JPH0514492Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、回路基板に装着するために好適な、
リードを有するコイル部品に関する。

［従来の技術］ 従来のトロイダル形コイル部品は、円環状磁心
と、巻線と、巻線の端末が接続されたリードと、
これ等の絶縁被覆体とから成る。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、トロイダル形コイル部品の磁心は円
環状であるので、組立時に取扱いにくい。また、
巻線端末のリードに対する接続も面倒であつた。

そこで、本考案の目的は、円環状磁心が使用さ
れているにも拘らず製作が容易なコイル部品を提
供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するための本考案は、実施例を
示す図面の符号を参照して説明すると、円環状磁
心６と、この磁心６に巻装された巻線７と、中継
絶縁基板２と、前記基板２上に形成された第１及
び第２の導体層１０，１１と、互いに平行に延び
ている棒状の第１及び第２のリード３，４と、箱
状絶縁ケース５とから成り、前記ケース５の入口
近傍に前記基板２を係合させるための係合溝１
８，１９が設けられ、前記基板２は前記ケース５
の蓋として機能するように前記係合溝１８，１９
に係合され、前記磁心６の円環状に見える主面が
前記基板２の主面に対して直角になるように前記
磁心６が前記ケース５内に配置され、前記第１及
び第２のリード３，４は前記第１及び第２の導体
層１０，１１に接続され且つ前記基板２の主面に
対して直角に延びるように配置され、前記巻線７
の一端及び他端は前記第１及び第２の導体層１
０，１１に接続されていることを特徴とするコイ
ル部品に係わるものである。

［作用及び効果］ 本考案は次の作用効果を有する。

(イ) 円環状磁心６を使用し、且つ第１及び第２の
リード３，４が互いに平行に延びている形式の
コイル部品であるにも拘らず、中継絶縁基板２
を使用することによつて組立作業が容易にな
る。

(ロ) 基板２はケース５の蓋としても機能するの
で、巻線７と磁心６との絶縁体による包囲を簡
単な構成で達成することができる。

［実施例］ 次に、本考案の実施例に係わるノイズ除去用の
トロイダル形コイル部品を第１図〜第３図に基づ
いて説明する。このコイル部品は、トロイダル形
コイル１と、中継用の絶縁基板２と、一対のリー
ド３，４と、合成樹脂製絶縁ケース５とから成
る。

コイル１は、フエライトコアから成るトロイダ
ル形磁心６と、ここに巻装されたエナメル線から
成る巻線７とで構成され、所定のインダクタンス
を有する。

中継絶縁基板２は、プリント回路基板と同様な
ものであつて、巻線７の端末８，９とリード３，
４とを接続するための一対の半田付可能導体層１
０，１１を有する。この絶縁基板２には一対のＶ
字状溝１２，１３が設けられ、ここの巻線端末
８，９が係止されている。一対のリード３，４は
絶縁基板２に設けられた一対の貫通孔１４，１５
に挿入され、貫通孔１４，１５から離脱すること
を防ぐための折り曲げ部３ａ，４ａを先端に有す
る。

導体層１０，１１はＶ字状溝１２，１３及び貫
通孔１４，１５を囲み且つこれ等を結ぶように配
設されている。なお、導体層１０，１１の平面パ
ターンは、第３図の半田１６，１７のパターンと
ほぼ一致している。

エナメルが除去されている端末８，９は各Ｖ字
状溝１２，１３に圧入状態に挿入されていると共
に半田１６，１７によつて機械的及び電気的に導
体層１０，１１に結合されている。各リード３，
４も貫通孔１４，１５に挿入されているのみでな
く、半田１６，１７によつて機械的及び電気的に
導体層１０，１１に結合されている。

ケース５は６面の内の１面のみが開設された箱
型であり、コイル１及び絶縁基板２を収容する空
間を備えている。また、ケース５の両側面に基板
係合溝１８，１９が設けられ、ここに絶縁基板２
の両端部が嵌めこまれている。

このコイル部品を組み立てる時には、コイル１
と、絶縁基板２と、ケース５とを用意し、絶縁基
板２の貫通孔１４，１５にリード３，４を挿通
し、Ｖ字状溝１２，１３に端末８，９を圧入す
る。Ｖ字状溝１２，１３は巻線端末８，９の径よ
りも狭くなる部分を有するので、Ｖ字状溝１２，
１３の入口から底に向かつて端末８，９を押し下
げることによつて端末８，９はＶ字状溝１２，１
３内に安定的に仮固定される。端末８，９のＶ字
状溝１２，１３に対する挿入は、リード３，４の
絶縁基板２に対する装着よりも前であつてもよい
し、後であつてもよい。

