JPH0517133A - 炭酸カルシウムコロイド溶液およびその製造方法並びに該コロイド溶液の用途 - Google Patents

炭酸カルシウムコロイド溶液およびその製造方法並びに該コロイド溶液の用途

Info

Publication number
JPH0517133A
JPH0517133A JP3174050A JP17405091A JPH0517133A JP H0517133 A JPH0517133 A JP H0517133A JP 3174050 A JP3174050 A JP 3174050A JP 17405091 A JP17405091 A JP 17405091A JP H0517133 A JPH0517133 A JP H0517133A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calcium carbonate
slurry
water
fine particles
soluble
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3174050A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigemi Osaka
重美 大坂
Kazuo Hata
和男 秦
Tsukasa Takahashi
典 高橋
Naotake Shioji
尚武 塩路
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP3174050A priority Critical patent/JPH0517133A/ja
Publication of JPH0517133A publication Critical patent/JPH0517133A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Colloid Chemistry (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 無機バインダーなどとして有用な炭酸カルシ
ウムコロイド溶液およびその製造方法、更にこのコロイ
ド溶液を用いた耐熱性成形体製造用スラリーおよびこの
スラリーを用いた耐熱性成形体を提供する。 【構成】 この炭酸カルシウムコロイド溶液は、石灰乳
に炭酸ガスを導入して炭酸化反応により炭酸カルシウム
微粒子のスラリーを形成し、引続きこのスラリーに分散
剤として水溶性アクリル系重合体および水溶性変性ポリ
ビニルアルコールを添加、分散して得られ、かつ炭酸カ
ルシウム微粒子が特定の粒子径分布、すなわち0.1μ
m以下の粒子径を有する炭酸カルシウム微粒子が全炭酸
カルシウム微粒子の少なくとも80重量%をしめるよう
な粒子径分布を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭酸カルシウムコロイ
ド溶液、詳しくは炭酸カルシウム微粒子を水性媒体中に
分散してなる分散液、およびその製造方法、並びにこの
コロイド溶液を含有する耐熱性成形体製造用スラリーお
よびこのスラリーを用いて得られる耐熱性成形体に関す
る。この炭酸カルシウムコロイド溶液は分散安定性に優
れ、また無機バインダーなどの種々の用途があり、例え
ば鋳型製造用粘結剤として使用することにより、優れた
特性を有する生鋳型および鋳型を製造することができ
る。
【0002】
【従来の技術】無機コロイド溶液は、従来より、耐火物
からなる耐熱性成形体を製造する際の無機バインダーと
して使用されており、その代表例としてはシリカ系、ア
ルミナ系などのコロイド溶液を挙げることができる。
【0003】近年、技術の高度化にともない使用する素
材の幅が広がり、高活性な金属を高温で熱処理するため
の治具あるいは溶解、鋳造するための耐熱性成形体が必
要となってきた。しかし、従来の無機バインダーを用い
て製造される耐熱性成形体を使用した場合、得られる製
品は耐火物の構成成分や、酸素などで汚染されることが
ある。このため、熱力学的に高温でも安定なカルシア系
耐火物からなる耐熱性成形体が望まれており、このよう
な耐熱性成形体の製造に使用する無機バインダーとして
は、炭酸カルシウムコロイド溶液が好適である。
【0004】炭酸カルシウムの製法としては、炭酸ガス
化合法、塩化カルシウムソーダ法、石灰ソーダ法などが
代表的な製法として知られている。これら方法のなかで
も、石灰乳に炭酸ガスを導入し、反応させて炭酸カルシ
ウムを生成させる炭酸ガス化合法(以下、特許請求の範
囲も含めて「炭酸化反応」という)が工業的に重要であ
る。この炭酸化反応においては、石灰乳および炭酸ガス
の濃度、反応温度、反応時の撹拌の強さなどの反応条件
を変えることにより、生成炭酸カルシウムの粒子径、粒
子形状、結晶系などの制御が行われている。また、この
炭酸化反応により、平均粒子径が0.1μm以下の炭酸
カルシウムコロイド溶液が得られることは公知である。
【0005】しかし、従来の炭酸化反応で得られる極微
細な炭酸カルシウムコロイド溶液においては、粒子間の
凝集が強く、その使用の際には、一次粒子が凝集し粗大
な炭酸カルシウム粒子からなるスラリーの挙動を示す。
このため、炭酸カルシウムスラリー中の炭酸カルシウム
の二次凝集体を破壊して分散させる方法が提案されてい
る。例えば、特公昭58−43331号公報には、炭酸
化反応を反応系のpHが7.5〜8で停止し、その後二
次凝集粒子を破壊するため50〜60℃で撹拌を行い、
次いでpHを10〜11.5に上げて、更に撹拌を行う
方法が記載されている。しかし、この公報にも記載され
ているように、平均粒子径が0.1μm前後の炭酸カル
シウムスラリーは、高粘度なものとなることから、無機
バインダーとして使用するには適当でない。
【0006】また、高濃度で、かつ低粘度の炭酸カルシ
ウム水分散液の製法として、炭酸カルシウムを有機系分
散剤の存在下に水中に分散させる方法が知られている。
例えば、特開昭63−233011、同63−2330
12、同63−248718号各公報には、分散剤とし
て、アクリル酸および/またはメタクリル酸系重合体、
あるいはこれら重合体と水溶性アニオン化変性ポリビニ
ルアルコールとを併用する炭酸カルシウム水分散液の製
造方法が記載されている。しかしながら、これら炭酸カ
ルシウム水分散液の平均粒子径はいずれも0.1μm以
上である。
【0007】このように、平均粒子径が0.1μm以下
の炭酸カルシウムが高濃度で分散され、かつ低粘度の炭
酸カルシウムコロイド溶液は、未だ得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の一つ
は、炭酸カルシウム微粒子を水性媒体中に分散してな
る、分散安定性に優れた炭酸カルシウムコロイド溶液を
提供することである。
【0009】本発明の他の目的は、上記炭酸カルシウム
溶液の製造方法を提供することである。
【0010】本発明の他の目的は、上記炭酸カルシウム
溶液を含有する耐熱性成形体製造用スラリーを提供する
ことである。
【0011】本発明の他の目的は、上記耐熱成形体製造
用スラリーを用いて得られる耐熱性成形体を提供するこ
とである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、石灰乳に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを導入し
て炭酸化反応により炭酸カルシウム微粒子のスラリーを
調製し、引続きこのスラリーに水溶性アクリル系重合体
および水溶性変性ポリビニルアルコールを分散剤として
添加して、分散させることにより上記目的が達成できる
ことが判った。本発明は、炭酸カルシウム微粒子を水性
媒体中に水溶性アクリル系重合体と水溶性変性ポリビニ
ルアルコールとを分散剤として分散してなり、該炭酸カ
ルシウム微粒子が下記粒子径分布:0.1μm以下の範
囲の粒子径を有する炭酸カルシウム微粒子が全炭酸カル
シウム微粒子の少なくとも80重量%をしめる、を有す
るものであることを特徴とする炭酸カルシウムコロイド
