JPH0510358A - 防振ゴム及びその製法 - Google Patents

防振ゴム及びその製法

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JPH0510358A
JPH0510358A JP28225091A JP28225091A JPH0510358A JP H0510358 A JPH0510358 A JP H0510358A JP 28225091 A JP28225091 A JP 28225091A JP 28225091 A JP28225091 A JP 28225091A JP H0510358 A JPH0510358 A JP H0510358A
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Takashi Kinoshita
木下  孝
Toshio Sakamoto
敏夫 坂元
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Yamashita Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防振ゴムのバリによるクラック発生を防止す
る。 【構成】 第1取付部材1と第2取付部材2間をゴム体
3で連結し、ゴム体3の両側にクリアランス空間4を挟
んでストッパー部5を第1取付部材1と一体に形成す
る。クリアランス空間4内にはゴム体3及びストッパー
部5を一対の割り金型間で成形する際の割り面に沿って
バリ防止膜8と第1取付部材1と連続一体に形成し、か
つバリ防止膜8は成形後の収縮によりゴム体3のクリア
ランス空間4に臨む縁部6と分離してスリット状の分断
部9を形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は防振ゴムにおける金型割
り部に発生するバリを原因とするクラックの発生を防止
し、耐疲労性を向上させることにできる防振ゴム及びそ
の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車部品の防振ゴム、例えばエンジン
マウント及び足回りブッシュとして、図10に部分断面
で示す内外二重筒式のものがある。このものは、外筒a
と内筒bとをゴム体cで連結しており、ゴム体cの振幅
動作方向にはクリアランス空間dを挟んで外筒aの内面
と一体のストッパーゴムeが設けられている。これらの
ゴム体c及びストッパーゴムeは外筒a、内筒bと一緒
に軸方向中間部で分割されるゴム成形金型で成形され、
その際成形金型できる割り部に発生する薄いバリfがゴ
ム体c及びストッパーゴムeのクリアランス空間dに臨
む曲線形状の縁部gに沿って形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
防振ゴムの劣化現象の一つに、ゴム体c内へ発生するク
ラックhがある。製品寿命を長くするにはこのようなク
ラックhの発生を阻止することが必要である。しかしな
がらこの点に関して効果的な構造や方法などは未だ報告
されておらず、その発生原因の究明が待たれた。そこ
で、この原因を研究した結果、上記のバリfに起因する
ことが判明した。すなわち、ゴム体cの剪断方向及び圧
縮引っ張り方向における振幅動作によりゴム体c側のバ
リfに応力集中がかかって引き裂きが生じ、その結果、
この引き裂き部よりゴム体c内へクラックhが入るこ
と、並びにゴム体c側の縁部gにおいて、応力集中の大
きくなる部分、例えば外筒aと接続する部分で特に顕著
になることが判明した。ゆえに、本願の目的は上記の研
究成果に基づき、クラックの発生を効果的に阻止できる
防振ゴム並びにその製法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に係る防振ゴムは、少なくともクリアラン
ス空間内の一部にゴム体の成形と同時に割り金型の割り
