JP3218771B2 - ヒンダードピペリジン化合物による有機材料の安定化および該化合物の製造 - Google Patents

ヒンダードピペリジン化合物による有機材料の安定化および該化合物の製造

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JP3218771B2
JP3218771B2 JP02541693A JP2541693A JP3218771B2 JP 3218771 B2 JP3218771 B2 JP 3218771B2 JP 02541693 A JP02541693 A JP 02541693A JP 2541693 A JP2541693 A JP 2541693A JP 3218771 B2 JP3218771 B2 JP 3218771B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/16Nitrogen-containing compounds
    • C08K5/34Heterocyclic compounds having nitrogen in the ring
    • C08K5/3412Heterocyclic compounds having nitrogen in the ring having one nitrogen atom in the ring
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機材料用安定剤、そ
れに用いるヒンダードピペリジン化合物およびその化合
物の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル、ポリウレタン、ABS樹脂をはじめとする各
種合成樹脂、天然または合成ゴム、塗料などの有機材料
は、光により劣化し、軟化、脆化または変色といった現
象を伴って、その物性が著しく低下することが知られて
いる。そこで従来より、各種の光安定剤が開発され、ま
た使用されているが、現在でも新たな光安定剤に対する
要望が強い。とりわけ、ヒンダードピペリジン骨格、す
なわち2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル
基を有する化合物の開発が盛んである。
【0003】例えばヨーロッパ公開特許第 34 829 号明
細書には、2,2,6,6−テトラアルキル−4−アミ
ノピペリジン骨格を有し、かつ別の部位がカルボン酸
塩、特にニッケル塩になっている化合物が開示されてい
る。しかしながら、ここに示されているニッケル塩は緑
色であり、化合物自体のこうした着色は、有機材料用光
安定剤として用いる場合に大きな障害となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
材料の光酸化劣化に対して高い安定化効果を示し、その
化合物自体が白色ないし無色であって、安定化されるべ
き有機材料に添加したときにその有機材料を着色させる
ことがない化合物を提供することである。
【0005】本発明の別の目的は、かかる化合物を用い
て、有機材料を安定化することである。
【0006】さらに本発明の別の目的は、かかる化合物
のなかでも有用な化合物を収率よく製造することであ
る。
【0007】本発明者らは、有機材料の光酸化劣化に対
して優れた安定化効果を示す安定剤を開発すべく研究を
続けてきた結果、特定のヒンダードピペリジン化合物が
優れた効果を有することを見出し、本発明に至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下式
(I)で示されるヒンダードピペリジン化合物を有効成
分とする有機材料用安定剤を提供するものである。
【0009】
【化6】
【0010】式中、R1はN−位が無置換のもしくは置
換された2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル、または環状部分を含んでもよい炭素数1から12
アルキルを表し、R2は水素、環状部分を含んでもよい
炭素数1から10のアルキル、環状部分を含んでもよい
炭素数1から18のアルキルオキシ、または水酸基を表
し、nは2から8の整数を表す。
【0011】本発明はまた、有機材料にこのヒンダード
ピペリジン化合物を安定化有効量配合することにより、
その有機材料を安定化する方法および、有機材料にこの
ヒンダードピペリジン化合物を含有させてなる有機材料
組成物を提供する。
【0012】式(I)において、R1 が4−ピペリジ
ル、炭素数5から18のアルキルまたは炭素数7から1
8のアリールアルキルである化合物は新規である。した
がって本発明はさらに、式(I)で示され、かつ式中、
1 がN−無置換のもしくはN−置換の2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル、環状部分を含んでも
よい炭素数5から18のアルキル、または炭素数7から
18のアリールアルキルであり、R2 およびnが先に定
義したとおりであるヒンダードピペリジン化合物を提供
する。
【0013】また本発明は、式(I)で示されるヒンダ
ードピペリジン化合物のうち、R1がN−無置換のもし
くはN−置換の2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル、環状部分を含んでもよい炭素数3から18の
アルキル、または炭素数7から18のアリールアルキル
である化合物を、エステル交換により製造する方法にも
向けられている。
【0014】本発明の安定剤成分となるヒンダードピペ
リジン化合物を表す前記式(I)において、R1 は、N
−位が無置換のもしくは置換された2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル、水素、環状部分を含んで
もよい炭素数1から18のアルキルまたは炭素数7から
18のアリールアルキルである。R1 が2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジルである場合、そのN−
位に置換しうる基は、環状部分を含んでもよい炭素数1
から10のアルキル、環状部分を含んでもよい炭素数1
から18のアルキルオキシ、および水酸基を包含する。
したがって、かかる2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジルは、一般に次の式(II)で示される。
【0015】
【化7】
【0016】式中、 R3 は水素、環状部分を含んでも
よい炭素数1から10のアルキル、環状部分を含んでも
よい炭素数1から18のアルキルオキシ、または水酸基
を表す。
【0017】式(II)中のR3 がアルキルであって、そ
の炭素数が3以上である場合は、直鎖状や分枝状のほ
か、環状部分を含んでいてもよい。R3 で示される環状
部分を含むアルキルとしては、特にシクロヘキシルメチ
ルやシクロヘキシルエチルのような、中間または末端に
環状アルキルを含み、窒素原子へは -CH2-で結合するも
のが適している。また、式(II)中のR3 がアルキルオ
キシであって、その炭素数が3以上である場合も、その
アルキル部分は直鎖状や分枝状のほか、環状部分を含ん
でいてもよい。R3 で示される環状部分を含むアルキル
オキシは、シクロヘキシルオキシのような環状アルキル
オキシであることができる。式(II)中のR3 としては
特に、水素、炭素数1から3のアルキル、オクチルオキ
シ、シクロヘキシルオキシなどが適当である。
【0018】式(I)におけるR1 がアルキルである場
合、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、 sec−ブチル、t−ブチ
ル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n
−オクチル、2−エチルヘキシル、n−デシル、n−ド
デシル、n−オクタデシルなどを包含し、炭素数3以上
のアルキルは、直鎖状、分枝状または環状であることが
できる。またR1 がアリールアルキルである場合は、例
えばベンジル、フェネチルなどを包含する。
【0019】これらのなかでも好ましいR1 は、2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル、1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル、2,2,
6,6−テトラメチル−1−オクチルオキシ−4−ピペ
リジル、1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル、1−ヒドロキシ−2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル、水素、メ
チル、エチル、2−エチルヘキシルなどである。
【0020】式(I)におけるR2 は、水素、環状部分
を含んでもよい炭素数1から10のアルキル、環状部分
を含んでもよい炭素数1から18のアルキルオキシまた
は水酸基である。R2 がアルキルである場合、例えばメ
チル、エチル、プロピルなどであることができ、またそ
の炭素数が3以上である場合は、直鎖状や分枝状のほ
か、環状部分を含んでいてもよい。R2 で示される環状
部分を含むアルキルとしては、特にシクロヘキシルメチ
ルやシクロヘキシルエチルのような、中間または末端に
環状アルキルを含み、窒素原子へは -CH2-で結合するも