溶液に関する。
【0013】さらに、本発明は、石灰乳に炭酸ガスまた
は炭酸ガス含有ガスを導入して炭酸化反応により炭酸カ
ルシウム微粒子のスラリーを調製し、引続き該スラリー
に分散剤として水溶性アクリル系重合体および水溶性変
性ポリビニルアルコールを添加、撹拌することを特徴と
する上記炭酸カルシウムコロイド溶液の製造方法に関す
る。
【0014】さらに、本発明は、上記炭酸カルシウムコ
ロイド溶液を含有する耐熱性成形体製造用スラリーに関
する。
【0015】さらに、本発明は、上記耐熱性成形体製造
用スラリーを用いて成形し、焼成して得られる耐熱性成
形体に関する。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】炭酸化反応に使用する石灰乳は、生石灰あ
るいは消石灰を用いて調製される。使用する生石灰ある
いは消石灰には特に制限はないが、反応系の均一性を高
めるために粒子径が小さいものが好適に使用される。石
灰乳の固形分濃度は20重量%以下が望ましく、特に1
〜10重量%の範囲が好ましい。固形分濃度が20重量
%を超えると反応液の粘度が炭酸化反応中に一時的では
あるが高くなって実用的でなくなり、また固形分濃度が
あまり低いと経済的でない。
【0018】炭酸化反応における、反応液の濃度は、目
的とする炭酸カルシウム微粒子の粒子径分布、および撹
拌方法などの反応条件に合わせて適宜決定することがで
きるが、反応液の濃度が低いほうが、より微小の炭酸カ
ルシウム微粒子が得られる。例えば、0.05〜0.1
μmの範囲の粒子径を有する炭酸カルシウム微粒子が全
炭酸カルシウム微粒子の少なくとも70重量%をしめる
ような分子量分布を有する炭酸カルシウム微粒子を製造
する場合には、反応液濃度を5〜10重量%程度の範囲
にするのが好ましい。
【0019】このように調製した石灰乳に炭酸ガスある
いは炭酸ガス含有ガスを導入して炭酸化反応を行わせ
る。炭酸ガスの導入条件については、特に制限はなく、
幅広く設定することができるが、生産効率、反応熱の除
去などの点から、Ca(OH)21kg当り10〜10
0g/分の範囲の流速で炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガ
スを導入するのが好ましい。
【0020】石灰乳のpHは通常12〜13.5の範囲
にあるが、反応液を高撹拌下に保持して炭酸化反応を行
うと、反応のなかば頃に反応液のpHの急激な低下が認
められ、その後再びpHが上昇し、反応初期の高いpH
を保持しながら反応が継続し、反応が完結するにともな
いpHは再度低下する。本発明の炭酸カルシウムコロイ
ド溶液の調製に好適な炭酸カルシウム微粒子を得るため
には、上記2段のpH低下を伴う反応経過をたどる必要
があり、撹拌力が不十分な場合には、反応途中のpH低
下は認められず、反応完結に伴うpH低下のみの1段の
pH低下の反応経過をたどり、得られる炭酸カルシウム
は凝集の強いものとなり、目的とする炭酸カルシウム微
粒子を得ることができない。
【0021】上記のような反応液の2段のpH低下をと
もなう反応工程を経て行う、本願発明の炭酸化反応にお
ける、反応液pHと反応継続時間との関係の一例を図1
に示す。本発明の炭酸化反応を図1に基づいて説明すれ
ば、通常、1回目のpH低下が認められるようになった
時炭酸ガスの導入を一旦停止し、この状態で撹拌を継続
し、反応液のpHが炭酸ガス導入の停止前のそれとほぼ
同程度になった時に再び炭酸ガスを導入し、2回目のp
H低下期において所望のpHとなった時点で炭酸ガスの
導入を停止する。なお、炭酸ガスの導入停止後におい
て、反応液のpHが若干変動する場合があり、pHを正
確に調整した反応液を得ようとする場合には炭酸ガスの
導入を早めに停止し、一旦pHが安定した後炭酸ガスを
断続的に導入して所望pHに調整するのが望ましい。
【0022】本発明の炭酸化反応においては、上記好適
な炭酸カルシウム微粒子を得るために、上記のような2
段のpH低下を伴う反応経過をたどる必要があることか
ら、反応液をこのような反応経過が得られるに十分な高
撹拌下に保持するのが好ましい。また、反応液の温度を
20℃以下に維持して炭酸化反応を行うのが好ましい。
【0023】本発明の炭酸化反応に使用する撹拌装置に
は特に制限はないが、前述のように、反応経過において
2段のpH低下が明瞭に認められるような撹拌能力を確
保する必要があることから、通常の撹拌型反応器を使用
する場合には撹拌羽根の形状や大きさに工夫を要する場
合がある。本発明の炭酸化反応には、撹拌能力の大きい
ホモジナイザー、コロイドミル、三軸ミキサーなどの撹
拌装置を使用するのも好ましい。
【0024】このようにして得られる炭酸カルシウム微
粒子のスラリーにおいては、炭酸カルシウム微粒子の凝
集が非常に弱く、この状態のスラリーを無機バインダー
として使用することもできるが、放置するとポリマー状
沈澱となってかさ高くはあるが沈澱を起こし、また高濃
度化すると粘度が上昇する。このため、上記炭酸化反応
により得られた炭酸カルシウム微粒子のスラリーに分散
剤を添加して炭酸カルシウムの分散安定化を行う。
【0025】本発明の炭酸カルシウムコロイド溶液は、
上記炭酸化反応によって得られる炭酸カルシウム微粒子
のスラリーに、分散剤として、水溶性アクリル系重合体
および水溶性変性ポリビニルアルコールを用いて分散さ
せることにより得られる。
【0026】炭酸カルシウムの分散剤としては、無機系
分散剤および有機系分散剤が知られているが、本発明の
ように炭酸カルシウムコロイド溶液を無機バインダーと
して使用する場合、分散剤からくる金属類の不純物の混
入を防止するため有機系分散剤が望ましく、また組成成
分として金属類を含有しない有機系分散剤が特に好まし
い。有機系分散剤としては、ポリアクリル酸塩、ポリメ
タクリル酸塩、ポリマレイン酸塩などのポリカルボン酸
塩、ポリビニルアルコールなどが知られている。しかし
ながら、上記炭酸カルシウム微粒子のスラリーにこれら
分散剤を単独で添加してもなんら分散効果がなかった
り、あるいは逆に凝集を生じさせて重い沈澱物を生成し
たり、あるいはスラリーが増粘したりする。このため、
分散剤につき種々検討した結果、水溶性アクリル重合体
および変性ポリビニルアルコールを分散剤として併用す
ることにより本発明の目的が達成できることが判明し
た。
【0027】本発明で使用する水溶性アクリル系重合体
は、(イ)アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの塩
類から選ばれる少なくとも1種の単量体を重合して得ら
れる数平均分子量が2000〜80000の範囲の重合
体およびそのアンモニウム塩、(ロ)アクリル酸、メタ
クリル酸およびこれらの塩類から選ばれる少なくとも1
種の単量体50〜99.9モル%およびヒドロキシル基
含有単量体0.1〜50モル%からなる単量体混合物を
重合して得られる数平均分子量が2000〜80000
の範囲の重合体およびそのアンモニウム塩、並びに
(ハ)アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの塩類か
ら選ばれる少なくとも1種の単量体60〜99.9モル
%およびマレイン酸、フマール酸、イタコン酸およびこ
れらの塩類から選ばれる少なくとも1種のカルボキシル
基含有単量体0.1〜40モル%からなる単量体混合物
を重合して得られる数平均分子量が1000〜8000
0の範囲の重合体およびそのアンモニウム塩からなる群
から選ばれる少なくとも1種の重合体である。これらの
うちでも、特に、ポリアクリル酸アンモニウムが好適に
使用される。
【0028】本発明で使用する水溶性変性ポリビニルア
ルコールは、(1)重合度30〜700、ケン化度30
〜100モル%、およびスルホン化度0.5〜20モル
%の水溶性スルホン化ポリビニルアルコール、および
(ロ)重合度30〜700、ケン化度30〜100モル
%、およびカルボキシル化度0.5〜20モル%の水溶
性カルボキシル化ポリビニルアルコールからなる群から
選ばれる少なくとも1種の変性ポリビニルアルコールで
