JPH05149435A - 金属ガスケツト - Google Patents

金属ガスケツト

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JPH05149435A
JPH05149435A JP33631191A JP33631191A JPH05149435A JP H05149435 A JPH05149435 A JP H05149435A JP 33631191 A JP33631191 A JP 33631191A JP 33631191 A JP33631191 A JP 33631191A JP H05149435 A JPH05149435 A JP H05149435A
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JP
Japan
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coating layer
bead
vulcanized
substrates
substrate
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Application number
JP33631191A
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Inventor
Osamu Jinno
修 神野
Kazuya Nakada
和哉 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiho Kogyo Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Taiho Kogyo Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Taiho Kogyo Co Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Taiho Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 少くとも二枚の基板を各々のビードの頂部が
対向するように配置する金属ガスケットにおいて、基板
上に加硫塗装層及び/又は非加硫塗装層を適宜形成し、
塗装層を極力薄くしつつ流体孔の全周に亘り安定したシ
ール性を確保し得るようにする。 【構成】 流体孔の周囲にビード(13,23)を形成
した金属製の二枚の基板(10,20)を有し、一方の
基板(10)のビード(13)突出側の面は素材のまま
とし、他方の基板(20)のビード(23)突出側の面
の全面に非加硫塗装層(33n)を形成すると共に、こ
の非加硫塗装層(33n)上のビード(23)突出側の
外周に加硫シール部材(30)を配設する。そして、こ
れらの基板(10,20)を各々のビード(13,2
3)の頂部が対向するように配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属ガスケットに関し、
特に内燃機関のシリンダヘッドガスケット等として好適
な金属ガスケットに係る。
【0002】
【従来の技術】圧力流体に対し接合面からの漏洩を防止
するため接合部材間にガスケットが介装されることはよ
く知られており、例えば内燃機関のシリンダヘッドとシ
リンダブロックとの間にはシリンダヘッドガスケットが
介装されている。この種のガスケットに関し、近時は金
属製の板材から成る金属ガスケットが注目されている。
例えば、金属製の基板に燃焼ガス等の圧力流体が通過す
る流体孔を穿設し、この流体孔の周囲にビードを形成し
て接合部材に対し高い面圧を確保し得るようにしたもの
が知られている。
【0003】上記金属ガスケットに関し、例えば実開昭
61−41960号公報には、基板の表面に加硫第1塗
装層を被着すると共に、この上に非加硫第2塗装層を被
着し、二層の塗装層を形成した金属ガスケットが開示さ
れている。また、実開平1−146064号公報におい
ては、基板上に加硫剤を含む未加硫塗装層を被着した金
属ガスケットが開示されている。尚、後者の公報では、
加硫剤を含まない軟化層が非加硫層と定義され、加硫剤
を含み未だ加硫処理が施されていない軟化層が未加硫層
と定義されており、前者の実開昭61−41960号公
報においても同様の意義で加硫、非加硫が区別されてい
る。更に、実開昭64−8556号公報には、ビードの
内周側に厚肉部を設けると共に、外周側のつけ根部に軟
質のシール部材を設けたシリンダヘッドガスケットも開
示されている。
【0004】上記公報に記載のガスケットは、何れも基
本的には一枚の基板によって構成することが前提となっ
ているが、例えば特開昭64−35057号公報に記載
のように、ビードを形成した二枚の基板を中間板を介し
て積層した金属ガスケットも知られている。同公報には
実施例として、二枚の基板を各々のビードの頂部が中間
