JPH05107794A - 半導電性転写ローラ及びその製造方法 - Google Patents

半導電性転写ローラ及びその製造方法

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JPH05107794A
JPH05107794A JP29375591A JP29375591A JPH05107794A JP H05107794 A JPH05107794 A JP H05107794A JP 29375591 A JP29375591 A JP 29375591A JP 29375591 A JP29375591 A JP 29375591A JP H05107794 A JPH05107794 A JP H05107794A
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layer
semiconductive
resin layer
transfer roller
conductive
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Application number
JP29375591A
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English (en)
Inventor
Kakushi Maruyama
覚志 丸山
Kenji Tateishi
健二 立石
Toshiaki Shimizu
利明 清水
Kazuo Kondo
和夫 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okura Industrial Co Ltd
Original Assignee
Okura Industrial Co Ltd
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 静電容量が大きく、転写効率がよく、均一な
体積抵抗を示し、リーク電流の発生がない等の優れた性
質を有し、電子写真式複写機、レーザープリンター、フ
ァクシミリ等の静電記録装置の軽量化、高速化に好適な
半導電性転写ローラ、及びその製造方法を提供する。 【構成】 静電記録装置に用いる転写ローラにおいて、
回転軸の外周に、体積固有抵抗が107Ωcm以下の導
電性弾性体層(A)、体積固有抵抗が105Ωcm以
下、融点が100℃以下の導電性樹脂層(B)、及び体
積固有抵抗が108〜1012Ωcm、厚み50μ以上、
かつポリ弗化ビニリデン樹脂15〜70wt%、弗素ゴ
ム30〜85wt%、制電性物質3〜15wt%から成
る混合物で構成された半導電性樹脂層(C)を順次積層
したことを特徴とする半導電性転写ローラ。及び前記
(A)層が被覆された回転軸に、内層が(B)層であ
り、外層が(C)層である円筒状チューブを外嵌し、1
50℃以下の温度に加熱することを特徴とする前記半導
電性転写ローラの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真式複写機、レー
ザープリンター、ファクシミリ等の静電記録装置の軽量
化、高速化に好適な半導電性転写ローラ及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真式複写機、レーザープリンタ
ー、ファクシミリ等の静電記録装置は通常帯電させた感
光体表面に光その他の手段で静電潜像を形成し、その静
電潜像に付着したトナー画像を記録紙に静電力を用いて
転写、定着させる機構を取っている。静電転写法にはコ
ロナ転写法、ベルト転写法、ローラ転写法等があるが、
そのなかでも最も良く利用されているコロナ転写法はト
ナー画像上に記録紙を重ね、その裏側よりトナー電荷と
逆極性の電荷をコロナ帯電器で与え、転写を行うもので
ある。この方法は、記録紙とコロナ帯電器が非接触であ
ることから記録紙の搬送が容易であるという利点がある
が、有害なオゾンが発生すること、感光体と記録紙との
密着性が悪くなると、時に斑点状の白抜けが発生すると
いう欠点があった。又、高湿度時などに記録紙の電気抵