ある。これらのうちでも、特に、イタコン酸変性ポリビ
ニルアルコールが好適に使用される。
【0029】上記のアクリル系重合体および水溶性変性
ポリビニルアルコールは、公知であり、例えば特開昭6
3−233011、同63−233012、同63−2
48718号各公報に記載の方法により得られる。
【0030】なお、分散剤として上記の水溶性アクリル
系重合体と水溶性変性ポリビニルアルコールとを併用し
て炭酸カルシウムの分散液を調製することは、上記特開
昭63−233011、同63−233012、同63
−248718号各公報により公知ではあるが、これら
方法においては、いずれも、一旦乾燥した炭酸カルシウ
ムまたは炭酸カルシウムの脱水ケーキを水に分散させて
いる。このように一旦乾燥した炭酸カルシウムまたは炭
酸カルシウムの脱水ケーキは、炭酸カルシウム微粒子が
強固に凝集しているため上記の分散剤を使用しても粒子
径が0.1μm以下の炭酸カルシウム微粒子が分散され
た炭酸カルシウム分散液を製造することは困難である。
【0031】本発明の特徴は、炭酸化反応により粒子径
が0.1μm以下の炭酸カルシウム微粒子のスラリーを
製造し、引続き炭酸カルシウム微粒子が弱く凝集した状
態の炭酸カルシウム微粒子のスラリーに上記分散剤を添
加することである。
【0032】本発明においては、上記分散剤を炭酸化反
応直後に得られるスラリーに添加するよりも、反応後1
時間以上、好ましくは3時間以上、更に好ましくは12
時間以上熟成を行い、スラリーのpHが完全に安定して
から添加するのが好ましい。上記分散剤の添加量につい
ては、炭酸カルシウムの重量基準で、水溶性アクリル系
重合体が0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重
量%であり、水溶性変性ポリビニルアルコールが0.1
〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。
【0033】分散剤としての水溶性アクリル系重合体お
よび水溶性変性ポリビニルアルコールの添加順序には特
に制限はなく、両者を同時に添加してもよい。分散剤の
添加に際しては、分散剤を均一に作用させるため撹拌を
行うのがよく、撹拌力は強いのが好ましい。撹拌装置と
しては、通常のプロペラ型撹拌機でもよいが十分な撹拌
が得られるまでには時間がかかるため、望ましくはホモ
ジナイザーのような強力な剪断力を有するもの、更に望
ましくは超音波分散機を使用するのが効率的である。
【0034】このようにして分散剤を添加した後、数十
分〜数時間、好ましくは1時間以上撹拌を行うことによ
り、大半は一次粒子まで分散した炭酸カルシウムコロイ
ド溶液が得られる。
【0035】本発明の炭酸カルシウムコロイド溶液は、
0.1μm以下の粒子径を有する炭酸カルシウム微粒子
が、全炭酸カルシウム微粒子の80重量%以上、好まし
くは0.05〜0.1μmの範囲の粒子径を有する炭酸
カルシウム微粒子が、全炭酸カルシウム微粒子の70%
以上をしめるような粒子径分布を有する炭酸カルシウム
微粒子が水性媒体中に分散されたものである。
【0036】本発明の炭酸カルシウムコロイド溶液の濃
度については特に制限はなく、その使用目的に応じて、
適宜決定するとができる。例えば、高濃度炭酸カルシウ
ムコロイド溶液を得るには、上記の炭酸化反応により得
られた炭酸カルシウム微粒子のスラリーに分散剤を添加
した後濃縮するか、あるいはこのスラリーを濃縮した
後、分散剤を添加すればよい。この濃縮操作は、通常の
加熱方法により行うことができるが、ろ過膜の使用によ
っても効率的に行うことができる。また、例えば、コロ
イド粒子を捕捉し、水は透過するマイクロフィルターま
たは限外ろ過膜を使用すると、水を系外に排出しつつ連
続的に濃縮を行うことができるので、経済的に濃縮操作
を行うことができる。
【0037】本発明の炭酸カルシウムコロイド溶液の粘
度は、特に制限はなく、分散剤添加時の炭酸カルシウム
微粒子のスラリーのpHを調整することにより適宜調節
することができる。例えば、炭酸カルシウムコロイド溶
液の粘度を2〜100cp(センチポイズ)の範囲に調
節するには、炭酸カルシウム微粒子のスラリーのpHを
7〜9の範囲に調整し、その後分散剤を添加すればよ
い。
【0038】本願発明の炭酸カルシウムコロイド溶液
は、上記のように、炭酸カルシウムが粒子径0.1μm
以下の微粒子である、粘度が2〜100cp程度で取り
扱いが容易である、高濃度にしても分散安定性に優れ長
期間貯蔵することができるなどの利点を有することか
ら、種々の分野に利用することができる。例えば、無機
バインダーとして使用することもできるし、またこの炭
酸カルシウムコロイド溶液に無機または有機の耐熱性材
料粉体を混合してスラリーまたは混練物を調製し、これ
を成形した後焼成して耐熱性成形体とすることもでき
る。この耐熱性成形体の代表例としてカルシア系鋳型を
挙げることができ、特にこのカルシア系鋳型の粘結剤と
して、本発明の炭酸カルシウムコロイド溶液は好適に利
用することができる。
【0039】そこで、本発明の炭酸カルシウムコロイド
溶液の用途の一例としてのカルシア系鋳型の製造方法に
ついて以下に説明する。
【0040】カルシアは高温においても熱力学的に安定
であり、チタンもしくはチタン合金などの高活性な金属
の鋳物用鋳型の鋳型材として望ましい素材であるが、カ
ルシアは消化性であるため溶剤として水を使用すること
ができず、鋳型材としてカルシアを使用する場合には有
機溶剤系のスラリーを用いる必要があり、このため鋳型
の製作は困難であった。これに対し、本発明において
は、本発明の炭酸カルシウムコロイド溶液を粘結剤とし
て炭酸カルシウムで生鋳型を製作し、この生鋳型を焼成
することによりカルシア系鋳型を製作するのであるか
ら、従来のロストワックス法における鋳型製造法と同様
の手法を採用することができる。
【0041】先ず、炭酸カルシウムコロイド溶液に炭酸
カルシウム粉末を、このコロイド溶液の0.5〜3重量
倍の割合で添加し、比較的低速で撹拌してスラリーを調
製する。フィラー材としての炭酸カルシウム粉末の粒子
径は、製造しようとする鋳物の表面状態、脱ろう時のワ
ックスの浸透性、ガスの透過性などを考慮して決定され
るが、通常、200〜400メッシュのものが使用され
る。上記フィラー材としての炭酸カルシウム粉末として
は、軽質炭酸カルシウムおよび重質炭酸カルシウムのい
ずれも使用できるが、石灰石を粉砕して製造される重質
炭酸カルシウムを使用する場合には、含有されている不
純物の種類と量とに留意する必要があり、鋳型中にこれ
ら不純物が残留すると不純物と溶融金属との反応が無視
できない場合がある。
【0042】上記のようにして得られたスラリーを用い
て、鋳型製造の常法としてのコーティング−スタッコ処
理により鋳物模型にコーティング層を形成することがで
きるが、この際に、スラリーの乾燥速度が速すぎるため
コーティング層が全面的あるいは部分的に乾燥し、コー
ティング層にスタッコが担持できなかったり、あるいは
不均一な担持となる場合がある。特に製造しようとする
鋳型が大型であったり、複雑な形状の場合には、この傾
向が著しい。このような問題を解決するには、上記スラ
リーの乾燥速度を抑制する必要があり、本発明者らの研
究によれば、スラリーに水溶性高分子化合物を混合する
ことにより、スラリーの乾燥速度を効果的に抑制できる
ことが判明した。
【0043】上記水溶性高分子化合物としては、ゼラチ
ン、アラビアゴム、サッカロースなどの天然高分子化合
物;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシセルロースなどのセルロース類;ポリビニル
アルコール、ポリ酢酸ビニルなどのビニル系ポリマー
類;ポリエチレングリコールなどのポリオレフィングリ
コール類;(メタ)アクリル酸および/またはそのエス
テルを含有するアクリル系ポリマー類;イソブチレン−
無水マレイン酸共重合体;ポリアクリル酸アンモニウム
などを挙げることができる。そのほか、ポリ酢酸ビニル
