JPH051319A - 鋼の真空処理装置 - Google Patents

鋼の真空処理装置

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JPH051319A
JPH051319A JP2353191A JP2353191A JPH051319A JP H051319 A JPH051319 A JP H051319A JP 2353191 A JP2353191 A JP 2353191A JP 2353191 A JP2353191 A JP 2353191A JP H051319 A JPH051319 A JP H051319A
Authority
JP
Japan
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molten steel
gas
pipe
circulating
flow rate
Prior art date
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Pending
Application number
JP2353191A
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English (en)
Inventor
Zenichiro Morita
善一郎 森田
Manabu Iguchi
学 井口
Akihiko Ebihara
明彦 海老原
Kaoru Masame
薫 真目
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP2353191A priority Critical patent/JPH051319A/ja
Publication of JPH051319A publication Critical patent/JPH051319A/ja
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  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】RH真空処理装置における必要処理時間の短
縮。 【構成】上昇管2aの溶鋼環流用ガス吹き込み管4が、上
昇管の内部に向かって斜め上向きに配置されているRH
真空処理装置。傾斜角度θは20°〜50°であることが望
ましい。 【効果】環流ガス量の増加や浸漬管内径の拡大等をしな
くても溶鋼環流量を増大させることができ、溶鋼の真空
処理時間を短縮することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高純度鋼を溶製する
のに用いるRH真空処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】RH真空処理装置は、図1に示すよう
に、真空槽1とその下部に設けられた2本の浸漬管(上
昇管2a、下降管2b)とからなる。これを使用するに当た
っては、取鍋3に収容した粗溶鋼(M)中に上昇管2aお
よび下降管2bを浸漬し、真空槽1の内部を減圧し、溶鋼
を真空槽内に引き上げる。そして上昇管2aに設けたガス
吹込み管4からAr等のガスを吹込み、ガスリフトポンプ
の原理により溶鋼を上昇させ、真空槽内に送り込み真空
処理を行い、下降管2bから取鍋内に戻す。このように、
溶鋼を環流させることにより連続的に真空処理を行う。
【0003】このRH真空処理において処理速度を増大
させるには、溶鋼の単位時間あたりの環流量を増大させ
ることが必要である。
【0004】溶鋼の環流量W(t/min) は次式で求められ
る。
【0005】 W=k・n0.25・D1.5 ・Qg0.2 ・h0.5 ・・・(1) ただし、 k:定数 n:ガス吹込み管の数 D:浸漬管内径 ( m ) Qg:環流ガス流量 (Nm3/min) h:ガス吹き込み管の開口部から真空槽内湯面までの距
離 ( m ) である。
【0006】(1)式から、溶鋼の環流量を増大させるに
は浸漬管の内径(D)を大きくするのが最も効果的であ
ることがわかる。しかし、浸漬管内径の拡大により溶鋼
環流量が増大することは確認されているが、同時に浸漬
管内壁の耐火物の溶損が速くなるという問題が生じる。
この耐火物溶損の増加は以下の原因による。即ち、浸漬
管内の溶鋼の流れは十分に発達したポアズイユ流ではな
く、台形状の速度形状を持つ助走流である。この助走流
では、浸漬管内径の増加に伴い、内壁近傍の速度が増大
する。すなわち、速度勾配が大きくなる特性を持つ。速
度勾配の増加は、浸漬管内壁の耐火物表面に働く剪断力
を増大させ耐火物の溶損を促す。従って、浸漬管の内径
