反応系内から
除去できる)が望ましいが、相分離しない場合には、反
応系から除去した混合物から前記アルコールを蒸留、あ
るいは吸着剤などを用いて除去すれば良い。このような
溶媒の中では、ヘキサン、ヘプタン、トルエンが好まし
く、特にヘプタンが好ましい。
【0074】反応温度は、用いる反応物、溶媒により決
定されるが、一般的には50〜150℃で行われる。
【0075】(2)アミン化合物とハロゲン化物の反応
(〔反応3〕)およびピペリジノール誘導体とのエステ
ル化反応(〔反応2〕)。 Xが−CH−の場合には、下記スキーム2の製造方法
が特に有効である。
【0076】
【化28】
【0077】反応〔3〕は、アミン化合物〔A〕とハロ
ゲン化物〔B〕との脱ハロゲン化水素反応であり、具体
的にはアミン化合物〔A〕であるシクロヘキシルアミン
(n=2)あるいはジシクロヘキシルアミン(n=1)
とハロゲン化物〔B〕であるクロル酢酸メチル、クロル
酢酸エチルなどを、脱ハロゲン化水素剤の存在、あるい
は非存在下、反応させる。
【0078】脱塩化水素剤としては、ピリジン、トリエ
チルアミンなどの3級アミン類、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウムなどの塩基性無機塩類、あるいは水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウムなどの塩基性無機化合物が用
いられる。これらの脱塩化水素剤は、通常、生成するハ
ロゲン化水素に対して1〜5倍等量、好ましくは1〜3
倍等量、の量で用いられる。
【0079】反応溶媒は、必要に応じて使用しても良
く、一般的には、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの脂肪族、あるいは芳香族
炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエ
ーテル類、などが用いられる。また、ピリジン、トリエ
チルアミンなど液体の脱塩化水素剤を用いた場合には、
これを溶媒として反応を行うこともできる。
【0080】反応温度は、特に限定されないが、通常、
0〜200℃、好ましくは、0〜150℃で行われる。
〔反応4〕は、前記スキーム1中の〔反応2〕と同一の
反応であり、これと同様な方法により目的化合物が得ら
れる。
【0081】<化合物の有用性>本発明による一般式
〔I〕のシクロヘキシルアミン誘導体は、各種有機材料
用光安定剤として有用である。このような有機材料の代
表的なものとしては、例えば、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテン‐1等のポリ(α‐オレフィ
ン)、エチレン‐プロピレンランダムまたはブロック共
重合体、エチレン‐(ブテン‐1)ランダム共重合体な
どのポリ(α‐オレフィン)共重合体、無水マレイン酸
変性ポリプロピレンなどのポリ(α‐オレフィン)とビ
ニルモノマーの共重合体およびこれらの混合物などがあ
る。
【0082】上記の他、本発明によるシクロヘキシルア
ミン誘導体が使用可能な合成高分子化合物としては、ポ
リ塩化ビニル、アクリルまたはメタクリル樹脂、ポリス
チレン、耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂、AES樹
脂などのスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、
ナイロンなどのポリアミド、ポリカーボネート、ポリア
セタール、ポリエチレンオキシド、ポリフェニレンエー
テル、ポリスルフォン、ポリウレタン、および不飽和ポ
リエステル樹脂などが挙げられる。
【0083】天然有機化合物も本発明化合物によって安
定化される対象であって、具体的には、セルロース、ゴ
ム、タンパク質、あるいは酢酸セルロース等、およびそ
れらの誘導などの天然重合体、鉱油、動植物油、ロウな
どがある。本発明の化合物は、単独で使用しても効果が
高いが、各種安定剤と併用することによりさらに高い効
果が期待できる。
【0084】
【実施例】以下の実施例は本発明の化合物を具体的に説
明するためのものである。 実施例1 〔N,N‐ビス(2‐(2,2,6,6‐テトラメチル
‐4‐ピペリジニルオキシカルボニル)エチル)シクロ
ヘキシルアミン〕(例示化合物1)
【0085】〔反応1〕磁気撹拌器、熱電対および冷却
器を備えた100mlの反応器にシクロヘキシルアミン