面に沿ってバリ防止膜を形成し、このバリ防止膜をクリ
アランス空間を挟んだ反ゴム体側へ一体に連続させ、か
つこのバリ防止膜をゴム体のクリアランス空間に臨む縁
部の少なくとも一部から分離させることによりスリット
状の分断部を形成し、この分断部に沿うゴム体の縁部に
おけるバリの発生を防止したことを特徴とする。
【0005】請求項2に係る防振ゴムは、バリ防止膜と
ゴム体の成形時に、バリ防止膜とゴム体のクリアランス
空間に臨む縁部の少なくとも一部とを接続する薄肉の弱
体部を一体に形成し、この弱体部を最初の使用時におけ
る荷重の負荷で分離させることにより請求項1の分断部
を形成することを特徴とする。
【0006】請求項3に係る防振ゴムは、請求項1の分
断部がクリアランス空間に臨むゴム体の縁部のうち少な
くとも最も応力集中が大きくなる部分を含むように形成
されていることを特徴とする。
【0007】請求項4に係る請求項1の防振ゴムを製造
する方法は、各割り金型にクリアランス空間を形成する
ための成形突部をそれぞれ相手方向へ突出させ、向かい
合う各成形突部の端部間にバリ防止膜の成形空間を形成
するための間隙を設けるとともに、各成形突部の端部の
うちゴム体の成形空間に隣接する部分を互いに当接可能
な幅狭状の刃部とし、割り金型を型閉めしてゴム成形す
ることによりゴム体とバリ防止膜を同時に形成し、その
後冷却にともなうゴムの収縮によりバリ防止膜が刃部部
分からゴム体側と分離して、ゴム体のクリアランス空間
に臨む縁部との間にスリット状の分断部を形成すること
を特徴とする。
【0008】請求項5に係る請求項2の防振ゴムを製造
する方法は、一対の割り金型間に第1及び第2の取付部
材を挟み、割り金型間に未加硫ゴムを充填してから加硫
することによりゴム体を成形する防振ゴムの製法におい
て、各割り金型にクリアランス空間を形成するための成
形突部をそれぞれ相手方向へ突出させ、向かい合う各成
形突部の端部間にバリ防止膜の成形空間を形成するため
の間隙を設けるとともに、各成形突部の端部のうちゴム
体の成形空間に隣接する部分をより肉薄の弱体部を形成
するための小間隙を設け、割り金型を型閉めしてゴム成
形することによりゴム体とバリ防止膜を弱体部を介して
連続するよう同時一体に形成し、その後の最初の使用時
における荷重の負荷で弱体部を分離させてバリ防止膜と
ゴム体のクリアランス空間に臨む縁部との間にスリット
状の分断部を形成することを特徴とする。
【0009】請求項6に係る方法は、互いに異なる取付
対象へ取付けられて相対動可能な第1及び第2の取付部
材と、これら両取付部材間を連結するように割り金型間
に形成されるとともに剪断方向及び圧縮引っ張り方向へ
振幅動作可能なゴム体とを備え、このゴム体の振幅動作
を可能にするクリアランス空間を第1及び第2取付部材
間に形成した防振ゴムの製法において、クリアランス空
間に臨むゴム体の縁部に発生するバリのうち、少なくと
も最も応力集中が大きくなる部分を含む範囲のバリを、
ゴム成形後の機械加工により除去したことを特徴とす
る。
【0010】
【作用】請求項1に係る防振ゴムにおいては、少なくと
もクリアランス空間内の一部にゴム体の成形と同時に割
り金型の割り面に沿ってバリ防止膜を形成し、このバリ
防止膜をゴム体のクリアランス空間に臨む縁部の少なく
とも一部から分離させることによりスリット状の分断部
を形成したので、ゴム体の成形時に割り面に沿って発生
するおそれのあるバリが、ゴム体の分断部に沿う縁部に
発生しにくくなる。
【0011】請求項2に係る防振ゴムにおいては、ゴム
成形時にバリ防止膜とゴム体を薄肉の弱体部で連続一体
に接続させると、弱体部を形成したゴム体のクリアラン
ス空間に臨む縁部にバリが発生しない。この弱体部は防
振ゴムの最初の使用時に分離されてバリ防止膜とゴム体
の縁部との間に分断部が形成される。
【0012】請求項3に係る防振ゴムは、分断部がゴム
体のクリアランス空間に臨む縁部のうち少なくとも最も
