JP3985042B2 - 超軽量セラミックフォームおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック短繊維を均一に分散させることによって強化した超軽量のセラミックフォームを製造する方法に関する。更に詳しくは、絡み合い会合したセラミック短繊維を均一に水中に分散させ、それを用いてセラミック短繊維を均一に分散した超軽量のセラミックフォームを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在までに、超軽量セラミックフォームの製造方法としては、主に次に挙げる方法が知られている。すなわち、
1.連続気孔を有する発泡ウレタンフォーム等に、セラミック原料粉末、有機結合剤等を混合したスラリーを含浸、付着させて乾燥した後、加熱して有機物成分を焼却除去しつつ焼結させて製造する方法、
2.セラミック原料粉末、有機結合剤等を含むスラリーにウレタン発泡材料を混合して発泡、固化させた後、加熱して有機物成分を焼却除去しつつ焼結させて製造する方法、
3.セラミック原料粉末を含む分散媒中で疎水性樹脂結合剤を界面活性剤の添加により乳化してエマルジョンと成し、これを発泡、固化させた後加熱して有機物成分を焼却除去しつつ焼結させて製造する方法、
4.焼成過程で焼滅して空隙となるプラスチックビーズ等の充填物をスラリー中に含有させ乾燥後焼成してフォーム状の構造体を製造する方法、
である。
【0003】
また、本発明者らも、特開2002−114584として、希薄な水酸化アルミニウムゾル水溶液を結合剤として用い、これに量をコントロールして無機粉末を加えた後に発泡させて乾燥、焼成する軽量セラミックフォームの製造方法を提案している。
【0004】
セラミックフォームの製造方法として現在主に行われている上記1〜4の方法では、いずれにしても多量の有機物を結合材あるいは充填材として加えており、セラミック粉末を焼結する以前のこれら有機物を焼却除去する過程で発生するガスや、有機物とセラミック部分の熱膨張差により亀裂や割れを生じ易い、という欠点を免れない。特に、軽量のセラミックフォームの場合、細く強度の弱いセラミック骨格から成るため、この欠点の影響はさらに深刻となり、焼結の際に微細な亀裂が生じて強度が低下する、あるいは粉落ちを起こす等、特性の劣るものとなる。これを防ぐためには、結合剤の量を増やさずに骨格の強度を上げる必要があるが、そのためには、骨格を太くすることが必要で、結果的に、気孔率が低下し、得られるセラミックフォームの密度は増加する。
【0005】
一方、本発明者らが提案している上記方法では、希薄なスラリーを発泡して成形する軽量のセラミックフォームであるため、この場合も骨格の強度が弱く、成形後のフォームを擦ると粉落ちするため、得られたセラミックフォームの用途が限られるという問題がある。
【0006】
このように、セラミックフォームの気孔率を高めて軽量化しようとする場合、強度の弱いセラミック骨格の強度を、密度は増加させることなく高めることが必要になるが、現在までに、セラミックフォーム中にセラミック短繊維を分散させて強化しようとする試みは、本発明者が調べた限りにおいては見あたらない。
【0007】
一方、モノリシックのセラミック中にセラミック短繊維を分散強化したものでは、原料スラリー中への短繊維の混合、分散を促進するために、各種の界面活性剤を加えた分散媒や、スラリー中に短繊維を加えてボールミルやアトライター等の混合器を用い、単純な機械的混合よって行われている。
しかしながら、このセラミック短繊維の分散方法では、絡み合い、会合した短繊維を完全に解し、均一に分散させることは難しい。特に、セラミックフォーム中に短繊維を分散させる場合、それを構成するセラミック骨格が細いためにこのような会合した短繊維の塊が残ると、致命的な欠陥となる。また、長時間にわたってこれらの混合器中で撹拌すると、媒体となるボール等によって繊維が傷つけられることを免れない。セラミック・マトリックス中に短繊維を分散させる目的は、繊維の持つ靭性によってセラミックスを強化あるいは高靭化することにあるが、繊維そのものが混合分散の過程で傷つけられると、この効果は著しく損なわれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、このような問題を解決し、弱いセラミックフォームの骨格をセラミック短繊維で強化することによって、従来にない高気孔率で成形体強度の高い超軽量セラミックフォームを提供することにある。
