JPH0510732U - 内燃機関用の触媒加熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電熱式加熱装置を装着した触媒コンバータに
よる排ガス浄化装置に用いる触媒加熱装置において、排
ガスの通気抵抗を低減し、内燃機関の出力の低下を防ぐ
ことである。 【構成及び効果】 この考案の触媒加熱装置は、湾曲し
た内壁面を有する枠体６の内壁断面形状に沿った形状を
なすセラミックインシュレータ５が弾性材１４を用いて
前記内壁面に沿って装着されており、ヒータエレメント
の屈曲部が前記セラミックインシュレータによって保持
されている構成のものである。これにより、セラミック
インシュレータの排ガスの通路内中央側へのせり出しを
少なくし、排ガスの通気抵抗を低減することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、触媒コンバータを用いた内燃機関用の排ガス浄化装置に用いる触 媒加熱装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

内燃機関の排ガス浄化を目的として、排ガス通路に３元触媒コンバータを装着 し、酸素センサによる空燃比制御を行う排ガス浄化装置が多く用いられているが 、上記排ガス浄化装置で使用されている触媒は約３５０℃以上にならないと充分 な活性状態とならない性質がある。したがって、冷間始動時の排ガス浄化効率を 上げるために、電熱式加熱装置を触媒コンバータの近傍に装着し、内燃機関の始 動時に通電して排ガスまたは触媒コンバータを加熱する必要がある。

【０００３】 しかし、前記電熱式加熱装置に用いるヒータエレメントは加熱時に約１０００ ℃ほどの高温にまで達するため、使用中にヒータエレメントの伸長、あるいは変 形等による電気的短絡を引き起こし、正常な加熱機能を喪失することがある。

【０００４】 このようなヒータエレメントの伸長、あるいは変形等を抑え、電気的短絡を引 き起こさないようにするために、ヒータエレメントの屈曲部が納まるように形成 されたセラミックインシュレータを排ガスの通路内に弾性材を用いて装着し、該 ヒータエレメントを保持する構造が提案されている（図２参照）。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来技術において用いられているセラミックインシュレータは直線で構成 される形状に形成されているため、枠体の内壁面の断面形状が湾曲した部分を有 する場合（たとえば、円形の場合）には、前記セラミックインシュレータが排ガ スの通路内中央側に大きくせり出した形となってしまうため、排ガスの通気抵抗 が上昇し、その結果、内燃機関の出力の低下をきたすという問題があった。

【０００６】 この考案の目的は電熱式加熱装置を装着した触媒コンバータによる排ガス浄化 装置に用いる触媒加熱装置において、排ガスの通気抵抗を低減し、内燃機関の出 力の低下を防ぐことである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するための手段として、この考案は、触媒コンバータの近傍に 電熱式加熱装置を備えた内燃機関用の排ガス浄化装置において、湾曲した内壁面 を有する枠体の内壁断面形状に沿った形状をなすセラミックインシュレータが弾 性材を用いて前記内壁面に沿って装着されており、ヒータエレメントの屈曲部が 前記セラミックインシュレータによって保持されている触媒加熱装置を提案する ものである。

【０００８】

【考案の効果】

この考案の触媒加熱装置はヒータエレメントを保持するためのセラミックイン シュレータが枠体の内壁面に沿った形状をなし、前記セラミックインシュレータ が枠体内壁面に沿って装着されているため、排ガスの通路内中央側へのせり出し が減少し、排ガスの通気抵抗を低下させることができる。その結果として、内燃 機関の出力を高く維持することが可能となった。

【０００９】 また、排ガスの通路断面に対してヒータエレメントが従来技術の触媒加熱装置 よりも全体的に配されているため、内燃機関の始動時における排ガスまたは触媒 コンバータの加熱むらが少なくなり、触媒コンバータにおける排ガス浄化効率の 向上にも効果がある。