抗が108Ωcm未満になると記録紙上の電荷がアース
側にリークして転写不良になったり、逆に記録紙の電気
抵抗が1013Ωcm以上になると記録紙の分離時にトナ
ーの飛散が起こり易いという問題点があった。
【0003】ベルト転写法としては導電ベルト転写法と
誘電ベルト転写法がある。そのうちの誘電ベルト転写法
は、エンドレスの誘電体フィルムの裏面を導電処理した
ベルトを用い、この誘電体フィルムの表面をコロナ帯電
器などで帯電させ、この帯電電荷で記録紙を静電吸着さ
せ、転写領域に記録紙を搬送し、転写領域ではこの帯電
電荷でトナーを記録紙に移動させ転写を行う方法であ
る。この方法は簡単な構成で転写と紙搬送が可能である
などの利点を有しているが、装置を小型化するには限界
があるなどの問題があった。
【0004】ローラ転写法はローラで直接記録紙と感光
体を押しながら転写するので、記録紙と感光体表面との
密着がよくコロナ転写法に比べて質のよい転写像が得ら
れること、高速転写が可能であること、又、コロナ転写
法に比べて高湿度下における記録紙の電気抵抗の低下に
よる影響が少ない等の特徴を有している。ローラ転写法
のなかでも導電ゴム等を用いた導電ローラは装置構成が
簡単なことから一般に用いられている。しかしながら、
この場合表面が平滑な導電ローラが得にくいこと、感光
体と導電ローラとの間で短絡しやすいこと等の問題があ
った。一方、導電ゴム上に誘電体層を設けた転写ローラ
は感光体と転写ローラとの間の短絡防止に有効であるば
かりでなく、合成樹脂からなる誘電体層は表面の平滑性
もゴムを用いた場合よりも優れているといった利点があ
り、特に導電ゴム上に体積固有抵抗が108〜1012Ω
cmの範囲の半導電性層を設けた半導電性の転写ローラ
は上記利点に加えて、充電時間が短くてすみ転写後の除
電の必要もないという優れた性能を有している。
【0005】しかしながら、このような優れた性能を有
する半導電性の転写ローラにおいても工業的に利用する
ためには種々の問題点があった。すなわち、半導電層に
帯電したトナーと逆極性の電荷を与え、この電荷により
記録紙とトナー層間に電界を発生させ帯電したトナーを
感光体表面から記録紙上へ転写させるのであるが、印加
電圧を高くするか、半導電性層の静電容量を大きくして
この電界を増加させるほど転写効率は上昇して良好な転
写像が得られるとされている。ところが、印加電圧を余
り高くすると放電を起こしてしまうという問題が生じ
る。又、半導電性層の静電容量を大きくするには、半導
電性層の厚みを薄くすること、半導電性層に誘電率の高
い樹脂を用いること等の方法があるが、厚みの薄いしか
も均一な厚みを有する半導電性の合成樹脂フィルムを形
成することは困難であるばかりでなく、厚みを余り薄く
しすぎると逆に電荷がアース側にリークするという問題
があった。
【0006】ポリ弗化ビニリデン樹脂は誘電率の高い樹
脂として知られている。このポリ弗化ビニリデン樹脂に
導電性材料を混合して円筒状のフィルムを形成し半導電
性ローラの半導電性層として用いた場合、ポリ弗化ビニ
リデン樹脂の硬度が高いため得られたローラの表面硬度
が高くなりすぎて良好な転写像が得られないという問題
があった。又、半導電性を付与するために通常の導電性
材料を用いた場合、添加量の増加にともなう体積固有抵
抗の低下が極めて大きく、体積固有抵抗値を目的値に微
妙に調節することは困難であった。更に、このような導
電性材料はポリ弗化ビニリデン樹脂中に均一に混合しに
くいので部位によっては体積固有抵抗が低いところがで
きその部分と感光体との間で短絡する場合もあった。
【0007】したがって、半導電性ローラを用いた転写
を実用的に利用するにあたっては、静電容量が150p
F/cm2を超えるような均一な厚みを有する半導電性
の合成樹脂フィルム、特に内径も均一である円筒状の半
導電性のフィルムが提供されること、更に、該半導電性
のフィルムの体積固有抵抗値にばらつきがなく、しかも
正確にコントロールできること、転写圧力を均一に保ち
良好な転写像を得るために転写ローラは適度な弾力性と
表面硬度を有すること、及び転写ローラの表面に付着し
たトナーのクリーニング性がよいこと等が解決されるこ