応力集中が大きくなる部分に設けられるので、最もクラ
ックが発生し易い部分におけるバリの発生が防止され
る。このためクラックの発生が効率よく防止される。
【0013】請求項4に係る防振ゴムの製法において
は、割り金型を型閉めしてゴム成形することによりゴム
体とバリ防止膜を同時に形成すると、各割り金型に設け
られたクリアランス空間を形成するための成形突部の互
いに向かい合う各端部間にバリ防止膜が形成され、かつ
各成形突部の端部のうちゴム体の成形空間に隣接する部
分に設けられた刃部同志が当接し、バリ防止膜をゴム体
と連続しにくくする。成形後の冷却によってバリ防止膜
はゴム体から離れる方向に収縮し、この収縮する力によ
ってバリ防止膜が刃部部分からゴム体のクリアランス空
間に臨む縁部と分離されてスリット状の分断部が形成さ
れる。
【0014】請求項5に係る防振ゴムの製法において
は、各割り金型に設けられたクリアランス空間を形成す
るための成形突部の互いに向かい合う各端部間に、バリ
防止膜の成形空間を形成するための間隙と、これよりも
小さな間隙でゴム体側と連続する弱体部を設けるための
小間隙を設け、割り金型を型閉めしてゴム成形すること
により、バリ防止膜とゴム体のクリアランス空間に臨む
縁部の少なくとも一部を薄肉の弱体部を介して接続する
よう連続一体に成形し、その後の最初の使用時に弱体部
へ荷重を負荷させて弱体部を分離させることにより、バ
リ防止膜がゴム体の縁部から分離して両者間に分断部が
形成される。
【0015】請求項6に係る防振ゴムの製法において
は、ゴム成形時に割り金型の割り面に沿ってゴム体のク
リアランス空間に臨む縁部にバリが発生する。しかしこ
のバリは、その後の機械加工により除去される。
【0016】
【実施例】図1は第1実施例として金属製の内外二重筒
を有するブッシュ形式に構成された自動車用エンジンマ
ウントについて、内(外)筒の軸方向から示す図であ
る。外筒をなす第1取付部材1は図示省略のエンジン側
へ、第2取付部材2は同じく図示省略の車体側へそれぞ
れ取付けられている。第1及び第2取付部材1、2はそ
れぞれ相体的に動作可能であり、両部材間にゴム体3が
焼付けられて一体化されている。
【0017】ゴム体3は振幅方向Vに対して略直交する
方向に長く形成され、中央の第2取付部材一体部3aで
第2取付部材2の周囲を囲んで一体化しかつこの部分が
もっとも幅広部をなし、さらに第2取付部材一体部3a
から互いに反対方向へ延びてそれぞれ第1取付部材1の
内壁面へ接着するアーム部3bが連続して形成されてい
る。アーム部3bは第1取付部材1へ向かって次第に幅
狭になるが、第1取付部材1に接続する第1取付部材一
体部3cは若干幅が広くなっている。
【0018】ゴム体3の左右にはクリアランス空間4を
挟んで一対のストッパー部5が設けられている。各スト
ッパー部5はそれぞれ第1取付部材1の内壁面へ接着さ
れている。このクリアランス空間4に臨むゴム体3の縁
部6は、応力集中を避けるため連続アール状に形成され
ている。この縁部6のアール形状は第1取付部材一体部
3cが第2取付部材一体部3aからアーム部3bにかけ
て形成されるアール部分に対して逆アールをなし、この
部分の曲率が特に大きくなっている。なお、ストッパー
部5のクリアランス空間4に臨む縁部7も縁部6と類似
する連続アール状の曲線形状になっている。
【0019】クリアランス空間4の幅はアーム部3b近
傍が最も拡大されており、この部分にバリ防止膜8がス
トッパー部5側と連続一体に形成されている。バリ防止
膜8は成形時の割り面に沿ってストッパー部5の肉厚よ
りも遥かに薄くかつ縁部7と連続して形成されるが、ゴ
ム体3側の縁部6とはスリット状の分断部9によって分
離されている。このバリ防止膜8の形成範囲はクリアラ
ンス空間4のうち、全範囲でも、一部分の範囲だけ、例
えば図示のように第2取付部材一体部3aに相当する部
分を除いたような部分であってもよい。
