JPH05178058A - サスペンション制御装置 - Google Patents

サスペンション制御装置

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Publication number
JPH05178058A
JPH05178058A JP36056391A JP36056391A JPH05178058A JP H05178058 A JPH05178058 A JP H05178058A JP 36056391 A JP36056391 A JP 36056391A JP 36056391 A JP36056391 A JP 36056391A JP H05178058 A JPH05178058 A JP H05178058A
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JP
Japan
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damping force
soft
stroke
hard
characteristic
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Application number
JP36056391A
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English (en)
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Yutaka Kitano
豊 北野
Takao Obara
隆夫 小原
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サスペンション制御装置において、油圧緩衝
器のストロークの方向が変わる以前に次行程において所
望される減衰力特性に切換える。 【構成】 車両の車体2側と車輪3側との間に、懸架ば
ね4と、減衰力特性が伸び側/縮み側でソフト/ソフ
ト、ソフト/ハード、ハード/ソフトおよびハード/ハ
ードの4つの組合わせの中から選択的に切換え可能な油
圧緩衝器5とを介装する。加速度センサ6および車高セ
ンサ7の検出に基づきコントローラ8により、油圧緩衝
器5の1行程中では減衰力特性の前記4つの組合わせの
内、同様の減衰力特性への切換え(ソフトからソフトお
よびハードからハードへの切換え)を行い、次行程で所
望の減衰力特性が得られるように油圧緩衝器5を切換え
る。油圧緩衝器5のストローク方向が変わる以前に、す
なわち、ストローク速度がゼロになる以前に、次行程に
おける所望の減衰力特性に切換るので減衰力の急変によ
る衝撃が発生しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の走行状況に応じ
てサスペンション装置に装着された減衰力調整式油圧緩
衝器の減衰力特性を自動的に適宜切換えるようにしたサ
スペンション制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等のサスペンション装置に装着さ
れる油圧緩衝器には、路面状況、走行状況等に応じて乗
り心地や操縦安定性をよくするために、その減衰力特性
を比較的小さな減衰力を発生するソフト特性と比較的大
きな減衰力を発生するハード特性とに適宜切換えできる
ようにした減衰力調整式油圧緩衝器がある。
【0003】また、車両のサスペンション装置に装着さ
れた減衰力調整式油圧緩衝器の減衰力特性を切換えるア
クチュエータと、路面状況、走行状況等に応じてこのア
クチュエータへ作動信号を出力する制御装置とを設け、
走行中に油圧緩衝器の減衰力特性を自動的に適宜切換え
ることにより車両の乗り心地および操縦安定性を向上さ
せるようにしたサスペンション制御装置がある。
【0004】この種のサスペンション制御装置において
は、例えば、サスペンション装置のばね上の絶対速度
と、ばね上、ばね下間の相対速度とを検出し、これら積
の符号(正負)に応じて減衰力特性を切換えるようにし
たり、あるいは、ばね上、ばね下間の相対変位と相対速
度とを検出し、これらの積の符号に応じて減衰力特性を
切換えるようにしたりする制御方法がとられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、油
圧緩衝器の作動ロッド(ピストンロッド)のストローク
中に減衰力特性を切換えると、減衰力の急激な変化によ
って、車両のばね上加速度が急変して乗り心地が悪化し
たり衝撃音が発生したりするという問題を生じる。この
影響は、特に、減衰力特性をソフト側からハード側に切
換えたときに顕著である。
【0006】この問題を解決するためには、油圧緩衝器
の発生する減衰力がゼロのとき、すなわち、作動ロッド
のストローク速度がゼロのときに減衰力特性を切換える
ようにして減衰力の急激な変化を防止すればよい。
【0007】そこで、上記従来のサスペンション制御装
置の場合には、制御装置によってばね上とばね下との相
対速度がゼロになったことを判定し、この時、減衰力特
性が切換わるようにすればよいのであるが、制御装置が
ばね上とばね下との相対速度を検出して切換信号を出力
し、アクチュエータが作動して油圧緩衝器の減衰力特性
を切換えるまで通常15〜20msec程度時間がかかるため、
高い周波数の振動に対しては位相遅れが大きくなるので
実際の走行状態に対応できないという問題がある。
【0008】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、油圧緩衝器の作動ロッドのストローク速度がゼ
ロのときには、その後の次行程において所望される減衰
力特性に切換えを完了し得るようにしたサスペンション
制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、車両のサスペンション装置の車輪側と