板を介して対向するように配置された金属ガスケットが
開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように二枚の基
板を備えたものにあっては、所期の面圧を確保するに際
し一枚の基板に比べ各基板のビードの変位量を小さくす
ることができるので耐疲労性が良好となる。然し乍ら、
上記特開昭64−35057号公報のように中間板を介
装すると材料が多くなり、全体としての厚さも大とな
る。これに対し、同公報に中間板を除去した構成が開示
されていないことからも明らかなように、単に中間板を
除去すればよいというものでもない。ビードの耐疲労性
等を考慮しつつ良好なシール性を確保する必要があり、
前掲の実開昭61−41960号公報に記載のように材
料費、製造費の低減への配慮も必要である。
【0006】例えば二枚の基板を各々のビードが対向す
るように配置することとし、各々の基板の両面に実開昭
61−41960号公報に記載のように二層の塗装層を
形成することとした場合には、各々のビードの頂部が二
層に形成されることとなり、ガスケット全体の厚さがそ
れだけ厚くなる。また、実開平1−146064号公報
に記載のような加硫剤を含有する未加硫塗装層を各々の
基板に形成した場合には、保存状態によっては加硫が進
み硬化してしまい、使用時に所期のシール性が得られな
くなるおそれもある。
【0007】二枚の基板を各々のビードの頂部が対向す
るように配置して金属ガスケットを構成する場合には、
両基板の表面はシリンダヘッドあるいはシリンダブロッ
クの表面とは異なり滑らかであるので、各々のビードの
頂部に夫々塗装層を形成しなくとも良好なシール性を確
保し得るように構成することができる。
【0008】そこで、本発明は、流体孔の周囲にビード
を形成した金属製の基板を少くとも二枚有し、各々のビ
ードの頂部が対向するように配置する金属ガスケットに
おいて、加硫塗装層及び/又は非加硫塗装層を基板上に
適宜形成し、塗装層を極力薄くしつつ流体孔の全周に亘
り安定したシール性を確保し得るようにすることを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、圧力流体が通過する流体孔を穿設し該流
体孔の周囲にビードを形成した金属製の基板を少くとも
二枚有し、該二枚の基板を各々のビードの頂部が対向す
るように配置する金属ガスケットにおいて、前記二枚の
基板の内、一方の基板のビード突出側の面は素材のまま
とし、他方の基板のビード突出側の面の全面に非加硫塗
装層を形成すると共に、該非加硫塗装層上の前記ビード
突出側の外周側に加硫シール部材を配設することとした
ものである。
【0010】上述の金属ガスケットにおいて、前記一方
の基板のビード突出側の内周と前記流体孔との間に金属
環を接合し、前記二枚の基板の相互に対向しない面の各
々の全面に加硫塗装層を形成すると共に、該加硫塗装層
上の全面に非加硫塗装層又は未加硫塗装層を形成するよ
うに構成するとよい。
【0011】更に、前記二枚の基板の相互に対向しない
面の各々の全面に形成した加硫塗装層及び非加硫塗装層
又は未加硫塗装層の厚さを、何れも前記一方の基板側よ
り前記他方の基板側が厚くなるように形成するとよい。
【0012】
【作用】上記の構成になる金属ガスケットを、対峙する
接合部材間、例えばシリンダヘッドとシリンダブロック
との間に介装し、所定の締付力を以って両者を締結する
と、二枚の基板のビードが圧縮されて変形し、これらの
圧縮変形されたビードの弾性復元力により接合部材に対
する所定の面圧が確保される。この場合において、一方
の基板のビードの突出側の面は素材のままとされ、他方
の基板のビード突出側の面の全面に非加硫塗装層が形成
されると共に、この非加硫塗装層上のビード突出側の外
周に加硫シール部材が配設されている。従って、両基板
のビードの頂部に関しては他方の基板側のみに塗装層が
形成されることになるが、両基板のビード頂部の接触面
は滑らかであり、仮に若干の凹凸が存在しても非加硫塗
装層によって吸収され得るので良好なシール性が確保さ
れる。
【0013】また、一方の基板に金属環を接合し、二枚
の基板が相互に対向しない面の各々の全面に加硫塗装層
及び非加硫塗装層を形成したもの又は対向しない面の全
面に加硫塗装層及び未加硫塗装層を形成したものにおい
ては、金属環は両基板間に挟持され、両ビードの変形が
所定範囲に制限されてビードの耐疲労性が確保されると
共に、金属環自体がシール機能を有する。しかも、二枚
の基板の相互に対向しない面の各々の全面に塗装層が形
成されているので接合部材の接合面に密着する。二枚の
基板の相互に対向する面については、両者の接触面が滑
らかであるので他方の基板のみに非加硫塗装層が形成さ
れるだけで十分なシール性が確保される。
【0014】更に、加硫塗装層及び非加硫塗装層又は未
加硫塗装層が、二枚の基板の相互に対向しない面で異な
る厚さに形成されているものにあっては、接合部材の夫
々の接合面に応じて良好なシール性を確保し得るように
