JPH05170952A - 炭素繊維強化多官能性マレイミド系樹脂複合材料用プリプレグ - Google Patents

炭素繊維強化多官能性マレイミド系樹脂複合材料用プリプレグ

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JPH05170952A
JPH05170952A JP34351291A JP34351291A JPH05170952A JP H05170952 A JPH05170952 A JP H05170952A JP 34351291 A JP34351291 A JP 34351291A JP 34351291 A JP34351291 A JP 34351291A JP H05170952 A JPH05170952 A JP H05170952A
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JP
Japan
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carbon fiber
prepreg
resin
composite material
polyfunctional maleimide
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Application number
JP34351291A
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English (en)
Inventor
Shigeji Hayashi
繁次 林
Masahiro Sugimori
正裕 杉森
Masayuki Fukumoto
政之 福元
Takashi Tada
尚 多田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】多官能性マレイミド系樹脂の耐熱性を損なうこ
となく、優れた靱性を有するな炭素繊維多官能性マレイ
ミド系樹脂複合材料を形成し得る該複合材料用プリプレ
グを提供する。 【構成】表面に粒子状、繊維状、フィルム状の熱可塑性
樹脂成形物が存在する炭素繊維強化多官能性マレイミド
系樹脂複合材料用プリプレグであって、該プリプレグ中
の炭素繊維がアミノシラン、エポキシシラン及びビニル
シランから選ばれる少なくとも一種のシランカップリン
グ剤で処理されたものであるプリプレグ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れ且つ強靱
な炭素繊維多官能性マレイミド系樹脂複合材料を形成し
得る炭素繊維強化複合材料用プリプレグに関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維強化複合材料は、その比強度、
比弾性が優れているという特徴を活かしてスポ−ツ用品
を中心に各種の用途に広く使用されている。現在のとこ
ろ、そのマトリックス樹脂としてはエポキシ樹脂が主流
であるが、エポキシ樹脂は耐熱性が十分でなく、そのた
め炭素繊維強化エポキシ樹脂複合材料は航空・宇宙用品
の用途を中心に高まりつつある耐熱素材としての要求を
充分に満足することはできない。一方、耐熱性樹脂とし
て知られているポリイミドは、耐熱性は優れているもの
の、成形加工性の面で問題があるため、そのマトリック
ス樹脂への実用化は遅れている。
【0003】このような状況から耐熱性と成形性のバラ
ンスの優れたビスマレイミド系樹脂等の多官能性マレイ
ミド系樹脂が炭素繊維複合材料用マトリックス樹脂とし
て注目されている。しかし多官能性マレイミド系樹脂は
靱性が乏しいという欠点があり、そのためその用途はか
なり制限されている。多官能性マレイミド系樹脂のこの
欠点を改良する方法として、ゴム成分や熱可塑性樹脂を
配合する方法、他のモノマ−を共重合する方法などが提
案されているが、耐熱性などの物性の低下が大きいわり
には靱性の向上が十分でなかったり、樹脂単体の破壊靱
性は一応向上しても炭素繊維複合材料としたときの靱性
の向上が十分でないなどの問題があった。また、インタ
−リ−フと呼ばれる一種の接着層ないしは衝撃吸収層を
層間に挿入する方法も提案されているが繊維含有率が上
げられなく、また取扱性も悪いなどの欠点があり、一般
に使用されるに至っていない。
【0004】更に、例えば特開平1−110537号公
報などに、炭素繊維強化樹脂複合材料用プリプレグにつ
いて、球状の微粒子をプリプレグ表面からプリプレグの
厚さの30%以内の深さに局在化させて複合材料の靱性
を改善することも提案されているが、この方法では微粒
子の添加量を増加させても複合材料全体としての靱性が