のが適している。R2 がアルキルオキシである場合、例
えば、メトキシ、エトキシ、ヘキシルオキシ、オクチル
オキシなどであることができ、またその炭素数が3以上
である場合も、そのアルキル部分は直鎖状や分枝状のほ
か、環状部分を含んでいてもよい。R2 で示される環状
部分を含むアルキルオキシは、シクロヘキシルオキシの
ような環状アルキルオキシであることができる。これら
のなかでも好ましいR2 は、水素、炭素数1から3のア
ルキル、オクチルオキシ、シクロヘキシルオキシおよび
水酸基である。
【0021】式(I)におけるnは2から8の整数であ
り、−Cn2n− で示されるアルキレンは、直鎖状であ
っても分枝状であってもよい。−Cn2n− で示される
アルキレンの具体例としては、エチレン、1,2−また
は1,3−プロピレン、1,2−、1,3−または1,
4−ブチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オク
タメチレンなどが挙げられる。nは特に6である場合、
すなわち −Cn2n−がヘキサメチレンである場合が好
ましい。
【0022】式(I)で示されるヒンダードピペリジン
化合物のなかでも、安定剤として特に有用なものは、R
1 が2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル、
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル、
2,2,6,6−テトラメチル−1−オクチルオキシ−
4−ピペリジル、メチル、2−エチルヘキシルまたは水
素、R2 が水素、メチル、メトキシまたはオクチルオキ
シ、およびnが6である化合物であり、とりわけこれら
のなかでも、R1 が4−ピペリジルまたはメチルであ
り、かつR2 が水素である化合物が好ましい。
【0023】先に挙げたヨーロッパ公開特許第 34 829
号明細書の特に実施例3には、N,N′−ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6
−ヘキサンジアミンにアクリル酸メチルをマイケル付加
反応させることにより、前記式(I)で示される化合物
のうち、R1 がメチルで、R2 が水素である化合物を製
造する方法が記載されている。ここに記載の方法に準じ
て、式(I)のヒンダードピペリジン化合物、特にR1
が低級アルキルである化合物を製造することができる。
すなわち、次式(III)
【0024】
【化8】
【0025】(式中、R2 およびnは前記の意味を有す
る)で示されるアルキレンジアミン化合物および、次式
(IV)
【0026】
【化9】
【0027】(式中、R1 は前記の意味を有する)で示
されるアクリル酸エステルを用いたマイケル付加反応に
よって、式(I)のヒンダードピペリジン化合物が得ら
れる。
【0028】式(III) で示されるアルキレンジアミン化
合物の具体例としては、次のようなものを挙げることが
できる。
【0029】N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミ
ン、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)エチレンジアミン、N,N′−ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−
1,4−ブタンジアミン、N,N′−ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,8−オ
クタンジアミン、N,N′−ビス(1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサン
ジアミン、N,N′−ビス(1−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘ
キサンジアミン、N,N′−ビス(1−メトキシ−2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6
−ヘキサンジアミン、N,N′−ビス(2,2,6,6
−テトラメチル−1−オクチルオキシ−4−ピペリジ
ル)−1,6−ヘキサンジアミン。
【0030】また、式(IV)で示されるアクリル酸エス
テルの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチルなどが挙げられるが、なかでも特にアクリル酸メ
チルが好ましく用いられる。
【0031】式(III) で示されるアルキレンジアミン化
合物と式(IV)で示されるアクリル酸エステルとの反応
は通常、溶媒中で行うのが好ましい。使用しうる溶媒と
しては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、
ブタノールのようなアルコール類、ベンゼン、トルエ
ン、メシチレンのような芳香族炭化水素類、クロロホル
ム、四塩化炭素のような塩素化炭化水素類、テトラヒド
ロフラン、1,4−ジオキサンのようなエーテル類など
を挙げることができる。これらのなかでも、特に式(I
V)の化合物がアクリル酸メチルである場合には、メタ
ノールが好ましく用いられる。
【0032】この反応では、アルキレンジアミン化合物
(III) に対して、アクリル酸エステル(IV)を約2倍モ
ルないしは若干過剰に用いるのが好ましい。より一般化
した数字でいえば、アルキレンジアミン化合物(III) 1
モルあたり、アクリル酸エステル(IV)を約2から約4
モルの範囲で用いるのが好ましく、さらには、アクリル
酸エステル(IV)を約2.0から約2.5モルの範囲で用い
るのがより好ましい。反応は通常、約20℃から還流温
度の範囲で進行するが、好ましくは還流下で行われる。
またこの反応は通常、大気圧下で進行するが、加圧下で
行ってもよい。
【0033】このマイケル付加による方法では、アクリ
ル酸エステル(IV)のR1 が低級アルキル、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル程度までであれば、アル
キレンジアミン化合物(III) に比較的効率よく付加し
て、式(I)のヒンダードピペリジン化合物を与えるも
のの、アクリル酸エステル(IV)のR1 が立体的に大き
な置換基になるにつれて、式(I)のヒンダードピペリ
ジン化合物の収率が低下することが判明した。そこで本
発明者らは、式(I)におけるR1 が、先に定義したな
かでも、N−無置換のもしくはN−置換の2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル、炭素数3以上のア
ルキルまたはアリールアルキルであるヒンダードピペリ
ジン化合物の製法について、鋭意研究した結果、収率の
向上した方法を見出すに至った。
【0034】すなわち、上記のようなマイケル付加反応
により、式(I)におけるR1 がメチルまたはエチルで
ある化合物、つまり次式(Ia)
【0035】
【化10】
【0036】(式中、R11はメチルまたはエチルを表
し、R2 およびnは前記の意味を有する)で示される低
級アルキルエステルを合成したあと、必要に応じて公知
の方法でこれを単離、精製したもの、あるいは反応混合
物を、式(V)
【0037】
【化11】R1OH (V)
【0038】(式中、R1 はN−位が無置換のもしくは
置換された2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル、環状部分を含んでもよい炭素数3から18のアル
キルまたは炭素数7から18のアリールアルキルを表
す)で表されるアルコールとの間でエステル交換反応さ
せることにより、式(I)で示されかつ、R1 がN−無
置換のもしくはN−置換の2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル、環状部分を含んでもよい炭素数3
から18のアルキル、または炭素数7から18のアリー
ルアルキルであるヒンダードピペリジン化合物を製造す
ることができる。このエステル交換反応は、エステル交
換触媒の存在下で行われる。式(I)におけるR1 がプ
ロピルやブチルである化合物は、マイケル付加によって
もそこそこの収率で製造できるものもあるが、エステル
交換のほうが有利である。
【0039】エステル交換反応の原料となる式(Ia)の
低級アルキルエステルにおいて、特に好ましいR11はメ
チルである。したがってエステル交換反応に用いる式
(Ia)で示されるヒンダードピペリジン化合物の具体例
としては、次のようなものが挙げられる。
【0040】N,N′−ビス(2−メトキシカルボニル
エチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン、
N,N′−ビス(2−メトキシカルボニルエチル)−N,
N′−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン、N,N′−
ビス(2−メトキシカルボニルエチル)−N,N′−ビ
ス(2,2,6,6−テトラメチル−1−オクチルオキ
シ−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン。
【0041】また、式(V)で示されるアルコールの具
体例としては、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジノール、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジノール、2,2,6,6−テトラメチル−1