配置されるので、接合面の加工精度が異なる接合部材間
に装着する場合に好適である。
【0015】
【実施例】以下、本発明の金属ガスケットの実施例を図
面を参照して説明する。尚、本発明の対象とする金属ガ
スケットとしては、多気筒内燃機関のシリンダヘッドと
シリンダブロックとの間に介装されるシリンダヘッドガ
スケットが好適であり、実施例としてシリンダヘッドガ
スケットに供される金属ガスケットについて説明する。
【0016】図1は本発明の一実施例の断面を示すもの
で、本実施例の金属ガスケットは弾性金属板、例えばス
テンレス鋼板(SUS)によって形成され図3に示す平
面形状の第1の基板10と図4に示す平面形状の第2の
基板20を有し、これら第1及び第2の基板10,20
に夫々複数の燃焼室孔11,21が穿設されている。ま
た、第1及び第2の基板10,20には夫々複数の冷却
水孔17,27及び潤滑油孔18,28が穿設されてお
り、燃焼室孔11,21の周囲に複数のボルト孔12,
22が穿設されている。これらのボルト孔12,22は
各燃焼室孔11,21の周囲に略均等な間隔で夫々例え
ば計十個形成されている。更に、第1及び第2の基板1
0,20を接合するため、各々の外周端にかしめ孔1
9,29が穿設されている。
【0017】燃焼室孔11,21は気筒数に対応する数
(例えば直列四気筒の内燃機関用として四個)の孔が直
線上に並設され、これら燃焼室孔11,21回りには夫
々ビード13,23が形成されている。ビード13,2
3の幅は燃焼室孔11,21の全周に亘り夫々均等に形
成されているが、相互に隣接する燃焼室孔11,11
(22,22)回りに形成されるビード13,13(2
3,23)の集合部の幅は、集合するビードの各々の幅
より小に設定されている。
【0018】そして、第1の基板10のビード13の突
出側の内周から燃焼室孔11に至るまでの平坦面に、所
定幅の真円の金属環、例えばステンレス鋼板のスペー
サ、所謂シムリング14が接合されている。即ち、シム
リング14は、それ自体によるシール機能を確保するに
充分な所定幅に設定されると共に、その厚さTsは図1
に示すように第1の基板10の厚さTpより小で、ビー
ド13の高さTbより大に設定されている(即ち、Tp
>Ts>Tbの関係にある)。そして、シムリング14
は例えばレーザ溶接機により全周に亘り実質的に連続し
て第1の基板10に溶接され、環状のシムリング14の
全周に連続した溶接部15(図3では省略)が形成され
ている。
【0019】尚、ビード23の高さもビード13の高さ
と略同一に設定されており、両者の合計高さ2Tbはシ
ムリング14の厚さTsより大に設定されている。ま
た、ボルト孔12,22及び潤滑油孔18,28の回
り、並びに第1及び第2の基板10,20の外周にもビ
ード16,26が形成されている。これらのビード1
6,26は段部ないし傾斜部で構成されておりビード1
3,23の半分の形状を呈していることからハーフビー
ドと称せられる。
【0020】第1の基板10のビード13の突出側の面
は素材のままとされているが、その反対側の面には図1
に示すように、例えば加硫剤を添加した未加硫のフッ素
系ゴムが加硫処理されて成る加硫塗装層31sが全面に
形成され、その上に非加硫塗装層31nが積層されてい
る。この加硫塗装層31sの上の非加硫塗装層31nに
ついては未加硫塗装層に変えることができる。ここで、
非加硫とは加硫剤を含有していないものをいい、未加硫
とは加硫剤を含有しているが加硫処理が行なわれていな
いものをいう。従って、例えば未加硫ゴムの初期は非加
硫ゴムと同じ特性であるが、使用中に加硫が進み強固な
ゴム層が形成されるのに対し、非加硫ゴムは柔軟な状態
が維持される。
【0021】また、第2の基板20のビード23の突出
側と反対側の面にも加硫塗装層32sが全面に形成され
た後、非加硫塗装層32nが積層されている。このビー
ド23の突出側と反対側の面においては、非加硫塗装層
31n,32nに代えて未加硫塗装層を用いることがで
きる。そして、第2の基板20のビード23の突出側の
面には、非加硫塗装層33nがビード23を含む全面に
亘って形成されている。更に、ビード23の突出側外周
にはビード23の全周に亘って連続するように、加硫フ
ッ素系ゴムのシール部材30が設けられている。このシ
ール部材30はフッ素系の非加硫ゴムに加硫剤を添加し
第2の基板20上に塗布した後、所定の温度で加熱し加
硫処理することによって形成することができる。ここで
非加硫塗装層33nは、加硫剤が配合されていないた
め、この加熱によって加硫されることはなく、柔軟な状
態が保持できることとなる。
【0022】上記塗装層の寸法関係は必要に応じ各種設
定できるが、より好ましい例として以下のように設定さ
れている。即ち、第1の基板10側の加硫塗装層31s
の厚さts1及び非加硫塗装層31nの厚さtn1は、
夫々第2の基板20側の加硫塗装層32sの厚さts2
及び非加硫塗装層32nの厚さtn2より小に設定され
ており(ts1<ts2,tn1<tn2)、従って合