充分に向上しない等の問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、マトリック
ス樹脂として用いた多官能性マレイミド系樹脂の特性で
ある耐熱性を損なうことなく、炭素繊維強化多官能性マ
レイミド系樹脂複合材料に優れた靱性を付与することの
できる炭素繊維強化多官能性マレイミド系樹脂複合材料
用プリプレグを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、表面に熱
可塑性樹脂成形物が存在する炭素繊維強化多官能性マレ
イミド系樹脂複合材料用プリプレグについて種々検討し
た結果、このプリプレグを構成する炭素繊維として特定
のシランカップリング剤で処理したものを用いることに
より、該プリプレグで成形した複合材料の靭性を著しく
高め得ることを知見し、本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、炭素繊維を強化材と
し、多官能性マレイミド系樹脂をマトリックス樹脂と
し、且つ表面に熱可塑性樹脂成形物が存在する炭素繊維
強化多官能性マレイミド系樹脂複合材料用プリプレグに
おいて、該炭素繊維がアミノシラン、エポキシシラン及
びビニルシランから選ばれた少なくとも一種のシランカ
ップリング剤で処理されたものであることを特徴とする
炭素繊維強化多官能性マレイミド系樹脂複合材料用プリ
プレグである。
【0008】本発明を詳しく説明する。本発明の特徴
は、マトリックス樹脂としての多官能性マレイミド系樹
脂組成物、強化材としての炭素繊維、及び熱可塑性樹脂
成形物とでプリプレグを構成するに当たり、炭素繊維と
してアミノシラン、エポキシシラン及びビニルシランか
ら選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤で処
理たものを用いる点にある。このように特定のシランカ
ップリング剤で処理した炭素繊維をプリプレグ原料に用
いることにより、マトリックス樹脂の耐熱性等の特性を
損なうことなく、該プリプレグから成形した炭素繊維複
合材料に著しく向上した靱性を付与し得るのであって、
未処理の炭素繊維をそのまま用いたのでは、いかに靱性
の高い樹脂組成物及び熱可塑性樹脂を組み合わせても、
複合材料にしたときにその靱性を充分に発揮させ得な
い。
【0009】本発明において「炭素繊維」の用語は、炭
素繊維及び黒鉛繊維の両方を意味する。この炭素繊維
は、通常「プレカ−サ−」と称されるポリアクリロニト
リル、ピッチ等の繊維状物を炭化するか、或はグラファ
イト温度に加熱することにより得られ、なかでも引張強
度4500MPa以上、伸度1.7%以上の高強度・高
伸度の炭素繊維が好適に用いられる。また、炭素繊維の
表面を電解酸化、オゾン酸化することにより、表面に水
酸基、カルボン酸基などの官能基を導入したものが好適
である。
【0010】本発明に用いられるシランカップリング剤
は次のようなものである。アミノシランはγ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピル−メチル−ジエトキシシラン、
γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−
アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等で
あり、エポキシシランはγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン等であり、ビニルシランはビニル
トリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエト
キシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン等である。
官能基がアミノ基である化合物が特に好ましい。またこ
れらのシランカップリング剤の部分縮合物を用いること
もできる。
【0011】炭素繊維をシランカップリング剤で処理す
る方法としては、通常用いられているいずれの処理方法
でもよいが、シランカップリング剤の低濃度溶液中を通
過させて処理する方法が特に好ましい。この場合、溶液
中のシランカップリング剤の濃度が高いと炭素繊維の集
束が強くなりすぎて均一な複合材が得られにくくなり、
複合材としての靱性が低下してしまうので、低濃度溶液
を用いることが重要である。溶液濃度は2.0重量%以
下特に0.001〜2.0重量%が好ましい。シランカ
ップリング剤の低濃度溶液を調製する際の溶媒として
は、シランカップリング剤を溶解し、かつシランカップ