−オクチルオキシ−4−ピペリジノール、1−メトキシ
−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノー
ル、ヘキサノール、オクタノール、2−エチル−1−ヘ
キサノール、オクタデカノール、ベンジルアルコールな
どが挙げられる。さらに、エステル交換触媒の具体例と
しては、リチウムアミド、ナトリウムメトキシド、カリ
ウムメトキシド、リチウムメトキシド、酸化すずなどが
挙げられる。
【0042】式(Ia)で示される低級アルキルエステル
と式(V)で示されるアルコールとのエステル交換反応
は通常、溶媒中で行うのが好ましい。使用しうる溶媒と
しては、ベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、モノ
クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンのような芳香族
炭化水素類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン
のようなエーテル類などを挙げることができる。
【0043】この反応では、低級アルキルエステル(I
a)に対し、アルコール(V)を約2倍モルないしは若
干過剰に用いるのが好ましい。より一般化した数字でい
えば、低級アルキルエステル(Ia)1モルあたり、アル
コール(V)を約2モルから約4モルの範囲で用いるの
が好ましく、さらには、アルコール(V)を約2.0から
約2.5モルの範囲で用いるのがより好ましい。またこの
反応では、低級アルキルエステル(Ia)1モルに対し
て、エステル交換触媒を約0.02から約0.2モルの範囲
で用いるのが好ましい。エステル交換反応は通常、約2
0℃から還流温度の範囲で進行するが、好ましくは還流
下で行われる。またこの反応は通常、大気圧下で進行す
るが、減圧下あるいは加圧下で行ってもよい。さらに、
反応の進行とともに生成してくる低沸点アルコールを、
反応系外に除去しながら行うのが好ましい。
【0044】式(I)においてR1 が水酸基である化合
物は、式(I)におけるR1 が低級アルキルである化合
物、例えば式(Ia)で示される低級アルキルエステル
を、加水分解することによって製造できる。
【0045】式(III) で示されるアルキレンジアミン化
合物と式(IV)で示されるアクリル酸エステルとのマイ
ケル付加反応終了後は、用いた溶媒を除去して、また必
要に応じてエステル交換反応または加水分解反応を行っ
た場合には、用いた溶媒および触媒を除去して、式
(I)のヒンダードピペリジン化合物を単離することが
できる。また必要に応じて、公知の方法で精製操作を施
してもよい。
【0046】原料を選択して以上の操作を施すことによ
り、式(I)の範囲内にある任意のヒンダードピペリジ
ン化合物を製造することができる。
【0047】さらには必要により、式(I)においてR
1 がアルキルまたはアリールアルキルで、R2 が水素で
ある化合物、R1 がN−無置換の2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジルで、R2 が水素である化合
物、あるいはR1 が式(II)の4−ピペリジルで、R2
またはR3 のいずれか一方が水素である化合物を得たあ
と、公知の方法、例えば特開平 1-190678 号公報、特開
昭 60-237065号公報、特開平 1-113368 号公報の特に実
施例14、23、38、48、60〜65などに記載さ
れる方法に準じて、R2 および/またはR3 を修飾する
ことができる。
【0048】例えば、式(I)においてR1 がアルキル
またはアリールアルキルで、R2 が水素である化合物
を、ホルムアルデヒドおよび蟻酸の混合物で処理するこ
とにより、R2 をメチル化することができる。また、式
(I)においてR1 がN−無置換の2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジルで、R2 が水素である化合
物を、ホルムアルデヒドおよび蟻酸の混合物で処理すれ
ば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルの
N−位およびR2 を同時にメチル化することができる。
さらには、式(I)においてR2 が水素である化合物、
あるいはR1 が式(II)の4−ピペリジルで、R3 が水
素である化合物を、ヒドロペルオキシドのような酸化剤
と反応させ、さらに還元することにより、R2 および/
またはR3を水酸基とすることができる。また一方で、
式(I)においてR2 が水素である化合物、あるいはR
1 が式(II)の4−ピペリジルで、R3 が水素である化
合物を、酸化剤の存在下でアルカンまたはシクロアルカ
ンと反応させることにより、R2 および/またはR3
アルキルオキシまたはシクロアルキルオキシを導入する
こともできる。
【0049】かくして得られる式(I)で示されるヒン
ダードピペリジン化合物の具体例としては、次のような
ものが挙げられる。
【0050】化合物A: N,N′−ビス(2−メトキ
シカルボニルエチル)−N,N′−ビス(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサ
ンジアミン、 化合物B: N,N′−ビス〔2−(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)エチ
ル〕−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン、 化合物C: N,N′−ビス(2−カルボキシエチル)−
N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン、 化合物D: N,N′−ビス(2−エトキシカルボニル
エチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン、 化合物E: N,N′−ビス(2−プロポキシカルボニ
ルエチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミ
ン、 化合物F: N,N′−ビス(2−イソプロポキシカル
ボニルエチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジア
ミン、 化合物G: N,N′−ビス(2−ブトキシカルボニル
エチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン、 化合物H: N,N′−ビス(2−イソブトキシカルボ
ニルエチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミ
ン、
【0051】化合物I: N,N′−ビス(2−ペンチ
ルオキシカルボニルエチル)−N,N′−ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6
−ヘキサンジアミン、 化合物J: N,N′−ビス(2−ヘキシルオキシカル
ボニルエチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジア
ミン、 化合物K: N,N′−ビス(2−シクロヘキシルオキ
シカルボニルエチル)−N,N′−ビス(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサ
ンジアミン、 化合物L: N,N′−ビス(2−オクチルオキシカル
ボニルエチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジア
ミン、 化合物M: N,N′−ビス〔2−(2−エチルヘキシ
ルオキシカルボニル)エチル〕−N,N′−ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6
−ヘキサンジアミン、 化合物N: N,N′−ビス(2−ドデシルオキシカル
ボニルエチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジア
ミン、 化合物O: N,N′−ビス(2−オクタデシルオキシ
カルボニルエチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサン
ジアミン、 化合物P: N,N′−ビス(2−ベンジルオキシカル
ボニルエチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジア
ミン、
【0052】化合物Q: N,N′−ビス(2−メトキ
シカルボニルエチル)−N,N′−ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘ
キサンジアミン、 化合物R: N,N′−ビス(2−メトキシカルボニル
エチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−1−オクチルオキシ−4−ピペリジル)−1,6
−ヘキサンジアミン、 化合物S: N,N′−ビス(2−メトキシカルボニル
エチル)−N,N′−ビス(1−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘ
キサンジアミン、 化合物T: N,N′−ビス〔2−(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)
エチル〕−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン、 化合物U: N,N′−ビス〔2−(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)
エチル〕−N,N′−ビス(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミ
ン、 化合物V: N,N′−ビス〔2−(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)エチ
ル〕−N,N′−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン、 化合物W: N,N′−ビス〔2−(2,2,6,6−テト
ラメチル−1−オクチルオキシ−4−ピペリジルオキシ
カルボニル)エチル〕−N,N′−ビス(2,2,6,
6−テトラメチル−1−オクチルオキシ−4−ピペリジ
ル)−1,6−ヘキサンジアミン、 化合物X: N,N′−ビス〔2−(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)エチ
ル〕−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)エチレンジアミン、 化合物Y: N,N′−ビス(2−メトキシカルボニル
エチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)エチレンジアミン。
【0053】式(I)で示されるヒンダードピペリジン
化合物は、それ自身白色固体または無色の液体であっ
て、各種の有機材料、特に光によって劣化する性質を有
する有機材料を安定化するのに有効であり、またこの化
合物を有機材料に添加したときその有機材料を着色する
ことがない。本発明により安定化することができる有機
材料は、光によって劣化する性質を有するものであれば
いかなるものでもよく、対象とする有機材料に特別な制
限はない。具体例としては、以下に示すような合成樹
脂、ゴム類、塗料、油類などが挙げられ、それぞれ単独
のもの、あるいは二種以上の混合物を安定化することが
できる。
【0054】(1) ポリエチレン、例えば低密度ポリエチ
レン(LD−PE)、高密度ポリエチレン(HD−P
E),リニアー低密度ポリエチレン(LLD−PE); (2) ポリプロピレン; (3) メチルペンテンポリマー; (4) EEA(エチレン/アクリル酸エチル共重合)樹
脂; (5) EVA(エチレン/酢酸ビニル共重合)樹脂; (6) ポリスチレン類、 例えばポリスチレン、ポリ(p
−メチルスチレン)、 ポリ(α−メチルスチレン); (7) AS(アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂; (8) ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン
共重合)樹脂; (9) AAS(特殊アクリルゴム/アクリロニトリル/スチ
レン共重合)樹脂; (10) ACS(アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/
スチレン共重合)樹脂;
【0055】(11) 塩素含有ポリマー、例えば塩素化ポ
リエチレン、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン; (12) メタクリル樹脂; (13) エチレン/ビニルアルコール共重合樹脂; (14) フッ素樹脂; (15) ポリアセタール; (16) グラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂およびポ
リフェニレンサルファイド樹脂; (17) ポリウレタン; (18) ポリアミド; (19) ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート;
【0056】(20) ポリカーボネート; (21) ポリアクリレート; (22) ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リエーテルスルホン; (23) 芳香族ポリエステル樹脂; (24) エポキシ樹脂; (25) ジアリルフタレートプリポリマー; (26) シリコーン樹脂; (27) 不飽和ポリエステル樹脂; (28) アクリル変性ベンゾグアナミン樹脂; (29) ベンゾグアナミン/メラミン樹脂; (30) ユリア樹脂;
【0057】(31) ポリブタジエン; (32) 1,2−ポリブタジエン; (33) ポリイソプレン; (34) スチレン/ブタジエン共重合体; (35) ブタジエン/アクリロニトリル共重合体; (36) エチレン/プロピレン共重合体; (37) シリコーンゴム; (38) エピクロロヒドリンゴム; (39) アクリルゴム; (40) 天然ゴム;
【0058】(41) 塩素ゴム系塗料; (42) ポリエステル樹脂塗料; (43) ウレタン樹脂塗料; (44) エポキシ樹脂塗料; (45) アクリル樹脂塗料; (46) ビニル樹脂塗料; (47) アミノアルキル樹脂塗料; (48) アルキド樹脂塗料; (49) ニトロセルロース樹脂塗料; (50) 油性塗料; (51) ワックス; (52) 潤滑油。
【0059】式(I)のヒンダードピペリジン化合物
は、有機材料に対して安定化有効量配合され、対象とす
る有機材料の種類によってもその好ましい添加量は当然
変動するが、通常は有機材料100重量部に対して0.0
1から5重量部程度の範囲で使用するのが好ましい。さ
らに好ましくは、有機材料100重量部に対し式(I)
のヒンダードピペリジン化合物は0.02から2重量部程
度の範囲で使用される。
【0060】本発明により、式(I)のヒンダードピペ
リジン化合物を配合した有機材料組成物は、必要に応じ
てさらに他の添加剤、例えばフェノール系酸化防止剤、
イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、紫外線吸収
剤、式(I)以外のヒンダードアミン系光安定剤、滑
剤、可塑剤、難燃剤、造核剤、金属不活性化剤、帯電防
止剤、顔料、無機充填剤などを含有することもできる。
これらの添加剤は、もちろん式(I)のヒンダードピペ
リジン化合物と同時に配合することもできるし、またこ
のヒンダードピペリジン化合物とは別の段階で配合する
こともできる。
【0061】式(I)のヒンダードピペリジン化合物、
あるいはそれに加えて任意に使用されるその他の添加剤
を有機材料に配合するにあたっては、均質な混合物を得
るための公知のあらゆる方法および装置を用いることが
できる。例えば有機材料が固体ポリマーである場合は、
これら化合物および/または添加剤を、その固体ポリマ
ーに直接ブレンドすることもできるし、またマスターバ
ッチの形で固体ポリマーに配合することもできる。有機
材料が合成ポリマーである場合はその他、重合途中ある
いは重合直後のポリマー溶液に、これら化合物および/
または添加剤の溶液または分散液の形で配合することも
できる。一方、有機材料が油などの液体である場合は、
これら化合物および/または添加剤を直接添加して溶解
させることもできるし、またこれら化合物および/また
は添加剤を液状媒体に溶解または懸濁させた状態で添加
することもできる。
【0062】
【実施例】以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、例中にある%および部は、特にことわ
らないかぎり重量基準である。
【0063】例1 : N,N′−ビス(2−メトキシ
カルボニルエチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサン
ジアミン(化合物A)の製造
【0064】1リットルの四つ口フラスコに、N,N′
−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)−1,6−ヘキサンジアミン80g(0.20モル)
およびメタノール200gを仕込んで完溶させた。これ
に、アクリル酸メチル35g(0.41モル)をメタノー
ル100gに溶かした溶液を室温で滴下した。 この
後、還流下で12時間反応させた。反応終了後、溶媒を
留去し、ヘキサンで再結晶したところ、白色固体として
標記化合物Aを98g(0.17モル)、収率85%で得
た。
【0065】 質量分析値(FD−MS): m/z 566(M)+ 元素分析値(C326244 ): 実測値 C 68.1%、H 10.9%、N 10.0% 計算値 C 67.8%、H 11.0%、N 9.9% 融点: 50〜52℃1 H−NMR(270 MHz、CDCl3 ):δ 1.04 (d
d, J = 12.5および12.2 Hz, 4H); 1.12 (s, 12H);1.19
(s, 12H); 1.2-1.4 (m, 4H); 1.4-1.5 (m, 4H);1.63 (d
d, J = 12.5および2.9 Hz, 4H); 2.44 (t, J = 7.1 Hz,
4H);2.44 (t, J = 7.2 Hz, 4H); 2.78 (t, J = 7.2 H
z, 4H);2.97 (tt, J = 12.2および2.9 Hz, 2H); 3.67
(s, 6H) ppm.