とが要望されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決して良好な転写像を与える電子写真式複写機、レー
ザープリンター、ファクシミリ等の静電記録装置の軽量
化、高速化に好適な、優れた性質を有する半導電性転写
ローラ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、感光体
上の静電潜像に付着したトナー像を、静電力により記録
紙に転写させるための転写ローラにおいて、該転写ロー
ラが回転軸の外周に体積固有抵抗が107Ωcm以下で
ある導電性弾性体層(A)、体積固有抵抗が105Ωc
m以下で、融点が100℃以下の導電性樹脂層(B)、
及び体積固有抵抗が108〜1012Ωcmの範囲の半導
電性の樹脂層(C)の順に積層してなり、該半導電性の
樹脂層(C)が50μ以上、100μ以下の厚みを有
し、ポリ弗化ビニリデン樹脂15〜67wt%、弗化ゴ
ム30〜82wt%及び制電性物質3〜15wt%の混
合物からなることを特徴とする半導電性転写ローラが提
供され、また、前記制電性物質がポリエーテルエステル
アミド又はポリエーテルアミドであることを特徴とする
前記半導電性転写ローラが提供され、また、前記導電性
樹脂層(B)が塩化ビニルグラフトエチレン・酢酸ビニ
ル共重合体からなることを特徴とする前記半導電性転写
ローラが提供され、更に、前記導電性弾性体層(A)の
JIS−A表面硬度が25〜35であることを特徴とす
る前記半導電性転写ローラが提供され、更にまた、体積
固有抵抗が107Ωcm以下であり導電性弾性体層
(A)が被覆された回転軸に、内層が体積固有抵抗が1
5Ωcm以下で、融点が100℃以下の導電性樹脂層
(B)であり、体積固有抵抗が108〜1012Ωcmの
範囲の半導電性の樹脂層(C)が外層である円筒状のチ
ューブを外嵌して150℃以下の温度に加熱することに
より、導電性の樹脂層(B)を溶融させて導電性弾性体
層(A)、導電性の樹脂層(B)及び半導電性の樹脂層
(C)を接着することを特徴とする前記半導電性転写ロ
ーラの製造方法が提供される。
【0010】即ち、本発明の半導電性転写ローラはロー
ラ表面の半導電性樹脂層が、誘電率の高い、加工性の良
いポリ弗化ビニリデン樹脂と弗素ゴムから構成されてい
るので高い静電容量を有する半導電性の樹脂層を形成す
る均一な内径と厚みの円筒状フィルムが容易に得られる
のである。又、得られた転写ローラは表面硬度が高すぎ
ず、適度な転写圧力で転写できるとともにトナーの飛散
などで該転写ローラが汚れても簡単に除去、クリーニン
グができるのである。又、制電性物質としてポリエーテ
ルアミド、又はポリエーテルエステルアミドを用いた場
合該制電性物質の樹脂への混和性、相溶性がよいので均
一な電気抵抗を有する半導電性層が得られるばかりでな
く体積固有抵抗値を正確にコントロールすることができ
る。
【0011】更に、本発明の製造方法で半導電性転写ロ
ーラを製造すると導電性弾性体層(A)、導電性樹脂層
(B)、半導電性の樹脂層(C)が互いに密着するので
得られた半導電性転写ローラの回転中に層間剥離に伴う
スリップが防止でき、又接着に要する温度も低温ですむ
ので転写ローラの形状を変形させたりすることもないの
である。
【0012】以下に本発明を具体的に説明する。まず、
本発明の転写ローラの最内層である体積固有抵抗が10
7Ωcm以下である導電性弾性体層(A)はポリウレタ
ン樹脂、シリコーン樹脂、クロロプレンゴム、ニトリル
ゴム、EPDM等の弾性材料に公知の導電性材料である
カーボンブラック、金属微粒子等を添加混合して体積固
有抵抗を107Ωcm以下に調製したものが使用され
る。特に、適度な転写圧力を得るためには該導電性弾性
体層(A)の硬度が25〜35(JIS−A硬度)程度
が好ましく、表面の半導電性の樹脂層(C)の硬度がそ
れよりもかなり高いので通常は上記弾性材料を更に発泡
させた発泡ポリウレタン樹脂等を使用することが好まし
い。
【0013】本発明の転写ローラの中間層である体積固
有抵抗が105Ωcm以下で、融点が100℃以下の導
電性樹脂層(B)は例えば、塩化ビニルグラフトエチレ
