JPH0516282A - 容器の蓋 - Google Patents

容器の蓋

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JPH0516282A
JPH0516282A JP3168471A JP16847191A JPH0516282A JP H0516282 A JPH0516282 A JP H0516282A JP 3168471 A JP3168471 A JP 3168471A JP 16847191 A JP16847191 A JP 16847191A JP H0516282 A JPH0516282 A JP H0516282A
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lid
container
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cover
heat
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JP3168471A
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Takashi Toyoda
田 昴 豊
Taiji Hosono
野 泰 司 細
Takashi Funato
戸 孝 船
Takashi Miyaji
地 孝 宮
Yukio Kohama
浜 行 雄 小
Kazunori Yamada
田 和 範 山
Toshiaki Watanabe
辺 利 明 渡
Chiaki Kanai
井 千 秋 金
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Tokai Aluminum Foil Co Ltd
Yupo Corp
Original Assignee
Tokai Aluminum Foil Co Ltd
Yupo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 容器内にゆっくり給湯したり、途中で熱湯を
注ぐのが中断されても、未だ熱湯が注ぎ終わらないうち
は、自動的に容器の蓋が閉じられないように蓋を開けた
ままの状態にして、容器の外に熱湯が零れて火傷などを
負う危険性を防止する。 【構成】 熱膨張率の大きな素材を外側層に、熱膨張率
の小さな素材を内側層に用いて積層し、容器と接する側
にヒートシール性樹脂層を設けた積層シートよりなる、
容器の封緘に用いられる蓋であって、かつ、前記ヒート
シール性樹脂層を介して容器に熱融着された蓋を該容器
から引き剥がしを行なうための引張り部を前記引き剥が
しを開始する方向の端部に備えている蓋において、該引
張り部により蓋が引き剥がされる方向の端部に該引張り
部を係止して蓋が閉じるのを防ぐための係止部が形成さ
れていることを特徴とする容器の蓋。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱湯を容器内に注いで
一定時間保持した後に食される、即席のカップ麺、カッ
プしるこ、カップスープ、カップ味噌汁などのインスタ
ント食品の容器の熱シールに用いられる容器の蓋に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、即席カップ麺に代表されるインス
タント食品は、熱湯を容器内に注ぎ、数分間(1〜5分
間)待つだけで食することができるので、その手軽さが
受けて、独身者、工場夜勤者、単身赴任者、学生などに
大量に食されている。このようなインスタント食品を食
するには、例えば、即席カップ麺の場合について具体的
に説明すると、先ず購入した際に包装されている透明の
シュリンク包装フィルムを取り去り、次に、容器に熱シ
ール(熱封緘)された蓋の引張り部を指で摘んで引き上