(D)の拡大は、浸漬管内面の耐火物溶損をできるだけ
少なくして装置の寿命を延長したいという要望に反する
ことになる。
【0007】ガス吹き込み管の数(n)の増加、および
ガス吹き込み管の開口部から真空槽内湯面までの距離
(h)の増加によっても溶鋼環流量は増大するが、それ
らの寄与は (1)式からわかるように、0.25乗および 0.5
乗と小さいのであまり大きな効果は期待できない。ま
た、このような対策は真空処理装置の大きな改造を伴い
設備費の増大を招く。更に、溶鋼環流量の増大に対する
環流ガス流量(Qg)の寄与は (1)式からわかるよう
に、これも 0.2乗と小さい。しかも、環流ガス流量をあ
る臨界値以上に増大させると逆に溶鋼環流量を減少させ
ることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】RHにおける溶鋼処理
速度を増大させるためには、溶鋼環流量を増大させるこ
とが必須である。しかし、前記(1) 式から想到できるよ
うな対策は、耐火物の溶損を大きくするといった弊害を
伴い、あるいは効果が不十分で、いずれも実用的ではな
い。
【0009】本発明は、前述のような弊害を伴わずに溶
鋼環流量を増大させることができる実用的な技術を開発
することを課題としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、『上昇
管の溶鋼環流用ガス吹き込み管が、上昇管の内部に向か
って斜め上向きに配置されていることを特徴とするRH
真空処理装置』にある。上記のガス吹き込み管の傾斜角
度は、水平面に対して20°から〜50°までの範囲とする
のが望ましい。
【0011】本発明は、前記(1) 式に関与する因子にと
らわれることなく、環流ガスを効果的に吹き込むことに
よって溶鋼の環流量を増大させようという発想でなされ
たものである。即ち、RH真空処理の上昇管に、環流ガ
スを内部に向かって斜め上方に吹き込めば、ガスに溶鋼
の環流速度と同方向の速度成分を付与することができ、
単位時間当たりの溶鋼環流量を増大させることができる
のである。
【0012】図1は本発明の真空処理装置の縦断面図、
図2はその要部拡大断面図である。
【0013】図示のとおり、この装置では、上昇管2aの
ガス吹き込み管4は、内部に向かって斜め上方向に設け
られている。このガス吹き込み管と水平面 (溶鋼環流方
向に垂直な面) との角度(θ)は、わずかであっても効
果はあるが、後述する実施例に示すように20°〜50°に
設定するのがよい。
【0014】なお、本発明は、前記(1) 式の諸因子、即
ち、ガス吹込み管の数、浸漬管内径、環流ガス流量、お
よびガス吹き込み管の開口部から真空槽内湯面までの距
離の中の一つ以上を増加させるという対策と併用しても
よい。
【0015】
【作用】通常、RH真空処理装置の上昇管に吹き込まれ
る環流ガスは、浸漬管内壁に対して垂直方向に吹き込ま
れているため、溶鋼流に対しても垂直方向に吹込まれて
いることになる。従って、このガス気泡の上昇速度が溶
綱の環流(上昇)速度と同等以上になるまではガス気泡
が溶鋼の環流(上昇)をむしろ阻害することになる。
【0016】本発明の装置では、上昇管に環流ガスを斜
め上向きに吹き込むことができるので、環流ガスに溶鋼
流と同方向の速度を付与して溶鋼の環流を促進すること
ができる。この場合、環流ガス吹き込み角度(θ)が余
りに小さいと溶鋼の環流を促進する効果が小さい。一
方、θが大きすぎると上昇管中心部まで環流ガスの気泡
が到達し難く、上昇管の内壁近くの溶鋼の上昇だけが促
進され、上昇管中心付近の溶鋼の環流は促進されない。
【0017】環流ガスを斜め上向きに吹き込むことによ
り、ガス吹き込み管の上昇管内の開口部付近で、上昇管
の水平断面に占めるガス気泡領域の投影面積が小さくな
る。
【0018】従って、溶鋼の環流する有効断面積が大き
くなり、溶鋼の環流促進に一層有利になる。
【0019】
【実施例】図1および図2に示すRH真空処理装置にお
いて、図2の角度θを0〜60°の範囲で変化させて必要
処理時間の比較を行った。用いた溶鋼は炭素鋼であり、
諸条件は以下に示すとおりである。
【0020】溶鋼量 : 250 トン/チャージ 初期〔C〕 : 約 300ppm 溶鋼温度 : 1590℃〜1630℃ 必要処理時間: 溶鋼中〔C〕が 15ppm以下になるまで
の時間 試験結果を表1に示す。比較例の No.1および No.2
は、θ=0で従来のように吹き込み管を水平に取り付け
たものである。その No.2では環流ガス流量を増加させ
ている。
【0021】
【表1】
【0022】比較例の No.1では溶鋼中の〔C〕値を 1
5ppm以下にするのに要した処理時間は20分であった。環