【0020】図2はこの防振ゴムのゴム成形工程におけ
るゴム充填後の状態を示す。この図において防振ゴムは
半断面としてある。この成形に用いられる金型は、第1
取付部材1の長さ方向中間部で合わさる上型10及び下
型11で構成される。図中の符号Pは割り面である。上
型10及び下型11のそれぞれ対応する位置には、クリ
アランス空間4の成形部である成形突部12、13が互
いに相手方向へ向かって突出するよう一体に形成され、
それぞれの先端部は割り面P上で当接するようになって
いる。なお、この当接部に詳細を後述する切断部Cが設
けられている。
【0021】図3は第1取付部材1及び第2取付部材2
をセットした状態の下型11を割り面側から見た平面形
状を示す。上型10はこれと対称である。本図におい
て、下型11に植設された成形突部13はクリアランス
空間4の形状に対応しており、その両端部14は第1取
付部材1の内面と接触している。この成形突部13によ
って、第2取付部材2側の第1キャビティ15と反第2
取付部材側の第2キャビティ16とが画成される。
【0022】また、各両端部14の表面にはクリアラン
ス空間4を形成するための切断部Cが設けられている。
但し、図示するものは簡略化のため左下のもののみにつ
いて示してある。この切断部Cについての詳細構造を図
4及び図5に示す。図4は図3のA部拡大図であり、図
5は図4のB−B線断面である。これらの図に明らかな
ように、切断部Cは刃部17、テーパー部18及び凹部
19で構成されている。
【0023】刃部17は成形突部13の一般面と面一で
あるが、第2キャビティ16側を凹部19とすることに
より、第1キャビティ15に沿う幅狭部として形成され
る。凹部19は第2キャビティ16と連通し、バリ防止
膜8の成形空間を形成している。刃部17の頂面と凹部
19とはテーパー部18で接続されているため、刃部1
7は凹部19側が広がった台形状断面をなしている。
【0024】次に、図2により防振ゴムを製造する方法
を説明する。まず、上型10及び下型11間に第1取付
部材1及び第2取付部材2をセットした状態において、
第1キャビティ15及び第2キャビティ16内へ未加硫
ゴムを充填し、常法によりゴムを加硫する。これによ
り、スリット状の分断部9を有する図1の防振ゴムが得
られるが、このときクリアランス空間4を形成する部分
の割り面P上にバリ防止膜8がストッパー部5と一体に
形成され、同時に上下の刃部17の合せ面にもバリ防止
膜8と縁部6間を連結し、かつバリ防止膜8よりもさら
に薄い肉厚をなすバリが生じ得ることがある。
【0025】加硫完了後の冷却によりゴムが収縮する
と、バリ防止膜8はそれ自体の収縮に加えて、体積の大
きなストッパー部5の収縮によってストッパー部5側へ
引っ張られる。このためバリ防止膜8は刃部17のある
部分でゴム体3の縁部6ときれいに分離される。このと
き上下の刃部17の合せ面にバリが生じていても、この
薄膜部もバリ防止膜8と一体に縁部6側から分離され
る。
【0026】このようにすると、ゴムの焼付加工と同時
にバリ防止膜8と縁部6との間に分断部9が形成される
ので、縁部6側にはバリが形成されにくくなる。ゆえ
に、縁部6のうち分断部9へ沿う部分に対して応力集中
が生じても、この応力によって引き裂かれるバリが存在
しないため、従来のようなバリに原因して発生するクラ
ックを防止できる。その結果、防振ゴムの耐疲労性及び
耐久性が向上する。
【0027】図6はバリが形成されている従来製品と実
施例製品との耐久振動回数を比較したグラフである。こ
のグラフから明らかなように本実施例製品の方が従来製
品よりも耐久振動回数が3倍弱程度も向上する。
【0028】また、本実施例では刃部17と凹部19の
間にテーパー部18を設けることにより、刃部17の耐
久性を向上できる。すなわち、刃部17の肉厚があまり
薄いと成形ゴムの圧力又は型締めの衝撃で刃部17がつ
ぶれる可能性があるので、テーパー部18を設けること