計厚さも第2の基板20側が厚く形成されている。ま
た、非加硫塗装層33nの厚さtn3は加硫塗装層ts
1と略等しく設定されている。尚、シール部材30の厚
さはビード23の高さと略等しく設定されているが、こ
れより大とし、あるいは小としてもよい。上記厚さは同
じ厚さとしたり、異なる厚さ設定としてもよい。なお、
図1では、ビード23が立ち上がる境目から外周側にシ
ール部材30を配しているが、ビード23の根元にシー
ル部材30の一部が乗り上げるように配してもよい。
【0023】また、より好ましい例としてシール部材3
0はその厚さが円周方向で徐変するように形成されてい
る。即ち、図4に示すように、右側の吸気側において
は、燃焼室孔21,21が相互に隣接する中間部に対峙
する部分、即ち隣接する中間部の中心を起点に燃焼室孔
21の中心角A1(例えば30°)の範囲内にある部分
(図4のハッチング部分)の厚さは中心角A1の中心に
近づくにしたがい漸増するように形成されており、ボル
ト孔22の近傍部分、即ち中心角A2(例えば20°)
の範囲内にある部分は厚さが中心角A2の中心に近づく
にしたがい漸減するように形成されている。また、隣接
するボルト孔22,22の中間部分の中心角A3(例え
ば30°)の範囲内にある部分(図4の点描部分)は、
厚さが中心角A3の中心に近づくにしたがい漸増するよ
うに形成されている。シール部材30は、必要に応じ円
周方向で異なる幅に設定してもよい。
【0024】図4の左側の排気側においては、シール部
材30は燃焼室孔21,21が相互に隣接する中間部に
対峙する部分、即ち中心角A1の範囲内にある部分の幅
及び厚さが中心角A1の中心に近づくにしたがい漸増す
るように形成されているが、その他の部分は略一定とさ
れている。
【0025】以上のように形成され図3及び図4に示す
第1及び第2の基板10,20は、図1に示すように各
々のビード13,23の頂部が対向するように配置さ
れ、かしめ孔19,29を介してかしめ接合されて金属
ガスケットが構成される。このとき、ビード13,23
の頂部は非加硫塗装層33nを介して対峙しているので
両者の頂面が傷つくことはなく、微少な凹凸も非加硫塗
装層33nによって吸収されるので密着した状態に維持
される。
【0026】而して、上記の構成になる金属ガスケット
は、例えばアルミダイカスト製のシリンダヘッド3及び
鋳鉄製のシリンダブロック4間に、図4の右側が吸気側
で、左側が排気側となるように配置され、第1の基板1
0は加硫塗装層31s及び非加硫塗装層31nを介して
シリンダヘッド3の接合面に対峙し、第2の基板20は
加硫塗装層32s及び非加硫塗装層32nを介してシリ
ンダブロック4の接合面に対峙する。ボルト孔12,2
2の各々に締結ボルト(図示せず)が挿通され、シリン
ダヘッド3とシリンダブロック4との間に締付力が加え
られると、非加硫塗装層31n,32nが、両接合面と
密着する。鋳鉄製のシリンダブロック4の接合面はシリ
ンダヘッド3の接合面に比し凹凸が大であるが、非加硫
塗装層32nは非加硫塗装層31nより厚く形成されて
いるので、この凹凸を十分吸収することができる。
【0027】更に締付力が加えられると、第1及び第2
の基板10,20のビード13,23が圧縮変形する。
このとき、ビード13,23の合計高さ2Tbはシムリ
ング14の厚さTsより大であるためビード13,23
はシムリング14の厚さTsと略等しくなるまで変形し
得るが、それ以上は変形しない。即ち、図2に示すよう
にシリンダヘッド3及びシリンダブロック4間が緊締さ
れ、シムリング14が圧縮されるに至ると、ビード1
3,23の変形はそれ以上進むことなく、その弾性復元
力を以って第1の基板10及び第2の基板20が夫々シ
リンダヘッド3及びシリンダブロック4と密着すること
となる。また、ビード23の突出側の外周にはシール部
材30が設けられているので、ビード13,23の外周
側の第1及び第2の基板10,20間がシール部材30
によって密封されるところとなり、冷却水孔17,27
の冷却水がビード13,23に到達することはない。し
かも、前述のように、金属ガスケットに加えられる締結
力の分布に応じてシール部材30が吸気側及び排気側で
夫々適切な厚さ及び幅に形成されているので、各燃焼室
孔11の全周に亘り実質的に均一な面圧分布が得られ
る。そして、加硫されていることにより、シール部材3
0はへたることなく長期にわたり密封機能を維持でき
る。
【0028】以上のように第1の基板10のビード13
及び第2の基板20のビード23はシムリング14によ
り変位が制限されるので耐疲労性が良好であり、両ビー
ド13,23の頂部は非加硫塗装層33nの存在により
両者の表面の凹凸が吸収されて密着し、良好なシール性
が確保される。また、シール部材30によってビード1
3,23は冷却水に触れることがないので錆による劣化
のおそれもない。しかもシムリング14自体によって所
定のシール機能が確保されるので、燃焼室孔11,21
からの燃焼ガスに対しては、シムリング14,ビード1