ン・酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリウ
レタン樹脂、ポリエーテルアミド共重合体、ポリエーテ
ルエステル共重合体等の群から選ばれる一種又は二種以
上からなる熱可塑性樹脂に、公知の導電性材料であるカ
ーボンブラック、金属微粒子等を添加混合して体積固有
抵抗を105Ωcmの以下に調整したものが使用される
が、特に、融点が50℃前後と低く、接着性、導電性材
料との相溶性がよく、しかも押出成形で均一な厚みのフ
ィルムを容易に得ることができる塩化ビニルグラフトエ
チレン・酢酸ビニル共重合体に導電性材料を混合して用
いるのが最も好ましい。
【0014】融点が100℃以下の導電性樹脂層(B)
を用いずに回転軸に導電性弾性体層(A)に半導電性の
樹脂層(C)を直接積層して熱触着させるのは、半導電
性の樹脂層(C)の融点がかなり高く、しかも弗素系の
合成樹脂を主成分としているので接着性が悪く困難であ
る。又、導電性弾性体層(A)と半導電性の樹脂層
(C)を液状、又は半固形状の導電性接着剤を用いて接
着した場合に得られる転写ローラはローラ径が一定のも
のが得られない。本発明においては導電性樹脂層(B)
に、融点が100℃以下の樹脂を用いているため雰囲気
温度が150℃以下の比較的低温であっても導電性弾性
体層(A)、導電性樹脂層(B)、半導電性の樹脂層
(C)が互いに密着して、回転中に層間剥離によるスリ
ップや熱融着中に変形することがなく転写ローラを得る
ことができる。
【0015】半導電性の樹脂層(C)はポリ弗化ビニリ
デン樹脂15〜67wt%、弗素ゴム30〜82wt%
及び制電性物質3〜15wt%の混合物から得られる。
ポリ弗化ビニリデン樹脂は、誘電率が高いので静電容量
の大きい転写効率の高い転写ローラが得られること、表
面の離形性がよいので飛散により付着してトナーを完全
に除去できる等の利点を有するがヤング率が6,000
kg/cm2前後と高く、そのまま単独で用いると転写
ローラ全体の硬度が高くなりすぎるので好ましくない。
したがって、本発明においてはポリ弗化ビニリデン樹脂
との相溶性がよく、しかも誘電率が高い弗素ゴムを混合
して用いる。ポリ弗化ビニリデン樹脂の量が67wt%
を超えると半導電性の樹脂層(C)の硬度が高くなりそ
れにつれて転写ローラ全体の硬度も高くなるので好まし
くなく、弗素ゴムの量が82wt%を超えると製膜性が
低下するので好ましくない。用いられる弗素ゴムの種類
としてはビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロ
ペン共重合体、ビニリデンフルオライド−プロピレン共
重合体等が挙げられる。なお、上記の組成で得られる半
導電性の樹脂層(C)は表面の平滑性もよいという特徴
を有している。
【0016】また、本発明においては半導電性樹脂層
(C)の体積固有抵抗が108〜1012Ωcmの範囲に
調節する。半導電性の樹脂層(C)の体積固有抵抗が1
8Ωcm未満の場合は電荷がリークする場合があるの
で好ましくなく、逆に体積固有抵抗が1012Ωcmを超
えると飛散により転写ローラに付着してトナーを除去す
ることが困難となるばかりか、除電の必要を生じるので
好ましくない。
【0017】このような、ポリ弗化ビニリデン樹脂と弗
素ゴムの混合物に半導電性を付与するために、更に制電
性物質を3〜15wt%用いる。制電性物質としては公
知の導電性材料を使用してもよいが半導電性の樹脂層
(C)の体積固有抵抗を108〜1012Ωcmの範囲に
正確にコントロールでき、又上記樹脂組成との相溶、分
散性が優れていて均質な半導電性の樹脂層(C)が得ら
れるポリエーテルアミド又はポリエーテルエステルアミ
ドを用いるのが好ましく、更にこれらに制電性物質に有
機電解質を全組成中に0.1〜1.0wt%配合するの
が好ましい。このような樹脂組成からなる本発明の転写
ローラは湿度変化にともなう抵抗の変化の巾が少なく、
従来の記録用紙に直接電荷するコロナ放電法に比べて白
抜け等の転写不良が少なく、電荷の除去も容易であると
いう特徴を有しているのである。
【0018】本発明においてポリエーテルエステルアミ
ドとは、ナイロン6、66、11又は12等のポリアミ