により、この衝撃に対して十分な肉厚並びに強度を確保
することができる。なお、刃部17を上型10又は下型
11のいずれ側のみへ設けることもでき、上型10へ設
ければ、第1取付部材及び第2取付部材2等をセットす
るとき、刃部17を傷つけないで済み、作業し易くな
る。
【0029】図7乃至図9に第2実施例を示す。図7は
全体の平面形状、図8及び図9はそれぞれ図7のD−D
線並びにE−E線に沿う拡大断面を示している。この例
では第1取付部材1がブラケット状であり、ゴム体3は
片持状で円筒形の第2取付部材2を支持している。ま
た、バリ防止膜8は直接第1取付部材1の内壁面へ焼き
付けられ、かつゴム体3とはくびれた連続曲面をなすア
ーム部3bの縁部6に沿う弱体部20によって連結され
ている。
【0030】図9に明らかなように、弱体部20は割り
面P上においてバリ防止膜8及びゴム体3と連続一体に
形成される薄膜部分である。弱体部20は例えば前実施
例の図2における上下の刃部17の合せ面に弱体部20
の形成空間をなすための若干の意図的な間隙を設けるこ
とによって得られる。但し、この肉厚は前実施例のよう
な成形後におけるゴムの収縮で分断されてしまう程の薄
さではなく、かつ最初の使用で負荷される荷重で分断可
能な厚さになっている。但し、肉厚の設計はこの分断条
件を満足するように、防振ゴムの用途に応じて適宜にな
される。
【0031】このようにして製造された防振ゴムを使用
すると、最初の使用時に負荷される荷重で第1及び第2
の取付部材1及び2を介してゴム体3とバリ防止膜8の
それぞれから弱体部20へ負荷される荷重により、弱体
部20が縁部6に沿ってきれいに分断され、ゴム体3と
バリ防止膜8の間に前実施例の分断部9と同様にスリッ
ト状の分断部が形成され、縁部6に沿うバリが生じにく
くなる。すなわち、前実施例がゴムの収縮力を利用して
分断部9を形成したのに対して、本実施例は最初の使用
で負荷される荷重を利用して分断部9を形成するもので
あり、いずれもバリの発生防止という効果は同様に期待
できる。なお、本実施例の説明に使用した符号は前実施
例のものと共通させてある。
【0032】前各実施例ではいずれもバリ防止膜8と分
断部9を設けることによりバリの発生を防止したが、他
の方法として、ゴムの焼付後に機械加工でバリを除去す
ることもできる。この方法は常法により防振ゴムを製造
し、図10に示した従来例のようにひとまずバリが形成
されたものを得る。その後、ショットブラスト、バフ及
びリューダーなどを用いた機械加工により、バリのうち
少なくとも前各実施例の分断部9に相当する部分に発生
しているものを除去する。このようにしてもバリによる
応力集中部のクラック発生を防止できる。このことは前
述した図6のグラフ中に示したように、従来製品よりも
耐久振動回数が3倍程度も向上したことからも明らかで
ある。しかも金型は従来通りでよいため、金型耐久性を
従来同様に高く維持できる。
【0033】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、少なくともク
リアランス空間内の一部にゴム体の成形と同時に割り金
型の割り面に沿ってバリ防止膜を形成し、このバリ防止
膜をゴム体のクリアランス空間に臨む縁部の少なくとも
一部から分離させることによりスリット状の分断部を形
成したので、ゴム体の成形時に割り面に沿って発生する
おそれのあるバリをゴム体の分断部に沿う縁部に発生し
にくくできる。このためバリの引き裂きに原因するクラ
ックの発生を防止でき、防振ゴム全体の耐疲労性並びに
耐久性を向上できる。
【0034】請求項2の発明によれば、ゴム成形時にゴ
ム体のクリアランス空間に臨む縁部の少なくとも一部と
バリ防止膜とを接続し、最初の使用時に分離する薄肉の
弱体部を形成したので、ゴム体の縁部のうち弱体部を形
成した部分におけるバリの発生を防止でき、しかも最初
の使用時の荷重を利用して分断部を形成できる。