3,23及びシール部材30の計三段のシール手段が機
能することとなり、安定したシール性が確保される。
【0029】尚、本実施例においては第2の基板20が
シリンダブロック4側となるように配置されているが、
第1の基板10がシリンダブロック4側となるように配
置することとしてもよい。この場合には、第1の基板1
0の加硫塗装層31s及び非加硫塗装層31nを第2の
基板20の加硫塗装層32s及び非加硫塗装層32nよ
り厚く形成することが好ましい。また、シール部材30
を燃焼室孔21の外周側のみでなく、冷却水孔17,2
7をとり囲むよう冷却水孔17,27の外周側に設けて
もよい。あるいは、冷却水孔17,27の外周側のみに
設けるようにすることもできる。
【0030】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で、以下に記載する効果を奏する。即ち、本発明の金属
ガスケットにおいては、一方の基板のビード突出側の面
は素材のままで、他方の基板のビード突出側の面の全面
に非加硫塗装層が形成され、この非加硫塗装層上のビー
ド突出側の外周に加硫シール部材が設けられているの
で、ビード上に形成される塗装層によって全体の厚さが
大きく影響されることはなく、流体孔の全周に亘って安
定したシール性が確保される。
【0031】また、一方の基板に金属環が接合され、二
枚の基板が相互に対向しない面の各々の全面に加硫塗装
層及び非加硫塗装層が形成されたものにおいては、金属
環は両基板間に挟持され、両ビードの変形が所定範囲に
制限されてビードの耐疲労性が確保されると共に、金属
環自体のシール機能により一層シール性が向上する。し
かも、二枚の基板の相互に対向しない面には塗装層が形
成されているので接合部材の接合面に密着し、対向する
面については他方の基板に非加硫塗装層が形成されてい
るので十分なシール性が確保される。
【0032】更に、加硫塗装層及び非加硫塗装層が、二
枚の基板の相互に対向しない面で異なる厚さに形成され
ているものにあっては、接合面の加工精度が異なる接合
部材間に装着する場合に夫々の接合面に応じて良好なシ
ール性を確保するように金属ガスケットを配置すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る金属ガスケットの一部
の断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る金属ガスケットがシリ
ンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持された状態
を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係る金属ガスケットを構成
する第1の基板の平面図である。
【図4】本発明の一実施例に係る金属ガスケットを構成
する第2の基板の平面図である。
【符号の説明】
3 シリンダヘッド 4 シリンダブロック 10 第1の基板 20 第2の基板 11,21 燃焼室孔(流体孔) 12,22 ボルト孔 13,23 ビード 14 シムリング(金属環) 16,26 ビード 17,27 冷却水孔 18,28 潤滑油孔 19,29 かしめ孔 30 シール部材 31n,32n,33n 非加硫塗装層 31s,32s 加硫塗装層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力流体が通過する流体孔を穿設し該流
    体孔の周囲にビードを形成した金属製の基板を少くとも
    二枚有し、該二枚の基板を各々のビードの頂部が対向す
    るように配置する金属ガスケットにおいて、前記二枚の
    基板の内、一方の基板のビード突出側の面は素材のまま
    とし、他方の基板のビード突出側の面の全面に非加硫塗
    装層を形成すると共に、該非加硫塗装層上の前記ビード
    突出側の外周側に加硫シール部材を配設したことを特徴
    とする金属ガスケット。
  2. 【請求項2】 前記一方の基板のビード突出側の内周と
    前記流体孔との間に金属環を接合し、前記二枚の基板の
    相互に対向しない面の各々の全面に加硫塗装層を形成す
    ると共に、該加硫塗装層上の全面に非加硫塗装層又は未
    加硫塗装層を形成したことを特徴とする請求項1記載の
    金属ガスケット。
  3. 【請求項3】 前記二枚の基板の相互に対向しない面の
    各々の全面に形成した加硫塗装層及び非加硫塗装層又は
    未加硫塗装層の厚さを、何れも前記一方の基板側より前
    記他方の基板側が厚くなるように形成したことを特徴と
    する請求項2記載の金属ガスケット。
JP33631191A 1991-11-25 1991-11-25 金属ガスケツト Pending JPH05149435A (ja)

Priority Applications (4)

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