9.9g(100mmol)、メタノール50mlおよびアク
リル酸メチル28.4g(330mmol、1.65等量)
を加えた後、十分攪拌しながら反応系を65℃まで加熱
し、その温度で20時間反応を行った。
【0086】所定の反応時間後、反応系を室温まで冷却
し、減圧にてメタノール、および過剰のアクリル酸メチ
ルを除去した。さらに、メタノール50mlを加え、再び
減圧にて留去する操作を3回繰り返すことにより、完全
にアクリル酸メチルを除去した。
【0087】得られた化合物は、N,N‐ビス(2‐メ
トキシカルボニルエチル)‐シクロヘキシルアミン(以
下、CHADAと略)であり、収量は26.0g(純度
96%)、収率は92%であった。
【0088】〔反応2〕磁気撹拌器、熱電対およびディ
ーンスターク型冷却器を備えた300mlの反応器に上記
〔反応1〕で得られたCHADA(未精製)13.6g
(50mmol)、2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピ
ペリジノール17.3g(110mmol)、ヘプタン20
0ml、およびリチウムアミド0.2g(8.7mmol)を
加えた。十分攪拌しながら、反応系を100℃付近まで
加熱し、ディーンスターク型冷却器を用いて留出するメ
タノールを除去しながら、12時間反応を行った。所定
時間終了後、室温まで冷却した反応混合物を分液ロート
に移して500mlのエーテルを加えた後、100mlのH
Oで3回洗浄した。水洗後の溶液を無水硫酸マグネシ
ウムで約3時間乾燥し、さらにろ過、濃縮して白色ワッ
クス状固体23.4g(純度97.9%)を得た。この
個体をアルミナカラムクロマトグラフィー(CHCl
溶媒)により精製して、目的化合物(例示化合物1)の
白色結晶21.5g(収率82.4%)を得た。
【0089】この化合物の物性値は、下記の通りであ
る。 (1) 融点 69.7℃ (2) 分子量 521(m/e) (3) 1H−NMR(CDCl) δ(ppm) 0.93−1.34(m,35H) 1.52−2.02(m,9H) 2.27−2.52(m,5H) 2.78(t,4H) 5.07−5.33(m,2H) (4) 13C−NMR(CDCl) δ(ppm) 26.1 26.3 29.0 29.3 34.8 35.3 44.0 46.3 51.5 60.4 68.7 172.3
【0090】実施例2 〔N,N‐ビス(2‐(1,2,2,6,6‐ペンタメ
チル‐4‐ピペリジニルオキシカルボニル)エチル)シ
クロヘキシルアミン〕(例示化合物2)
【0091】磁気撹拌器、熱電対およびディーンスター
ク型冷却器を備えた300mlの反応器に実施例1の〔反
応1〕と同様にして得たCHADA(未精製)5.43
g(20mmol)、1,2,2,6,6‐ペンタメチル‐
4‐ピペリジノール18.56g(50mmol:1.25
等量)、ヘキサン200ml、およびリチウムアミド0.
1g(4.4mmol)を加えた。十分攪拌しながら、反応
系を70℃付近まで加熱し、ディーンスターク型冷却器
を用いて留出するメタノールを除去しながら、16時間
反応を行った。所定時間終了後、室温まで冷却した反応
混合物を分液ロートに移して300mlのエーテルを加え
た後、100mlのHOで3回洗浄した。水洗後の溶液
を無水硫酸マグネシウムで約3時間乾燥し、さらにろ
過、濃縮して、微黄色液体10.9gを得た。この液体
をアルミナカラムクロマトグラフィー(CHCl
媒)により精製して、目的化合物(例示化合物2)の白
色固体9.8g(収率89.1%)を得た。
【0092】この化合物の物性値は、下記の通りであ
る。 (1) 融点 52.1℃ (2) 分子量 549(m/e) (3) 1H−NMR(CDCl) δ(ppm) 0.93−1.33(m,29H) 1.35−1.94(m,13H) 2.24(s,6H) 2.30−2.48(m,5H) 2.78(t,4H) 4.97−5.13(m,2H) (4) 13C−NMR(CDCl) δ(ppm) 20.5 26.0 26.1 27.9 29.1 33.1 35.1 45.8 46.2 55.0 60.3 67.4 172.2
【0093】実施例3 〔N‐(2‐(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピ
ペリジニルオキシカルボニル)エチル)ジシクロヘキシ
ルアミン〕(例示化合物13)
【0094】〔反応1〕磁気撹拌器、熱電対および冷却