【0066】例2 : N,N′−ビス(2−エトキシ
カルボニルエチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサン
ジアミン(化合物D)の製造
【0067】例1におけるアクリル酸メチルに代えて等
モルのアクリル酸エチルを用いる以外は、例1に準じた
操作を施して、標記化合物Dを収率91%で得た。
【0068】 質量分析値(FD−MS): m/z 594(M)+ 元素分析値(C346644 ): 実測値 C 68.7%、H 10.9%、N 9.6% 計算値 C 68.6%、H 11.1%、N 9.4% 融点: 58〜60℃1 H−NMR(270 MHz、CDCl3 ):δ 1.04 (d
d, J = 12.5および12.2 Hz, 4H); 1.12 (s, 12H);1.19
(s, 12H); 1.2-1.4 (m, 4H); 1.26 (t, J = 7.3 Hz, 6
H);1.4-1.5 (m, 4H); 1.62 (dd, J = 12.5および2.9 H
z, 4H);2.42 (t, J = 7.1 Hz, 4H); 2.43 (t, J = 7.1
Hz, 4H);2.78 (t, J = 7.1 Hz, 4H); 2.98 (tt, J = 1
2.2および2.9 Hz, 2H);4.13 (q, J = 7.3 Hz, 4H) ppm.
【0069】例3 : N,N′−ビス(2−オクタデ
シルオキシカルボニルエチル)−N,N′−ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6
−ヘキサンジアミン(化合物O)の製造
【0070】撹拌機および還流冷却機を備えた四つ口フ
ラスコに、例1で得たN,N′−ビス(2−メトキシカ
ルボニルエチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジ
アミン(化合物A)20.0g(35ミリモル)、ステア
リルアルコール21.0g(77ミリモル)およびトルエ
ン200mlを仕込み、還流下で撹拌した。そこへ、リチ
ウムアミド0.1g(4ミリモル)とメタノール3gとの
溶液を滴下した。その後、トルエンを追加しながら溶媒
を留去させ、反応を完結させた。4時間反応させたあ
と、トルエンを追加し、室温まで冷却した。有機層を水
で3回洗浄したあと濃縮し、標記化合物Oを23g(2
2ミリモル)、収率63%で得た。N,N′−ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−
1,6−ヘキサンジアミン基準の収率は54%と計算さ
れた。
【0071】 質量分析値(FD−MS): m/z 1043(M+
1)+ 元素分析値(C6613044 ): 実測値 C 75.9% H 13.0% N 5.0% 計算値 C 76.0% H 12.6% N 5.4% 融点: 45〜46℃1 H−NMR(270 MHz、CDCl3 ):δ 0.88
(t, J = 6.6 Hz, 6H); 1.0-1.5 (m, 68H);1.04 (dd, J
= 12.3および12.2 Hz, 4H);1.12 (s, 12H); 1.19 (s, 1
2H); 1.6-1.7 (m, 4H);1.63 (dd, J = 12.2および2.6 H
z, 4H); 2.42 (t, J = 7.1 Hz, 8H);2.78 (t, J = 7.1
Hz, 4H); 2.97 (tt, J = 12.3および2.6 Hz, 2H);4.05
(t, J = 6.7 Hz, 4H) ppm.
【0072】例4(比較): マイケル付加によるN,
N′−ビス(2−オクタデシルオキシカルボニルエチ
ル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン(化合
物O)の製造
【0073】1リットルの四つ口フラスコに、N,N′
−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)−1,6−ヘキサンジアミン20g(50ミリモ
ル)およびメタノール200gを仕込んで完溶させた。
これに、アクリル酸オクタデシル32.4g(0.1モル)
をメタノール100gに溶かした溶液を室温で滴下し、
その後還流下で12時間反応させた。溶媒を留去し、F
D−MS測定を行った結果、N−(2−オクタデシルオ
キシカルボニルエチル)−N,N′−ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘ
キサンジアミンが少量生成していたが、標記化合物Oは
確認されなかった。
【0074】例5〜16 : エステル交換による他の
化合物の製造
【0075】原料のアルコールを代える以外は例3に準
じた操作を施すことにより、表1に示す化合物をそれぞ
れの収率で得た。ここでの収率は、化合物A基準であ
る。
【0076】
【化12】
【0077】
【表1】
【0078】化合物B: 質量分析値(FD−MS): m/z 816(M)+ 元素分析値(C489264 ): 実測値 C 70.3%、H 11.4%、N 10.0% 計算値 C 70.5%、H 11.3%、N 10.3%1 H−NMR(270 MHz、CDCl3 ):δ 1.05 (d
d, J = 12.3および12.2 Hz, 4H); 1.13 (s, 12H);1.16
(s, 12H); 1.19 (s, 12H); 1.23 (s, 12H);1.1-1.5 (m,
12H); 1.63 (dd, J = 12.3および2.7 Hz, 4H);1.93 (d
d, J = 12.5および4.2 Hz, 4H); 2.40 (t, J = 7.4 Hz,
4H);2.43 (t, J = 7.6 Hz, 4H); 2.78 (t, J = 7.4 H
z, 4H);2.98 (tt, J = 12.2および2.7 Hz, 2H);5.20 (t
t, J = 11.4および4.2 Hz, 2H) ppm.