【0035】請求項3の発明によれば、分断部をゴム体
のクリアランス空間に臨む縁部のうち少なくとも最も応
力集中が大きくなる部分に設けたので、最もクラックが
発生し易い部分におけるバリの発生を防止でき、その結
果、クラックの発生を効率よく防止できる。
【0036】請求項4の発明によれば、各割り金型に設
けられたクリアランス空間を形成するための成形突部の
互いに向かい合う各端部間にバリ防止膜の形成空間をな
す間隙を設け、かつ各成形突部の端部のうちゴム体の成
形空間に隣接する部分に互いに当接する幅狭の刃部を設
け、この割り金型を用いてゴム成形することにより、バ
リ防止膜を刃部でゴム体から分離させてスリット状の分
断部を形成したので、成形後の冷却によるバリ防止膜の
収縮力を利用して分断部をゴム成形と同時に形成でき、
製造が容易である。
【0037】請求項5の発明によれば、各割り金型に設
けられたクリアランス空間を形成するための成形突部の
互いに向かい合う各端部間に、バリ防止膜の成形空間を
形成するための間隙と、これよりも小さな間隙でゴム体
側と連続する弱体部を設けるための小間隙を設け、ゴム
成形時にバリ防止膜とゴム体のクリアランス空間に臨む
縁部の少なくとも一部を薄肉の弱体部を介して連続一体
に接続し、その後の最初の使用時に弱体部へ荷重を負荷
させて弱体部を切ることにより分断部を形成したので、
ゴム成形と同時に弱体部をバリ防止膜及びゴム体と一体
に形成してゴム体の弱体部が形成された縁部におけるバ
リの発生を防止できるとともに、最初の使用時の荷重を
利用して分断部を形成できる。
【0038】請求項6の発明によれば、ゴム成形で一度
発生したバリをゴム成形後に機械加工により除去するの
でバリ除去を確実にできる。しかも割り金型を従来通り
の構造にでき、かつ割り金型の寿命を従来と同じにでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例製品を軸方向軸一端面から示す図
【図2】第1実施例の製法を示すため一部を半断面にし
た断面図
【図3】第1実施例の製法に使用する金型の平面図
【図4】図3のA部相当部分の拡大斜視図
【図5】図4のB−B線断面図
【図6】実施例製品と従来製品との耐久性を比較したグ
ラフ
【図7】第2実施例製品を軸方向軸一端面から示す図
【図8】図7のD−D線拡大断面図
【図9】図7のE−E線拡大断面図
【図10】従来例を示す部分拡大断面図
【符号の説明】
1 第1取付部材 2 第2取付部材 3 ゴム体 4 クリアランス空間 6 ゴム体のクリアランス空間に臨む縁部 8 バリ防止膜 9 分断部 10 上型 11 下型 13 成形突部 17 刃部 20 弱体部 C 切断部 P 割り面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに異なる取付対象へ取付けられて相
    対動可能な第1及び第2の取付部材と、これら両取付部
    材間を連結するように割り金型間に形成されるとともに
    剪断方向及び圧縮引っ張り方向へ振幅動作可能なゴム体
    とを備え、このゴム体の振幅動作を可能にするクリアラ
    ンス空間を第1及び第2取付部材間に形成した防振ゴム
    において、少なくともクリアランス空間内の一部にゴム
    体の成形と同時に割り金型の割り面に沿ってバリ防止膜
    を形成し、このバリ防止膜をクリアランス空間を挟んだ
    反ゴム体側へ一体に連続させ、かつこのバリ防止膜をゴ
    ム体のクリアランス空間に臨む縁部の少なくとも一部か
    ら分離させることによりスリット状の分断部を形成し、
    この分断部に沿うゴム体の縁部におけるバリの発生を防
    止したことを特徴とする防振ゴム。
  2. 【請求項2】 バリ防止膜とゴム体の成形時に、バリ防
    止膜とゴム体のクリアランス空間に臨む縁部の少なくと
    も一部とを接続する薄肉の弱体部を一体に形成し、この