げて、該蓋の約1/3〜1/2を容器より引き剥がす。
次いで、容器内の麺以外の具やスープの入った袋を指で
切り裂き、麺の上に置き、これに熱湯を注ぐ。熱湯を注
ぎ終わった後、前記引き剥がされた蓋の部分を容器上端
のフランジ部に重ねて蓋を閉じ、この蓋の上に該蓋が捲
れ上がって開かないように重しをするか、又はテープで
止める等して容器内の熱が逃げないようして熱効率を高
め、かつ、これにより内容物を蒸らしている。そして、
所定時間(1〜5分間)が経過した後、蓋の上の重し等
を取り去り、捲れ上がった蓋を引張って、該蓋を容器よ
り完全に引き剥がして取り去り、これによって蒸らし終
わった内容物を食することができる。
【0003】このようなインスタント食品に使用される
容器としては、通常、保温性の良好な、ポリスチレンペ
ーパー、ハイインパクトポリスチレンシート、ナイロン
とポリエチレンとの積層シートをプラグアシスト真空成
形或いは圧空成形してカップ状としたもの、型内ビーズ
発泡成形して得られる発泡ポリスチレン製カップ、ポリ
プロピレンを射出成形して得た容器などが用いられてい
る。また、上記容器に用いられる蓋としては、図6に示
すような、表面に印刷7が施されている肉厚が70〜8
0μmの上質紙を基材層2とし、これに低密度ポリエチ
レン、エチレン・アクリル酸共重合体の溶融樹脂フィル
ムを押出コーティングした肉厚が15〜25μmの接着
剤層3又はウレタン系やポリエステル系の液状接着剤
(いわゆるアンカーコート剤)を塗布した肉厚1〜5μ
mの接着剤層3、これに肉厚6〜15μmのアルミニウ
ム箔を貼合せたアルミニウム箔層4、更にこのアルミニ
ウム箔層の上に低密度ポリエチレンやエチレン・酢酸ビ
ニル共重合体の低融点(80〜135℃)樹脂を押出ラ
ミネート又は溶剤に溶かして塗工した肉厚2〜25μm
のヒートシール層5よりなる、ヒートシール性を付与し
た四層構造の積層シート6が使用されていた。しかし、
このようなインスタント食品容器の蓋は、容器の蓋を一
部開いて熱湯を注ぐと、熱湯の湯気が蓋の内側のアルミ
ニウム層を介して基材の上質紙を加熱し、上質紙中の水
分を放出する結果、上質紙が収縮し、蓋が上方にカール
して反り返る(図4参照)。従って、この種の熱湯で調
理するインスタント食品容器の蓋は、従来、熱湯を注い
だ後に、開封した蓋の部分に重し等によって容器の蓋を
閉じておかなければならないといった手間が必要であっ
た。
【0004】一方、実開昭58−133574号公報に
は、内層に熱収縮率のより大きな、或いは、熱膨張性の
より小さなフイルムを積層した複合層より構成された即
席食品用容器の蓋が開示されている。該即席食品用容器
の蓋は、該公報の記載によれば、熱湯を注ぐことによ
り、その熱による熱収縮等によって自動的に閉じること
ができる旨述べられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような蓋
は、熱湯をゆっくり注ぎすぎたり、途中で熱湯を注ぐの
を中断すると、未だ熱湯が注ぎ終わらないうちに蓋が閉
じられてしまって、これに気ずかぬまま更に熱湯が注が
れてしまうと、熱湯が容器の外に零れてしまって火傷な
どの危険を生じることがある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]本発明者らは、上記問題点に鑑みて鋭意
研究を重ねた結果、熱膨張率の大きな素材を用いた外側
層と熱膨張率の小さな素材を用いた内側層との間で湯気
の温度によって生じる熱膨張の差によってカールして容
器を自閉させることができる積層シートを蓋材として用
い、しかも、容器に熱融着されている蓋が引張り部を摘
んで引き剥がされる方向の蓋の端部に、該蓋を折り曲げ
て前記引張り部を係止して蓋が閉じるのを防ぐための係
止部を形成させることにより、未だ熱湯が注ぎ終わらな
いうちは自動的に容器の蓋が閉じられないように、蓋を
開けたままの状態で保持しておくことができ、また、熱
