JPH0514640U - 磁気軸受装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】高速回転する回転軸をレゾルバ内蔵の永久磁石
形同期モータと磁石の反発力利用の永久磁石ブロックと
により非接触に構成する。 【構成】回転軸１２にレゾルバ１４を取付けた回転子１
１とコイルを巻回した固定子１３とによる永久磁石形同
期モータ１を配置し、レゾルバ１４により回転中の回転
子１１の磁極と同一極性になるように固定子１３のコイ
ルへの通電を制御して磁気力により回転子１１を浮上さ
せるとともに、磁気反発力を利用した永久磁石ブロック
２，２を回転軸１３に取付け、左右方向の非接触を図っ
て軸受装置を構成させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は高速度回転するモータなどに使用される磁気軸受装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

車載される回転体の軸受には通常、ベアリングが使用されており、特に高速回 転するモータではそのベアリングによる機械損が大となって、モータの効率が低 下してしまうという欠点がある。

【０００３】 そして、このようなベアリングによる損失を除くため、電磁力により回転電機 の軸受を非接触とする種々の提案がなされており、その一例として実開昭６２− １１５７５３号公報には磁気浮上回転電機が示されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述の公開公報に示された提案ではモータ部のコアやコイル以外に二種のラジ アル軸受部のコアやコイルと、二種の変位センサのコアやコイルを備えており、 これらのコイルに供給する電流を制御し、コアに生ずる磁力によって回転軸を浮 上させているため、機構が複雑となりその制御に手数を要するという問題がある 。

【０００５】 本考案はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は一対のコイ ルと永久磁石とによるモータと、他に永久磁石の組合わせにて磁気軸受を構成さ せて機械損を低減しようとする磁気軸受装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述の目的を達成するために本考案によれば、同極性の磁極の反発力を利用し て回転軸を非接触に保持する磁気軸受装置において、前記回転軸に回転磁石部と 固定磁石部とを備えて互いの対抗面を同極性に着磁し該磁気力により軸方向のず れを防止する永久磁石ブロックを設けるとともに、永久磁石からなる回転子の回 転角を検出して固定子の磁極を同極性に制御するレゾルバ機構を組込んだ永久磁 石形同期モータを前記回転軸に配置した磁気軸受装置が提供される。

【０００７】

【作用】

回転軸に回転磁石部と固定磁石部とを備えた永久磁石ブロックと、レゾルバを 組込んだ永久磁石形同期モータとを配置し、前者の永久磁石ブロックの両磁石部 の対抗面を同極性に着磁して軸方向のずれを防止するとともに、後者の永久磁石 形同期モータのレゾルバの働きにより回転子の磁極位置に対応する固定子の磁極 性を常に同極性に制御して固定子の内部に浮上させ、回転部分を非接触を図って 機械損を減少させる。

【０００８】

【実施例】

つぎに本考案の実施例について図面を用いて詳細に説明する。

【０００９】 図１は本考案にかかる磁気軸受装置の第１の実施例の構成を示す説明図である 。

【００１０】 同図において、１は永久磁石形同期モータで、１１はその永久磁石からなる回 転子、１２は回転軸、１３はコイルの巻回された固定子であり、回転子１１には 隣接してレゾルバ１４が組み込まれ、回転子の回転角を検出して固定子１３の磁 極と回転子１１とが常に同一極性となるように変換制御し、これら固定子、回転 子間の磁気力が互いに反発するように構成されている。したがって回転子１１の 外周は固定子１３の内壁に接触することがないため、回転軸１２は中心軸位置に 保持される。

【００１１】 ２は永久磁石ブロックで、回転軸１２に取付けられた円盤状の回転磁石部２１ と、該回転磁石部２１を挟んで対応するリング状の固定磁石部２２，２３との３ 個の強力な保磁力および残留磁気力を備えた永久磁石材によって形成されている 。そして固定磁石部２２および２３はそれぞれリング状の内周部分と外周部分と が異極となるように、図示のように着磁されており、また回転磁石部２１は隣接 する固定磁石部２２や２３の極性に応じて同極性となるように４分割されて着磁 されている。したがって、永久磁石ブロック２においては、回転磁石部２１は一 対の固定磁石部２２および２３の間にて隣接して対面する磁極間に働く強力な反 発力により、左右のいずれにも接触することなく両者の中間位置を保つように構 成されている。