流ガス流量Qgを No.1の 2.0 Nm3/minから No.2のよ
うに2.6Nm3/minに増加してみても必要処理時間は1分だ
け短縮されたにすぎない。高価なArガスの使用量が増
え、真空槽内の真空度も悪化するから、この環流ガス流
量を増す方法は実用的でない。
【0023】No.3〜8は本発明の実施例である。θが1
0°と小さい No.3では、溶鋼の環流促進が十分でな
く、処理時間の短縮効果は小さいが、比較例の No.2の
ように還流ガス流量を増加させるのと同じ程度の効果は
ある。
【0024】環流ガス吹込み角度が20°〜50°の No.4
〜7では、溶鋼の環流が促進され、処理時間も16〜17分
に短縮することができている。なお、実施例 No.4にお
いて、環流ガス吹込み方向を浸漬管横断面の中心方向か
ら約20°程度斜めに設定して、溶鋼に旋回を与えたとこ
ろ処理時間が約16分に短縮できることもわかった。
【0025】更に角度θを60°と大きくした No.8にな
ると、逆に処理時間は19分と長くなっている。これはθ
が大きくなることにより環流ガスの気泡の水平到達距離
(上昇管の中心部方向に影響が及ぶ距離) が短くなり、
上昇管中心付近で溶鋼流の環流速度の小さい領域が増加
したためと考えられる。
【0026】以上の結果から、RH真空処理装置におけ
る溶鋼環流量は、環流ガスを斜め上方に吹き込むことに
より増大できることが確認できた。また、その環流ガス
吹き込みの角度を20°〜50°に設定すれば、一層、効果
が大きいことも明らかになった。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、上昇管の還流ガス吹き
込み管の取り付け角度を変更するという簡単な対策だけ
で、環流ガス量の増大や浸漬管内径の拡大等をしなくて
も溶鋼環流量を増大させることができる。本発明装置を
使用すれば溶鋼の真空処理時間を短縮することができる
から、作業能率が向上し、溶鋼温度低下が小さくなる等
の大きな利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す概略断面図である。
【図2】 図1の要部の拡大断面図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上昇管の溶鋼環流用ガス吹き込み管が、
    上昇管の内部に向かって斜め上向きに配置されているこ
    とを特徴とするRH真空処理装置。
  2. 【請求項2】上昇管の水平面に対する傾斜角度が20°か
    ら50°までの範囲である請求項1のRH真空処理装置。
JP2353191A 1991-02-18 1991-02-18 鋼の真空処理装置 Pending JPH051319A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2353191A JPH051319A (ja) 1991-02-18 1991-02-18 鋼の真空処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2353191A JPH051319A (ja) 1991-02-18 1991-02-18 鋼の真空処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH051319A true JPH051319A (ja) 1993-01-08

Family

ID=12113040

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JP2353191A Pending JPH051319A (ja) 1991-02-18 1991-02-18 鋼の真空処理装置

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JP (1) JPH051319A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002363636A (ja) * 2001-06-13 2002-12-18 Nkk Corp Rh真空脱ガス装置における溶鋼の精錬方法
JP2015096639A (ja) * 2013-11-15 2015-05-21 新日鐵住金株式会社 溶鋼の精錬方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002363636A (ja) * 2001-06-13 2002-12-18 Nkk Corp Rh真空脱ガス装置における溶鋼の精錬方法
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