湯が注ぎ終わった後には該係止部分を解除すれば、該容
器の蓋を自動的に閉じることができるとの知見を得て本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明の即席調理
食品の容器の蓋は、熱膨張率の大きな素材を外側層に、
熱膨張率の小さな素材を内側層に用いて積層し、容器と
接する側にヒートシール性樹脂層を設けた積層シートよ
りなる、容器の封緘に用いられる蓋であって、かつ、前
記ヒートシール性樹脂層を介して容器に熱融着された蓋
を該容器から引き剥がしを行なうための引張り部を前記
引き剥がしを開始する方向の端部に備えている蓋におい
て、該蓋の引張り部により引き剥がされる方向の端部に
該引張り部を係止して蓋が閉じるのを防ぐための係止部
が形成されていることを特徴とするものである。
【0007】[発明の具体的説明] [I] 容器の蓋 (1) 構 造 本発明の容器の蓋1は、例えば図3に示すように、基本
的に熱膨張率の大きな素材よりなる外層2/接着層3/
熱膨張率の小さな内層4/ヒートシール性樹脂層5の各
構成層からなる積層シート6より構成されている。
【0008】具体的には、内部に微細なボイドを有する
樹脂延伸フィルム2/接着層3/アルミニウム箔4/ヒ
ートシール性樹脂層5の積層シート(特願平3−887
33号、同3−90793号、同3−90779号、同
3−92439号各公報参照)、パルプ紙と樹脂フィル
ムとの積層物2/接着層3/アルミニウム箔4/ヒート
シール性樹脂層5の積層シート(実開昭58−1335
74号公報参照)、無配向ポリプロピレンフィルム2/
接着層3/パルプ紙/ヒートシール性樹脂層5の積層シ
ート等である。これらの中でも、次に述べる基材層2/
接着層3/金属層4/ヒートシール性樹脂層5の積層シ
ール6よりなる蓋が好ましい。
【0009】(a) 基材層 <基材層の構造>容器の蓋1において用いられる基材層
2としては、図1に示すように、無機微細粉末8aを含
む熱可塑性樹脂フィルム2aを該樹脂の融点より低い温
度で延伸して得られるフィルム内部に微細なボイド8を
多数有する延伸樹脂フィルム2a単独、又は、該延伸樹
脂フィルム2aと他の樹脂フィルム2b,2cとを積層
した積層フィルム2である。このような基材層2は、具
体的には無機微細粉末8aを含有する二軸延伸樹脂微多
孔フィルム2a、該二軸延伸樹脂フィルムをコア層と
し、その片面又は両面に無機微細粉末8aを含有する一
軸延伸樹脂微多孔フィルム2b,2c(特公昭46−4
0794号、特公昭63−1183号公報)が積層され
た多層構造の延伸樹脂フィルム2(図1参照)を挙げる
ことができる。もちろん、容器の蓋1の自閉性を損なわ
ない限りで、無機微細粉末8aが含有されていない樹脂
フィルムを積層したものであっても良い。例えば、印刷
に高光沢を付与するために、印刷が施されるべき基材層
2の表面側に肉厚が0.2〜8μmの実質的に無機微細
粉末8aを含有していない(0〜3重量%)樹脂フィル
ム層を形成させることができる。
【0010】<基材層の素材>無機微細粉末 上記無機微細粉末としては、焼成クレイ、炭酸カルシウ
ム、珪藻土、酸化チタン、パームキュライト、タルクな
どを挙げることができる。該無機微細粉末の粒径は、一
般に0.03〜15μm、好ましくは0.1〜5μmの
ものが用いられる。熱可塑性樹脂 上記熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブデ
ン−1共重合体、エチレン・4−メチルペンテン−1共
重合体、プロピレン・エチレン・ブデン−1共重合体、
ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン
−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロ
ン−6,12などを挙げることができる。