【0079】化合物E: 質量分析値(FD−MS): m/z 622(M)+ 元素分析値(C367044 ): 実測値 C 69.5%、H 11.1%、N 9.0% 計算値 C 69.4%、H 11.3%、N 9.0% 融点: 43〜44℃1 H−NMR(270 MHz、CDCl3 ):δ 0.95
(t, J = 7.0 Hz, 6H);1.04 (dd, J = 12.5および12.2 H
z, 4H); 1.12 (s, 12H);1.19 (s, 12H); 1.2-1.3 (m, 4
H); 1.4-1.5 (m, 4H);1.63 (dd, J = 12.5および3.0 H
z, 4H); 1.6-1.7 (m, 4H);2.43 (t, J = 7.3 Hz, 8H);
2.78 (t, J = 7.3 Hz, 4H);2.98 (tt, J = 12.2および
3.0 Hz, 2H);4.03 (t, J = 7.0 Hz, 4H) ppm.
【0080】化合物F: 質量分析値(FD−MS): m/z 622(M)+ 元素分析値(C367044 ): 実測値 C 69.2%、H 11.1%、N 9.4% 計算値 C 69.4%、H 11.3%、N 9.0%1 H−NMR(270 MHz、CDCl3 ):δ 1.04 (d
d, J = 12.5および12.2 Hz, 4H); 1.12 (s, 12H);1.19
(s, 12H); 1.2-1.3 (m, 4H); 1.24 (d, J = 6.3 Hz, 12
H);1.4-1.5 (m, 4H); 1.63 (dd, J = 12.5および3.0 H
z, 4H);2.39 (t, J = 7.0 Hz, 4H); 2.42 (t, J = 7.3
Hz, 4H);2.77 (t, J = 7.3 Hz, 4H); 2.98 (tt, J = 1
2.2および3.0 Hz, 2H);5.00 (hept, J = 6.3 Hz, 2H) p
pm.
【0081】化合物G: 質量分析値(FD−MS): m/z 650(M)+ 元素分析値(C387444 ): 実測値 C 70.2%、H 11.2%、N 8.7% 計算値 C 70.1%、H 11.5%、N 8.6% 融点: 66〜67℃1 H−NMR(270 MHz、CDCl3 ):δ 0.94
(t, J = 7.3 Hz, 6H); 0.9-1.1 (m, 4H); 1.12 (s, 12
H);1.19 (s, 12H); 1.2-1.3 (m, 4H); 1.3-1.5 (m, 8
H); 1.6-1.7 (m, 8H);2.42 (t, J =7.3 Hz, 8H); 2.78
(t, J = 7.3 Hz, 4H);2.97 (tt, J = 12.2および3.1 H
z, 2H);4.07 (t, J = 6.6 Hz, 4H) ppm.
【0082】化合物H: 質量分析値(FD−MS): m/z 650(M)+ 元素分析値(C387444 ): 実測値 C 70.2%、H 12.0%、N 8.6% 計算値 C 70.1%、H 11.5%、N 8.6% 融点: 72〜73℃1 H−NMR(270 MHz、CDCl3 ):δ 0.94
(d, J = 6.6 Hz, 12H);1.04 (dd, J = 12.5および12.2
Hz, 4H); 1.12 (s, 12H);1.19 (s, 12H); 1.2-1.3 (m,
4H); 1.4-1.5 (m, 4H);1.63 (dd, J = 12.5および3.0 H
z, 4H); 1.8-2.0 (m, 2H);2.44 (t, J = 7.3 Hz, 8H);
2.79 (t, J = 7.3 Hz, 4H);2.98 (tt, J = 12.2および
3.0 Hz, 2H);3.86 (d, J = 6.6 Hz, 4H) ppm.
【0083】化合物I: 質量分析値(FD−MS): m/z 678(M)+ 元素分析値(C407844 ): 実測値 C 70.7%、H 11.8%、N 8.3% 計算値 C 70.8%、H 11.6%、N 8.3% 融点: 36〜37℃1 H−NMR(270 MHz、CDCl3 ):δ 0.91
(t, J = 7.1 Hz, 6H); 0.9-1.1 (m, 4H); 1.12 (s, 12
H);1.19 (s, 12H); 1.2-1.5 (m, 16H); 1.6-1.7 (m, 8
H);2.42 (t, J = 7.2 Hz, 8H); 2.78 (t, J = 7.2 Hz,
4H);2.97 (tt, J = 12.4および3.1 Hz, 2H);4.06 (t, J
= 6.9 Hz, 4H) ppm.
【0084】化合物J: 質量分析値(FD−MS): m/z 706(M)+ 元素分析値(C428244 ): 実測値 C 71.4%、H 12.0%、N 8.1% 計算値 C 71.3%、H 11.7%、N 8.0%1 H−NMR(270 MHz、CDCl3 ):δ 0.89
(t, J = 6.8Hz, 6H); 0.9-1.1 (m, 4H); 1.12 (s, 12
H);1.19 (s, 12H); 1.2-1.5 (m, 20H); 1.6-1.7 (m, 8
H);2.42 (t, J = 7.2 Hz, 8H); 2.78 (t, J = 7.2 Hz,
4H);2.97 (tt, J = 12.2および3.0 Hz, 2H);4.06 (t, J
= 6.8 Hz, 4H) ppm.
【0085】化合物K: 質量分析値(FD−MS): m/z 704(M)+ 元素分析値(C427844 ): 実測値 C 71.6%、H 11.4%、N 8.4% 計算値 C 71.8%、H 11.2%、N 8.0%1 H−NMR(270 MHz、CDCl3 ):δ 1.04 (d
d, J = 12.5および12.2 Hz, 4H); 1.12 (s, 12H);1.19
(s, 12H); 1.2-2.0 (m, 28H);1.63 (dd, J = 12.5およ
び3.0 Hz, 4H); 2.40 (t, J = 7.3 Hz, 4H);2.43 (t, J
= 6.3 Hz, 4H); 2.78 (t, J = 7.3Hz, 4H);2.98 (tt,
J = 12.2および3.0 Hz, 2H); 4.7-4.8 (m, 2H) ppm.
【0086】化合物L: 質量分析値(FD−MS): m/z 762(M)+ 元素分析値(C469044 ): 実測値 C 72.1%、H 12.4%、N 7.5% 計算値 C 72.4%、H 11.9%、N 7.4%1 H−NMR(270 MHz、CDCl3 ):δ 0.88
(t, J = 6.8 Hz, 6H);1.04 (dd, J = 12.5および12.2 H
z, 4H); 1.12 (s, 12H);1.19 (s, 12H); 1.2-1.5 (m, 2
8H); 1.6-1.7 (m, 4H);1.63 (dd, J = 12.5および2.6 H
z, 4H); 2.42 (t, J = 7.2Hz, 8H);2.78 (t, J = 7.2 H
z, 4H); 2.97 (tt, J = 12.2および2.6 Hz, 2H);4.06
(t, J = 6.8Hz, 4H) ppm.