本発明の他の課題は、これまで困難であったセラミック短繊維分散方法の欠点を克服し、均一に短繊維を分散させて特性の優れた超軽量の短繊維強化セラミックフォームを製造する方法を提供することにある。
【0009】
更に具体的に説明すると、本発明者らは、先に、特許第1332466号において、アルミニウムアルコキシド等の溶液中にセラミック粉末を混合することにより、アルミニウムアルコキシドがセラミック粉末の表面と反応層を形成して、それが粉末の溶媒中への分散を促進して均一な混合状態を実現し、かつ焼結に際してはセラミックスの原料となることによって得られる焼結体の特性を飛躍的に向上させ得ることを示した。
【0010】
また、その後の研究で、金属アルコキシドのこの効果はセラミック短繊維でも顕著であることが分かった。さらに、金属アルコキシドの非極性溶媒の溶液と混合して均一に分散したセラミック短繊維のスラリーに、水溶液あるいはセラミック粉末を含有する水性スラリーを多量に加えると、非極性溶媒中に均一に分散していたセラミック短繊維のすべてが、凝集することなく水相に移り、透明な非極性溶媒が上部に残ることを見出した。この上部に残った油相のみをデカンテーション等で除けば、均一にセラミック短繊維を分散した水溶液あるいは水性スラリーを得ることができ、これを原料としてセラミックフォームを製造することにより、強度の高い骨格構造を持つ超軽量で、かつ特性の優れたセラミックフォームを得ることができる。
本発明は、このような知見に基づいて、上記セラミック短繊維で強化された超軽量セラミックフォームおよびその製造方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明1の超軽量セラミックフォームの製造方法は、金属アルコキシドを溶解した非水溶媒中にセラミック短繊維を加えて撹拌することにより、該短繊維を分散させ、それにセラミック粉末を含有した水性スラリー、あるいはセラミック粉末の原料となる成分を溶解した水溶液を加えて撹拌した後、水相と非水溶媒相に分離させ、上層の非水溶媒相を除いて、セラミック短繊維の分散した水性スラリーを得、当該スラリーに起泡剤を添加し、機械的撹拌により発泡させて型に充填し、それを乾燥後に焼成することを特徴とするものである。
【0012】
本発明2の超軽量セラミックフォームの製造方法は、本発明1において、非水溶媒に加える水性スラリーあるいは水溶液中に含有されるセラミック原料に対して、5〜95重量%のセラミック短繊維を、金属アルコキシドを溶解した非水溶媒中に含有させることを特徴とする。
本発明3の超軽量セラミックフォームの製造方法は、本発明1または2において、非水溶媒に加える水性スラリーあるいは水溶液中に、焼結助剤および/または粒成長抑制剤となる物質を混合あるいは溶解させることを特徴とする。
本発明4の超軽量セラミックフォームの製造方法は、本発明1または2において、前記超軽量セラミックフォームは、前記焼成後の密度が0.2g/cm 3 以下であり、前記セラミック短繊維の長さが、前記発泡により形成された気泡の直径の1.5倍以上であることを特徴とする。
【0013】
上記超軽量セラミックフォームの製造方法においては、非水溶媒に加える水性スラリーあるいは水溶液中に含有されるセラミック原料に対して、5〜95重量%のセラミック短繊維を、金属アルコキシドを溶解した非水溶媒中に含有させることができ、また、非水溶媒に加える水性スラリーあるいは水溶液中に、焼結助剤および/または粒成長抑制剤となる物質を混合あるいは溶解させておくことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