【0011】<基材層の製造>上記無機微細粉末を含む
熱可塑性樹脂フィルムは該樹脂の融点より低い温度で延
伸される。この時の延伸倍率は一方向又は二方向にそれ
ぞれ1.3〜15倍、好ましくは3.5〜12倍であ
る。延伸軸数は一軸又は二軸である。具体的な製造は、
先ずコア層2a形成の樹脂を溶融混練し、シート状に押
出して冷却した後、再加熱してロールの周速差を利用し
て縦方向に1.3〜15倍、好ましくは3.5〜7倍に
延伸して、縦延伸フィルムを得る。次いで、別々の押出
機を用いて表面層用樹脂と裏面層用樹脂を溶融混練し、
それぞれシート状に押し出し、前記縦延伸フィルムの表
裏面にそれぞれ表面層2b及び裏面層2cとしてラミネ
ートし、これをテンターを用いて横方向に1.3〜15
倍、好ましくは4〜12倍に延伸することにより基材層
2が製造される。
【0012】<基材層の物性>空隙率(ボイド) 容器の蓋において、基材層2に用いられる延伸樹脂フィ
ルムは、無機微細粉末8aを核に微細なボイド(空隙
率)8を多数有している。このような延伸樹脂フィルム
は次式で計算された空隙率を4〜60%、好ましくは8
〜50%有している。 空隙率=〔(ρ0 −ρ)/ρ0 〕×100 ρ0 :延伸前のフィルムの密度 ρ :延伸後のフィルムの密度
【0013】熱膨張率 本発明の容器の蓋においては熱膨張率の大きい外層であ
る基材層の熱膨張率(Le )が重要である。このような
基材層の熱膨張率は、真空理工(株)製の熱機械分析装
置“TM−7000“(商品名)を用い、幅:5mm、長
さ:25mmの試験片を用い、これをチャックに固定し、
スパン距離(L0 )を15mm、荷重1gとした後、昇温
速度10℃/分で5分間かけて30℃の温度から80℃
の温度にまで昇温させ、その80℃の温度の時の試験片
のスパン長さ(L)を測定し、次式で求めた値(TMA
法)が示される。 熱膨脹率=〔(L−L0 )/L0 〕×100 この熱膨張率の値は0.40〜1.0%,好ましくは
0.55〜0.85%で有る。この熱膨張率の値が1.
0%を超えると、図5にて示すように、容器内に熱湯を
注いだ後の蓋の自閉性の速さが速すぎて、内容物が蒸ら
し終わる前(カップ麺が食べ頃となる以前)に自閉し過
ぎた蓋の引っ張り部が過度に内側に巻き込まれて、容器
9と蓋1との間に隙間10が生じてしまう。また、熱膨
張率の値が0.40%未満の場合には、自閉にかかる時
間が遅すぎて(90秒〜3分間かかり)、食べる人に苛
立ちを与える。基材層のTMA法により求められた熱膨
張率の値は、延伸樹脂フィルムの素材樹脂の熱膨張率か
ら延伸樹脂フィルムの熱収縮率を差し引いた値である。
基材層の熱膨張率は、樹脂フィルムの素材、層構造、フ
ィルム成形時に受ける熱履歴、配向等により作用され
る。従って、樹脂の素材によっては無機微細粉末を樹脂
に配合したり、延伸倍率、延伸温度の調整、冷却ロール
の圧力、温度等の調整により所望の物性のものを得る。
また、基材層の肉厚も関係している。
【0014】引張弾性率 基材層の引張り部が設けられた方向の基材層の引張弾性
率(JIS−K7113)は、10,000〜45,0
00kg/cm2 、好ましくは15,000〜30,0
00kg/cm2 である。基材層は延伸により配向がフ
ィルムにかかっているので、弾性率が無延伸樹脂フィル
ムのそれよりも高い値を示す。それ故、基材層の肉厚を
薄くすることができる。
【0015】肉 厚 本発明の容器の蓋1に用いられる基材層2の肉厚は、一
般に15〜180μm、好ましくは40〜100μmで
ある。
【0016】(b) 接着層 容器の蓋1において熱膨張率が大きい外側層2と後記ア
ルミニウム箔などの熱膨張率が小さい層4とを貼り合わ
せるために積層される接着層3としては、ウレタンプレ
ポリマー、液状ポリエステル、イソシアネート系、ポリ
エステルイソシアネート系、ポリエーテルイソシアネー
ト系、ポリエチレンイミン系、有機チタネート系などの