車体側との間に介装された減衰力調整式油圧緩衝器の減
衰力特性を走行状況に応じて制御装置により適宜切換え
るようにしたサスペンション制御装置において、前記減
衰力調整式油圧緩衝器は、その減衰力特性が、伸び側が
ソフトで縮み側がソフト、伸び側がソフトで縮み側がハ
ードおよび伸び側がハードで縮み側がソフトの少なくと
も3つの組合わせの中から選択的に切換え可能な減衰力
調整手段を備え、前記制御装置は、前記減衰力調整式油
圧緩衝器の伸びまたは縮みの1行程中では、縮みまたは
伸の次行程で減衰力特性がハードまたはソフトのうち所
望のものとなるように、前記1行程中における減衰力特
性の不切換または同様の減衰力特性への切換えを前記減
衰力調整手段に行わせる制御信号を出力することを特徴
とする。
【0010】また、本発明は、車両のサスペンション装
置の車輪側と車体側との間に介装された減衰力調整式油
圧緩衝器の減衰力特性を走行状況に応じて制御装置によ
り適宜切換えるようにしたサスペンション制御装置にお
いて、前記減衰力調整式油圧緩衝器は、その減衰力特性
が、伸び側がソフトで縮み側がソフト、伸び側がソフト
で縮み側がハードおよび伸び側がハードで縮み側がソフ
トの少なくとも3つの組合わせの中から選択的に切換え
可能な減衰力調整手段を備え、前記制御装置は、前記減
衰力調整式油圧緩衝器の伸びまたは縮みの1行程中で
は、縮みまたは伸の次行程で減衰力特性がハードまたは
ソフトのうち所望のものとなるように、前記1行程中に
おける減衰力特性の不切換え、同様の減衰力特性への切
換えまたはハード側からソフト側への切換えを前記減衰
力調整手段に行わせる制御信号を出力することを特徴と
するサスペンション制御装置。
【0011】
【作用】このように構成したことにより、減衰力調整式
油圧緩衝器の減衰力特性は、伸びまたは縮みの1行程時
は、減衰力を切換える場合でも、同様の減衰力特性への
切換えまたはハード側からソフト側への切換えが行われ
るので、切換時の減衰力の急激な変化による衝撃が小さ
く、その後、行程の方向が変わって次行程に移る以前に
次行程における所望の減衰力特性に切換えることができ
るので、次行程における所望の減衰力特性への切換えよ
る衝撃が起きない。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0013】本発明のサスペンション制御装置1の全体
の構成を図1を用いて説明する。以下、車両の1輪につ
いての制御を行う場合について説明する。
【0014】図1に示すように、サスペンション制御装
置1は、車両の車体2側(ばね上)と車輪3側(ばね
下)との間に懸架ばね4および減衰力調整式油圧緩衝器
5(以下、油圧緩衝器5という)が介装され、車体1が
支持されている。車体2側には、車体2側の振動状態を
検出する加速度センサ6が設けられており、車体2側と
車輪3側との間には、油圧緩衝器5の作動ロッド(ピス
トンロッド)のストロークを検出する車高センサ7が設
けられている。油圧緩衝器5、加速度センサ6および車
高センサ7は、コントローラ8(制御装置)に接続され
ており、コントローラ8は、加速度センサ6および車高
センサ7からの検出信号に基づく制御信号を油圧緩衝器
5へ出力して減衰力特性を切換えるようになっている。
【0015】図2に示すように、油圧緩衝器5は、油液
が封入されたシリンダ9と、シリンダ9に摺動可能に嵌
装されシリンダ9内をシリンダ上室9aとシリンダ下室9b
との2室に画成するピストン10と、ピストン10に連結さ
れシリンダ9の外部まで延出されたピストンロッド(作
動ロッド)11とから構成されている。ピストン10には、
シリンダ上室9aとシリンダ下室9bとを連通する油圧回路
10a が設けられている。
【0016】この油圧回路10a は、伸び側および縮み側
減衰力発生機構を有する第1の減衰力発生機構12と第2
の減衰力発生機構13とが直列に配置されており、第1の
減衰力発生機構12をバイパスする第1のバイパス通路14
および第2の減衰力発生機構13をバイパスする第2のバ
イパス通路15が設けられている。第1、第2のバイパス
通路14,15には、互いに逆方向の油液の流通を許容する
逆止弁16,17および減衰力調整弁18が設けられている。
【0017】減衰力調整弁18は、3ポート4位置切換弁
であり、位置Aでは第1バイパス通路14を遮断して第2
バイパス通路を連通し、位置Bでは第1、第2のバイパ
ス通路14,15共に連通し、位置Cでは第1バイパス通路
14を連通して第2バイパス通路を遮断し、位置Dでは第
1、第2のバイパス通路14,15共に遮断するようになっ
ている。図中、19は減衰力調整弁18を切換えるためのア
クチュエータであり、上述の油圧回路10a と共に減衰力
調整手段を構成している。
【0018】この構成により、油圧緩衝器5は、減衰力
調整弁18が位置Aにある場合、第1バイパス通路14が遮
断されて第2バイパス通路が連通されるため、伸び行程
時は、第2のバイパス通路15の逆止弁17が開き、シリン
ダ9内の油液が第1の減衰力発生機構12および第2のバ
イパス通路15を流通するので、第1の減衰力発生機構12
のみにより比較的小さな減衰力が発生する。縮み行程時
は、第2のバイパス通路15の逆止弁17が閉じ、シリンダ
9内の油液が第1の減衰力発生機構12および第2の減衰
力発生機構13を流通するので第1、第2の減衰力発生機
構12,13により比較的大きな減衰力が発生する。よっ
て、減衰力特性は、伸び側がソフト特性、縮み側がハー
ド特性となる。
【0019】減衰力調整弁18が位置Bにある場合、第
1、第2のバイパス通路14,15共に連通されるため、伸
び行程時は、第1のバイパス通路14の逆止弁16が閉じ、
第2のバイパス通路15の逆止弁17が開き、シリンダ9内
の油液が第1の減衰力発生機構12および第2のバイパス
通路15を流通するので、第1の減衰力発生機構12のみに
より比較的小さな減衰力が発生する。縮み行程時は、第
1のバイパス通路14の逆止弁16が開き、第2のバイパス