リング剤に対して実質的に不活性な溶媒であれば、いか
なる溶媒でもよいが、処理後の乾燥工程を考えた場合、
高沸点の有機溶媒は好ましくない。シランカップリング
剤としてアミノシラン系のカップリング剤を用いる場合
の溶媒としてはエチルアルコ−ル等の低級アルコ−ル、
低級アルコ−ルと水の混合溶媒、酢酸等の酸成分を含有
する水/アルコ−ル混合溶媒等が特に好ましい。これら
シランカップリング剤溶液で処理された炭素繊維は風乾
及び/又は加熱処理により溶剤等の揮発成分を除去した
のち使用される。
【0012】本発明に用いられる多官能性マレイミド系
樹脂は多官能性マレイミドを主成分とする樹脂組成物で
あり、分子内に2個以上のマレイミド基を有する化合物
が30重量%以上好ましくは40重量%以上を占める樹
脂組成物である。耐熱性、靱性等の物性を低下させない
範囲内で単官能マレイミド化合物を或は他の共重合可能
な反応性化合物を含んでいても良い。
【0013】多官能性マレイミドとしては、1,2−ビ
スマレイミドエタン、1,6−ビスマレイミドヘキサ
ン、1,12−ビスマレイミドドデカン、1,6−ビス
マレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、
1,6−ビスマレイミド−(2,4,4−トリメチル)
ヘキサン、1,3−又は1,4−ビスマレイミドベンゼ
ン、4,4’−又は3,3’−ビスマレイミドジフェニ
ルメタン、2,4−、2,6−又は3,4−ビスマレイ
ミドトルエン、3,3’−又は4,4’−ビスマレイミ
ドジフェニルスルホン、4,4’−又は3,4’−ビス
マレイミドジフェニルエ−テル、4,4−ビスマレイミ
ドジシクロヘキシルメタン、4,4’−ビスマレイミド
ジシクロヘキサン、4,4’−ビスマレイミドジフェニ
ルシクロヘキサン、4,4’−ビスマレイミドジフェニ
ルスルフィド、N,N’−m−又はp−キシリレンビス
マレイミド、N,N’−m−フェニレンビス−シトラコ
ンイミド、N,N’−4,4’−ジフェニレンビス−シ
トラコンイミド、2,2−ビス〔4−(4−マレイミド
フェノキシ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(4−マ
レイミドフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−
(3−マレイミドフェノキシ)フェニル〕スルホン、
1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、
N,N’−〔1,3−フェニレン−ジ−(2,2プロピ
リテン)−ジ−p−フェニレン〕ビスマレイミド等が挙
げられ、これらの混合物及びマレイミドとジアミンとか
らなるプレポリマ−も使用できる。用いられるジアミン
としては、ジアミノジフェニルメタン等芳香族ジアミン
が好ましい。4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタ
ン、この化合物と1,6−ビスマレイミド−(2,2,
4−トリメチル)ヘキサン、及びビスマレイミドトルエ
ンの共融混合物が特に好ましい。
【0014】多官能性マレイミド化合物と共重合可能な
反応性化合物としては、例えばo,o’−ジアリルビス
フェノ−ルA、o,o’−ジアリルビスフェノ−ルF、
トリアリルイソシアヌレ−ト、ジビニルベンゼン、N−
ビニルピロリドン及びエチレングリコ−ルジメタクリレ
−トなどが挙げられる。これらの共重合可能な反応性化
合物は単独或は混合して樹脂組成物中70重量%以下、
好ましくは50重量%以下の範囲で用いられる。これら
の共重合可能な反応性化合物のうち、o,o’−ジアリ
ルビスフェニルA,o,o’−ジアリルビスフェニルF
等のアルケニルフェノ−ル、これらのアルケニルフェノ
−ルと通常のエポキシ樹脂との予備反応物及びこれらの
混合物は樹脂組成物の靱性向上、加工性向上にも効果が
あり、樹脂組成物中10〜50重量%の範囲で用いるこ
とが好ましい。
【0015】また、多官能性マレイミドを主成分とする
樹脂組成物は、熱により容易に硬化させることができる
が、硬化物に所望の特性を付与したり硬化特性を調整す
る目的で触媒を添加してもよい。触媒としてはオルガノ
ホスフィン類、オルガノホスホニウム塩或はそれらの錯
体、イミダゾ−ル類、第3級アミン、第4級アンモニウ
ム塩、三弗化ホウ素アミン塩などのイオン触媒及び有機
過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル重
合触媒を用いることができる。触媒の添加量は目的に応
じて決定すればよいが、樹脂組成物の安定性の面から全
樹脂成分に対して0.01〜5重量%が好ましい。
【0016】更にカルボキシル基末端ブタジエン−アク