アンカーコート剤、低密度ポリエチレン、エチレン・酢
酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体など
のホットメルト接着剤を挙げることができる。また、塗
布型の接着剤を用いる場合には、一般に1〜20g/m
2 、好ましくは2〜6g/m2 の量で用いられる。ホッ
トメルト接着剤の場合は溶融押出ラミネートされ、8〜
30μmの厚みで使用される。このような接着層は一般
に1〜30μm、好ましくは2〜15μmの厚みで使用
される。
【0017】(c) 金属層 本発明の容器の蓋において用いられる金属層4として
は、肉厚が通常3〜25μmの、アルミニウム箔や鉄箔
などの金属箔を挙げることができる。特に肉厚が6〜1
5μmのアルミニウム箔を用いることが取扱い面と経済
的な理由から好んで用いられる。また、経済的な面か
ら、通常金属箔の肉厚は基材層2よりも薄い肉厚で用い
られる。
【0018】(d) ヒートシール性樹脂層 本発明における容器9と蓋1との熱封緘に用いられるヒ
ートシール性樹脂層5としては、該基材層2を構成する
樹脂の融点よりも低い融点のヒートシール性樹脂が用い
られる。このようなヒートシール性樹脂の具体例として
は、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体(好ましくは酢酸ビニル含
量が12重量%以下のエチレン・酢酸ビニル共重合
体)、エチレン・アクリル酸共重合体(好ましくはエチ
レン含量が65〜94重量%のエチレン・アクリル酸共
重合体)、エチレン・メタクリル酸アルキルエステル共
重合体、アイオノマー(エチレン・アクリル酸共重合体
の金属塩、エチレン・メタクリル酸共重合体の金属
塩)、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロ
ピレン・ブテン−1共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル
共重合体などを挙げることができる。該ヒートシール性
樹脂層5はアルミニウム箔などの金属シート上に押出ラ
ミネートコートしても良いし、溶剤にこれら樹脂を溶解
し、コーターを用いてアルミニウム箔上にコーティング
し、乾燥して、ヒートシール性樹脂層5を設けても良
い。該ヒートシール性樹脂層5の肉厚は2〜50μm、
好ましくは3〜40μmである。このようなヒートシー
ル性樹脂を用いて行なわれる容器と蓋との熱封緘は、該
容器内の食品の保存期間を長くすることができる。該ヒ
ートシール性樹脂はアルミニウム箔などの金属シート上
に押出ラミネートコートしても良いし、溶剤にこれら樹
脂を溶解し、コーターを用いてアルミニウム箔上にコー
ティングし、乾燥して、ヒートシール性樹脂層を設けて
も良い。
【0019】(2) 引張り部 本発明の容器の蓋1においては、図1にて示すように、
蓋1を引き剥がすための引張り部11が設けられている
が、その形成位置が重要である。該蓋1の引張り部11
の形成されている方向δは、蓋1の引き剥がし方向αと
反対側の方向と合致しているので、蓋1の自閉性を促進
させることから、前記基材層2の熱膨張率の値が大きい
方向βに合致させて設けることが望ましい。該蓋1の引
張り部11を熱膨張率の値の小さい方向γに合致させて
設けると自閉性が低下する。
【0020】(3) 引張り部係止部 本発明において特に重要なことは、図1及び2に示すよ
うに、蓋の端に形成されている引張り部11を摘んで蓋
1を開封させる際に、該蓋1の引き剥がされる方向α
の、前記引張り部11と最も離れた蓋の端部1a付近
に、該引張り部11を係止して蓋1が閉じるのを防ぐた
めの係止部1bを形成することである。本発明の容器の
蓋1は前記積層シート6より構成されていることから自
閉性を示すもので、容器9に熱湯が注がれるとその熱に
より自動的に蓋1が閉じられるように形成されている。