【0087】化合物M: 質量分析値(FD−MS): m/z 763(M+
1)+ 元素分析値(C469044 ): 実測値 C 72.4%、H 11.5%、N 7.8% 計算値 C 72.4%、H 11.9%、N 7.4%1 H−NMR(270 MHz、CDCl3 ):δ 0.89
(t, J = 7.4 Hz, 12H);1.04 (dd, J = 12.9および12.1
Hz, 4H); 1.12 (s, 12H);1.19 (s, 12H); 1.2-1.5 (m,
24H); 1.5-1.7 (m, 2H);1.63 (dd, J = 12.9および3.0
Hz, 4H); 2.43 (t, J = 7.3 Hz, 8H);2.79 (t, J = 7.3
Hz, 4H); 2.97 (tt, J = 12.1および3.0 Hz, 2H);3.98
(dd, J = 5.8および1.2 Hz, 4H) ppm.
【0088】化合物N: 質量分析値(FD−MS): m/z 874(M)+ 元素分析値(C5410644 ): 実測値 C 74.0%、H 12.7%、N 6.0% 計算値 C 74.1%、H 12.2%、N 6.4%1 H−NMR(270 MHz、CDCl3 ):δ 0.88
(t, J = 6.8 Hz, 6H);1.04 (dd, J = 12.3および12.2 H
z, 4H); 1.12 (s, 12H);1.19 (s, 12H); 1.2-1.5 (m, 4
0H); 1.6-1.7 (m, 8H);1.63 (dd, J = 12.2および2.5 H
z, 4H); 2.42 (t, J = 7.2 Hz, 8H);2.78 (t, J = 7.2
Hz, 4H); 2.97 (tt, J = 12.3および2.5 Hz, 2H);4.05
(t, J = 6.8 Hz, 4H) ppm.
【0089】化合物P: 質量分析値(FD−MS): m/z 718(M)+ 元素分析値(C447044 ): 実測値 C 73.3%、H 10.3%、N 7.7% 計算値 C 73.5%、H 9.8%、N 7.8%1 H−NMR(270 MHz、CDCl3 ):δ 1.02 (d
d, J = 12.5および12.0 Hz, 4H); 1.10 (s, 12H);1.16
(s, 12H); 1.3-1.4 (m, 4H); 1.4-1.6 (m, 4H);1.60 (d
d, J = 12.5および3.0 Hz, 4H); 2.42 (t, J = 7.3 Hz,
4H);2.48 (t, J = 7.3 Hz, 4H); 2.80 (t, J = 7.3 H
z, 4H);2.96 (tt, J = 12.0および3.0 Hz, 2H); 5.11
(s, 4H);7.3-7.5 (m, 10H) ppm.
【0090】例17(比較): マイケル付加による
N,N′−ビス(2−n−ブトキシカルボニルエチル)
−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン(化合物
G)の製造
【0091】例4で用いたアクリル酸オクタデシルの代
わりに等モルのアクリル酸n−ブチルを用いた以外は、
例4に準じた操作を施すことにより、 標記化合物Gを
収率53%で得た。
【0092】例18 : N,N′−ビス(2−メトキ
シカルボニルエチル)−N,N′−ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘ
キサンジアミン(化合物Q)の製造
【0093】撹拌機および還流冷却機を備えた四つ口フ
ラスコに、ホルムアルデヒドの37%水溶液3.7g(4
1ミリモル)、トルエン100mlおよび蟻酸1.9g(4
1ミリモル)を仕込んだ。そこへ、例1で得たN,N′
−ビス(2−メトキシカルボニルエチル)−N,N′−
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)−1,6−ヘキサンジアミン(化合物A)10g
(17ミリモル)をトルエン50mlに溶かした溶液を滴
下したあと、3時間還流させた。反応終了後、5%水酸
化ナトリウム水溶液を投入して分液し、さらに有機層を
水で3回洗浄した。溶媒を留去し、粘性液体として標記
化合物Qを9g(15ミリモル)、収率88%で得た。
【0094】質量分析値(FD−MS): m/z 5
94(M)+ 元素分析値(C346644 ): 実測値 C 69.7%、H 11.1%、N 10.2% 計算値 C 68.6%、H 11.2%、N 9.4%1 H−NMR(270 MHz、CDCl3 ):δ 1.00
(s, 12H); 1.14 (s, 12H); 1.1-1.6 (m, 16H); 2.22
(s, 6H);2.42 (t, J = 7.0 Hz, 4H); 2.43 (t, J = 7.0
Hz, 4H);2.78 (t, J = 7.0 Hz, 4H); 2.8-2.9 (m, 2
H); 3.66 (s, 6H) ppm.
【0095】例19 : N,N′−ビス(2−カルボ
キシエチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミ
ン(化合物C)の製造
【0096】撹拌機および還流冷却機を備えた四つ口フ
ラスコに、例1で得たN,N′−ビス(2−メトキシカ
ルボニルエチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジ
アミン(化合物A)26.3g(46ミリモル)および水
100gを仕込み、室温で撹拌した。化合物Aの溶解を
確認したあと、ヘキサン100mlを加え、分液した。水
層を濃縮して、標記化合物Cを23g(43ミリモ
ル)、収率92%で得た。
【0097】質量分析値(FD−MS): m/z 5
38(M)+ 融点: >250℃ 元素分析値(C305844 ): 実測値 C 66.4%、H 10.9%、N 10.2% 計算値 C 66.9%、H 10.9%、N 10.4%1 H−NMR(270 MHz、D2O):δ 1.3-1.5 (m,
4H); 1.37 (s, 12H); 1.43 (s, 12H);1.5-1.7 (m, 8H);
1.9-2.1 (m, 4H); 2.44 (t, J = 7.6 Hz, 4H);2.72
(t, J = 7.8 Hz, 4H); 2.97 (t, J = 7.6 Hz, 4H);3.3-
3.4 (m, 2H) ppm.