次に、導体層１０，１１にクリーム半田を塗布
し、溶融し、固化すことによつて半田１６，１７
で端末８，９及びリード３，４を導体層１０，１
１に固着させ、しかる後、端末は８，９の不要な
部分をカツトする。

次に、コイル１と絶縁基板２と、リード３，４
との組立体にケース５を覆せる。この時、ケース
５の開放口を閉じる様に絶縁基板２をケース５内
に押し込む。ケース５の基板係合溝１８，１９の
入口には、突起２０，２１があるが、この突起２
０，２１は傾斜面を有しているので、絶縁基板２
を押し込むと、ケース５の両側面が拡がるように
弾性変形し、係合溝１８，１９に絶縁基板２が入
り込む。

本実施例のコイル部品は次の利点を有する。

(1) 端末８，９をリード等にからげるのではな
く、Ｖ字状溝１２，１３に挿入する構造である
から、Ｖ字状溝１２，１３に端末８，９を緩み
の少ない状態に容易に係止することができる。
また、自動組立装置によつて巻線端末８，９の
接続を容易に達成することができる。

(2) 端末８，９とリード３，４とが共通の接続導
体層１０，１１に共通の半田１６，１７によつ
て接続されるので、信頼性の高い電気的及び機
械的結合を容易に達成することができる。

(3) ケース５が箱状に形成され、絶縁基板２がケ
ース５の蓋のように装着されるので、コイル１
の包囲体を容易に構成することができる。

(4) ケース５の基板係合溝１８，１９に絶縁基板
２を嵌め込む構造であるので、ケース５に対し
てコイル２と絶縁基板２との組立体を差し込む
だけで両者の結合が成立する。従つてケース５
の装着を容易に達成することができる。

［変形例］ 本考案は上述の実施例に限定されるものでな
く、例えば次の変形が可能なものである。

(1) リード３，４をリードフレームで構成し、平
板状リードにしてもよい。

(2) コイル１を磁心６に導線を巻回することによ
つて構成せずに、磁心６に対して導体ペースト
を印刷し、焼成することによつて構成してもよ
い。この場合には、印刷導体から成る巻線に内
部リードを接続し、この内部リードをコイルの
端末としてＶ字状溝１２，１３に仮固定する。

(3) Ｖ字状溝１２，１３の代わりに絶縁基板２の
導体層１０，１１の部分に貫通孔を設け、この
一方から他方に端末８，９を挿入し、貫通孔の
縁で端末８，９を折り曲げることによつて仮固
定してもよい。また、Ｖ字状溝１２，１３の代
わりにＬ字状即ちかぎ型溝を形成してもよい。

(4) 導電性接合材としてクリーム半田を使用する
代わりに溶融半田を使用し、これを導体層１
０，１１に付着させ、半田１６，１７による電
気的及び機械的接続を達成してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係わるコイル部品を
第２図の−線に相当する部分で切断して示す
断面図、第２図は第１図の−線に相当する部
分で切断して示す断面図、第３図は第１図のコイ
ル部品の底面図である。 １……コイル、２……絶縁基板、３，４……リ
ード、５……ケース、８，９……端末、１０，１
１……導体層、１２，１３……Ｖ字状溝、１６，
１７……半田。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 円環状磁心６と、この磁心６に巻装された巻線
   ７と、中継絶縁基板２と、前記基板２上に形成さ
   れた第１及び第２の導体層１０，１１と、互いに
   平行に延びている棒状の第１及び第２のリード
   ３，４と、箱状絶縁ケース５とから成り、 前記ケース５の入口近傍に前記基板２を係合さ
   せるための係合溝１８，１９が設けられ、 前記基板２は前記ケース５の蓋として機能する
   ように前記係合溝１８，１９に係合され、 前記磁心６の円環状に見える主面が前記基板２
   の主面に対して直角になるように前記磁心６が前
   記ケース５内に配置され、 前記第１及び第２のリード３，４は前記第１及
   び第２の導体層１０，１１に接続され且つ前記基
   板２の主面に対して直角に延びるように配置さ
   れ、 前記巻線７の一端及び他端は前記第１及び第２
   の導体層１０，１１に接続されていることを特徴
   とするコイル部品。