通路15の逆止弁17が閉じ、シリンダ9内の油液が第2の
減衰力発生機構13および第1のバイパス通路14を流通す
るので、第2の減衰力発生機構13のみにより比較的小さ
な減衰力が発生する。よって、減衰力特性は、伸び、縮
み側共にソフト特性となる。
【0020】減衰力調整弁18が位置Cにある場合、第1
バイパス通路14が連通され、第2バイパス通路が遮断さ
れるため、伸び行程時は、第1のバイパス通路14の逆止
弁14が閉じ、シリンダ9内の油液が第1、第2の減衰力
発生機構12,13を流通するので比較的大きな減衰力が発
生する。縮み行程時は、第1のバイパス通路14の逆止弁
16が開き、シリンダ9内の油液が第2の減衰力発生機構
13および第1のバイパス通路14を流通するので第2の減
衰力発生機構13のみにより比較的小さな減衰力が発生す
る。よって、減衰力特性は、伸び側がハード特性、縮み
側がソフト特性となる。
【0021】減衰力調整弁18が位置Dにある場合、第
1、第2のバイパス通路14,15共に遮断されるので、伸
び、縮み行程時共にシリンダ9内の油液が第1の減衰力
発生機構12および第2の減衰力発生機構13を流通するの
で、伸び、縮み行程時共に比較的大きな減衰力が発生す
る。よって、減衰力特性は、伸び、縮み側共にハード特
性となる。
【0022】このように、減衰力調整弁18を切換えるこ
とにより、減衰力特性を 位置A:伸び側/ソフト(A1) 縮み側/ハード(A2) 位置B:伸び側/ソフト(B1) 縮み側/ソフト(B2) 位置C:伸び側/ハード(C1) 縮み側/ソフト(C2) 位置D:伸び側/ハード(D1) 縮み側/ハード(D2) の4種類の組合わせの中から選択的に切換えることがで
きる。
【0023】また、油圧緩衝器5の油圧回路は、図3に
示すような構成とすることによっても同様の作用を奏す
ることができる。次に、図3に示す油圧回路20につい
て、図2のものと同様の部材には同一の番号を付し異な
る部分についてのみ詳細に説明する。
【0024】アクチュエータ19と共に減衰力調整手段と
なる油圧回路20は、シリンダ上室9aとシリンダ下室9bと
を連通する、第1の減衰力発生機構21(減衰力大)を有
する主油液通路22と、第2の減衰力発生機構23を有する
バイパス通路24とからなり、バイパス通路24には、直列
に配置された互いに逆方向の流通を許容する逆止弁25,
26が設けられている。さらに、逆止弁25をバイパスする
油液通路27および逆止弁26をバイパスする油液通路28が
設けられており、油液通路27,28には減衰力調整弁29が
設けられている。
【0025】減衰力調整弁29は、3ポート4位置切換弁
であり、位置Aでは油液通路27を連通して油液通路28を
遮断し、位置Bでは油液通路27,28共に連通し、位置C
では油液通路27を遮断して油液通路28を連通し、位置D
では油液通路27,28共に遮断するようになっている。
【0026】この構成により、減衰力調整弁29が位置A
にある場合、油液通路27により逆止弁25がバイパスされ
るため、伸び行程時は、バイパス通路24の逆止弁26が開
いてシリンダ9内の油液がバイパス通路24を流通するの
で、第2の減衰力発生機構23により比較的小さな減衰力
が発生する。縮み行程時は、バイパス通路24の逆止弁26
が閉じてバイパス通路24が遮断され、シリンダ9内の油
液が主油液通路22のみを流通するので第1の減衰力発生
機構21により比較的大きな減衰力が発生する。よって、
減衰力特性は、伸び側がソフト特性、縮み側がハード特
性となる。
【0027】減衰力調整弁29が位置Bにある場合、油液
通路27,28により逆止弁25,26が共にバイパスされるた
め、伸び、縮み行程時共にシリンダ9内の油液がバイパ
ス通路24を流通するので、伸び、縮み行程時共に第2の
減衰力発生機構23により比較的小さな減衰力が発生す
る。よって、減衰力特性は、伸び、縮み側共にソフト特
性となる。
【0028】減衰力調整弁29が位置Cにある場合、油液
通路28により逆止弁26がバイパスされるため、伸び行程
時は、バイパス通路24の逆止弁25が閉じてバイパス通路
24が遮断され、シリンダ9内の油液が主油液通路22のみ
を流通するので第1の減衰力発生機構21により比較的大
きな減衰力が発生する。縮み行程時は、バイパス通路24
の逆止弁25が開いてバイパス通路24が連通され、シリン
ダ9内の油液がバイパス通路24を流通するので、第2の
減衰力発生機構23により比較的小さな減衰力が発生す
る。よって、減衰力特性は、伸び側がハード特性、縮み
側がソフト特性となる。
【0029】減衰力調整弁29が位置Dにある場合、油液
通路27,28が共に遮断されるため、逆止弁25,26により
伸び、縮み行程時共にバイパス通路24が遮断されるの
で、伸び、縮み行程時共にシリンダ9内の油液が主油液
通路22のみを流通して第1の減衰力発生機構21により比
較的大きな減衰力が発生する。よって、減衰力特性は、
伸び、縮み側共にハード特性となる。
【0030】このように、減衰力調整弁29を切換えるこ
とにより、図2に示すものと同様に、4種類の組合わせ
の中から選択的に切換えることができる。
【0031】図4に示す油圧緩衝器5は、図3に示すも
のにおいて、減衰力調整弁29の代わりに位置Dを省略し
た3ポート3位置切換弁30を設けたものである。このよ
うにした場合、減衰力特性を前記4種類内から位置Dに
相当する組合わせを除いた3種類の組合わせの中から選
択的に切換えることができる。
【0032】次に、図2に示す油圧緩衝器の具体的な構
成の一例について図5ないし図7を用いて説明する。
【0033】図5に示すように、油液が封入されたシリ
ンダ31内に、第1のピストン32と第2のピストン33とが
直列に配置され摺動可能に嵌装されており、シリンダ31
内がシリンダ上室31a 、シリンダ中室31b およびシリン
ダ下室31c の3室に画成されている。第1、第2のピス
トン32,33には、ピストンロッド34の一端側が貫通され
て連結されており、ピストンロッド34の他端はシリンダ
