JPH051679U - ４クローラ式車輌のクローラ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回動支点を中心に全体が回動できる４つのク
ローラを低くして機体の居住スペースを充分にしたり、
大きい離床角を有するようにして段差のあるところでも
安定性良く走行可能とする。 【構成】 回動支点１を中心に全体が回動できる４つの
クローラを機体下部の前後両側にそれぞれ装備して構成
する４クローラ式車輌において、各クローラ２ａ、２ｂ
の駆動輪３および遊動輪４を回動支点１と略同じ高さに
してその前後にそれぞれ配備するとともに、前記回動支
点１のカウンタ軸５と前記駆動輪３とをチェン６を介し
て伝動連結し、前記駆動輪３と遊動輪４の間の下方には
複数の転輪７を水平にそれぞれ軸架して構成したもので
ある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、回動支点を中心に全体が回動できる４つのクローラを有する４クロ ーラ式車輌の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来は、回動支点を中心に全体が回動できる４つのクローラを機体下部の前後 両側にそれぞれ装備して構成する４クローラ式車輌において、各クローラの回動 支点および該回動支点にある駆動輪が下方に位置するとともに、各遊動輪やその 間の各転輪が下方に位置して、これらに掛装されるクローラが側面視略３角状と なるような構造になっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、回動支点が高くなるので全高が高くなり、機体に全高制限があ る場合には機体内の居住スペースが少なくなったり、また、クローラの接地側の 前後に離床角を大きくとれないので、走行時には不安定となる、といった不具合 を呈していた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、そのような不具合を解決し、好適に実施できるよう工夫したもので あり、そのため、各クローラの駆動輪および遊動輪を回動支点と略同じ高さにし てその前後にそれぞれ配備するとともに、前記回動支点のカウンタ軸と前記駆動 輪とをチェンを介して伝動連結し、前記駆動輪と遊動輪の間の下方には複数の転 輪を水平方向にそれぞれ軸架して構成したものである。

【０００５】

【作用】

したがって、各クローラの回動支点を低くすることができることになって、全 高制限があっても居住スペースを充分にとれる機体にすることができることにな り、また、チェンにより駆動輪を駆動してクローラを確実に駆動できることにな り、回動支点を中心に回動できるクローラの前後には離床角を大きくとれるとと もに機体に対する接地長も長くすることができることになって、段差のある所で も安定して走行できる。

【０００６】

【実施例】

図１ないし図３において、座席８ａ、８ｂや作業機９、エンジン１０等を装備 した車輌Ａの下部の前後両側には４つのクローラ２ａ、２ｂをそれぞれ配備する が、各クローラ２ａ、２ｂはそれぞれ中間上方となる回動支点１を中心に全体が 回動できるようにして、その回動支点１を中心にして回動できるトラックフレー ム（図示省略）には、前記回動支点１の前後方向に離れて該回動支点１と略同じ 高さとなる駆動輪３と遊動輪４を、また、該両輪３、４の間の下方位となる水平 方向の３つの各転輪７をそれぞれ軸架するとともに、これらには、前方クローラ ２ａの前部と後部および後方クローラ２ｂの後部と前部に大きい離床角θ1 と小 さい離床角θ2 がそれぞれ形成されるようにしてクローラ２ａおよび２ｂをそれ ぞれ掛装し、車輌Ａの下部シャーシ１１に枢支した各回動支点１の軸に遊嵌する カウンタ軸５には、前記エンジン１０側より駆動される受動スプロケット１２と 駆動スプロケット１３を固設し、該駆動スプロケット１３と前記駆動輪３の軸３ ａ端のスプロケット１４にはチェン６を掛装して構成する。

【０００７】 したがって、各クローラ２ａ、２ｂの回動支点１を低くすることができること になって、全高制限があっても居住スペースを充分にとれる車輌にすることがで きることになり、機体の接地長Ｌは長くなって安定した走行ができることになり 、また、回動支点１側よりチェン６により駆動輪３を駆動してクローラ２ａ、２ ｂをそれぞれ良好に駆動できることになり、回動支点１を中心に回動できるクロ ーラ２ａ、２ｂの前後には離床角θ1 、θ2 を大きくとれることになって、段差 のあるところでも有効に回動しながら安定良く走行できることになる。

【０００８】 図４および図５はそれぞれ他の実施例を示し、前記実施例とは同一符号で示す ように略同様に構成するが、図４に示す実施例では遊動輪４がやや小径となって 各転輪７の間に小径の補助転輪７ａを配備し、また、図５に示す実施例では遊動 輪４が大径となって各転輪７の間および転輪７と遊動輪４の間に小径の補助転輪 ７ａを配備して構成したものであり、階段などを走行する場合、段部のエッジ部 に当たってもクローラ２ａ、２ｂの接地面のたわみ量が少なくなって、クローラ の内部のスチールコードが従来のように破断することなく良好に走行できること になる。

【０００９】

【考案の効果】

このように本考案は、各クローラ２ａ、２ｂの回動支点１の位置を低くするこ とができることになって、車輌の全高制限があっても居住スペースを充分にとれ る機体構造にすることができることになり、また、回動支点１側よりチェン６に より駆動輪３を駆動してクローラ２ａ、２ｂをそれぞれ確実良好に駆動できるこ とになり、回動支点１を中心に回動できるクローラ２ａ、２ｂの前後には離床角 を大きくとれることになるとともに機体の接地長も長くすることができることに なって、段差のあるところでも有効に回動しながら走行できるとともに安定良く 快適に走行できることになり、４クローラ式車輌として好適に実施できる特長を 有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例である要部を示した側面図であ
る。

【図２】図１の一部を示した正面図である。

【図３】図１の一部を示した平面図である。

【図４】他の実施例を示した側面図である。

【図５】さらに他の実施例を示した側面図である。

【符号の説明】

１ 回動支点 ２ａ クローラ ２ｂ クローラ ３ 駆動輪 ４ 遊動輪 ５ カウンタ軸 ６ チェン ７ 転輪

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 回動支点１を中心に全体が回動できる４
   つのクローラ２ａ、２ｂを機体下部の前後両側にそれぞ
   れ装備して構成する４クローラ式車輌において、各クロ
   ーラ２ａ、２ｂの駆動輪３および遊動輪４を回動支点１
   と略同じ高さにしてその前後にそれぞれ配備するととも
   に、前記回動支点１のカウンタ軸５と前記駆動輪３とを
   チェン６を介して伝動連結し、前記駆動輪３と遊動輪４
   の間の下方には複数の転輪７を水平方向にそれぞれ軸架
   して構成したことを特徴とするクローラ構造。