器を備えた100mlの反応器にジシクロヘキシルアミン
10.1g(56mmol)、メタノール50mlおよびアク
リル酸メチル14.4g(168mmol;3.0等量)を
加えた後、十分攪拌しながら反応系を65℃まで加熱
し、その温度で24時間反応を行った。
【0095】所定の反応時間後、反応系を室温まで冷却
し、減圧にてメタノール、および過剰のアクリル酸メチ
ルを除去した。さらに、メタノール30mlを加え、再び
減圧にて留去する操作を3回繰り返すことにより、完全
にアクリル酸メチルを除去した。
【0096】得られた化合物は、N‐(2‐メトキシカ
ルボニルエチル)‐ジシクロヘキシルアミン(以下、D
CHAMAと略)であり、収量は13.7g(純度97
%)、収率は91%であった。
【0097】〔反応2〕磁気撹拌器、熱電対およびディ
ーンスターク型冷却器を備えた300mlの反応器に上記
〔反応1〕で得られたDCHAMA(未精製)2.67
g(10mmol)、2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐
ピペリジノール1.88g(120mmol)、ヘプタン8
0ml、およびナトリウムメトキシド0.1g(1.9mm
ol)を加えた。十分攪拌しながら、反応系を100℃付
近まで加熱し、ディーンスターク型冷却器を用いて留出
するメタノールを除去しながら、6時間反応を行った。
所定時間終了後、室温まで冷却した反応混合物を分液ロ
ートに移して200mlのエーテルを加えた後、50mlの
Oで3回洗浄した。水洗後の溶液を無水硫酸マグネ
シウムで約3時間乾燥し、さらにろ過、濃縮して、淡黄
色結晶4.33gを得た。この結晶をアセトニトリルか
ら再結晶して、目的化合物(例示化合物13)の白色結
晶3.69g(収率93.9%)を得た。
【0098】この化合物の物性値は、下記の通りであ
る。 (1) 融点 65.8℃ (2) 分子量 392(m/e) (3) 1H−NMR(CDCl) δ(ppm) 0.92−1.41(m,26H) 1.46−2.07(m,12H) 2.24−2.64(m,4H) 2.86(t,2H) 5.07−5.31(m,1H) (4) 13C−NMR(CDCl) δ(ppm) 26.1 26.3 28.9 31.8 34.8 37.4 42.3 43.9 51.4 58.0 68.4 172.5
【0099】実施例4 〔N‐(2‐(1,2,2,6,6‐ペンタメチル‐4
‐ピペリジニルオキシカルボニル)エチル)ジシクロヘ
キシルアミン〕(例示化合物14)
【0100】磁気撹拌器、熱電対およびディーンスター
ク型冷却器を備えた100mlの反応器に実施例3の〔反
応1〕と同様な方法で得たDCHAMA(未精製)2.
67g(10mmol)、1,2,2,6,6‐ペンタメチ
ル‐4‐ピペリジノール2.05g(12mmol)、ヘプ
タン80ml、およびリチウムアミド0.1g(4.4mm
ol)を加えた。十分攪拌しながら、反応系を100℃付
近まで加熱し、ディーンスターク型冷却器を用いて留出
するメタノールを除去しながら、12時間反応を行っ
た。所定時間終了後、室温まで冷却した反応混合物を分
液ロートに移して200mlのエーテルを加えた後、50
mlのHOで3回洗浄した。水洗後の溶液を無水硫酸マ
グネシウムで約3時間乾燥し、さらにろ過、濃縮して、
淡黄色液体3.82gを得た。この液体をアルミナカラ
ムクロマトグラフィー(CHCl溶媒)により精製し
て、目的化合物(例示化合物14)の無色透明液体3.
41g(収率84.0%)を得た。
【0101】この化合物の物性値は、下記の通りであ
る。 (1) 分子量 406(m/e) (2) 1H−NMR(CDCl) δ(ppm) 0.87−1.33(m,24H) 1.41−1.94(m,12H) 2.24(s,3H) 2.36(t,2H) 2.41−2.61(m,2H) 2.86(t,2H) 4.97−5.12(m,1H) (3) 13C−NMR(CDCl) δ(ppm) 20.7 26.2 26.4 28.0 28.2 31.8 33.1 37.5 42.4 46.0 58.1 67.4 172.8
【0102】実施例5 〔N‐(2‐(3‐ベンジル‐2,2,6,6‐テトラ
メチル‐4‐ピペリジニルオキシカルボニル)エチル)
ジシクロヘキシルアミン〕(例示化合物17)
【0103】磁気撹拌器、熱電対およびディーンスター
ク型冷却器を備えた100mlの反応器に実施例3の〔反
応1〕と同様な方法で得たDCHAMA(未精製)2.