リロニトリル共重合体、カルボキシル基末端ポリブタジ
エン、アクリロイルオキシ基末端ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体などの反応性エラストマ−、エポキシ
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノ−ル樹脂、シリ
コ−ン樹脂、トリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリエ
−テルスルホン、ポリエ−テルイミド、ポリエ−テルケ
トン、熱可塑性ポリイミド、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリアミドイミド等の熱可塑性樹脂を添加してもよ
い。特にエポキシ樹脂は、樹脂の取り扱い性、炭素繊維
とのなじみ性を向上させるために好ましく、その添加量
は30%以下とすることが好ましい。30重量%を越え
て用いた場合には系の粘度が高くなり過ぎ、プリプレグ
化時の含浸不良の原因となるだけでなくプリプレグのタ
ック特性、ドレ−プ特性低下の原因にもなる。また微粉
末シリカなどの無機質微粒子を少量添加混合することも
可能である。
【0017】本発明のプリプレグにおけるシランカップ
リング剤処理炭素繊維と多官能性マレイミド系マトリッ
クス樹脂との比率はその目的に応じて適宜設定すること
が可能であるが、重量比で60/40〜75/25の範
囲が特に好ましい。また、本発明においては、プリプレ
グの表面に、熱可塑性樹脂成形物を存在させる。この熱
可塑性樹脂はプリプレグの片面に施しても、両面に施し
てもよい。熱可塑性樹脂成形物の熱可塑性樹脂として
は、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリエ−
テルイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾ−
ル、ポリアリ−ルスルホン、ポリエ−テルエ−テルケト
ンなどいわゆるエンジニアリングプラスチック、ス−パ
−エンジニアリングプラスチック或はポリマ−アロイ化
したものなどが挙げられる。分子鎖中にアミノ基、フェ
ノ−ル性水酸基、アミド基、アリル基、ビニル基等マト
リックス樹脂と反応しうる官能基を有するものが好まし
く、これらは、共重合などの手段により官能基を末端或
は分子鎖中に導入したエンジニアリングプラスチック、
ス−パ−エンジニアリングプラスチック或はポリマ−ア
ロイ化したものなどである。また特に、多官能性マレイ
ミド樹脂に硬化昇温過程で溶解するポリイミド、ポリエ
−テルイミドが好適である。
【0018】また、熱可塑性樹脂成形物の形態として
は、繊維状、粒子状、フィルム状などが挙げられる。粒
子状の熱可塑性樹脂成形物としては、前記エンジニアリ
ングプラスチック、ス−パ−エンジニアリングプラスチ
ックの微粒子として市販されているものが使用でき、ま
た微粒子として市販されていないものは、粉砕するなど
公知の方法により微粒子化して使用する。微粒子の粒径
は100μm以下が好ましく、更に好ましくは2μm〜
60μmである。
【0019】繊維状の熱可塑性樹脂成形物としては、前
記エンジニアリングプラスチック、ス−パ−エンジニア
リングプラスチックの、溶融紡糸或は溶液紡糸など公知
の方法により得ることができる。繊維の形態としては、
長繊維状のモノフィラメント或はこれらを束にしたも
の、或は短繊維状のものなど、特に限定されない。繊維
の直径としては、100μm以下が好ましく、50μm
が特に好ましい。更に、前記繊維状熱可塑性樹脂から作
られた織物の組織としては平織り、朱子織り、からめ織
りなど特に限定されない。また不織布も使用できる。織
物は、その繊維目付(単位面積当たりの重さ)が1〜2
5g/m2のものが好ましい。
【0020】これらの熱可塑性樹脂のなかでも、繊維状
熱可塑性樹脂を使用すると、次のよな利点、すなわち、 (1)少量の熱可塑性樹脂をプリプレグ表面に配置する
ことができる。 (2)プリプレグのタックレベルのコントロ−ルが容易
である。 (3)高粘度物を扱う必要がなく、従来のプリプレグ製
造プロセスがそのまま利用できる。 (4)品質管理が容易である。 などの利点があり、特に好ましい。また、これらの形態
の熱可塑性樹脂成形物は、例えば繊維状のものと粒子状
のものをプリプレグ表面に配置するなど、組み合わせて
用いてもよい。
【0021】熱可塑性樹脂成形物は、多官能性マレイミ
ド系樹脂100重量部に対し0.5〜40重量部の比率
で用いる。0.5重量部未満では、十分な靱性改良効果
は得られず、また40重量部を越えると靱性改良効果は