【００１２】 つぎに、このように構成された第１の実施例の作動を説明すると、回転軸１２ はレゾルバ１４を内蔵した永久磁石形同期モータ１と、その左右方向の永久磁石 ブロック２，２とを備えており、前者の永久磁石形同期モータ１はレゾルバ１４ により回転子１１の磁極位置を検出して固定子１３の磁極が常に同一極性となる ように制御されるため、回転子１１は相反発する磁気力により浮上って固定子１ ３との間の非接触が保たれることになる。

【００１３】 一方、後者の左右の永久磁石ブロック２，２は一組の固定磁石部２２，２３の 間に回転磁石部２１が配置され、さらにそれぞれの着磁が前述のように隣接して 対面する磁石間はすべて同極性とされているために互いの反発力によって回転磁 石部２１は固定磁石部２２および２３の中間位置に保持されることになり、前者 の回転子１１の浮上力と相俟って回転軸１２はすべてに非接触となり、機械損か ら免れることになる。

【００１４】 図２は本考案の第２の実施例を示す説明図、図３はその第３の実施例を示す説 明図で、前述の第１の実施例における部分と同一の部分については同一の符号を つけ、その説明は省略する。

【００１５】 そして図２において、２４はリング磁石で、その内径は前述の回転磁石部２１ の外径に対し、僅かな間隙を有するように形成され、回転磁石部２１と対応時に は対面する磁極に対して同一極性となるように、厚さ方向に分割されて着磁され 、固定磁石部２２，２３と同様に筐体などに固定されている。

【００１６】 このため、リング磁石２４のない第１の実施例に比し、回転磁石部２１の部分 の回転軸１２のブレが少ない非接触軸受が得られることになる。

【００１７】 つぎに図３において、２５は非磁性体からなる接続部で、リング磁石２４と左 右の固定磁石部２２および２３とを一体に接続するものである。したがって第２ の実施例と同様にブレの少ない非接触軸受が得られるもので、さらに固定側の磁 石ブロックが接続部２５により一体化されているため、安定化された非接触軸受 が得られることになる。

【００１８】 以上、本考案を上述の実施例によって説明したが、本考案の主旨の範囲内で種 々の変形が可能であり、これらの変形を本考案の範囲から排除するものではない 。

【００１９】

【考案の効果】

上述の実施例のように本考案によれば、回転軸にレゾルバを組み込んで常に固 定子の磁極を回転子の磁極と同極性に制御する永久磁石形同期モータと、永久磁 石の反発力を利用した永久磁石ブロックを左右にそれぞれ配置したので、永久磁 石形同期モータによって回転軸は浮上力が得られるとともに、永久磁石ブロック により軸方向のブレが防止できて非接触の磁気軸受が得られ、したがって機械損 が低減されて高速回転のモータの効率の向上が図れる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる磁気軸受装置の第１の実施例の
構成を示す説明図である。

【図２】本考案の第２の実施例を示す説明図である。

【図３】本考案の第３の実施例を示す説明図である。

【符号の説明】

１…永久磁石形同期モータ ２…永久磁石ブロック １１…回転子 １２…回転軸 １３…固定子 １４…レゾルバ ２１…回転磁石部 ２２…固定磁石部 ２３…固定磁石部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】同極性の磁極の反発力を利用して回転軸を
   非接触に保持する磁気軸受装置において、前記回転軸に
   回転磁石部と固定磁石部とを備えて互いの対抗面を同極
   性に着磁し該磁気力により軸方向のずれを防止する永久
   磁石ブロックを設けるとともに、永久磁石からなる回転
   子の回転角を検出して固定子の磁極を同極性に制御する
   レゾルバ機構を組込んだ永久磁石形同期モータを前記回
   転軸に配置したことを特徴とする磁気軸受装置。