エマルジョン、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合
体エマルジョン、酢酸ビニル−エチレン共重合体エマル
ジョン、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体エマ
ルジョン、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体エマルジョ
ン、酢酸ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体エマルジ
ョン、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体エマ
ルジョン、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体
エマルジョン、酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸共重
合体エマルジョンなどの酢酸ビニル系重合体エマルジョ
ン類;ポリアクリル酸エステルエマルジョン、アクリル
酸エステル−スチレン共重合体エマルジョンなどのアク
リル酸系重合体エマルジョン類;塩化ビニル共重合体エ
マルジョンなどの塩化ビニル系重合体エマルジョン類;
塩化ビニリデン共重合体エマルジョンなどのビニリデン
系重合体エマルジョン類なども使用することができる。
これらは単独でも、あるいは2種以上を組み合わせて使
用することもできる。これらのうち、天然高分子化合
物、セルロース類およびポリビニルアルコールが好適に
使用される。
【0044】上記水溶性高分子化合物は、通常、炭酸カ
ルシウムコロイド溶液100重量部当り1〜15重量部
の割合で添加する。その添加方法については、炭酸カル
シウムコロイド溶液に予め水溶性高分子化合物を添加、
混合した後、上記方法によりスラリーを調製してもよい
し、あるいは上記方法により調製したスラリーに水溶性
高分子化合物を添加、混合してもよい。
【0045】なお、上記水溶性高分子化合物を添加した
スラリーから製造される生鋳型は、強度や耐水性が改善
される効果が認められる。
【0046】上記スラリーには鋳物模型とスラリーとの
濡れ性を向上させるために界面活性剤、炭酸カルシウム
の分散性を向上させるための分散剤など、鋳型製造分野
で一般に使用されている添加剤を必要に応じて適宜添加
することができる。なお、これら添加剤を添加すると、
スラリーの粘度が増加したり、あるいはスラリーが固化
する場合もあるので、その実施には十分な注意をはらう
必要がある。
【0047】次に、別途ワックスなどで成形した鋳物模
型に上記スラリーを塗被して、例えば鋳物模型にスラリ
ーをコーティングしたり、あるいは鋳物模型をスラリー
中に浸漬して引き上げることにより、鋳物模型表面にコ
ーティング層を形成し、このコーティング層が乾燥する
前にスタッコを振りかけてコーティング層に担持させる
操作を繰り返して多層のコーティング層を形成した後、
鋳物模型を取り除いて生鋳型を製造する。上記スタッコ
としては、炭酸カルシウムのほかにジルコニア、もしく
は酸化カルシウム(CaO)、酸化イットリウム(Y2
3)または酸化マグネシウム(MgO)などで完全ま
たは部分安定化したジルコニアなどの溶融金属との反応
性の低い耐熱性材料粉末も使用することができる。上記
スタッコは通常20〜120メッシュの粒子径のものが
使用される。なお、上記多層のコーティング層の全てが
カルシアである必要はなく、溶融金属と直接接触する最
初の1〜2層のみをカルシアで形成し、それ以降のコー
ティング層は従来からの鋳型材からなるバックアップコ
ート層とすることもできる。さらに、上記スラリーのみ
を鋳物模型表面にコーティングして炭酸カルシウムのコ
ーティング層を形成し、この層の上に従来からのジルコ
ニア系またはシリカ系などのコーティング層を形成して
生鋳型を製作してもよい。
【0048】脱ろうと称される鋳物模型の除去は、従来
公知の方法、例えば有機溶剤を用いる溶出法、マイクロ
波を用いた加熱法、衝撃加熱法またはオートクレーブ法
により行うことができるが、これら方法のなかでも工業
的にはオートクレーブ法が経済的である。このオートク
レーブ法によれば、上記のようにコーティング層を形成
した鋳物模型を湯口を下にしてオートクレーブ内にい
れ、5〜7気圧、150℃程度の水蒸気で加熱して、ろ
う模型を溶解、除去して生鋳型を得る。
【0049】このようにして得られた生鋳型を乾燥した
後焼成して鋳型を製造する。例えば、上記生鋳型を70
0〜950℃の範囲の温度に1〜4時間程度保持した
後、1000〜1600℃の範囲の温度で1〜5時間程
度焼成して鋳型を製造する。なお、生鋳型に残存するろ
うや炭酸カルシウムの熱分解を昇温中に行うのが好まし
い。
【0050】このようにして得られたカルシア系鋳型
は、消化性があるため、焼成炉から出したら直ちに溶融
金属を流し込むか、あるいは真空容器中で保管するのが
望ましい。
【0051】本発明の炭酸カルシウムコロイド溶液に
は、フィラー材として上記炭酸カルシウムのほかに、ジ
ルコニア、あるいは酸化カルシウム、酸化イットリアま
たは酸化マグネシウムなどで部分または完全安定化され
たジルコニア、さらにイットリアなどの溶融金属との反
応性が低い耐熱性材料粉末をコロイド溶液の1〜5重量
倍加えることにより上記炭酸カルシウムの場合と同様
に、スラリーを形成し、このスラリーを用いて高強度の
鋳型を製造することもできる。
【0052】本発明の炭酸カルシウムコロイド溶液に上
記フィラー材を添加して調製したスラリーを用いて、上
記カルシア系鋳型のほかに、るつぼ、セッターなどの耐
熱性成形体を製造することもできる。具体的には、例え
ば吸水性のあるセッコウの型などに、本発明の炭酸カル
シウムコロイド溶液にフィラー材として炭酸カルシウム
を添加して調製したスラリーを流し込む泥しょう鋳込成
形法により簡便に高緻密質のカルシア質るつぼやセッタ
ーを製造することができる。さらに、本発明の炭酸カル
シウムコロイド溶液は、例えば耐熱性を付与したり、あ
るいは金属との反応性を低減するためのコーティング材
または含浸材などとしても使用することができる。
【0053】
【効果】本発明の炭酸カルシウムコロイド溶液は、炭酸
化反応により炭酸カルシウム微粒子のスラリーを調製
し、引続きこのスラリーに水溶性アクリル系重合体およ
び水溶性変性ポリビニルアルコールを分散剤として添加
して得られるので、分散安定性に優れ、長期間安定して
保存することができる。また、この炭酸カルシウムコロ
イド溶液は、低粘度であり、取り扱いが容易である。さ
らにまた、この炭酸カルシウムコロイド溶液は、高濃度
で、安定して供給することができる。
【0054】本発明の炭酸カルシウムコロイド溶液は、
粒子径が0.1μm以下の炭酸カルシウム微粒子を含有
するものであるから、無機バインダー、とくに鋳型製造
用粘結剤として好適に使用することができる。
【0055】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0056】実施例1 図2に示す邪魔板付き反応容器に純水28.5kgを仕
込み、さらに水酸化カルシウム(関東化学(株)製、試
薬1級)2.5kgを仕込んで撹拌した。反応容器は氷
水で冷却し、反応液の温度が約5℃になるまで撹拌しな
がら冷却した。撹拌羽根の回転数を180rpmとした
後、反応容器の底部から純二酸化炭素を54g/分の流
速で導入した。二酸化炭素導入前のpHは13.3であ
ったが、二酸化炭素の導入後pHはゆっくり低下し、1
0分後には13.1となった。約13分経過した頃から
反応液のpHが急激に低下し、反応液のpHが11まで
低下した時、二酸化炭素の導入を一旦停止した。二酸化
炭素の導入を停止した後、反応液のpHは直ちに上昇し
始め、1分後にはpHは12.8となった。更に撹拌を
続けたところpHは13.1まで上昇した後、安定し
た。この時点で、再び二酸化炭素の導入を開始し、撹拌
下反応を続けたところ二酸化炭素導入再開8分後に再び
pHの急激な低下が起こり、11分後にpHが7まで低
下したので二酸化炭素の導入を停止した。二酸化炭素の