ドブロック単位とポリエーテルエステル単位とからなる
ブロック共重合体であり、炭素数6以上のラクタム又は
アミノカルボン酸の塩(a)、ポリエチレングリコール
(b)及び炭素数4〜20のジカルボン酸、例えばテレ
フタル酸、イソフタル酸、アジピン酸等のジカルボン酸
(c)から誘導された共重合体を意味する。
【0019】又、ポリエーテルアミドとは、ナイロン
6、66、11又は12等のポリアミドブロック単位と
ポリエーテル単位とからなるブロック共重合体であり、
実質的にはポリエチレングリコールジアミンとジカルボ
ン酸、脂肪族ジアミン、ε−カプロラクタムを主たる成
分とする共重合体を意味する。
【0020】有機電解質としてはドデシルベンゼンスル
ホン酸、トリデシルベンゼンスルホン酸、ノニルベンゼ
ンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、ドデ
シルスルホン酸等のスルホン酸とナトリウム、カリウ
ム、リチウム等のアルカリ金属から形成されるスルホン
酸のアルカリ金属塩、ジステアリルリン酸ナトリウム等
のリン酸のアルカリ金属塩、その他有機カルボン酸のア
ルカリ金属塩等があり、ドデシルスルホン酸ナトリウム
等のスルホン酸の金属塩が特に好適である。
【0021】更に、本発明においては半導電性の樹脂層
(C)の厚みを50μ以上、100μ以下にすることが
必要である。通常、転写効率を高くするには半導電性の
樹脂層の厚みを薄くして静電容量を少なくとも150p
F/cm2以上にすることが必要とされているが、本発
明においては誘電率の高いポリ弗化ビニリデン樹脂と弗
素ゴムを用いているので厚みを50μ未満にまで薄くし
て静電容量を増加させる必要はない。したがって、半導
電性の樹脂層(C)の厚みが薄いために電荷がリークす
る恐れもないのである。また、100μを超える厚みに
すると導電性弾性体層(A)の硬度を低くしてもローラ
の表面硬度が高くなりすぎ良好な転写像を得ることがで
きないので好ましくない。
【0022】本発明の半導電性転写ローラの製造方法の
一例としては、ポリ弗化ビニリデン樹脂、弗素ゴム、制
電性物質及び有機電解質を押出機により溶融して環状ダ
イより円筒状に押出し、半導電性の樹脂層(C)として
用いるチューブを得る。又、塩化ビニルグラフトエチレ
ン・酢酸ビニル共重合体に導電性材料としてカーボンブ
ラックを添加した組成物を押出成形して導電性樹脂層
(B)として用いるフィルム得る。この導電性フィルム
は、フィルムを熱融着させて円筒状に形成しても、最初
からインフレーション押出成形法で円筒状に製膜しても
よい。次いで、円筒状の金属ドラムに導電性の樹脂層
(B)として用いる円筒状フィルム、半導電性の樹脂層
(C)として用いるチューブの順にかぶせ、塩化ビニル
グラフトエチレン・酢酸ビニル共重合体の融点以上に加
熱融着させて積層チューブとなす。続いて体積固有抵抗
値が107Ωcm以下の発泡ポリウレタン弾性体を金属
製の回転軸の外側に形成した導電性弾性ローラに得られ
た積層チューブを外嵌して再度150℃以下で加熱融着
させて本発明の転写ローラが得られる。
【0023】
【実施例】以下に本発明を実施例にて詳細に説明する。 製造例1 ステンレスチールの金属芯体(直径6mm、長さ30c
m)にウレタン系接着剤を塗布した後、カーボンブラッ
クが20wt%添加されている硬度のそれぞれ異なる導
電性発泡ポリウレタンのシートを金属芯体の外周に巻き
付けた物を金属金型に入れ加圧してローラに成形した。
得られたロールの外周を研削処理して直径18.55m
m、面長26cmの導電性ローラを得た。得られた導電
性ローラのJIS−A硬度は、それぞれ30と40であ
り、体積固有抵抗は104Ωcmであった。
【0024】製造例2 ポリ弗化ビニリデン樹脂(三菱油化(株)製、KYNA
R2812)22.75wt%、弗素ゴム(セントラル
硝子(株)製、セフラルソフトG180)71.0wt
%、制電性物質としてのポリエーテルエステルアミド
(東レ(株)製、PAS40T)6.0wt%、有機電
解質としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.