セラミックフォームをセラミック短繊維で強化する場合、セラミック短繊維としては、それを分散させた水溶液あるいは水性スラリーを発泡させた場合に生じる気泡の直径の1.5倍以上の長さが必要である。すなわち、気泡の直径より短繊維の長さが短いと、複数の気泡にまたがって短繊維が存在することが難しく、骨格を強化することにならない。また、セラミック繊維が長すぎると、本発明における方法を適用しても、それを均一に分散させることが困難になってくる。以下に説明する本発明の方法において、生成する気泡は、直径200〜500ミクロンであり、そのため、使用するセラミック短繊維の長さは0.5〜5mmが適当である。
【0015】
したがって、本発明で提供される超軽量セラミックフォームは、1本の短繊維の周辺に複数の気泡が付着し、それらが集合した構造になっている。そのため、セラミック繊維によって泡骨格を充分強化することができ、超軽量でも特性の優れたセラミックフォームとすることができる。
【0016】
本発明における上記セラミック短繊維の分散に際しては、まず、少量の金属アルコキシドを溶解した水と混ざらない有機溶媒中に、セラミック短繊維を加えて分散させる。金属アルコキシドは、通常、加えるセラミック短繊維100重量部に対して0.1〜20重量部程度、望ましくは、0.5〜10重量部を溶解させる。セラミック短繊維は、この有機溶媒中に分散し得る限り加えることができるが、後述するように、後で加える水溶液あるいは水性スラリーの量を勘案してその量を決めるのが望ましい。
【0017】
金属アルコキシド溶液中におけるセラミック短繊維の分散は、金属アルコキシド{M(OR)n}がセラミック短繊維表面に存在する水酸基と式(1)に示すように反応して、反応層を形成し、金属アルコキシドのアルキル基がセラミックスの溶媒中への分散を促進する。
(セラミックス)-OH + M(OR)n
→(セラミックス)-O-M(OR)n−1 + ROH ・・・(1)
これにより、セラミック短繊維は超音波撹拌器による超音波照射やスターラー等、あるいはそれらを同時に行うことによって、容易にかつ均一に溶媒中に分散させることができる。
【0018】
短繊維が充分に分散した後、これに多量の水溶液あるいは水性スラリーを加えることにより、式(2)に示すように、金属アルコキシドのアルキル基は速やかに加水分解されて水酸基になり、セラミック短繊維も親油性を失って速やかに水相へ移動し、セラミック短繊維を分散した水溶液相と有機溶媒相に分離する。
(セラミックス)-O-(MOR)n−1 + H2O
→(セラミックス)-O-M(OH)n−1 + ROH ・・・(2)
したがって、分離した上層の有機溶媒相をデカンテーション等で除くことにより、セラミック短繊維を分散した水溶液あるいは水性スラリーを得ることができる。
【0019】
しかし、この際に加える水、水溶液あるいは水性スラリーの量が少ないと、セラミック短繊維表面の金属アルコキシドが、式(3)に示すように縮合してしまい、その結果、セラミック短繊維も凝集してしまう。
(セラミックス)-O-(MOR)n−1
+(セラミックス)-O-M(OH)n−1
→(セラミックス)-O-M(OH)n−2-O-M(OR)n−2-(セラミックス)
+ ROH ・・・(3)
したがって、加える水溶液あるいは水性スラリーの量はこの凝集を起こさない充分な量が必要であり、含有されるセラミック短繊維の量や種類によって異なるが、有機溶媒100重量部に対して10重量部以上のセラミック短繊維を含有している場合、少なくとも有機溶媒の体積の1/4以上であることが必要である。
【0020】
短繊維を分散させた非水溶媒に添加される水溶液あるいは水性スラリーには、短繊維の水相中での分散を促進するために、これらに解膠剤の作用を持つ成分を含有させることが好ましい。解膠剤の作用を持つ成分としては、酸、塩基の他通常解膠剤として用いられるポリアクリルサンアンモニウム等が使用可能である。逆に短繊維の凝集を招くような成分は含有させてはならない。また、水溶液あるいは水性スラリー中にセラミック短繊維を分散させ、成形後焼成して繊維を含有するセラミックスとする場合、これらの水溶液あるいはスラリー中に焼結助剤、粒成長抑制剤等となる成分の塩類を溶解して用いるとより均一な組織をもつセラミックスを得ることができる。
【0021】
本発明で使用される金属アルコキシドは、疎水性の有機溶媒に溶解可能で、かつその後の熱処理による反応によってそれ自体が酸化物、窒化物あるいは炭化物等のセラミック原料となる物であれば特に制限は無い。条件を満たす金属アルコキシドを目的とするセラミックスに合わせて選択し、あるいは目的とするセラミックスの組成に合わせて複数の金属アルコキシドを混合しても良い。