頭打ちになるばかりでなく表面のタックの減少或は用い
る樹脂の種類によっては、耐熱性、耐溶剤性が大巾に低
下することもあり好ましくない。
【0022】次に、シランカップリング剤処理炭素繊維
と、多官能性マレイミド系樹脂と、熱可塑性樹脂成形物
とから、片表面或は両表面に、熱可塑性樹脂成形物が存
在する炭素繊維強化多官能性マレイミド系樹脂複合材料
用プリプレグを製造する方法を示す。この方法は、例え
ば、(1)多官能性マレイミド系樹脂中に粒子状の熱可
塑性樹脂を分散させたもので樹脂フィルムを形成し、引
きそろえたシランカップリング剤処理炭素繊維をこの樹
脂フィルムで上下からはさみ込む含浸処理を行い、この
含浸過程で粒子状熱可塑性樹脂が炭素繊維により濾過さ
れて実質的にプリプレグ表面に存在するようにする方
法、(2)シランカップリング剤処理炭素繊維と多官能
性マレイミド系樹脂とから通常の方法でプリプレグを作
成し、その表面に、粒子状熱可塑性樹脂或は繊維状(短
繊維状)熱可塑性樹脂を振りかけて一体化する方法、又
は繊維状(長繊維状)熱可塑性樹脂を引き揃えて一体化
する方法、又は織物状の熱可塑性樹脂をその表面に載せ
て一体化する方法、(3)引き揃えた繊維状熱可塑性樹
脂に多官能性マレイミド系樹脂を含浸させ樹脂フィルム
状にしたものと、シランカップリング処理した炭素繊維
とから製造する方法などであるが、特に制限されない。
【0023】本発明の好ましい実施態様は次のとおりで
ある。 1.多官能性マレイミド系樹脂が、多官能性マレイミド
とアルケニルフェノ−ルを主成分とするものである請求
項1記載の炭素繊維強化多官能性マレイミド系樹脂複合
材料用プリプレグ。 2.炭素繊維が、濃度0.001〜2.0重量%のアミ
ノシランカップリング剤溶液で処理されたものである請
求項1記載の炭素繊維強化多官能性マレイミド系樹脂複
合材料用プリプレグ。
【0024】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳しく説明す
る。 実施例1〜5 γ−アミノプロピルトリエトキシシランを水/エタノ−
ル(水/エタノ−ル=1/9重量比)混合溶媒と混合
し、0.05重量%溶液を調製した。この溶液に高強度
中弾性炭素繊維(三菱レイヨン社製、MR−50K、引
張強度5600MPa、弾性率300GPa)を浸漬、
通過させた。風乾後、130℃で2分間熱風乾燥して巻
き取った。更に80℃で12時間15mmHgの減圧下
で乾燥した。処理後炭素繊維は未処理のものと同様の外
観を示した。次に、表1に示す樹脂組成物と、上記の処
理を施した炭素繊維とから一方向プリプレグをホットメ
ルト法により製造した。プリプレグの炭素繊維の目付は
145g/m2、樹脂含有率は31重量%であった。一
方、Matrimid 5218(チバガイギ−社製)
のポリイミドパウダ−を塩化メチレン/メタノ−ル(塩
化メチレン/メタノ−ル=90/10重量比)に溶解し
所定の粘度(1000ポイズ)に調整した溶液を繊維状
に押し出し、乾燥して巻き取り200デニ−ル/52フ
ィラメントの繊維状の熱可塑性樹脂を製造した。
【0025】上記の繊維状Matrimid 5218
を、上記のプリプレグの両表面に且つ炭素繊維と同方向
に、ワインドの間隔を2mmにして、片面当たりの繊維
目付が11g/m2となるようにワインドし、更に繊維
状のMatrimid 5218の大半をプリプレグ中
に軽く埋め込んだ。かくして、本発明の炭素繊維強化多
官能性マレイミド系樹脂複合材料用プリプレグを得た。
このプリプレグを、所定の寸法の小片に切断し、その繊
維方向が+45°、0、−45°、90°の4層×4回
積層し、次に90°、−45°、0°、+45°にして
4層×4回積層後、オ−トクレ−ブ成形し(硬化条件:
180℃で6時間行い、その後232℃で6時間後硬化
した)、衝撃後圧縮強度測定用の試験片を作成した。こ
の試験片をもちいてSACMA(Suppliers of Advance
d Composites MaterialsAsociation)Recommended Metho
d SRM2−88に準拠して1500in−1b/i
n衝撃後の圧縮強度を測定した。その結果を表1に示
す。
【0026】
【表1】
【0027】表1において、MDABMIは4.4’−
ビスマレイミドジフェニルメタン(三井東亜圧社製)、
Compimide 353はビスマレイミドの共融混
合物(シェル社製)、Matrimid 5292Bは
ジアリルビスフェノ−ルA(チバガイギ−社製)、Ta
ctix 742は3官能エポキシ樹脂(ダウ社製)で
ある。
【0028】比較例1 γ−アミノプロピルトリエトキシシラン処理をしていな
い高強度中弾性炭素繊維を用い、実施例1と同様にして