しかしながら、該容器1内に熱湯をゆっくり給湯した
り、途中で熱湯を注ぐのを中断したりすると、未だ熱湯
が注ぎ終わらないうちに自動的に容器の蓋1が閉じられ
てしまう。従って、このように未だ熱湯が注ぎ終わらな
いうちは自動的に容器の蓋1が閉じられてしまわないよ
うに、蓋1を開けたままの状態で保持するよう、図2に
示すように、該蓋1を折り曲げて,この蓋1に形成され
ている引張り部11の先端部分11aを蓋1の反対側の
端部1aに形成されている切り込みなどの係止部1bに
挿入して係止して、容器1内に熱湯を注いでいる間は自
動的に蓋1が閉じられないように、該蓋1を開けたまま
の状態にしている。しかし、熱湯が注ぎ終わった後に、
該引張り部11の先端部分11aを切り込み部より抜き
去って係止部1bの係止を解除すれば、該蓋1は、図1
に示すように、容器9を自動的に閉じることができる。
この様な係止部1bは、一般に、切り込み部、折り曲げ
部などを形成することによりができる。該切り込みを形
成する場合には、引張り部11の先端部分11aが挿入
される程度の、通常0.5〜2cmの長さで入れられ
る。
【0021】(4) 肉 厚 前記積層シート6よりなる蓋1の肉厚は一般に40〜2
00μm、経済的には60〜150μmである。
【0022】[II] 蓋付容器の製造 (1) ヒートシール 前記の如く形成した本発明の容器の蓋1となる、基本的
に基材層2/接着層3/金属層4/ヒートシール性樹脂
層5からなる積層シート6を、内部に乾麺12、具13
を入れた容器9上に載せて、通常100〜160℃、好
ましくは120〜140℃の温度で0.1〜3秒で熱シ
ールされる。 (2) 引張り部の形成 上記積層シート6に熱シールした容器9を個別の容器9
毎に切り離し、引張り部11を形成するために、一部に
突出部11が形成された略円形状(例えば直径150m
mに対して突出部11(引張り部)10mm程度)の蓋
1がトリミングされる。 (3) シュリンク包装 次いで、このようにして得られた密閉容器をシュリンク
包装して商品が形成される。
【0023】[III] 給 湯 半ば開封された蓋1は、熱湯をゆっくり給湯したり、途
中で熱湯を注ぐのを中断したりすると、未だ熱湯が注ぎ
終わらないうちに自動的に容器の蓋1が閉じてしまうの
で、蓋1を開けたままの状態で保持できるように、図2
に示すように、該蓋1を折り曲げて,この蓋1に形成さ
れている引張り部11の先端部分11aを蓋1の反対側
の端部1aに形成されている係止部1bに挿入して係止
する。
【0024】そして、該容器に熱湯が注ぎ終わった後
に、該引張り部11の先端部分11aを切り込み部より
抜き去って係止部1bの係止を解除すれば、該蓋1は給
湯された湯気により加熱され、蓋1を構成する素材にお
いて基材層2の熱膨張の方が金属層4の熱膨脹よりも勝
り、そのバイメタル効果により自動的に蓋1が元の位置
の状態(図1参照)に戻って容器9を密閉することがで
きる。
【0025】
【実施例】実施例1基材層の製造 (1) メルトインデックス(MI)0.8のポリプロピ
レン(融点約164〜167℃)81重量%に、高密度
ポリエチレン3重量%及び平均粒径1.5μmの炭酸カ
ルシウム16重量%を混合した組成物(A)を270℃
に設定した押出機にて混練した後、シート状に押し出
し、冷却装置により冷却して、無延伸シートを得た。そ
して、このシートを150℃の温度にまで再度加熱した
後、縦方向に5倍延伸した。 (2) MIが0.4のポリプロピレン(融点約164〜1
67℃)54重量%と、平均粒径1.5μmの炭酸カル
シウム46重量%を混合した組成物(B)を別の押出機
にて混練させた後、これをダイよりシート状に押し出
し、これを(1) の5倍延伸フィルムの両面に積層し、三
層構造の積層フィルムを得た。次いで、この三層構造の
積層フィルムを60℃まで冷却した後、再び約175℃
の温度にまで加熱して、テンターを用いて横方向に7.