導入を停止した後も反応液のpHの低下はしばらく続い
た後、pHはゆっくり上昇に転じた。更に2時間程度撹
拌を継続した後、撹拌を停止し、反応液を一晩放置し
た。放置後の反応液のpHは7.9であり、かさ高い沈
澱が生じた。この沈澱物は、撹拌によって容易に分散し
たが、放置すると再び弱い凝集となって沈降した。この
ようにして、易分散性の炭酸カルシウムスラリーを得
た。
【0057】なお、上記工程中、反応液の温度は氷水に
より約5℃に保持し、また撹拌操作は180rpmで行
った。
【0058】この炭酸カルシウムスラリーに、撹拌しな
がら、分散剤として、ポリアクリル酸アンモニウム(数
平均分子量10000)の40%重量水溶液100gお
よびイタコン酸変性ポリビニルアルコール(重合度60
0、ケン化度75モル%、イタコン酸によるカルボキシ
ル化度3モル%)の10%重量水溶液400gを加えて
2時間撹拌した。この撹拌操作は180rpmで行っ
た。
【0059】上記分散剤の添加、撹拌により、ミルク状
のコロイド溶液が得られた。このコロイド溶液を粒度分
布計(NICOMP社製MODEL370)で測定した
ところ、0.05〜0.1μmの範囲の粒子径を有する
炭酸カルシウム粒子が全体の85%以上を占めていた。
また、このコロイド溶液をSEM(走査型電子顕微鏡)
観察したところ、粒度分布は上記粒度分布計を用いて測
定したのとほぼ同一であり、また炭酸カルシウムはほぼ
完全に一次粒子に分散されていることが分かった。
【0060】上記コロイド溶液をエバポレーターにて濃
縮して30重量%の炭酸カルシウムコロイド溶液とし
た。この濃厚炭酸カルシウムコロイド溶液のpHは7.
8、粘度は80cpであり、これを密封ポリ容器中で6
ヶ月間保管したが、粘度の変化、沈降などは認められ
ず、安定であった。
【0061】実施例2 実施例1で用いたと同じ反応容器に、純水28.5kg
を仕込み、さらに実施例1で用いたと同じ水酸化カルシ
ウム0.5kgを仕込んで撹拌した。反応容器は氷水で
冷却し、反応液の温度が約5℃になるまで撹拌しながら
冷却した。撹拌羽根の回転数を180rpmとした後、
反応容器の底部から純二酸化炭素を20g/分の流速で
導入した。二酸化炭素導入前のpHは13.3程度であ
り二酸化炭素導入後もpHは殆ど低下しなかったが、約
15分経過したあたりから反応液のpHが急激に低下し
始め、反応液のpHが10まで低下したときに二酸化炭
素の導入を一旦停止した。二酸化炭素の導入を停止した
後、反応液のpHは直ちに上昇し始め、撹拌を続けたと
ころpHは13.4まで上昇した後安定した。この時点
で、再び二酸化炭素の導入を開始し、撹拌を続けたとこ
ろ再開してから約10分後再びpHの急激な低下が起こ
り、12分後にpHが低下したので二酸化炭素の導入を
停止した。二酸化炭素の導入を停止した後も反応液のp
Hはしばらく下がり続け、一旦6.8まで低下した後ゆ
っくり上昇に転じた。更に約2時間撹拌を継続した後、
撹拌を停止し、反応液を一晩放置したところ、反応液の
pHは7.5で、かさ高い沈澱が生じた。沈澱物は撹拌
によって容易に分散したが、放置すると再び凝集をつく
って沈降した。このようにして、易分散性の炭酸カルシ
ウムスラリーを得た。
【0062】なお、上記工程中、反応液の温度は氷水に
より約5℃に保持し、また撹拌操作は180rpmで行
った。
【0063】この炭酸カルシウムスラリーに、撹拌しな
がら、分散剤として、アクリル酸/マレイン酸(85/
15モル比)共重合体のアンモニウム塩(数平均分子量
14000)の40重量%水溶液40gおよびp−スチ
レンスルホン酸変性ポリビニルアルコール(重合度25
0、ケン化度88モル%、p−スチレンスルホン酸によ
るスルホン化度3モル%)の10重量%水溶液150g
を加え、次いで流通式超音波分散機を用い、流速0.5
L(リットル)/分で分散処理を行った。
【0064】上記分散剤の添加、撹拌により、ミルク状
のコロイド溶液が得られた。このコロイド溶液を実施例
1で用いたと同じ粒度分布計で測定したところ、0.0
5μm以下の範囲の粒子径を有する炭酸カルシウム粒子
が全体の85%以上を占めていた。また、このコロイド
溶液をSEM観察したところ、粒度分布は上記粒度分布
計を用いて測定したのとほぼ同一であり、また炭酸カル
シウムはほぼ完全に一次粒子に分散されていることが分
かった。
【0065】上記コロイド溶液をエバポレーターにて濃
縮して30%の炭酸カルシウムコロイド溶液とした。こ
の濃厚炭酸カルシウムコロイド溶液のpHは7.7、粘
度は50cpであり、これを密封ポリ容器中で6ヶ月保
管したが、粘度の変化、沈降などは認められず、安定で
あった。
【0066】比較例1 図3に示すセパラブルフラスコに純水10kgを仕込
み、さらに実施例1で用いたと同じ水酸化カルシウム
0.20kgを仕込んで撹拌した。反応容器は氷水で冷
却し、反応液の温度が約5℃になるまで撹拌しながら冷
却した。撹拌羽根の回転数を100rpmとした後、反
応容器の底部から純二酸化炭素を8g/分の流速で導入
した。二酸化炭素導入前のpHは13.1程度であった
が、二酸化炭素の導入後もpHの低下は殆ど認められ
ず、特に実施例1、2の場合のように反応半ばでのpH
の低下は起こらず、反応開始後25分頃反応液のpHが
7まで低下したので、二酸化炭素の導入を停止した。こ
のようにして炭酸カルシウムのスラリーを得た。
【0067】なお、上記工程中、反応液の温度は氷水に
より約5℃に保持し、また撹拌は100rpmで行っ
た。
【0068】この炭酸カルシウムスラリーは撹拌を停止
すると直ちに沈降を起こした。
【0069】この炭酸カルシウムスラリーを一晩放置
後、実施例1で使用したと同じ分散剤を加えて2時間撹
拌し、次いで流通式超音波分散機を用いて、更に2時間
分散処理を行った。その結果、炭酸カルシウムの一次粒
子径は0.05〜0.07μmの範囲で、均一な粒度分
布を有していたが、これらが凝集した凝集体は殆どコロ
イド状に分散されておらず、この処理後の溶液を一晩放
置したところ上部が澄んできた。
【0070】比較例2 実施例1と同様にして易分散性炭酸カルシウムスラリー
を調製した後、このスラリーを3分割した。
【0071】最初の1/3量に実施例1で用いたと同じ
分散剤を添加して処理したところ、実施例1と同じ分散
処理効果が得られた。
【0072】次の1/3量に、実施例1で用いたと同じ
ポリアクリル酸アンモニウム40重量%水溶液34gの
みを加えて分散処理を行ったところ、スラリーの粘度は
低下したが、1週間放置したところ透明な上澄みが生じ
た。
【0073】最後の1/3量に、実施例1で用いたと同
じイタコン酸変性ポリビニルアルコールの10重量%水
溶液134gのみを加えて分散処理を行ったところ、ス
ラリーの粘度は即座に上昇し、このスラリーをしばらく
放置すると僅かではあるが上部に透明な上澄みが生じ
た。
【0074】実施例3 実施例1で得られた濃度30重量%の炭酸カルシウムコ
ロイド溶液を用いて下記組成のスラリーを調製した。
【0075】 炭酸カルシウムコロイド溶液 100部 炭酸カルシウム粉末 (300メッシュアンダー、日本石灰工業(株)製) 200部 アクリル系分散剤 (数平均分子量3000のポリアクリル酸アンモニウム) 0.03部 非イオン系界面活性剤 (商品名、ディスコール、第一工業製薬(株)製) 0.5部 消泡剤 (商品名、SN−デフォーマー、サンノプコ(株)製) 0.03部 炭酸カルシウムコロイド溶液を撹拌しながら炭酸カルシ
ウム粉末を徐々に加えてスラリーを調製した。この際、
スラリー粘度の上昇を押させるためにアクリル系分散剤
を適宜少量づつ加えた。次に、非イオン界面活性剤およ
び消泡剤を加え、撹拌熟成した。
【0076】このようにして得られたスラリーの粘度
は、ザーンカップNo.5で25秒であり、1ヶ月以上
安定であった。
【0077】ワックスを薄く塗布した幅50mm、長さ
170mm、厚さ3mmの真ちゅう板を上記スラリーに
浸漬し、これを引き上げた後、これに60〜120メッ
シュの炭酸カルシウム破砕品を振りかけた後室温で乾燥
する操作を3回繰り返して3層のコーティング層を形成