25wt%からなる混合物を押出機に供給してインフレ
ーション押出成形法にて製膜して内径18.6mm、種
々の厚みの半導電性のチューブを得た。
【0025】製造例3 塩化ビニルグラフトエチレン・酢酸ビニル共重合体(積
水化学(株)製、エスメディカN5142E)100重
量部と導電性材料としてのカーボンブラック15.9重
量部からなる混合物を押出機に供給しインフレーション
押出成形法で製膜して体積固有抵抗が5.1×102Ω
cmの導電性フィルムを得た。
【0026】実施例1〜3、比較例1,2 外径18.55mmの円筒形の金型に製造例3で得られ
た導電性のフィルムを被覆し、更にその上に製造例2で
得られた半導電性のチューブをかぶせて210℃の熱風
乾燥機中で20分間加熱して内層に導電性樹脂層
(B)、外層に半導電性の樹脂層(C)を有する積層チ
ューブを得た。次いで、該積層チューブを製造例1で得
られた各種硬度の導電性ローラに外嵌して、120℃の
熱風乾燥機中で10分間加熱して該積層チューブの導電
性樹脂層(B)と該ローラの導電性弾性体層(A)とを
接着させ半導電性のローラを得た。
【0027】
【表1】 (1)硬度はJIS−A硬度で表した。 (2)転写画像の状態は良好な場合(○) 若干不良箇所が有る場合(△) 不良の場合(×)で表した。
【0028】比較例1のように半導電性の樹脂層(C)
の厚みが50μ未満の場合は抵抗測定時に荷電がリーク
が起こり、逆に比較例2のように半導電性の樹脂層
(A)の厚みが100μを超えると静電容量が低下する
と共にローラの表面硬度が高くなりすぎて良好な転写が
できなかった。また、導電性の弾性体層(A)の硬度が
35を超える実施例3の場合は実施例1と同じ構成であ
るにもかかわらず得られたローラの表面硬度が高くなり
転写状態は少し悪かった。
【0029】比較例3 製造例1で得られたJIS−A硬度30の導電性ローラ
に製造例2で得られた60μの厚みの半導電性のチュー
ブをかぶせて120℃の熱風乾燥機中に10分間放置し
て半導電性の転写ローラを製造したが半導電性の樹脂層
(C)と導電性弾性体層(A)の間の接着性が悪く使用
中に半導電性の樹脂層(C)が層間剥離によりスリップ
して転写ローラとして使用できなかった。
【0030】比較例4 熱風乾燥機の温度を220℃にした以外は比較例3と同
様にして半導電性の転写ローラを製造したが加熱中に導
電性弾性体層(A)が熱により変形して形状がいびつに
なり転写ローラとして使用できなかった。
【0031】実施例4〜7、比較例5 表2に示す組成で製造例2と同様な方法で60μの厚み
を有する半導電性チューブを得た。得られたチューブと
製造例3で得られた導電性のフィルムを実施例1〜2と
同様の方法で積層した後、製造例1で得られたJIS−
A硬度30の導電性ローラにかぶせて120℃の熱風乾
燥機中で10分間加熱して転写ローラを得た。得られた
転写ローラの性能を表2に示す。
【0032】
【表2】 (1)硬度はJIS−A硬度で表した。 (2)転写画像の状態は良好な場合(○)、若干不良箇
所が有る場合(△)、不良の場合(×)で表した。
【0033】表2からも明らかなようにポリエーテルア
ミドを制電性物質として使用した場合、使用量の変化に
伴う体積固有抵抗の変化が極めて小さく半導電性のコン
トロールが容易に行えることが分かる。また、弗素ゴム
を用いない比較例5の場合は得られた転写ローラの硬度
が高すぎて良好な転写はできなかった。
【0034】
【発明の効果】本発明の転写ローラは表面の半導電性の
樹脂層(C)に誘電率の高いポリ弗化ビニリデン樹脂と
弗素ゴムを主成分として使用しているので、静電容量が
大きく転写効率がよいのみならず、離形性もよいので飛
散したトナーが付着しても容易に除去できるのである。
しかも、成分中に弗素ゴムを用いているため転写ローラ
全体の表面硬度が低く適度な転写圧力で転写することが