5倍延伸し、165℃の温度でアニーリング処理して、
60℃の温度にまで冷却し、耳部をスリットして三層構
造(一軸延伸/二軸延伸/一軸延伸)の、肉厚80μm
(B/A/B=20μm/40μm/20μm)の基材
層を得た。また、各層のボイド率は、(B/A/B=
4.6%/13.9%/4.6%)であった。
【0026】蓋の製造 上記基材層の表面に印刷を施し、更にこの裏面側にウレ
タンプレポリマーのアンカーコート剤を3g/m2 とな
るように塗布し、これに肉厚が6μmのアルミニウム箔
をラミネートした。このラミネート物のアルミニウム箔
側に、エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量
5.4重量%)を200℃で押出ラミネート(肉厚22
μm)した後に冷却した。これをシートの送り方向(M
D方向)に引っ張り部が形成されるようにトリミング
し、略円形状の蓋を得た(直径150mm、引張り部1
0mm)。係止部の形成 前記蓋の引張り部を係止するための切り込みの形成は、
1cmの長さで入れられた。ヒートシール 内容量1,000cc、直径約150mmの発泡ポリス
チレン製容器内に乾燥麺250g、具25gを入れ、蓋
を140℃で0.5秒間圧力をかけてヒートシール(熱
封緘)した。
【0027】評 価 一日放置後、前記発泡ポリスチレン製容器の蓋部の引張
り部を指で引張って蓋の2/3を開口させた後、この蓋
の引張り部の先端部分を切り込み部に挿入して蓋をた。
そして、この開口部より沸騰させたお湯(温度約91
℃)600ccを容器内に5秒間で注いだ後、前記蓋の
引張り部の先端部分を切り込み部より抜き去って係止部
の係止を解除して、蓋の自閉性(給湯後、蓋が閉じるま
での時間)を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0028】実施例2基材層の製造 (1) メルトインデックス(MI)0.8のポリプロピ
レン81重量%に、高密度ポリエチレン3重量%及び平
均粒径1.5μmの炭酸カルシウム16重量%を混合し
た組成物(A)を270℃に設定した押出機にて混練し
た後、シート状に押し出し、冷却装置により冷却して、
無延伸シートを得た。そして、このシートを140℃の
温度にまで再度加熱した後、縦方向に5倍延伸した。 (2) MIが0.4のポリプロピレン54重量%と、平均
粒径1.5μmの炭酸カルシウム46重量%を混合した
組成物(B)と、MIが4.0のポリプロピレン81重
量%に高密度ポリエチレン3重量%及び平均粒径1.5
μmの炭酸カルシウム16重量%とを混合した組成物
(C)とを、別の押出機にて溶融混練させた後、これを
ダイよりシート状に溶融押出し、これを(1) の5倍延伸
フィルムの両面に積層し、三層構造の積層フィルムを得
た。次いで、この三層構造の積層フィルムを60℃まで
冷却した後、再び約160℃の温度にまで加熱して、テ
ンターを用いて横方向に7.5倍延伸し、165℃の温
度でアニーリング処理して、60℃の温度にまで冷却
し、耳部をスリットして三層構造(一軸延伸/二軸延伸
/一軸延伸)の、肉厚80μm(B/A/C=16μm
/48μm/16μm)の基材層を得た。また、各層の
ボイド率は、(B/A/C=30%/29.7%/3.