31の外部まで延ばされている。また、シリンダ31には、
ピストンロッド34がシリンダ31内に侵入、退室した分の
油液の出入りを補償するリザーバ室(図示せず)が設け
られている。
【0034】ピストン32には、シリンダ上室31a とシリ
ンダ中室31b とを連通させる油液通路35が設けられてお
り、ピストン32の両端面には、油液通路35内の油液の流
動を制御して減衰力を発生させるオリフィスおよびディ
スクバルブからなる第1の減衰力発生機構としての減衰
力発生機構36が設けられいる。また、ピストン33には、
シリンダ中室31b とシリンダ下室31c とを連通させる油
液通路37が設けられており、ピストン33の両端面には、
油液通路37内の油液の流動を制御して減衰力を発生させ
るオリフィスおよびディスクバルブからなる第2の減衰
力発生機構としての減衰力発生機構38が設けられてい
る。そして、油液通路35,37およびシリンダ中室31b に
より主油液通路を構成している。
【0035】ピストンロッド34には、先端部から軸心に
沿って延び、シリンダ上室31a 、シリンダ中室31b およ
びシリンダ下室31c のそれぞれに連通する開口部39a,39
b,39c を有するバイパス通路39が設けられている。そし
て、バイパス通路39のシリンダ上室31a とシリンダ中室
31b との間は減衰力発生機構36をバイパスする第1のバ
イパス通路39d を形成し、該バイパス通路39のシリンダ
中室31b とシリンダ下室31c との間は減衰力発生機構38
をバイパスする第2のバイパス通路39e を形成してい
る。ピストンロッド34の先端部には、円筒状の通路部材
40が取付けられており、通路部材40の開口部には、バイ
パス通路39の開口部39c からシリンダ下室31c 側への油
液の流通を許容し、その反対方向の流通を阻止する逆止
弁41が設けられている。
【0036】ピストンロッド34の開口部39を囲んで円筒
状の通路部材42が設けられており、通路部材42の開口部
にバイパス通路39の開口部39a からシリンダ上室31a 側
への油液の流通を許容し、その反対方向の流通を阻止す
る逆止弁43が設けられている。
【0037】ピストンロッド34のバイパス通路39内に開
口部39a に臨んで有底筒状のシャッタ44が回転可能に嵌
合されており、また、開口部39c に臨んで有底筒状のシ
ャッタ45が回転可能に嵌合されている。シャッタ44の側
壁にはスリット44a が設けられており、シャッタ44を回
転させてスリット44a を開口部39a に整合させるか否か
により開口部39a を開閉するようになっている。また、
同様に、シャッタ45の側壁にはスリット45a が設けられ
ており、シャッタ45を回転させてスリット45aを開口部3
9c に整合させるか否かにより開口部39c を開閉するよ
うになっている。
【0038】シャッタ44および45は、ピストンロッド34
の軸心に沿って延びる操作ロッド46に共に連結されてお
り、操作ロッド46はピストンロッド34に沿って油圧緩衝
器の外部まで延ばされている。そして、油圧緩衝器の外
部から操作ロッド46を操作することにより、シャッタ44
および45が同時に回転するようになっている。
【0039】図6に示すように、バイパス通路39の開口
部39a と39c とは、互いに異なる方向に向かって開口さ
れており、シャッタ44,45が位置Aにある場合にはスリ
ット44a と開口部39a とが遮断されてスリット45a と開
口部39c とが連通され、位置Bにある場合にはスリット
44a と開口部39a とおよびスリット45a と開口部39cと
が共に連通され、位置Cにある場合にはスリット44a と
開口部39a とが連通されてスリット45a と開口部39c と
が遮断され、位置Dにある場合にはスリット44a と開口
部39a とおよびスリット45a と開口部39c とが共に遮断
されるようになっている。
【0040】なお、図5に示す油圧緩衝器において、第
1、第2ピストン32,33が図2のピストン10に、減衰力
発生機構36が第1の減衰力発生機構12に、減衰力発生機
構38が第2の減衰力発生機構13に、逆止弁43が逆止弁16
に、逆止弁41が逆止弁17に、シャッタ44およびシャッタ
45が減衰力調整弁18にそれぞれ相当し、シャッタ44,45
の位置は、減衰力調整弁18の切換位置に対応している。
【0041】この構成による作用について説明する。シ
ャッタ44,45が位置Aにある場合、バイパス通路39の開
口部39a が閉じ開口部39c が開いているので、ピストン
ロッド34の伸び行程時には逆止弁43が閉じシリンダ上室
31a の油液はピストン32の油液通路35を通ってシリンダ
中室31b へ流れ、シリンダ中室31b の油液は開口部39b
、第2のバイパス通路39e および開口部39c を通り逆
止弁41を開いてシリンダ下室31c へ流れる。よって、ピ
ストン32の減衰力発生機構36のみにより比較的小さな減
衰力が発生する。一方、縮み行程時には逆止弁41が閉じ
てバイパス通路39が閉鎖されるので、油液はピストン32
および33の油液通路35,37を流れて直列に配置された減
衰力発生機構36,38により比較的大きな減衰力が発生す
る。よって、減衰力特性は、図7中にAで示すように伸
び側はソフト特性となり、縮み側はハード特性となる。
【0042】シャッタ44,45が位置Bにある場合、バイ
パス通路39の開口部39a および39cが開いているので、
ピストンロッド34の伸び行程時には、位置Aの場合と同
様にシリンダ上室31a の油液はピストン32の油液通路35
を通ってシリンダ中室31b へ流れ、シリンダ中室31b の
油液は開口部39b 、第2のバイパス通路39e および開口
部39c を通り逆止弁41を開いてシリンダ下室31c へ流れ
る。よって、ピストン32の減衰力発生機構36のみにより
比較的小さな減衰力が発生する。一方、縮み行程時には
逆止弁41が閉じシリンダ下室31c の油液はピストン33の