評価した。結果を表1に示す。 実施例6〜8 繊維状Matrimid 5218の代わりにポリエ−
テルイミド繊維(100デニ−ル/32フィラメント)
を用いて、片面当たりの目付が11g/m2となるよう
に1mm間隔でワインドする以外は実施例1〜3と同様
にして本発明の炭素繊維強化多官能性マレイミド系樹脂
複合材料用プリプレグを得た。そして実施例1〜3と同
様にして試験片を作成し、評価した。結果を表2に示
す。
【0029】実施例9 実施例1の繊維状Matrimid 5218のかわり
に繊維状Matrimid 5219より作られた繊維
目付20g/m2の平織りの織物を用い、此れをプリプ
レグの片面に置き軽く押さえた以外は実施例1と同様に
して本発明の炭素繊維強化多官能性マレイミド系樹脂複
合材料用プリプレグを得た。そして実施例1と同様にし
て試験片を作成し、評価した。結果を表2に示す。
【0030】実施例10 実施例1と同様にしてアミノシラン処理した炭素繊維を
得た。一方、実施例1の樹脂組成物にMatrimid
5218パウダ−(粒径80μm以下)を22重量%
添加し、80℃でミキサ−にて混合しパウダ−を均一に
樹脂中に分散した。これを離形紙上に広げ樹脂目付35
g/m2の樹脂フィルムとした。この樹脂フィルムで、
引き揃えたアミノシラン処理炭素繊維を上下からはさみ
込みホットメルト法によりプリプレグを製造した。樹脂
中に分散していたMatrimid 5218パウダ−
は、炭素繊維によりろ過され、実質的にプリプレグ表面
に存在するようになり、本発明のプリプレグをえた。こ
のプリプレグを用いて、実施例1と同様にして試験片を
作成し、評価した。結果を表2に示す。 比較例2 アミノシラン処理をしない炭素繊維を用いること以外は
実施例10と同様にして試験片を作成し、評価した。結
果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】実施例11 γ−ウレイドプロピルトリエトキシシランを用いること
以外は実施例1と同様にして試験片を作成し、評価し
た。結果を表3に示す。 実施例12 3−グリシドキシプロピル−メトキシシランを水−エタ
ノ−ル(1/9重量比)に酢酸を少量添加した溶剤に混
合し、1.0重量%溶液を調整した。この溶液を用いて
炭素繊維を処理した以外は実施例1と同様にして試験片
を作成し、評価した。結果を表3に示す。 実施例13 ビニルトリエトキシシランを、アセトン/水(50/1
重量比)に酢酸を少量添加した溶剤に混合し、0.2重
量%溶液を調整した。この溶液を用いて炭素繊維を処理
した以外は実施例1と同様にして試験片を作成し、評価
した。結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明の炭素繊維強化多官能性マレイミ
ド系樹脂複合材料用プリプレグから得られる成形物、す
なわちは炭素繊維強化多官能性マレイミド系樹脂複合材
料は、マトリックス樹脂である多官能性マレイミド系樹
脂の優れた熱的性質、機械的性質を損なうことなく、優
れた靱性を有する。したがって、本発明の炭素繊維強化
多官能性マレイミド系樹脂複合材料用プリプレグは、航
空機用構造材料などに好適に使用できる複合材料を成形
し得るプリプレグとして極めて有用である。
フロントページの続き (72)発明者 多田 尚 名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱 レイヨン株式会社商品開発研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維を強化材とし、多官能性マレイ
    ミド系樹脂をマトリックス樹脂とし、且つ表面に熱可塑
    性樹脂成形物が存在する炭素繊維強化多官能性マレイミ
    ド系樹脂複合材料用プリプレグにおいて、該炭素繊維が
    アミノシラン、エポキシシラン及びビニルシランから選
    ばれた少なくとも一種のシランカップリング剤で処理さ
    れたものであることを特徴とする炭素繊維強化多官能性
    マレイミド系樹脂複合材料用プリプレグ。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂成形物が繊維状であること
    を特徴とする請求項1記載の炭素繊維強化多官能性マレ
    イミド系樹脂複合材料用プリプレグ。
JP34351291A 1991-12-25 1991-12-25 炭素繊維強化多官能性マレイミド系樹脂複合材料用プリプレグ Pending JPH05170952A (ja)

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