JPH05124867A - 窒化ケイ素系焼結体 - Google Patents

窒化ケイ素系焼結体

Info

Publication number
JPH05124867A
JPH05124867A JP3287916A JP28791691A JPH05124867A JP H05124867 A JPH05124867 A JP H05124867A JP 3287916 A JP3287916 A JP 3287916A JP 28791691 A JP28791691 A JP 28791691A JP H05124867 A JPH05124867 A JP H05124867A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon nitride
sintered body
sialon
strength
based sintered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3287916A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehisa Yamamoto
剛久 山本
Takao Nishioka
隆夫 西岡
Kenji Matsunuma
健二 松沼
Akira Yamakawa
晃 山川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP3287916A priority Critical patent/JPH05124867A/ja
Publication of JPH05124867A publication Critical patent/JPH05124867A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に常温において優れた機械的強度を有し、
生産性、コスト面において優れた窒化ケイ素系焼結体を
提供することを目的とする。 【構成】 α−窒化ケイ素とβ´−サイアロンからなる
窒化ケイ素焼結体であって、α−窒化ケイ素の平均結晶
粒径が0.5μm以下、β´−サイアロンの長軸、短軸
方向の平均結晶粒径がそれぞれ2.0〜5.0μm、
0.5μm以下であることを特徴とし、結晶相のX線回
折によるピーク強度比が20%≦α−窒化ケイ素≦50
%、50%≦β’−サイアロン≦80%であるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はとくに常温において優れ
た機械的強度を有し、生産性、コスト面において優れた
窒化ケイ素系焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、窒化ケイ素系材料の強度向上を目
的として、焼結方法、焼結助剤、含有結晶相の限定など
様々な研究開発が行われてきた。たとえば、焼結法に関
しては、ホットプレス焼結法では、Am.Ceram.
Soc.Bull.,52(1973)pp560で〜
100kg/mm2(曲げ強度)が実現されており、ま
たガラスカプセルによる熱間静水圧プレス法(HIP
法)等も開発されている。こうした手法では焼結体の強
度特性の面では優れた特性が得られているものの、生産
性、コストの面で優れた手法とは言えない。一方、こう
した問題に対して、ガス圧焼結法(例えば、三友、粉体
と工業、12巻、12号、pp27、1989)がある
が、本方法では最終の焼結体の緻密化をβ−窒化ケイ素
結晶の粒成長に伴うため、粗大結晶粒の析出による強度
劣化をまねく可能性が高いことに加え、一般には、10
気圧以上のN2ガス圧をかけ焼結を実施するため、ホッ
トプレス法やHIP法と同様に焼結設備が大型となり、
特性面、生産面で十分優れた手法とは言えない。他方、
焼結助剤に関しては、主たる助剤としてY23を用いた
Si34−Al23−Y23系の窒化ケイ素系焼結体が
特公昭49−21091号、特公昭48−38448号
に開示されている。これらは、該特許明細書中に示され
ているように、β型窒化ケイ素の結晶粒が焼結体中で繊
維状組織を形成し、これがマトリックス中に分散するこ
とから強度、靭性を向上しうるものと考えられている。
すなわちこれは、β型窒化ケイ素の結晶形が六方晶であ
りC軸方向に結晶が異方性成長をすることを積極的に利
用したものであり、とくに特公昭48−38448号や
窯業協会誌、94巻、pp96、1986に示されるよ
うに、繊維状のβ−窒化ケイ素結晶粒がC軸方向に10
数μm以上に成長している場合がある。しかしながら、
本技術においては、やはりこの粒成長が異常成長や気孔
の発生をまねき、強度劣化をまねく可能性があり、また
本方法での焼結助剤だけを用いた焼結体では、焼結温度
を1700〜1900℃に上昇させなければ、緻密化が
十分図れず、大気圧付近のN2ガス圧焼結では、窒化ケ
イ素の昇華分解が生じ、安定した焼結体を得られない場
合がある。このため同じく、焼結体特性と生産性両面で
十分優れているとは言えない。一方、以上で述べてきた
手法では、いずれも得られる焼結体の強度が、例えばJ