67g(10mmol)、3‐ベンジル‐2,2,6,6‐
テトラメチル‐4‐ピペリジノール2.96g(12mm
ol)、ヘプタン80ml、およびリチウムアミド0.1g
(4.4mmol)を加えた。十分攪拌しながら、反応系を
100℃付近まで加熱し、ディーンスターク型冷却器を
用いて留出するメタノールを除去しながら、15時間反
応を行った。所定時間終了後、室温まで冷却した反応混
合物を分液ロートに移して200mlのエーテルを加えた
後、50mlのHOで3回洗浄した。水洗後の溶液を無
水硫酸マグネシウムで約3時間乾燥し、さらにろ過、濃
縮して、淡黄色液体5.85gを得た。この液体をアル
ミナカラムクロマトグラフィー(CHCl溶媒)によ
り精製して、目的化合物(例示化合物17)の微黄色液
体4.07g(収率84.3%)を得た。
【0104】この化合物の物性値は、下記の通りであ
る。 (1) 分子量 482(m/e) (2) 1H−NMR(CDCl) δ(ppm) 0.91−2.04(m,36H) 2.29−3.07(m,8H) 4.88−5.09(m,1H) 7.01−7.40(m,5H) (3) 13C−NMR(CDCl) δ(ppm) 26.3 26.4 26.9 30.7 31.8 31.9 32.8 33.2 34.4 38.0 40.7 42.3 49.2 49.9 53.0 58.3 69.7 126.0 128.4 128.9 141.0 172.2
【0105】なお、上記化合物の一般式〔I〕での置換
基をまとめて示せば下記の通りである。
【0106】
【表1】
【0107】評価例1 <光安定化効果>135℃のテトラリン中で測定した極
限粘度が、1.9でアイソタクチックなものが98%の
ポリプロピレン粉末100重量部に、実施例1〜5で製
造したサンプルを0.2重量部、テトラキス〔3‐
(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシメチル〕メタンを0.1重量部およ
びステアリン酸カルシウム0.05重量部を配合して、
ミキサーで充分混合した後、シリンダー温度260℃、
20mm経押出機によって溶融混練して造粒した。得られ
たペレットを230℃で、厚さ0.5mmのシートに圧縮
成型した試験片を作成した。上記試験片の配合組成のう
ち、実施例1〜5にて製造した化合物の代わりに、市販
のヒンダードアミン系光安定剤であるサノールR LS7
70(三共(株)社製、比較化合物1)およびCHIM
ASSORBR 944(チバガイギー(株)社製、比較
化合物2)をそれぞれ用いて、上記と同様の方法にてシ
ートを作成し、比較対照用の試験片とした。
【0108】これらの試験片をアトラス社製65/XW
−WR型キセノンウエザーオメーターを用い、ブラック
パネル温度80℃で光照射して、各々の試験片が劣化す
るまでの時間を比較した。得られた結果は表1に示す通
りであった。
【0109】表1に示した結果から明らかなように、本
発明によるシクロヘキシルアミン誘導体は、いずれもそ
れぞれ比較化合物(No. 7,8)に比べて優れた安定化
効果(すなわち劣化時間の延長)を示した。
【0110】 表 1 No. 添加化合物 劣化時間(h) 1 なし 155 2 例示化合物1 720 3 例示化合物2 840 4 例示化合物13 620 5 例示化合物14 760 6 例示化合物17 680 7 比較化合物1 500 8 比較化合物2 320
【0111】評価例2 <ブリードアウト>実施例1〜5および比較化合物1
(サノールR LS770)のシートについて本文中に記
載したウエザーオメーター中で300時間の耐候性試験
を行った結果、参考化合物1〜5では、ほとんどブリー
ド物が見られないのに対し、比較化合物1では、シート
の表面に白色の微粉末がブリードしていた(このシート
を拭き取ることによりブリード物の付着を確認し
た。)。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造したN,N‐ビス(2‐(2,
2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジニルオキシカ
ルボニル)エチル)シクロヘキシルアミンの 1H−NM
Rスペクトルである。
【図2】実施例1で製造したN,N‐ビス(2‐(2,
2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジニルオキシカ
ルボニル)エチル)シクロヘキシルアミンの13C−NM
Rスペクトル(プロトンデカップリング法)である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔I〕で示される、シクロヘキ
    シルアミン誘導体。 【化1】 〔式中、Rは水素原子、または炭素数1〜4のアルキ
    ル基、または炭素数2〜7のアシル基、または炭素数7
    〜10のアリールアルキル基を表し、Rは水素原子、
    または炭素数1〜4のアルキル基を表す。RおよびR
    は、共に水素原子、一方が水素原子でかつ他方が−C
    −R、あるいは両者が一緒になって=CH−R
    を表す(ただしRは、非置換またはC〜Cアルキ
    ル置換フェニル基、2‐フリル基、シクロヘキシル基、
    あるいは2‐テトラヒドロフリル基を表す。)。また、
    Xは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、nは、1また
    は2である。〕
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