した。引続き、上記60〜120メッシュの炭酸カルシ
ウム破砕品の代わりに20〜40メッシュの炭酸カルシ
ウム破砕品を用いる以外は上記と同様にして3層のコー
ティング層を形成し、合計6層のコーティング層を形成
した。これらのコーティング層形成操作の間、下層の溶
け出し、クラックの発生などは全く認められず、均一な
厚さのコーティング層を形成することができた。
【0078】次に、上記コーティング層が形成された真
ちゅう板の一端を加熱してワックスを融解させながら真
ちゅう板をコーティング層から抜き取って生鋳型を得
た。この生鋳型内に残留したワックスは、灯油により洗
浄して除去した。
【0079】このようにして得られた生鋳型について、
次のテストを行った。
【0080】生鋳型の耐水性 生鋳型からテストピースを切取り、これを沸騰している
純水中に浸漬した。この沸騰を10分間継続しても水の
濁りは認められず、さらにテストピースにクラックの発
生も、テストピースの崩壊も認められなかった。この結
果から、この生鋳型が熱水に対し十分な耐性を有し、オ
ートクレーブ中で脱ろうを問題なく行えることが分かっ
た。
【0081】鋳型強度 生鋳型を1300℃で2時間焼成してカルシア鋳型を製
作した。速やかに、この鋳型をダイヤモンドカッターで
切り出して鋳型のテストピースを作成した。同様に、前
記生鋳型のテストピースも製作し、それぞれについて曲
げ強度を3点曲げ強度試験法に準拠して測定した。テス
トピース寸法および測定条件は次の通りであった。
【0082】テストピース寸法: 幅12mm、長さ40mm、厚み6mm 測定条件: スパン39mm、曲げ速度0.5mm/分 テストピース10個を用いて測定した曲げ強度の平均値
は、生鋳型が28kg/cm2、鋳型が84kg/cm2
であった。これらの結果から、上記生鋳型および鋳型は
ともに十分な強度を有することが分かった。
【0083】実施例4 ワックスを薄く塗布した幅50mm、長さ170mm、
厚さ3mmの真ちゅう板を実施例3で調製したスラリー
に浸漬し、これを引き上げた後、これに60〜120メ
ッシュの電融カルシア安定化ジルコニアを振りかけた
後、室温で乾燥する操作を3回繰り返して3層のコーテ
ィング層を形成した。引続き、60〜120メッシュの
電融カルシア安定化ジルコニアの代わりに20〜40メ
ッシュの電融カルシア安定化ジルコニアを用いること以
外は上記と同様にして、さらに3層のコーティング層を
形成し、合計6層のコーティング層を形成した。これら
のコーティング層形成操作の間、下層の溶け出し、クラ
ックの発生などは全く認められず、均一な厚さのコーテ
ィング層を形成することができた。
【0084】次に、コーティング層が形成された真ちゅ
う板の一端を加熱してワックスを溶解させながら真ちゅ
う板をコーティング層から抜取り生鋳型を得た。
【0085】この生鋳型を1300℃で2時間焼成する
ことによりクラックのないカルシア質鋳型を得ることが
できた。
【0086】以下、実施例3と同様に、上記の生鋳型お
よび鋳型について、熱水に対する耐性および鋳型強度を
測定した。その結果、いずれも熱水に対する十分な耐性
を有し、平均曲げ強度は生鋳型が30kg/cm2、鋳
型が90kg/cm2であった。
【0087】実施例5 実施例1で得られた濃度重量30%の炭酸カルシウムコ
ロイド溶液300gを45℃に加温し、これにゼラチン
3.6gを加え、撹拌することにより溶解した後、純水
を加えて炭酸カルシウム濃度を25重量%とした。これ
に炭酸カルシウム(商品名カルフィン、足立石灰工業
(株)製)600gをゆっくり撹拌しつつ加え、更にサ
ッカロース15gを加えスラリーを調製した。このスラ
リーに少量の分散剤、界面活性剤および消泡剤を加え、
1時間以上撹拌し、ザーンカップ#5を用い粘度を測定
したところ8.5秒であった。
【0088】径が55mm、羽根の枚数が12枚のター
ビンロータのろう模型を上記スラリーに浸漬し、これを
引き上げた後、これに60〜120メッシュの炭酸カル
シウム破砕品を振りかけた後、室温で乾燥する操作を3
回繰り返して3層のコーティング層を形成した。引続
き、上記60〜120メッシュの炭酸カルシウム破砕品
の代わりに20〜40メッシュの炭酸カルシウム破砕品
を用いる以外は上記と同様にして3層のコーティング層
を形成し、合計6層のコーティング層を形成した。これ
らのコーティング層形成操作の間、スタッコである炭酸
カルシウム破砕品を全体に均一に担持することができ、
また下層の溶け出し、クラックの発生などは全く認めら
れず、均一な厚さのコーティング層を形成することがで
きた。
【0089】次に、上記コーティング層が形成されたろ
う模型を熱風で加熱することによりろうを融解させなが
ら融し出し、残留したろうを用油により洗浄、除去する
ことにより生鋳型を得た。このようにして得られた生鋳
型を1300℃で2時間焼成してカルシア鋳型を製作し
た。この鋳型の内表面には剥離やクラックは認められな
かった。
【0090】比較例3 実施例3で調製したスラリーおよび実施例5で使用した
タービンロータのろう模型を用いて実施例5と同一のコ
ーティング層形成操作を行った。ろう模型を上記スラリ
ーに浸漬し、これを引き上げた後、これに60〜120
メッシュの炭酸カルシウム破砕品を振りかける際に、ろ
う模型に形成されたコーティング層の乾燥度合にばらつ
きがあり、特に羽根先端部分が先に乾燥してしまい、こ
の部分に炭酸カルシウム破砕品を担持することができな
かった。この現象はコーティング操作を繰り返した際に
も認められ、このため、この部分にクラックが生じ生鋳
型を製造することができなかった。
【0091】実施例6 実施例1で調製した濃度30重量%の炭酸カルシウムコ
ロイド溶液200gに300メッシュアンダーの炭酸カ
ルシウム粉末(日本石灰工業(株)製)450gおよび
分散剤として数平均分子量3000のポリアクリル酸ア
ンモニウム40重量%水溶液0.5gを混合し、スラリ
ーを調製した。このスラリーにポリビニルアルコール
(商品名PVA SK−5102、クラレ製)8gを加
え撹拌した。3時間撹拌後のスラリーの粘度は250c
pであった。
【0092】50Φ×50L(mm)のるつぼ原型の周
囲に焼セッコウのスラリーを流し込んで製作したセッコ
ウ型に、上記のスラリーを真空で脱泡後流し込んだ。1
0分間靜置後スラリーを排出することによりセッコウ型
表面に肉圧3mmの炭酸カルシウム製生鋳型を得た。こ
の生るつぼをセッコウ型から取り出し、乾燥した後14
00℃で4時間焼成することにより高緻密質のカルシア
製るつぼを作ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭酸化反応における、反応液pHと反応継続時
間との関係の一例を示すものである。
【図2】実施例1、2で使用した撹拌機の模式断面図で
ある。
【図3】比較例1、2で使用した撹拌機の模式断面図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 29/04 LGM 6904−4J LGT 6904−4J 33/02 LHR 7242−4J // C09C 1/00 PAD 6904−4J (72)発明者 塩路 尚武 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒姫路研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸カルシウム微粒子を水性媒体中に水
    溶性アクリル系重合体と水溶性変性ポリビニルアルコー
    ルとを分散剤として分散してなり、該炭酸カルシウム微
    粒子が下記粒子径分布: 0.1μm以下の範囲の粒子径を有する炭酸カルシウム
    微粒子が全炭酸カルシウム微粒子の少なくとも80重量
    %をしめる、を有することを特徴とする炭酸カルシウム
    コロイド溶液。
  2. 【請求項2】 炭酸カルシウム微粒子が下記粒子径分
    布: 0.05〜0.1μmの範囲の粒子径を有する炭酸カル
    シウム微粒子が全炭酸カルシウム微粒子の少なくとも7