【0022】
本発明においては、セラミック短繊維表面に存在する水酸基と金属アルコキシドが反応することにより短繊維の溶媒中への分散が促進されることから、セラミック短繊維は金属アルコキシドと反応する水酸基を持っていることが必要であるが、表面にコーティングを施したセラミック短繊維以外は、空気中の水蒸気によって表面が酸化あるいは加水分解を受け、多くの水酸基を持っていることから、本発明に適用可能である。また、サイジング剤等のコーティングを施した短繊維であっても予めそれらを洗浄あるいは仮焼等の方法で除去すれば適用可能である。ガラス繊維、炭素繊維等の他の無機繊維についても金属アルコキシドと反応する表面を持っていれば同様に適用可能である。
【0023】
本発明で使用する水性スラリーに用いる無機粉末は特に制限はないが、通常耐熱セラミックスとして使われるもの、例えばアルミナ、ムライト、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素等があり、またそれらの2種以上を混合して、あるいはそれらの焼結助剤、粒成長抑制剤等となる粉末、例えばイットリア、マグネシア等を同時に混合して用いることができる。更に、焼結助剤、粒成長抑制剤等となる物質については、それらの塩類を溶液中に溶解して加えることもできる。しかし、無機粉末の粒径があまり大きくなると自重で沈降する可能性があり、またあまり微細なものを用いると粉末の比表面積が大きくなってスラリーの粘度が増加するので、平均粒径0.2〜5μm程度のものが好ましい。また、粒径の異なる2種以上の粉末を混合して用いることも可能である。
【0024】
本発明で用い得る、セラミック粉末の原料となる成分を溶解した水溶液としては、水酸化アルミニウムゾル水溶液、シリアゾル水溶液、水酸化チタニウムゾル水溶液等、若しくはそれらの混合物、あるいは、それらに焼結助剤、粒成長抑制剤となる成分の水酸化物若しくは塩類を溶解した水溶液を用いることができる。しかし、塩類のみの水溶液や、乾燥時にゲル化して結合剤の役割を果たさない水酸化物のみの水溶液では、別途、焼成時に焼失するような結合剤を加える必要がある。
【0025】
本発明で使用する起泡剤としては、通常一般的に使用されているサポニンや各種の界面活性剤があり、特に制限はないが、焼結後のセラミックフォームの耐熱性を低下させることから、ナトリウムを含む界面活性剤や有機物質は好ましくない。
【0026】
さらに、先に本発明者らが特願2002−088250において提案したように、発泡スラリー成形体を仮焼して複数製作し、それらを同様に作成した発泡スラリーを用いて接合することによって大型、異形の超軽量セラミックフォームを得る方法も、そのまま適用可能である。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものではない。
【0028】
[実施例1]
アルミニウムイソプロポキシド0.5gを200mlのn−ヘキサンに溶解した溶液に、平均長さ1mmのアルミナ短繊維20gを撹拌しながら加え、超音波洗浄器を利用して分散させた。別途、アルミニウムイソプロポキシド12gを沸騰蒸留水150mlに加え、撹拌して加水分解した。加水分解後冷却した白濁溶液に、撹拌しながら希塩酸を加えてpH2に調整した後、4時間撹拌を続けて解膠し、透明の水酸化アルミニウムゾル水溶液を作製した。この溶液に、平均粒径0.2μmのアルミナ粉末60g、アルミナの粒成長抑制剤となるMgO源として、Mg(NO3)2・6H2Oを0.4g加え、窒化ケイ素ボールとともに20時間混合して、アルミナの水性スラリーを調整した。
【0029】
アルミナ短繊維を分散したn−ヘキサン溶液に、撹拌しながらこの水性スラリーを一気に加え、約5分間撹拌した後、静置して油相と水相を分離し、すばやく上部の透明な油相をデカンテーションで除いた。油相を除いた水相を撹拌しながらしばらく加熱して、少量残ったヘキサンを蒸発除去、濃縮して100mlのアルミナ短繊維を分散した水性スラリーを得た。このスラリーに20%のサポニン溶液10mlを加え、家庭用の泡立機で体積が10倍以上になるまで泡立てた。このメレンゲ状の泡を、予め内部にパラジクロルベンゼンを塗布した8cm×8cm×4cmの厚紙製の型に充填して乾燥させた。この成形体は手で持ち運ぶのに充分な強度を持っていた。この成形体を1350℃で1時間、空気中で加熱して焼結し、アルミナフォームを得た。