油液通路37を通ってシリンダ中室31b へ流れ、シリンダ
中室31b の油液は開口部39b 、第1のバイパス通路39d
および開口部39a を通り逆止弁43を開いてシリンダ上室
31a へ流れる。よって、ピストン33の減衰力発生機構38
のみにより比較的小さな減衰力が発生する。よって、減
衰力特性は、図7中にBで示すように伸び側、縮み側共
にソフト特性となる。
【0043】シャッタ44,45が位置Cにある場合、バイ
パス通路39の開口部39a が開き開口部39c が閉じている
ので、ピストンロッド34の縮み行程時には、位置Bの場
合と同様にシリンダ下室31c の油液はピストン33の油液
通路37を通ってシリンダ中室31b へ流れ、シリンダ中室
31b の油液は開口部39b 、第1のバイパス通路39d およ
び開口部39a を通り逆止弁43を開いてシリンダ上室31a
へ流れる。よって、ピストン33の減衰力発生機構38のみ
により比較的小さな減衰力が発生する。一方、伸び行程
時には逆止弁43が閉じて第1のバイパス通路39d が閉鎖
されるので、油液はピストン32および33の油液通路35,
37を流れて直列に配置された減衰力発生機構36,38によ
り比較的大きな減衰力が発生する。よって、減衰力特性
は、図7中にCで示すように伸び側はハード特性とな
り、縮み側はソフト特性となる。
【0044】シャッタ44,45が位置Dにある場合、バイ
パス通路39の開口部39a および39cが閉じており、バイ
パス通路39が常時閉鎖されるので、伸び、縮み行程時共
に油液はピストン32および33の油液通路35,37を流れ、
直列に配置された減衰力発生機構36,38により比較的大
きな減衰力が発生する。よって、減衰力特性は、図7中
にDで示すように伸び側、縮み側共にハード特性とな
る。
【0045】このようにして、操作ロッド46によりシャ
ッタ44,45を移動させることによって減衰力特性を 位置A:伸び側/ソフト(A1) 縮み側/ハード(A2) 位置B:伸び側/ソフト(B1) 縮み側/ソフト(B2) 位置C:伸び側/ハード(C1) 縮み側/ソフト(C2) 位置D:伸び側/ハード(D1) 縮み側/ハード(D2) の4種類の組合わせの中から選択的に切換えることがで
きる。
【0046】次に、図4に示す油圧緩衝器の具体的な構
成の一例について図8ないし図10を用いて説明する。
【0047】図8に示すように、油液が封入されたシリ
ンダ47内にピストン48が摺動可能に嵌装されており、こ
のピストン48によってシリンダ47内がシリンダ上室47a
とシリンダ下室47b との2室に画成されている。ピスト
ン48には、先端がシリンダ47の外部まで延びるピストン
ロッド49の基端側が貫通されており、ピストンロッド49
は、その基端部に円筒状の通路部材50が螺着されてい
る。シリンダ47には、ピストンロッド49がシリンダ47に
侵入、退室した分の油液の出入りを補償するリザーバ室
(図示せず)が設けられている。
【0048】ピストン48には、シリンダ上室47a とシリ
ンダ下室47b を連通させる主油液通路51が設けられてお
り、ピストン48の両端面には、主油液通路51内の油液の
流動を制御して減衰力を発生するオリフィスおよびディ
スクバルブからなる減衰力発生機構52(減衰力大)が設
けられいる。
【0049】ピストンロッド49には、一端側がシリンダ
上室47a に連通し、他端側がシリンダ下室47b 側の通路
部材50内に連通する油液通路53が設けられており、油液
通路53と通路部材50とでシリンダ上室47a とシリンダ下
室47b とを連通させるバイパス通路54が構成されてい
る。
【0050】通路部材50のシリンダ下室47b 側の開口部
には、バイパス通路54と連通する油液通路55を有するバ
ルブ本体56が嵌合されており、バルブ本体56の両端に
は、油液通路55内の油液の流動を制御して減衰力を発生
するオリフィスおよびディスクバルブからなる減衰力発
生機構57(減衰力小)が設けられている。
【0051】通路部材50内には、円筒状のガイド部材58
が嵌合されている。ガイド部材58のシリンダ上室47a 側
の端部には、ガイド部材58内側からシリンダ上室47a 側
への油液の流通を許容し、その反対方向の油液の流通を
阻止する逆止弁59が設けられており、ガイド部材58のシ
リンダ下室47b 側の端部にはガイド部材58内側からシリ
ンダ下室47b 側への油液の流通を許容し、その反対方向
の油液の流通を阻止する逆止弁60が設けられている。
【0052】通路部材50とガイド部材58との間には、バ
イパス通路54内において、シリンダ上室47a 側に連通す
る油液通路61とシリンダ下室47b 側に連通する油液通路
62とが形成されており、ガイド部材58の側壁には、油液
通路61に連通する孔63および油液通路62に連通する孔64
が設けられており、油液通路61と孔63とで逆止弁59をバ
イパスする第1の油液通路を構成し、油液通路62と孔64
とで逆止弁60をバイパスする第2の油液通路を構成して
いる。
【0053】ガイド部材58内には、第1および第2の減
衰力調整弁として有底筒状のシャッタ65が回転可能に嵌
合されている。シャッタ65の底部には、シャッタ65の内
側と逆止弁59側とを連通させる油液通路66が設けられて
いる。シャッタ65の側壁には、一対のスリット67が形成
されており、シャッタ65を回転させスリット67をガイド
部材58の孔に63,64に整合させるか否かにより前記第1
および第2の油液通路を開閉できるようになっている。
【0054】図9に示すように、ガイド部材58の孔63と
64とは、ガイド部材58の中心から互いに異なる方向に向
かって開口されており、位置Aにある場合にはスリット
67と孔64とだけが整合し、シャッタ65が位置Bにある場
合にはスリット67と孔63,64とが整合し、位置Cにある
場合にはスリット67と孔63とだけが整合するようになっ
てる。シャッタ65の底部には、操作ロッド68が連結さ