    0重量%をしめる、を有する請求項1の炭酸カルシウム
    コロイド溶液。
  3. 【請求項3】 水溶性アクリル系重合体が、(イ)アク
    リル酸、メタクリル酸およびこれらの塩類から選ばれる
    少なくとも1種の単量体を重合して得られる数平均分子
    量が2000〜80000の範囲の重合体およびそのア
    ンモニウム塩、(ロ)アクリル酸、メタクリル酸および
    これらの塩類から選ばれる少なくとも1種の単量体50
    〜99.9モル%およびヒドロキシル基含有単量体0.
    1〜50モル%からなる単量体混合物を重合して得られ
    る数平均分子量が2000〜80000の範囲の重合体
    およびそのアンモニウム塩、並びに(ハ)アクリル酸、
    メタクリル酸およびこれらの塩類から選ばれる少なくと
    も1種の単量体60〜99.9モル%およびマレイン
    酸、フマール酸、イタコン酸およびこれらの塩類から選
    ばれる少なくとも1種のカルボキシル基含有単量体0.
    1〜40モル%からなる単量体混合物を重合して得られ
    る数平均分子量が1000〜80000の範囲の重合体
    およびそのアンモニウム塩からなる群から選ばれる少な
    くとも1種の重合体である請求項1の炭酸カルシウムコ
    ロイド溶液。
  4. 【請求項4】 水溶性変性ポリビニルアルコールが、
    (イ)重合度30〜700、ケン化度30〜100モル
    %、およびスルホン化度0.5〜20モル%の水溶性ス
    ルホン化ポリビニルアルコール、および(ロ)重合度3
    0〜700、ケン化度30〜100モル%、およびカル
    ボキシル化度0.5〜20モル%の水溶性カルボキシル
    化ポリビニルアルコールからなる群から選ばれる少なく
    とも1種の変性ポリビニルアルコールである請求項1の
    炭酸カルシウムコロイド溶液。
  5. 【請求項5】 石灰乳に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガ
    スを導入して炭酸化反応により炭酸カルシウム微粒子の
    スラリーを調製し、引続き該スラリーに分散剤として水
    溶性アクリル系重合体および水溶性変性ポリビリルアル
    コールを添加、撹拌することを特徴とする請求項1の炭
    酸カルシウムコロイド溶液の製造方法。
  6. 【請求項6】 炭酸化反応を反応液の2段のpH低下を
    ともなう反応工程を経て行う請求項5の炭酸カルシウム
    コロイド溶液の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1の炭酸カルシウムコロイド溶液
    を含有する耐熱性成形体製造用スラリー。
  8. 【請求項8】 更に水溶性高分子化合物を含有する請求
    項7の耐熱性成形体製造用スラリー。
  9. 【請求項9】 請求項7の耐熱性成形体製造用スラリー
    を用いて成形し、焼成して得られる耐熱性成形体。
JP3174050A 1991-07-15 1991-07-15 炭酸カルシウムコロイド溶液およびその製造方法並びに該コロイド溶液の用途 Pending JPH0517133A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3174050A JPH0517133A (ja) 1991-07-15 1991-07-15 炭酸カルシウムコロイド溶液およびその製造方法並びに該コロイド溶液の用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3174050A JPH0517133A (ja) 1991-07-15 1991-07-15 炭酸カルシウムコロイド溶液およびその製造方法並びに該コロイド溶液の用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0517133A true JPH0517133A (ja) 1993-01-26

Family

ID=15971748

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3174050A Pending JPH0517133A (ja) 1991-07-15 1991-07-15 炭酸カルシウムコロイド溶液およびその製造方法並びに該コロイド溶液の用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0517133A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000029485A1 (fr) * 1998-11-13 2000-05-25 Mitsui Chemicals, Inc. Dispersion aqueuse d'un polymere organique et de fines particules inorganiques, ayant une excellente stabilite de dispersion, et utilisation correspondante
JP2006096584A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Kyocera Corp セラミックスラリの調製方法およびセラミックスの製法
WO2006121016A1 (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 Fujifilm Corporation 有機粒子分散液の製造方法
JP2007254524A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Hymo Corp 炭酸カルシウム分散液およびその調製方法
WO2009031624A1 (ja) * 2007-09-05 2009-03-12 The University Of Tokyo 複合材料、機能材料、複合材料の製造方法及び複合材料薄膜の製造方法
JP2010043144A (ja) * 2008-08-10 2010-02-25 Univ Of Tokyo 複合材料、機能材料、複合材料の製造方法、及び、複合材料薄膜の製造方法
JP2012529418A (ja) * 2009-06-12 2012-11-22 ノードカルク オサケ ユキチュア アーベー 炭酸カルシウムの製造方法
US8319916B2 (en) 2006-01-23 2012-11-27 Fujifilm Corporation Method of producing organic nanoparticles, organic nanoparticles thus obtained, inkjet ink for color filter, colored photosensitive resin composition and photosensitive resin transfer material, containing the same, and color filter, liquid crystal display device and CCD device, prepared using the same
US8679341B2 (en) 2005-05-06 2014-03-25 Fujifilm Corporation Method of concentrating nanoparticles and method of deaggregating aggregated nanoparticles
CN103980734A (zh) * 2014-05-27 2014-08-13 湖南科技大学 类贝壳珍珠层的明胶/片层碳酸钙复合材料的制备方法
JP2016175792A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 国立大学法人 東京大学 異方的炭酸カルシウムの結晶