【００１０】

【実施例】

この考案の触媒加熱装置を図１に示す実施例とともに説明する。触媒加熱装置 １は、蛇行したリボン状のヒータエレメント２と通電用端子部３とセラミックイ ンシュレータ４と内壁断面形状が円形をなす枠体５とからなり、ヒータエレメン ト２の端部６は通電用端子部３において枠体５とマイカ質絶縁材７を介して電気 的に絶縁を保ちながらボルト９にワッシャー１０とナット１１とで締結されてい る。さらに、ヒータエレメントの各屈曲部２’の形状に合わせて形成された有底 孔１２を有し、枠体５の内壁断面形状に沿った形状を有するセラミックインシュ レータ４が、弾性材１３として板バネを用いて枠体５の内壁に沿って圧接固定さ れている。ヒータエレメントの各屈曲部２’は前記セラミックインシュレータ４ に設けられた有底孔１２に、ヒータエレメントの伸長分を収めるに十分なだけの 適度な間隙を有しながら挿入され、ヒータエレメント２を保持する構成となって いる。こうして得られた触媒加熱装置は、触媒コンバータの上流側あるいは中間 等に設置され、排ガス浄化装置として用いられる。

【００１１】 このような構成の触媒加熱装置は、ヒータエレメントの伸長、あるいは変形等 による電気的短絡を防ぐとともに、セラミックインシュレータの排ガスの通路内 中央側へのせり出しが少ないので排ガスの通気抵抗が小さくなり、内燃機関の排 ガスの通路に装着した場合に、内燃機関の出力の低下を起こさない。また、排ガ スの通路断面内に一様にヒータエレメントを配しているので、加熱時の温度むら が生じにくく、排ガス浄化効率が向上する。

【００１２】 以上のように、この考案の触媒加熱装置を装着した内燃機関用の排ガス浄化装 置では、排ガスの通気抵抗が下がり、内燃機関の出力を高く維持することが可能 である。

【００１３】 この考案は実施例に示した範囲に限定されることはなく、たとえば、、枠体５ は１以上の隔壁により２以上の通路に区画されているものであってもよい。さら に、枠体５は内壁断面の一部が湾曲した面を有する場合であれば適用可能であり 、平面をなす部分があっても構わない。また、弾性材１３は板バネの替わりにコ イルスプリングを用いてもよい。

【００１４】 また、インシュレータはセラミックを金属製の枠に組み込んだものを用いても よい。また、ヒータエレメントの各屈曲部とセラミックインシュレータの有底孔 との間隙にセラミック繊維またはセラミック繊維等を加工した二次成形体などを 充填してもよい。ただし、セラミックインシュレータの全部または一部をセラミ ック繊維等を加工して弾性を持たせた二次成形体を用いる場合には、ヒータエレ メントと前記二次成形体との間に間隙を設ける必要はない。

【００１５】 さらに、この考案による加熱装置は、内燃機関の吸気側に装着して燃焼用空気 の加熱に用いることによって、吸気抵抗の増加を防ぐとともに燃焼効率を上げて 内燃機関の出力を向上させることも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の触媒加熱装置の断面構造を示す概略
図である。

【図２】従来の触媒加熱装置の断面構造を示す概略図で
ある。

【符号の説明】 １ 触媒加熱装置 ２ ヒータエレメント ２’ ヒータエレメント屈曲部 ３ 通電用端子部 ４ セラミックインシュレータ ５ 枠体 ６ ヒータエレメント端部 ７ マイカ質絶縁材 ９ ボルト １０ ワッシャー １１ ナット １２ 有底孔 １３ 弾性材

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 触媒コンバータの近傍に電熱式加熱装置
   を備えた内燃機関用の排ガス浄化装置において、湾曲し
   た内壁面を有する枠体の内壁断面形状に沿った形状をな
   すセラミックインシュレータが弾性材を用いて前記内壁
   面に沿って装着されており、ヒータエレメントの屈曲部
   が前記セラミックインシュレータによって保持されてい
   る触媒加熱装置。