れ、操作ロッド68は逆止弁59を貫通してピストンロッド
49に沿ってその外部まで延ばされており、減衰力調整式
油圧緩衝器1の外部からシャッタ65を回転させられるよ
うになっている。
【0055】なお、図8に示す油圧緩衝器において、主
油液通路51が図4の主油液通路22に、減衰力発生機構52
が図4の第1の減衰力発生機構21に、バイパス通路54が
図4のバイパス通路24に、減衰力発生機構57が図4の第
2の減衰力発生機構23に、逆止弁59,60が図4の逆止弁
25,26に、シャッタ65が図4の減衰力調整弁30にそれぞ
れ相当し、シャッタ65の位置は、減衰力調整弁30の切換
位置に対応している。
【0056】この構成による作用について説明する。外
部から操作ロッド68を操作してシャッタ65を回転させる
ことにより減衰力特性を切換えることができる。
【0057】図9に示すように、シャッタ65が位置Aに
ある場合、孔63とスリット67とが整合することにより油
液通路61および孔63によって逆止弁59がバイパスされ
る。一方、孔64は、シャッタ65によって閉鎖される。こ
のため、バイパス通路54は、逆止弁60を介して連通され
ることになり、シリンダ上室47a 側からシリンダ下室47
b 側への油液の流通を許容し、その反対方向の油液の流
通を阻止することになる。よって、ピストンロッド49の
伸び行程時は、ピストン48の摺動によりシリンダ47内の
油液が主油液通路51およびバイパス通路54を流通して減
衰力発生機構52および57によって比較的小さな減衰力が
発生する。一方、縮み行程時は、バイパス通路54の油液
の流通が阻止されるので、ピストン48の摺動によってシ
リンダ47内の油液が主油液通路51のみを流通して減衰力
発生機構52よって比較的大きな減衰力が発生する。よっ
て、減衰力特性は、図10中にAで示すように伸び側はソ
フト特性となり、縮み側はハード特性となる。
【0058】シャッタ65が位置Bにある場合、孔63とス
リット67とが整合することにより油液通路61および孔63
によって逆止弁59がバイパスされ、また、孔64とスリッ
ト67とが整合することにより油液通路62および孔64によ
って逆止弁60がバイパスされる。このため、バイパス通
路54が常時連通されるので、伸び、縮み行程共に、ピス
トンロッド49の伸縮にともなうピストン48の摺動により
シリンダ47内の油液が主油液通路51およびバイパス通路
54を流通して減衰力発生機構52および57によって比較的
小さな減衰力が発生する。よって、減衰力特性は、図10
中にBで示すように伸び側、縮み側共にソフト特性とな
る。
【0059】シャッタ65が位置Cにある場合、孔63は、
シャッタ65により閉鎖される。一方、孔64とスリット67
とが整合することにより油液通路62および孔64によって
逆止弁60がバイパスされる。このため、バイパス通路54
は、逆止弁59を介して連通されることになり、シリンダ
下室47b 側からシリンダ上室47a 側への油液の流通を許
容し、その反対方向の油液の流通を阻止することにな
る。よって、ピストンロッド49の縮み行程時は、ピスト
ン48の摺動によりシリンダ47内の油液が主油液通路51お
よびバイパス通路54を流通して減衰力発生機構52および
57によって比較的小さな減衰力が発生する。一方、伸び
行程時は、バイパス通路54の油液の流通が阻止されるの
で、ピストン48の摺動によってシリンダ47内の油液が主
油液通路51のみを流通して減衰力発生機構52よって比較
的大きな減衰力が発生する。よって、減衰力特性は、図
10中にCで示すように伸び側はハード特性となり、縮み
側はソフト特性となる。
【0060】このようにして、シャッタ65を回転させて
その位置を変化させるにより、減衰力特性を 位置A:伸び側/ソフト(A1) 縮み側/ハード(A2) 位置B:伸び側/ソフト(B1) 縮み側/ソフト(B2) 位置C:伸び側/ハード(C1) 縮み側/ソフト(C2) の3種類の組合わせの中から選択的に切換えることがで
きる。
【0061】次に、コントローラ8について説明する。
コントローラ8は、加速度センサ6および車高センサ7
からの検出信号に基づいて油圧緩衝器5の減衰力特性を
前記4つの組合わせの中から選択し、油圧緩衝器5の減
衰力特性を切換えるアクチュエータを作動させるための
制御信号を出力する。
【0062】コントローラ8による第1の制御方法につ
いて説明する。減衰力特性の切換えは、走行中に生じる
ばね上およびばね下の振動による油圧緩衝器5のピスト
ンロッド11の伸縮行程において、1行程(伸びまたは縮
み行程)中で、減衰力特性の4つの組合わせの内、同様
の減衰力特性への切換えを行うようになっている。すな
わち、ソフト特性からソフト特性への切換え、およびハ
ード特性からハード特性への切換えのみを行うようにな
っている。
【0063】したがって、油圧緩衝器5の減衰力特性の
切換えは、図11に示すパターンに沿って行われることに
なる。図11は、任意の1行程(現行程)の減衰力特性と
その次の行程(次行程)の減衰力特性との関係を示して
いる。ハード側の減衰力特性を上段に、ソフト側の減衰
力特性を下段に示し、ハード側、ソフト側でそれぞれ油
圧緩衝器5がとり得る4つの減衰力特性が丸の中に示さ
れている。そして、丸の中の上段に伸び側の減衰力特
性、下段に縮み側の減衰力特性が示されている。図中、
細矢印はコントローラ8の制御信号による油圧緩衝器の
減衰力調整弁の位置の切換えを示しており、矢印の上に
伸び行程時に切換え得る減衰力調整弁の位置が示され、
矢印の下に縮み行程時に切換え得る減衰力調整弁の位置
が示されている。図中、太矢印は、伸びから縮み、また
は縮みから伸びへ行程の変化を示しており、伸びから縮
み行程へ変化する場合は矢印の上側に示された記号が減
衰力調整弁の位置と一致する矢印に沿って減衰力特性が
切換わり、縮みから伸び行程へ変化する場合は矢印の下
側に示された記号が減衰力調整弁の位置と一致する矢印
に沿って減衰力特性が切換わることになる。