CN112209418A (zh) * 2020-10-26 2021-01-12 上海碳酸钙厂有限公司 一种胶状沉淀碳酸钙的制备方法
CN114516652A (zh) * 2022-02-14 2022-05-20 山东国瓷功能材料股份有限公司 大比表面积碳酸钡及其制备方法和应用

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1293148C (zh) * 1998-11-13 2007-01-03 三井化学株式会社 具有优异分散稳定性的有机聚合物/无机细粒-分散水溶液及其应用
US6593408B1 (en) 1998-11-13 2003-07-15 Mitsui Chemicals, Inc. Organic polymer/inorganic fine particle-dispersed aqueous solution having excellent stability and uses thereof
WO2000029485A1 (fr) * 1998-11-13 2000-05-25 Mitsui Chemicals, Inc. Dispersion aqueuse d'un polymere organique et de fines particules inorganiques, ayant une excellente stabilite de dispersion, et utilisation correspondante
JP2006096584A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Kyocera Corp セラミックスラリの調製方法およびセラミックスの製法
US8679341B2 (en) 2005-05-06 2014-03-25 Fujifilm Corporation Method of concentrating nanoparticles and method of deaggregating aggregated nanoparticles
US8283395B2 (en) 2005-05-09 2012-10-09 Fujifilm Corporation Method of producing organic-particles-dispersion liquid
WO2006121016A1 (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 Fujifilm Corporation 有機粒子分散液の製造方法
US8319916B2 (en) 2006-01-23 2012-11-27 Fujifilm Corporation Method of producing organic nanoparticles, organic nanoparticles thus obtained, inkjet ink for color filter, colored photosensitive resin composition and photosensitive resin transfer material, containing the same, and color filter, liquid crystal display device and CCD device, prepared using the same
JP2007254524A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Hymo Corp 炭酸カルシウム分散液およびその調製方法
WO2009031624A1 (ja) * 2007-09-05 2009-03-12 The University Of Tokyo 複合材料、機能材料、複合材料の製造方法及び複合材料薄膜の製造方法
JP2009062445A (ja) * 2007-09-05 2009-03-26 Univ Of Tokyo 複合材料、機能材料、複合材料の製造方法及び複合材料薄膜の製造方法
JP2010043144A (ja) * 2008-08-10 2010-02-25 Univ Of Tokyo 複合材料、機能材料、複合材料の製造方法、及び、複合材料薄膜の製造方法
JP2012529418A (ja) * 2009-06-12 2012-11-22 ノードカルク オサケ ユキチュア アーベー 炭酸カルシウムの製造方法
CN103980734A (zh) * 2014-05-27 2014-08-13 湖南科技大学 类贝壳珍珠层的明胶/片层碳酸钙复合材料的制备方法
JP2016175792A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 国立大学法人 東京大学 異方的炭酸カルシウムの結晶
CN112209418A (zh) * 2020-10-26 2021-01-12 上海碳酸钙厂有限公司 一种胶状沉淀碳酸钙的制备方法
CN114516652A (zh) * 2022-02-14 2022-05-20 山东国瓷功能材料股份有限公司 大比表面积碳酸钡及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0517133A (ja) 炭酸カルシウムコロイド溶液およびその製造方法並びに該コロイド溶液の用途
JP5442199B2 (ja) 細粒化粒子の生成方法
KR101196041B1 (ko) Pcc 제조 방법
JP4831365B2 (ja) 精密鋳造用スラリー及び鋳型の製造方法
WO2004037722A1 (ja) 酸化セリウム粒子及びその製造方法
CN108892515A (zh) 一种光固化氮化硅陶瓷浆料、氮化硅陶瓷及其制备方法
JP3417943B2 (ja) 多孔体
US5275759A (en) Zirconia sol, method for production thereof, porous ceramic-producing slurry, and porous ceramic product obtained by use thereof
JPH0193406A (ja) エマルジヨン沈降法によるセラミック粉末の製造およびその製品
CN111925193A (zh) 细晶氧化铝陶瓷的3d打印制备方法
US5492957A (en) Face coat composition for casting mold and method for the preparation of casting mold having face coat layer
CN1189590C (zh) 氧化镁微粒聚集体
KR970009994B1 (ko) 다공성 세라믹스 제조용 슬러리 및 이 슬러리를 이용하여 얻어지는 다공성 세라믹스
JP4370626B2 (ja) アルミナ焼結体の製造方法
CN114833300A (zh) 塞隆陶瓷型壳面层浆料及其制备方法和应用
CN106278308B (zh) 一种添加富镁尖晶石微粉制备氧化锆质定径水口的方法
CN109336590A (zh) 氧化镁部分稳定氧化锆、氧化镁部分稳定氧化锆陶瓷及其制备方法和应用
EP0413033A1 (en) Zirconia sol, preparation thereof, slurry for use in the production of porous ceramic, and porous ceramic produced from said slurry
JP3985042B2 (ja) 超軽量セラミックフォームおよびその製造方法
JPH02293367A (ja) 乾燥粒状セラミツク材料及びその製造方法
JP2000007309A (ja) 多孔質酸化物粉末の製造方法
US2423839A (en) Method of making magnesia insulation
JP2880123B2 (ja) 多孔性セラミックス製造用スラリー
CN107352997B (zh) 一种具有均匀纳米晶粒的纳米陶瓷材料及制备方法
JP3100549B2 (ja) 多孔性セラミックス