IS−R1601に準拠した3点曲げ強度でせいぜい1
00kg/mm2前後であり、様々な窒化ケイ素系材料
の応用を考えた場合、必ずしも十分な特性が得られてい
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】こうした従来技術にお
ける生産性と焼結体の機械的特性の両立を満足させる手
法を提供するのが本発明の課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、α−窒化ケイ
素とβ´−サイアロンからなり、α−窒化ケイ素の平均
結晶粒径が0.5μm以下、β´−サイアロンの長軸、
短軸方向の平均結晶粒径がそれぞれ2.0〜5.0μ
m、0.5μm以下であることを特徴とする窒化ケイ素
焼結体が、JISR−1601に準拠した3点曲げ強度
が容易に130kg/mm2以上の特性を有する知見を
得たものである。本発明の焼結体が優れた強度特性を得
る効果は、微粒で等軸晶のα−窒化ケイ素と微粒で柱状
化したβ´−サイアロンの両方の結晶相を複合させるこ
とにより、従来の柱状化したβ´−サイアロン(β−窒
化ケイ素を含む)結晶相のみで構成された焼結体に比較
し、ヤング率、硬度が向上する。これは材料の変形抵抗
を示す物性値でありセラミック材料のような脆性材料で
は、この値を向上させることが広義では材料の強度向上
につながるためである。さらに脆性材料の破壊の基本概
念であるGriffithの理論に従えば、焼結体の破
壊強度σfは次式で与えられる。
【0005】σf=E・γs/4a、E;ヤング率、γ
s;破壊の表面エネルギー、a;先在亀裂長さ ここでγsは粒界相の組成と厚みに依存すると考えられ
るため、とくに厚みの点で結晶粒の存在密度を向上させ
る結晶粒の微粒化と結晶相の複合化は有利である。また
本式に従えば、破壊強度を向上させるためにはEの増大
とaの減少が重要である。aの値は工程上不可避な欠陥
寸法を排除すれば、結晶粒径に依存するため、微細結晶
粒で充填性を向上させた本発明はE、γsの点で強度向
上に有効である。
【0006】こうしたα型窒化珪素と柱状化したβ型窒
化珪素の両方の結晶相を複合させる考え方は、例えば特
開昭61−91065号や特開平2−44066号に開
示されているが、いずれもα´−サイアロン(一般式M
X(Si,Al)12(O,N)16、M:Mg,Ca,L
i及び希土類元素)とβ´−サイアロン(β型窒化ケイ
素を含む)との結晶相の組合せであり、組成的にはSi
34−AlN−MO(M;MgO、Y23、CaO等)
の3成分系が主であり、その範囲もAlNとMOの添加
比がモル%で1:9の限定された範囲で、α´−サイア
ロンとβ´−サイアロン(β−窒化ケイ素を含む)の複
合した結晶相を生成させることにより強度等の機械的特
性の向上を示したものであり、またその実施例でも明ら
かなように各焼結体の強度特性が曲げ強度で100kg
/mm2を安定して越える焼結体製法はいずれもホット
プレス法によるものであり、工業的に安定して高い強度
特性を得るまでに至っていない。また、これらの焼結体
はα´−サイアロンとβ´−サイアロン(β−窒化ケイ
素を含む)の間の熱膨張係数の差が大きく、これが原因
となり焼結体中に引張の残留応力を発生させ、強度劣化
を招く可能性がある。本発明はこうした条件の限定がな
く工業的に安定して高強度な焼結体を提供することにあ
る。
【0007】本発明の焼結体を得るためには、焼結助剤
は窒化珪素表面に存在するSiO2とできるだけ低温で
液相を生成する助剤、例えばMgO、CeO2、Ca
O、La23を用い焼結温度を1650℃以下で焼結す
ることが望ましい。この低温焼結のため異常粒成長に伴
う焼結体の特性劣化を阻止できる。さらには、窒化ケイ
素は大気圧のN2雰囲気下では1700℃以上の温度域
で昇華分解するため、加圧N2雰囲気下で焼結する必要
があり、設備面でバッチ式焼結炉を用いていた。しか
し、この様な低温での焼結が可能となると焼結方法はプ
ッシャー式あるいはベルト式等の開放型連続焼結炉によ
り、同時に生産性の優れた焼結が可能となる。この詳細
な説明を加えると、一般に強度特性に優れた窒化ケイ素
系材料の焼結法としては、いわゆるバッチ式焼結炉によ
るガス圧焼結が主であるが、この方式では炉内の温度分
布のばらつきやロット間の条件ばらつき等が必ず生じる
ために、量産部品等の用途のセラミック材料を安定して
供給する製法としては十分とは言えない。この点からも
本発明はその生産性を同時に向上させた点で工業的に重
要である。
【0008】さらに本発明の効果を顕著にするために
は、焼結体中のα−窒化ケイ素とβ’−サイアロンの結
晶粒の平均粒径が重要となる。すなわち、α−窒化ケイ
素の平均粒径が0.5μm以下、およびβ’−サイアロ
ンの長軸の平均粒径が2.0〜5.0μm、短軸の平均
粒径が0.5μm以下であることが必要である。α−窒
化ケイ素の平均結晶粒径が0.5μmを越えると結晶相
が複合したさい結晶粒の充填密度が低下するため、強度
に及ぼすα−窒化ケイ素結晶相の効果が十分期待できな