このアルミナフォームのかさ密度は0.11g/cm3で、指で押さえても壊れない充分な強度を持っていた。
【0030】
[実施例2]
アルミニウムイソプロポキシド0.5gを200mlのn−ヘキサンに溶解した溶液に、平均長さ1mmのアルミナ短繊維20gを撹拌しながら加え、超音波洗浄器を用いて分散させた。別途、アルミニウムイソプロポキシド8gを沸騰蒸留水150mlに加え、撹拌して加水分解し、実施例1と同様にして水酸化アルミニウムゾル水溶液を作製した。この溶液に、平均粒径0.2μmのアルミナ粉末50g、アルミナの粒成長抑制剤となるMgO源として、Mg(NO3)2・6H2Oを0.3g加え、実施例1と同様にして水性スラリーを調整した。以下、実施例1と同様にして8cm×8cm×4cmのセラミックフォーム成形体を得た。この成形体を1450℃で1時間、空気中で加熱して焼結し、アルミナフォームを得た。このアルミナフォームのかさ密度は0.08g/cm3で、指で押さえても壊れない充分な強度を持っていた。
【0031】
[実施例3]
アルミニウムイソプロポキシド0.5gを150mlのn−ヘキサンに溶解した溶液に、平均長さ1mmのアルミナ短繊維10gを撹拌しながら加え、超音波洗浄器を用いて分散させた。別途、アルミニウムイソプロポキシド16gを沸騰蒸留水100mlに加え、撹拌して加水分解後さらに加熱して約50mlまで濃縮し冷却した。この溶液に撹拌しながら希塩酸を加えてpH2に調整した後4時間撹拌を続けて解膠し、Mg(NO3)2・6H2Oの0.1gを加えて透明の水酸化アルミニウムゾル水溶液を作製した。この水酸化アルミニウムゾル水溶液をn−ヘキサン溶液に加え、実施例1と同様にして8cm×8cm×2cmのセラミックフォーム成形体を得た。この成形体を1650℃で1時間、空気中で加熱して焼結し、アルミナフォームを得た。このアルミナフォームのかさ密度は約0.04g/cm3であった。
【0032】
【発明の効果】
以上に詳述した本発明の超軽量セラミックフォームの製造方法によれば、弱いセラミックフォームの骨格をセラミック短繊維で強化することによって、従来にない高気孔率で成形体強度の高い超軽量セラミックフォームを得ることができ、また、均一に短繊維を分散させて特性の優れた超軽量の短繊維強化セラミックフォームを製造することができる。
Claims (4)
- 金属アルコキシドを溶解した非水溶媒中にセラミック短繊維を加えて撹拌することにより、該短繊維を分散させ、それにセラミック粉末を含有した水性スラリー、あるいはセラミック粉末の原料となる成分を溶解した水溶液を加えて撹拌した後、水相と非水溶媒相に分離させ、上層の非水溶媒相を除いて、セラミック短繊維の分散した水性スラリーを得、当該スラリーに起泡剤を添加し、機械的撹拌により発泡させて型に充填し、それを乾燥後に焼成することを特徴とする超軽量セラミックフォームの製造方法。
- 非水溶媒に加える水性スラリーあるいは水溶液中に含有されるセラミック原料に対して、5〜95重量%のセラミック短繊維を、金属アルコキシドを溶解した非水溶媒中に含有させることを特徴とする請求項1に記載の超軽量セラミックフォームの製造方法。
- 非水溶媒に加える水性スラリーあるいは水溶液中に、焼結助剤および/または粒成長抑制剤となる物質を混合あるいは溶解させることを特徴とする請求項1または2に記載の超軽量セラミックフォームの製造方法。
- 前記超軽量セラミックフォームは、前記焼成後の密度が0.2g/cm 3 以下であり、前記セラミック短繊維の長さが、前記発泡により形成された気泡の直径の1.5倍以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の超軽量セラミックフォームの製造方法。
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