【0064】よって、次のようにして減衰力特性の切換
えを行うことができる。 現行程(伸び/ハード側)から次行程(縮み/ハード
側)に切換える場合は、現行程で減衰力調整弁を位置D
に切換え、 現行程(伸び/ハード側)から次行程(縮み/ソフト
側)に切換える場合は、現行程で減衰力調整弁を位置C
に切換え、 現行程(伸び/ソフト側)から次行程(縮み/ソフト
側)に切換える場合は、現行程で減衰力調整弁を位置B
に切換え、 現行程(伸び/ソフト側)から次行程(縮み/ハード
側)に切換える場合は、現行程で減衰力調整弁を位置A
に切換え、 現行程(縮み/ハード側)から次行程(伸び/ハード
側)に切換える場合は、現行程で減衰力調整弁を位置D
に切換え、 現行程(縮み/ハード側)から次行程(伸び/ソフト
側)に切換える場合は、現行程で減衰力調整弁を位置A
に切換え、 現行程(縮み/ソフト側)から次行程(伸び/ソフト
側)に切換える場合は、現行程で減衰力調整弁を位置B
に切換え、 現行程(縮み/ソフト側)から次行程(伸び/ハード
側)に切換える場合は、現行程で減衰力調整弁を位置C
に切換えることにより、現行程から次行程に行程が変わ
る際、所望の減衰力特性に切換えることができる。な
お、現行程の減衰力調整弁の位置において次行程の所望
の減衰力特性が得られるときには、当然ながら減衰力特
性の切換えは行われない。
【0065】一例としての場合について図11中の記号
に丸印を付して説明する。例えば現行程が縮み行程で減
衰力調整弁が位置Bにあるとき、減衰力特性はB2(ソフ
ト特性)であり、減衰力調整弁を位置Cに切換えると減
衰力特性はC2(ソフト特性)に切換わり、その後、現行
程(縮み行程)から次行程(伸び行程)に変化する際
に、減衰力調整弁が位置Cであるから減衰力特性はC
1(ハード特性)となる。
【0066】上記制御を利用して、例えば、路面の突起
を乗り越す際の衝撃を小さくし、しかも、その後の収ま
りをよくするために、減衰力特性がソフトの状態で乗り
越し、その後に減衰力特性をハードにする制御を考えた
場合、はじめは、伸び縮みの減衰力特性が伸び側/ソフ
ト−縮み側/ソフトの位置Bで時を乗り越し、その後の
伸び行程において、次行程の減衰力特性を伸び側/ソフ
ト−縮み側/ハードの位置Aを選択して切換える。抗す
ると、伸び行程では減衰力特性はソフトからソフトに切
換わるだけであり、切換えによる衝撃は発生しない。そ
して、次の縮み行程では、所望の減衰力特性ハードに切
換わる。この行程中に、さらに位置Dを選択して切換え
ると、伸び縮み共にハードの減衰力特性をもつ状態に途
中で減衰力の急変による衝撃をともなうことなく切換え
ることができる。その後、振動が収まって、伸び縮みと
もソフトの減衰力特性の位置に切換えるには、位置D→
位置C→位置Bや位置D→位置A→位置Bと順次切換え
ることによって減衰力の急変をともなわずに切換えを完
了することができる。
【0067】このようにして、減衰力調整弁の位置を4
つの組合わせの中から選択することにより減衰力特性を
自由に切換えることができる。このとき、減衰力調整弁
の切換えは、1行程内で同様の減衰力特性への切換えの
みを行うので、切換時に減衰力が急変することがなく衝
撃が発生しない。また、次行程において所望される油圧
緩衝器5の減衰力特性の異なる特性(ハード側からソフ
ト側またはソフト側からハード側)への切換えは、作動
ロッドのストロークの方向が変化して次行程に移る以前
に、すなわち、ストローク速度がゼロとなる以前に行う
ことができるので、次行程において減衰力を発生する減
衰力発生機構は切換え時の現行程においては減衰力を発
生しておらず、減衰力切換えによる衝撃が発生すること
がない。さらに、減衰力の切換え遅れがなく、衝撃の発
生を確実に防止することができる。
【0068】次にコントローラ8による第2の制御方法
について図12を用いて説明する。なお、図12は、図11と
同様の規則に従って作成されている。本制御方法では、
図12に示すように、1行程(伸びまたは縮み行程)中で
の減衰力調整弁の切換えを4つ位置の内、その行程内で
同様の減衰力特性を有する位置への切換えに加えて、ハ
ード特性からソフト特性への切換えを可能としている。
すなわち、ソフト特性からソフト特性への切換え、ハー
ド特性からハード特性への切換え、およびハード特性か
らソフト特性への切換えを行うようになっている。
【0069】この制御方法によれば、前記第1の制御方
法の場合と同様に自由に減衰力特性の切換えを行うこと
ができるとともに、加えて、現行程内でハード特性から
ソフト特性への切換えを自由に行うことができる。この
場合、作動ロッドのストローク中に減衰力特性の切換が
行われることになるが、ハード側からソフト側への切換
えであるので切換時の衝撃の影響は僅かである。
【0070】次に第3の制御方法として、図4および図
8に示すもののように、減衰力調整弁が3つの位置を有
する油圧緩衝器を用いた場合について図13を用いて説明
する。なお、図13は、図11と同様の規則に従って作成さ
れている。本制御方法では、図13に示すように、前記第
2の制御方法と同様に、1行程(伸びまたは縮み行程)
中での減衰力調整弁の切換え3つの位置(第2の制御方
法では4つの位置)を、その行程内で同様の減衰力特性
を有する位置への切換えと、ハード特性からソフト特性
への切換えとを可能としている。すなわち、ソフト特性
からソフト特性への切換えおよびハード特性からソフト
特性への切換えを行うようになっている。
【0071】この制御方法よれば、前記第2の制御方法
と同様に自由に減衰力特性を切換えることができる。た
だし、この場合、現行程から次行程への減衰力特性の切
換が同様の減衰力特性への切換であるときには、現行程
において一旦異なる減衰力特性に切換えることにより次
行程で元の減衰力特性側に戻すようにする必要がある。
よって、例えば、現行程(伸び/ハード側)から次行程
(縮み/ハード側)に切換える場合は、現行程で減衰力
調整弁を位置Cに切換え、一旦、現行程中でソフト側と