い。一方、β’−サイアロンの長軸の平均結晶粒径が
2.0μm未満であるとやはり、柱状のβ’−サイアロ
ン結晶粒が分散することによる強化効果が十分期待でき
ず、強度の劣化につながる。また、5.0μmを越える
と、逆に粗大粒としてこのβ’−サイアロン結晶粒が作
用しやはり強度の劣化につながるとともに結晶粒の充填
密度を低下させるため、やはり強度の劣化につながる。
さらに短軸径については、0.5μmを越えるとやは
り、柱状のβ’−サイアロン結晶粒が分散することによ
る強化効果が十分期待できず、強度の劣化につながる。
また本発明の効果を十分向上させるためには、α−窒化
ケイ素とβ´−サイアロンの結晶相の析出比がX線回析
によるピーク強度比で、20%≦α−窒化ケイ素≦50
%、50%≦β´−窒化ケイ素≦80%であることが好
ましい。このα−窒化ケイ素の析出比が50%を越えて
高α−Si34側へずれるとβ´−サイアロン柱状晶組
織の効果が減少し、結晶相の複合化の効果が十分現れ
ず、20%より少ないとβ’−サイアロンの結晶粒子間
を充填する結晶粒の密度低下と、β’−サイアロンの粒
成長が起り、強度向上の効果が十分ではない。
【0009】また、この組成範囲で焼結体中のβ´−サ
イアロン(一般式 Si6-ZAlZZ8-Z)のZ値を0
<Z<1.0の範囲にして粒界相を制御すると高強度が
安定する。
【0010】
【実施例】平均粒径0.5μm、α結晶化率96%、酸
素量1.4重量%の窒化ケイ素原料粉末および、平均粒
径0.8μm、0.4μm、0.5μm、0.2μmの
23、Al23、AlN、MgOの各粉末をエタノー
ル中、100時間、ナイロン製ボールミルにて湿式混合
したのち、乾燥して得られた混合粉末を3000kg/
cm2でCIP成形し、この成形体をN2ガス1気圧中で
〜1650℃で5〜10時間1次焼結した。得られた焼
結体を〜1650℃、1000気圧N2ガス雰囲気中で
1時間、2次焼結した。この焼結体よりJISR160
1に準拠した3mm×4mm×40mm相当の抗折試験
片を切り出し、#800ダイアモンド砥石により研削加
工仕上げした後、引張面については#3000のダイア
モンドペーストによりラッピング仕上げ加工した後、J
ISR1601に準拠して3点曲げ強度を15本ずつ実
施した。表1中には平均結晶粒径、結晶相の比率、及び
曲げ強度を示した。
【0011】尚、結晶相の比率に関しては図1、図2に
示すX線回折法により求めた各結晶相のピーク高さ比よ
り算出した。
【0012】
【表1】
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、特に常温において優れ
た機械的強度を有し、しかも、生産性とコスト面におい
て優れた窒化ケイ素系焼結体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例9における焼結体のX線回折図である。
【図2】比較例No.13における焼結体のX線回折図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 晃 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−窒化ケイ素とβ´−サイアロンから
    なる窒化ケイ素焼結体であって、α−窒化ケイ素の平均
    結晶粒径が0.5μm以下、β´−サイアロンの長軸、
    短軸方向の平均結晶粒径がそれぞれ2.0μm〜5.0
    μmおよび0.5μm以下であることを特徴とする窒化
    ケイ素系焼結体。
  2. 【請求項2】 焼結体中のα−窒化ケイ素とβ´−サイ
    アロンの結晶相はX線回折によるピーク強度比が20%
    ≦α−窒化ケイ素≦50%、50%≦β´−サイアロン
    ≦80%である請求項1記載の窒化ケイ素系焼結体。
  3. 【請求項3】 焼結体中のβ´−サイアロン(一般式
    Si6-ZAlZZ8-Z)は0<Z<1.0の範囲にある
    請求項1記載の窒化ケイ素系焼結体。
  4. 【請求項4】 焼結体中のα−窒化ケイ素は実質的にJ
    CPDS(09−0250)のα−窒化ケイ素と同定さ
    れることを特徴とする請求項1記載の窒化ケイ素焼結
    体。
JP3287916A 1991-11-01 1991-11-01 窒化ケイ素系焼結体 Pending JPH05124867A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3287916A JPH05124867A (ja) 1991-11-01 1991-11-01 窒化ケイ素系焼結体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3287916A JPH05124867A (ja) 1991-11-01 1991-11-01 窒化ケイ素系焼結体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05124867A true JPH05124867A (ja) 1993-05-21