0%)であった。なお、印刷面はB層表面に施された。
【0029】係止部の形成 前記蓋の引張り部を係止するための切り込みの形成は、
1cmの長さで入れられた。ヒートシール 内容量1,000cc、直径約150mmの発泡ポリス
チレン製容器内に乾燥麺250g、具25gを入れ、蓋
を140℃で0.5秒間圧力をかけてヒートシール(熱
封緘)した。評 価 一日放置後、前記発泡ポリスチレン製容器の蓋部の引張
り部を指で引張って蓋の2/3を開口させた後、この蓋
の引張り部の先端部分を切り込み部に挿入して蓋をた。
そして、この開口部より沸騰させたお湯(温度約91
℃)600ccを容器内に5秒間で注いだ後、前記蓋の
引張り部の先端部分を切り込み部より抜き去って係止部
の係止を解除して、蓋の自閉性(給湯後、蓋が閉じるま
での時間)を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】このような本発明の容器の蓋は、容器内
に熱湯を注いでいる間は蓋が閉じられないように該蓋を
開けたままの状態にしておくことができるので、容器内
にゆっくり給湯したり、途中で熱湯を注ぐのが中断され
ても、未だ熱湯が注ぎ終わらないうちは自動的に容器の
蓋が閉じられてしまうことがない。従って、蓋が自動的
に閉じることによる容器の外に熱湯が零れて火傷などを
負う危険性を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蓋の引き剥がされる方向の、引張り部と最も離
れた蓋の端部に、引張り部を係止する係止部を設けた本
発明の容器の蓋及び容器の斜視図である。
【図2】図1の容器の蓋に形成されている引張り部を係
止部に係止して開封したままの状態の、お湯を注ぐ際の
本発明の容器の蓋及び容器の斜視図である。
【図3】本発明の容器の蓋の拡大部分断面図である。
【図4】容器内に熱湯が注がれて、より一層開かれた状
態の従来の蓋及び容器の斜視図である。
【図5】容器内に熱湯が注がれて、閉じられ過ぎて内側
に湾曲した状態の不適当な蓋及び容器の斜視図である。
【図6】従来の蓋の拡大断面図である。
【符号の説明】 1 容器の蓋 1a 蓋の端部 1b 係止部 2 基材層 2a 二軸延伸樹脂微多孔フィルム 2b,2c 一軸延伸樹脂微多孔フィルム 3 接着層 4 金属層 5 ヒートシール性樹脂層 6 積層シート 7 印刷 8 ボイド 8a 無機微細粉末 9 容器 10 隙間 11 引張り部 11a 引張り部の先端部分 12 乾麺 13 具 α 引き剥がし方向 β 熱膨張率の値が大きい方向 γ 熱膨張率の値の小さい方向 δ 引張り部が設けられている方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船 戸 孝 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田23番地 王 子油化合成紙株式会社鹿島工場内 (72)発明者 宮 地 孝 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田23番地 王 子油化合成紙株式会社鹿島工場内 (72)発明者 小 浜 行 雄 神奈川県茅ケ崎市萩園字埋田826番地 東 海金属株式会社茅ケ崎工場内 (72)発明者 山 田 和 範 神奈川県茅ケ崎市萩園字埋田826番地 東 海金属株式会社茅ケ崎工場内 (72)発明者 渡 辺 利 明 神奈川県茅ケ崎市萩園字埋田826番地 東 海金属株式会社茅ケ崎工場内 (72)発明者 金 井 千 秋 神奈川県茅ケ崎市萩園字埋田826番地 東 海金属株式会社茅ケ崎工場内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】熱膨張率の大きな素材を外側層に、熱膨張
    率の小さな素材を内側層に用いて積層し、容器と接する
    側にヒートシール性樹脂層を設けた積層シートよりな
    る、容器の封緘に用いられる蓋であって、かつ、前記ヒ
    ートシール性樹脂層を介して容器に熱融着された蓋を該
    容器から引き剥がしを行なうための引張り部を前記引き
    剥がしを開始する方向の端部に備えている蓋において、
    該蓋の引張り部により引き剥がされる方向の端部に該引
    張り部を係止して蓋が閉じるのを防ぐための係止部が形
    成されていることを特徴とする容器の蓋。
JP3168471A 1991-07-09 1991-07-09 容器の蓋 Pending JPH0516282A (ja)

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