    弱体部を最初の使用時における荷重の負荷で分離させる
    ことにより分断部を形成することを特徴とする請求項1
    記載の防振ゴム。
  3. 【請求項3】 分断部がクリアランス空間に臨むゴム体
    の縁部のうち少なくとも最も応力集中が大きくなる部分
    を含むように形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の防振ゴム。
  4. 【請求項4】 一対の割り金型間に第1及び第2の取付
    部材を挟み、割り金型間に未加硫ゴムを充填してから加
    硫することによりゴム体を成形する防振ゴムの製法にお
    いて、各割り金型にクリアランス空間を形成するための
    成形突部をそれぞれ相手方向へ突出させ、向かい合う各
    成形突部の端部間にバリ防止膜の成形空間を形成するた
    めの間隙を設けるとともに、各成形突部の端部のうちゴ
    ム体の成形空間に隣接する部分を互いに当接可能な幅狭
    状の刃部とし、割り金型を型閉めしてゴム成形すること
    によりゴム体とバリ防止膜を同時に形成し、その後冷却
    にともなうゴムの収縮によりバリ防止膜が刃部部分から
    ゴム体側と分離して、ゴム体のクリアランス空間に臨む
    縁部との間にスリット状の分断部を形成することを特徴
    とする請求項1に記載した防振ゴムの製法。
  5. 【請求項5】 一対の割り金型間に第1及び第2の取付
    部材を挟み、割り金型間に未加硫ゴムを充填してから加
    硫することによりゴム体を成形する防振ゴムの製法にお
    いて、各割り金型にクリアランス空間を形成するための
    成形突部をそれぞれ相手方向へ突出させ、向かい合う各
    成形突部の端部間にバリ防止膜の成形空間を形成するた
    めの間隙を設けるとともに、各成形突部の端部のうちゴ
    ム体の成形空間に隣接する部分をより肉薄の弱体部を形
    成するための小間隙を設け、割り金型を型閉めしてゴム
    成形することによりゴム体とバリ防止膜を弱体部を介し
    て連続するよう同時一体に形成し、その後の最初の使用
    時における荷重の負荷で弱体部を分離させてバリ防止膜
    とゴム体のクリアランス空間に臨む縁部との間にスリッ
    ト状の分断部を形成することを特徴とする請求項2に記
    載した防振ゴムの製法。
  6. 【請求項6】 互いに異なる取付対象へ取付けられて相
    対動可能な第1及び第2の取付部材と、これら両取付部
    材間を連結するように割り金型間に形成されるとともに
    剪断方向及び圧縮引っ張り方向へ振幅動作可能なゴム体
    とを備え、このゴム体の振幅動作を可能にするクリアラ
    ンス空間を第1及び第2取付部材間に形成した防振ゴム
    において、クリアランス空間に臨むゴム体の縁部に発生
    するバリのうち、少なくとも最も応力集中が大きくなる
    部分を含む範囲のバリをゴム成形後の機械加工により除
    去したことを特徴とする防振ゴムの製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05237851A (ja) * 1992-02-28 1993-09-17 Kinugawa Rubber Ind Co Ltd 防振ゴムと防振ゴムの製造方法
FR2739153A1 (fr) * 1995-09-27 1997-03-28 Peugeot Articulation elastique, en particulier pour suspension d'un vehicule automobile
JP2019031232A (ja) * 2017-08-09 2019-02-28 日野自動車株式会社 エンジンマウント構造及びこれを用いたエンジン組付方法

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