【0098】例20 : N,N′−ビス(2−メトキ
シカルボニルエチル)−N,N′−ビス(1−ヒドロキ
シ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
−1,6−ヘキサンジアミン(化合物S)の製造
【0099】撹拌機および還流冷却機を備えた四つ口フ
ラスコに、例1で得たN,N′−ビス(2−メトキシカ
ルボニルエチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジ
アミン(化合物A)20.0g(35ミリモル)、モリブ
デンヘキサカルボニル0.2g(0.75ミリモル)および
ジクロロエタン200mlを仕込み、60℃で撹拌した。
そこへ、t−ブチルヒドロペルオキシド28g(248
ミリモル)をゆっくり滴下した。その後還流下で8時間
反応させ、無機物を濾過したあと、5%亜硫酸ナトリウ
ム水溶液で洗浄した。溶媒を濃縮し、生成物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=
2:1)で精製した。さらに、ここで得られた生成物
を、乾燥テトラヒドロフラン100ml、硫酸マグネシウ
ム5gおよび炭素上の5%パラジウム2gとともにオー
トクレーブに仕込み、水素圧を10気圧かけて、室温で
16時間撹拌した。その後固形物を濾過し、溶媒を濃縮
したあと、生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、標記化
合物Sを6g(10ミリモル)、収率28%で得た。
【0100】質量分析値(FD−MS): m/z 5
98(M)+ 元素分析値(C326246 ): 実測値 C 64.5%、H 10.4%、N 9.6% 計算値 C 64.2%、H 10.4%、N 9.4%
【0101】例21 : ポリプロピレンの耐候性試験
【0102】〔配 合〕 未安定化ポリプロピレン 100 部 ステアリン酸カルシウム 0.05部 供試化合物 0.1 部
【0103】上記の配合物を、30mmφの単軸押出機に
より230℃で溶融混練してペレット化した。このペレ
ットを、射出成形機により230℃で成形して1mm厚の
シートとし、このシートを試験片とした。この試験片
を、サンシャインウェザーオーメーター(光源:カーボ
ンアーク)中に入れ、ブラックパネル温度83℃、降雨
スプレーなしの条件で光照射し、試験片の光照射面上に
亀裂が発生するまでの時間で耐候性を評価した。その結
果を表2に示した。
【0104】
【表2】
【0105】例22 : ポリプロピレンの耐候性試験
【0106】 〔配 合〕 未安定化プロピレン/エチレンブロック共重合体*1 100 部 ステアリン酸カルシウム 0.05部 フェノール系酸化防止剤*2 0.1 部 リン系酸化防止剤*3 0.05部 供試化合物 0.2 部*1 エチレン含量7.3%*2 3,9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ}−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−
テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン*3 ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル) ペンタ
エリスリトール ジホスファイト
【0107】上記配合物を、30mmφの単軸押出機によ
り230℃で溶融混練してペレット化した。このペレッ
トを、射出成形機により230℃で成形して1mm厚のシ
ートにし、これを試験片とした。この試験片を、サンシ
ャインウェザーオーメーター(光源:カーボンアーク)
中に入れ、ブラックパネル温度83℃、降雨スプレーサ
イクル12分/60分の条件で光照射し、試験片の光照
射面上に亀裂が発生するまでの時間で耐候性を評価し
た。その結果を表3に示した。
【0108】
【化13】
【0109】
【表3】
【0110】
【発明の効果】本発明によれば、特定のヒンダードピペ
リジン化合物が、ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂を
はじめとする各種有機材料に対して、安定剤、特に光安
定剤として優れた性能を付与する。例えばこの化合物を
配合した樹脂は、使用時の光酸化劣化に対して安定であ
り、またこの化合物の配合による樹脂の色相変化の心配
もないので、高品質な製品を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本田 幸宏 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住友化学工業株式会社内 (72)発明者 佐々木 万治 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住友化学工業株式会社内 (72)発明者 八児 真一 大阪市中央区北浜四丁目5番33号 住友 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−233973(JP,A) 特開 昭61−251660(JP,A) 特開 昭56−152462(JP,A) 欧州特許出願公開34829(EP,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 211/58,211/94 C08K 5/3435 C08L 101/00 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) 【化1】 (式中、R1はN−位が無置換のもしくは置換された
    2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル、また
    は環状部分を含んでもよい炭素数1から12のアルキ
    表し、R2は水素、環状部分を含んでもよい炭素数1
    から10のアルキル、環状部分を含んでもよい炭素数1
    から18のアルキルオキシ、または水酸基を表し、nは
    2から8の整数を表す)で示されるヒンダードピペリジ
    ン化合物を有効成分とする有機材料用安定剤。
  2. 【請求項2】R1 が2,2,6,6−テトラメチル−4
    −ピペリジルであり、そのN−位が無置換であるかまた
    は、環状部分を含んでもよい炭素数1から10のアルキ
    ル、環状部分を含んでもよい炭素数1から18のアルキ
    ルオキシおよび水酸基から選ばれる置換基により置換さ
    れている請求項1記載の安定剤。
  3. 【請求項3】2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
    リジルがN−無置換であるか、またはN−位に炭素数1
    から3のアルキル、オクチルオキシおよびシクロヘキシ
    ルオキシから選ばれる置換基を有する請求項2記載の安
    定剤。
  4. 【請求項4】R1 がメチルである請求項1記載の安定
    剤。
  5. 【請求項5】R2 が水素、炭素数1から3のアルキル、
    オクチルオキシ、シクロヘキシルオキシまたは水酸基で
    ある請求項1から4のいずれかに記載の安定剤。
  6. 【請求項6】nが6である請求項1から5のいずれかに
    記載の安定剤。
  7. 【請求項7】有機材料に、請求項1から6のいずれかに
    記載の安定剤を安定化有効量配合することを特徴とする
    有機材料の安定化方法。
  8. 【請求項8】有機材料に、請求項1から6のいずれかに
    記載の安定剤を含有させてなる安定化有機材料組成物。
  9. 【請求項9】式(I) 【化2】 (式中、R1はN−位が無置換のもしくは置換された
    2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル、また
    は環状部分を含んでもよい炭素数1から12のアルキ
    表し、R2は水素、環状部分を含んでもよい炭素数1
    から10のアルキル、環状部分を含んでもよい炭素数1
    から18のアルキルオキシ、または水酸基を表し、nは
    2から8の整数を表す)で示されるヒンダードピペリジ
    ン化合物。
  10. 【請求項10】R1 が2,2,6,6−テトラメチル−
    4−ピペリジルであり、そのN−位が無置換であるかま
    たは、環状部分を含んでもよい炭素数1から10のアル
    キル、環状部分を含んでもよい炭素数1から18のアル
    キルオキシおよび水酸基から選ばれる置換基により置換
    されている請求項9記載の化合物。
  11. 【請求項11】2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
    ペリジルがN−無置換であるか、またはN−位に炭素数
    1から3のアルキル、オクチルオキシおよびシクロヘキ
    シルオキシから選ばれる置換基を有する請求項10記載
    の化合物。
  12. 【請求項12】R2 が水素、炭素数1から3のアルキ
    ル、オクチルオキシ、シクロヘキシルオキシまたは水酸
    基である請求項9から11のいずれかに記載の化合物。
  13. 【請求項13】nが6である請求項9から12のいずれ
    かに記載の化合物。
  14. 【請求項14】式(Ia) 【化3】 (式中、R11はメチルまたはエチルを表し、R2 は水
    素、環状部分を含んでもよい炭素数1から10のアルキ
    ル、または環状部分を含んでもよい炭素数1から18の
    アルキルオキシを表し、nは2から8の整数を表す)で
    示される低級アルキルエステルと、式(V) 【化4】R1OH (V) (式中、R1 はN−位が無置換のもしくは置換された
    2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル、 環
    状部分を含んでもよい炭素数3から18のアルキル、ま
    たは炭素数7から18のアリールアルキルを表す)で示
    されるアルコールとを、エステル交換触媒の存在下で反
    応させることを特徴とする、式(I) 【化5】 (式中、R1 およびR2 は前記の意味を有する)で示さ
    れるヒンドードピペリジン化合物の製法。
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