Family

ID=17723393

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3287916A Pending JPH05124867A (ja) 1991-11-01 1991-11-01 窒化ケイ素系焼結体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05124867A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018056210A1 (ja) * 2016-09-20 2018-09-20 日本碍子株式会社 複合基板,その製法及び電子デバイス

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018056210A1 (ja) * 2016-09-20 2018-09-20 日本碍子株式会社 複合基板,その製法及び電子デバイス
US10998881B2 (en) 2016-09-20 2021-05-04 Ngk Insulators, Ltd. Composite substrate, method for producing the same, and electronic device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06100370A (ja) 窒化ケイ素系焼結体及びその製造方法
EP0552381A1 (en) Composite silicon nitride sinter and production thereof
US5275772A (en) Silicon nitride sintered body and process for producing the same
US5759933A (en) Gas pressure sintered silicon nitride having high strength and stress rupture resistance
JPH05148026A (ja) 窒化ケイ素系焼結体
JPH09268069A (ja) 高熱伝導性材料およびその製造方法
JPH05124867A (ja) 窒化ケイ素系焼結体
JP2539968B2 (ja) 窒化ケイ素系焼結体
US5637540A (en) Sintered silicon nitride of high toughness, strength and reliability
JP3034100B2 (ja) 窒化珪素質焼結体およびその製造方法
JPH05105522A (ja) 窒化ケイ素系焼結体
JP2597774B2 (ja) 窒化ケイ素系焼結体およびその製造方法
JP2539961B2 (ja) 窒化ケイ素系焼結体及びその製造法
JPH05170541A (ja) 窒化ケイ素系焼結体
JP3124863B2 (ja) 窒化珪素質焼結体及びその製法
JPH09165264A (ja) 窒化珪素質焼結体およびその製造方法
JP3143992B2 (ja) 窒化ケイ素系焼結体
JPH05155663A (ja) 窒化ケイ素系焼結体
JPH0558739A (ja) 窒化ケイ素系焼結体およびその製造法
JPH05208869A (ja) 窒化ケイ素系切削工具
JP3034099B2 (ja) 窒化珪素質焼結体およびその製造方法
JPH06305840A (ja) 窒化珪素質焼結体及びその製造方法
JP3124862B2 (ja) 窒化珪素質焼結体の製造方法
JPH1059773A (ja) 窒化珪素焼結体及びその製造方法
JPH05148028A (ja) 窒化ケイ素系焼結体の製造法