して次行程(縮み/ハード側)に切換えることになる。
【0072】なお、上記第3の制御方法として、図4お
よび図8に示すように減衰力調整弁が伸び側ソフト−縮
み側ハード(位置A)、同様にソフト−ソフト(位置
B)、ハード−ソフト(位置C)の3位置をとるものの
制御として述べたが、位置Bのソフト−ソフトに代えて
位置Bで伸び側ハード−縮み側ハードの減衰力特性をも
つ油圧緩衝器を用いて第3の制御方法を行うことも可能
である。しかし、この場合には、現行程(伸び/ソフ
ト)から次行程(縮み/ソフト)を切換えなしで維持す
ることができないので、一般走行では伸び縮み共にソフ
ト特性とされることが多い状況に鑑みれば好ましい制御
方法とはいえない。
【0073】上記制御は上下方向の振動に対する減衰制
御であるが、アンチロール、アンチダイブ等の車体の姿
勢維持のために減衰力を切換える姿勢制御と併用しても
よい。この場合、両制御が同時に行われ、互いに矛盾す
る制御となる場合、(例えば、一方がソフト特性を要求
し、他方がハード特性を要求する場合)には、状況に応
じていずれか一方の制御を優先させるようにすればよ
い。
【0074】さらに、減衰力調整弁によって切換えられ
る1行程中における同様の減衰力特性、例えば伸び側の
ソフト特性A1とソフト特性B1とは全く同一の減衰力特性
である必要はなく、同一行程中におけるハード特性C1
D1に比べて減衰力の低いものであればソフト特性A1とソ
フト特性B1とはある程度減衰力特性が異なるものであっ
てもよい。伸び側のハード特性C1とD1、縮み側のソフト
特性B2とC2および縮み側のハード特性A1とD1についても
同様である。
【0075】
【発明の効果】本発明のサスペンション制御装置によれ
ば、減衰力調整式油圧緩衝器の減衰力特性は、伸びまた
は縮みの1行程時は、減衰力を切換える場合でも、同様
の減衰力特性への切換えまたはハード側からソフト側へ
の切換えが行われるので、切換時の減衰力の急激な変化
による衝撃が小さく、その後、行程の方向が変わって次
行程に移る以前に次行程における所望の減衰力特性に切
換えることができるので、次行程における所望の減衰力
特性への切換えよる衝撃が起きない。このように、減衰
力特性の切換時の減衰力の急変による衝撃の発生を防止
することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体の構成を示す図であ
る。
【図2】図1の装置の減衰力調整式油圧緩衝器の一例の
要部を示す図である。
【図3】図1の装置の減衰力調整式油圧緩衝器の他の一
例の要部を示す図である。
【図4】図1の装置の減衰力調整式油圧緩衝器のさらに
他の一例の要部を示す図である。
【図5】図2の減衰力調整式油圧緩衝器の一例の要部の
縦断面図である。
【図6】図5の装置のシャッタの位置を示すA−A線お
よびB−B線による横断面図である。
【図7】図5の装置の減衰力特性を示す図である。
【図8】図4の減衰力調整式油圧緩衝器の一例の要部の
縦断面図である。
【図9】図8の装置のシャッタの位置を示すA−A線お
よびB−B線による横断面図である。
【図10】図8の装置の減衰力特性を示す図である。
【図11】図1の装置のコントローラによる制御方法の
一例を示す図である。
【図12】図1の装置のコントローラによる制御方法の
他の一例を示す図である。
【図13】図1の装置のコントローラによる制御方法の
さらに他の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 サスペンション制御装置 2 車体 3 車輪 5 減衰力調整式油圧緩衝器 8 コントローラ(制御装置) 10a,20 油圧回路(減衰力調整手段) 19 アクチュエータ(減衰力調整手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のサスペンション装置の車輪側と車
    体側との間に介装された減衰力調整式油圧緩衝器の減衰
    力特性を走行状況に応じて制御装置により適宜切換える
    ようにしたサスペンション制御装置において、前記減衰
    力調整式油圧緩衝器は、その減衰力特性が、伸び側がソ
    フトで縮み側がソフト、伸び側がソフトで縮み側がハー
    ドおよび伸び側がハードで縮み側がソフトの少なくとも
    3つの組合わせの中から選択的に切換え可能な減衰力調
    整手段を備え、前記制御装置は、前記減衰力調整式油圧
    緩衝器の伸びまたは縮みの1行程中では、縮みまたは伸
    の次行程で減衰力特性がハードまたはソフトのうち所望
    のものとなるように、前記1行程中における減衰力特性
    の不切換または同様の減衰力特性への切換えを前記減衰
    力調整手段に行わせる制御信号を出力することを特徴と
    するサスペンション制御装置。
  2. 【請求項2】 車両のサスペンション装置の車輪側と車
    体側との間に介装された減衰力調整式油圧緩衝器の減衰
    力特性を走行状況に応じて制御装置により適宜切換える
    ようにしたサスペンション制御装置において、前記減衰
    力調整式油圧緩衝器は、その減衰力特性が、伸び側がソ
    フトで縮み側がソフト、伸び側がソフトで縮み側がハー
    ドおよび伸び側がハードで縮み側がソフトの少なくとも
    3つの組合わせの中から選択的に切換え可能な減衰力調
    整手段を備え、前記制御装置は、前記減衰力調整式油圧
    緩衝器の伸びまたは縮みの1行程中では、縮みまたは伸
    の次行程で減衰力特性がハードまたはソフトのうち所望
    のものとなるように、前記1行程中における減衰力特性
    の不切換え、同様の減衰力特性への切換えまたはハード
    側からソフト側への切換えを前記減衰力調整手段に行わ
    せる制御信号を出力することを特徴とするサスペンショ
    ン制御装置。
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