JPH0511333Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 副燃焼室の付随した内燃機関では、苛酷な機関
運転条件等によつて副燃焼室口金部は、熱変化や
応力変化により変形を生じ、シール性能を低下す
る原因となる。

本考案は副燃焼室口金の変形によるガス漏れを
防止するため、該口金に対応する部分にビードを
並設した金属積層形ガスケツトに関するものであ
る。

従来の技術 シリンダヘツドガスケツトの構造で、副燃焼室
口金部に対応する方策として、特開昭59−90745
号公報所載のように、口金部において口金外側方
向に波紋状にビードを設けたものがある。

考案が解決しようとする問題点 口金下面は前記の通り機関の運転条件や運転時
間の経過に伴つてへこんでシリンダヘツド下面と
の関係で段差を生じる傾向にあるが、このへこみ
は機関の種類にもよるが、概し、口金の円形下面
の中央部が深くへこみ、外側方向に漸次浅くへこ
む傾向にある（副燃焼室が特殊な構造であり、こ
れを包含する燃焼室が大きな熱変動や圧力変動の
ため）。

従つて、前記従来のものはビードがないものと
較べればそれなりの機能を備えているが、浅くへ
こんだところに対する段差の吸収に較べ、深くへ
こんだところに対する段差の吸収が欠けるのでガ
ス漏れを防ぐには必ずしも万全とはいえない。

問題点を解決するための手段 互いに独立したビードをシリンダー穴の端縁か
ら離れる方向に並べて設け、各ビードの両端は、
前記口金の外端部近傍に位置させ、しかも、口金
の外端に沿うように設けた欠円ビードに接続して
構成するのである。

実施例 図面は本考案に係る金属積層形ガスケツトの実
施例を示し、第１図において、１１はシリンダブ
ロツク、１２はシリンダヘツド、１３はシリンダ
ヘツド１２に嵌合した副燃焼室口金、Ａはシリン
ダブロツク１１とシリンダヘツド１２の間に介在
させたガスケツトである。

ガスケツトＡは上板１と下板２の間に、中板１
０，１０ａ，１０ｂを介在させ、上板１をシリン
ダ穴３周りにおいて下板２側に折り返して縁どり
部４と成し、該縁どり部４の内部に中板１０，１
０ａ，１０ｂの端部１０′よりシリンダ穴３側に
芯金（ワイヤリング）５を配して構成したもので
ある。

第１図および第２図における図示６はガスケツ
トＡの上側の中板１０に設けた口金受部で、受部
６は前記口金１３に対応する中板部に設けたもの
で、第２図で示すようにシリンダ穴３の端縁３′
から離れる方向に互いに独立したビード７ａ，７
ｂ，７ｃ，７ｄ，７ｅ，７ｆを並行した円弧状に
設け、各ビードの両端を、前記口金１３の外端部
近傍に位置させ、しかも、口金の外端に沿うよう
に設けた欠円ビード７に接続して構成するのであ
る。

第３図は第二実施例を示し、この第二実施例の
ものは互いに並べたビードの数を違えると共に、
第一実施例の欠円ビード７の片側または両側に第
二、第三の欠円ビード７′，７″を設け、該第二、
第三の欠円ビード７′，７″をシリンダ穴３に最も
近接するビード７ａに接続して構成するのであ
る。

第４図は第三実施例を示し、この第三実施例の
ものは第一実施例のシリンダ穴端縁３′寄りに位
置するビード７ａの外側に、第一実施例の円弧状
の各ビード７ｂないし７ｅに代えて直線状のビー
ド７b′ないし７f′を互いに並行させて設けたもの
である。

この実施例は、前記第一実施例のような円弧状
のビードと比較してシール効果は大きい。その理
由は、前記該実施例において第一ビードでガス漏
れが防止できない場合は、第二ビードに沿つて円
弧状に滲透していくために、ガス漏れ範囲は比較
的大きい。

これに対して第三実施例では、その構造があた
かも堰を構築するような構造であるから、ガス漏
れを直線的に防止することができるからである。

第５図は第四実施例を示し、この第四実施例の
ものは口金外端の両側に設けた欠円ビード７の外
側に第二欠円ビード７′を設けて前記ビード７ａ
に接続させ、第二欠円ビード７′の端部側の外側
に短い直線ビード８の一端を接続し、直線ビード
８の他の一端は前記ビード７ａに接続したもので
ある。

なお、前記実施例の口金に設けたビードにおい
て、該ビードがシリンダ穴の外周に沿つて遠くな
るにつれて、ビードの高さを漸次低くする構成に
するものである。

これによつて口金ビードの高低差が、口金の変
形に追従するのでシール効果を向上することがで
きるのである。

考案の効果 本考案は前記のような構成であるから、内燃機
関の高負荷運転によつて生ずる副燃焼室口金の変
形に起因するシール性能の悪化を防止できる。す
なわち、口金部にビードを持たないガスケツトで
は、口金の変形に伴つてシリンダヘツドに嵌合さ
れた口金部とガスケツトとのシール面圧は低下
し、ガス漏れの危険性を誘引するのであるが、本
考案によればガスケツトに内在するビードの構造
は、口金に沿つて並行した互いに独立したビード
が、口金の外端に沿うように設けた欠円ビードと
接続して構成されているために、ビードの復元力
が一層強化され、シール面圧の低下を防止するこ
とができる。

また、前記の通り、口金は円形下面の中央部が
深くへこみ、該中央部からガス漏れが誘発される
が、本考案によれば各ビード間にいわば独立した
部屋が形成されることとなり、段階的なガスシー
ルを行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る金属積層形ガスケツトの実
施例を示し、第１図は使用状態を示す断面図、第
２図は略示平面図、第３図は第二実施例の略示平
面図、第４図は第三実施例の略示平面図、第５図
は第四実施例の略示平面図である。 ３……シリンダ穴、７ａないし７ｆ……ビー
ド、７b′ないし７f′……ビード、７ないし７″……
欠円ビード、１３……副燃焼室口金。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 副燃焼室付内燃機関の副燃焼室口金に対応す
   る部分にビードを並設した金属積層形ガスケツ
   トにおいて、互いに独立したビードをシリンダ
   ー穴の端縁から離れる方向に並べて設け、各ビ
   ードの両端は、前記口金の外端部近傍に位置さ
   せ、しかも、口金の外端に沿うように設けた欠
   円ビードに接続した構造の金属積層形ガスケツ
   ト。 ２ 欠円ビードの外周に沿つて更に数条の欠円ビ
   ードを並設し、その両端がシリンダ穴の直近に
   位置するビードに接続された構造の実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載の金属積層形ガスケ
   ツト。 ３ 各ビードをシリンダ穴端縁の直近ビードから
   離れる方向に、漸次高低差を設けた構造の実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の金属積層形ガ
   スケツト。