できる。又、制電性物質としてポリエーテルアミド、ポ
リエーテルエステルアミドを用いた場合、該制電性物質
は相溶性と分散性がよいので得られた該半導電性の樹脂
層(C)は均一な体積固有抵抗を示し、リーク電流の発
生などのトラブルも防止できる。又、融点が100℃以
下の導電性の樹脂層(B)を加熱融着させることにより
製造する為導電性弾性体層(A)と半導電性の樹脂層
(C)は導電性の樹脂層(B)を介して密着する。その
為各層間での電導がスムーズであり、しかも回転中に層
間剥離によるスリップ等の問題がない。本発明の半導電
性の転写ローラは、このような良好な性質を有するの
で、電子写真式複写機、レーザープリンター、ファクシ
ミリ等の静電記録装置を更に、軽量化、小型化、高速化
することが可能である。また、本発明により、該半導電
性の転写ローラを製造することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光体上の静電潜像に付着したトナー像
    を、静電力により記録紙に転写させるための転写ローラ
    において、該転写ローラが回転軸の外周に体積固有抵抗
    が107Ωcm以下である導電性弾性体層(A)、体積
    固有抵抗が105Ωcm以下で、融点が100℃以下の
    導電性樹脂層(B)、及び体積固有抵抗が108〜10
    12Ωcmの範囲の半導電性の樹脂層(C)の順に積層し
    てなり、該半導電性の樹脂層(C)が50μ以上、10
    0μ以下の厚みを有し、ポリ弗化ビニリデン樹脂15〜
    67wt%、弗化ゴム30〜82wt%及び制電性物質
    3〜15wt%の混合物からなることを特徴とする半導
    電性転写ローラ。
  2. 【請求項2】 前記制電性物質がポリエーテルエステル
    アミド又はポリエーテルアミドであることを特徴とする
    請求項1記載の半導電性転写ローラ。
  3. 【請求項3】 前記導電性樹脂層(B)が塩化ビニルグ
    ラフトエチレン・酢酸ビニル共重合体からなることを特
    徴とする請求項1記載の半導電性転写ローラ。
  4. 【請求項4】 前記導電性弾性体層(A)のJIS−A
    表面硬度が25〜35であることを特徴とする請求項1
    記載の半導電性転写ローラ。
  5. 【請求項5】 体積固有抵抗が107Ωcm以下であり
    導電性弾性体層(A)が被覆された回転軸に、内層が体
    積固有抵抗が105Ωcm以下で、融点が100℃以下
    の導電性樹脂層(B)であり、体積固有抵抗が108
    1012Ωcmの範囲の半導電性の樹脂層(C)が外層で
    ある円筒状のチューブを外嵌して150℃以下の温度に
    加熱することにより、導電性の樹脂層(B)を溶融させ
    て導電性弾性体層(A)、導電性の樹脂層(B)及び半
    導電性の樹脂層(C)を接着することを特徴とする請求
    項1記載の半導電性転写ローラの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08220900A (ja) * 1995-02-14 1996-08-30 Nec Corp 電子写真装置の転写ローラ及び転写ローラのクリーニング方法
US5669053A (en) * 1994-08-17 1997-09-16 Kabushiki Kaisha Tec Roller transfer device and transfer roller manufacturing method
KR100570162B1 (ko) * 2000-12-18 2006-04-12 후지제롯쿠스 가부시끼가이샤 전사 장치, 이를 사용한 화상 형성 장치 및 전사 부재의제조 방법

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