JPH048089Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、立体倉庫における上下多段の荷受棚
板を有する棚枠の前面に沿つて走行する上下長手
の走行フレームに、水平前後動自在なスライドフ
オークを昇降自在に装着し、該スライドフオーク
にて荷物を出し入れする前記棚枠の荷受棚板箇所
の構造に関するものである。

〔従来の技術〕

銀行等の金融機関における貸金庫や各種工場に
おける立体倉庫においては、収納箱等の荷物を収
納するための荷受棚板を多段且つ多列に設けた棚
枠を備え、該棚枠の前面に沿つて左右方向に移動
自在な上下長手の走行フレームに、昇降フレーム
を上下動自在に装着し、該昇降フレームには、前
記任意箇所の棚に向かつて前後動するスライドフ
オークを備えるようにしているのが通常である。

その場合、前記荷受棚板の構造の従来技術とし
て、例えば、特開昭52−1870号公報には、断面コ
字型等の棚板支持腕を棚枠の奥の支柱から走行フ
レームに向かつて水平前向きに片持ち梁的に突出
し、該各棚板支持腕には、その前後適宜隔てた位
置に左右両側に水平状に前棚板と後棚板とを突出
せしめ、スライドフオーク上面に載置した荷物を
前記左右一対の棚板支持腕間にて下降する途次、
当該荷物の下面左右両側が前記左右一対の前棚板
と後棚板との４箇所の棚材にて受けられるように
構成することを提案している。

ところで、前記スライドフオークの上面に載置
した荷物は、その左右中心位置がずれることがあ
り、このように左右位置ずれしたまま、前記左右
両側の前後一対の棚板間において、スライドフオ
ークを下降させると、荷物の下面左右両側と前記
左右両側の棚板との重合巾寸法が異なることにな
り、左右いずれか一方の棚板にはほんの少しだけ
荷物の下面が引つ掛るだけの状態が生じ、荷物が
左右に傾いたり、最悪の場合には、荷物が落下し
てしまうと云う問題がある。

この不都合を解決する手段として、先行技術の
実開昭60−10548号公報では、立体倉庫の棚枠に
おける支柱に断面下向きコ字型の荷受棚板を左右
両側に張り出すように固着し、該荷受棚板の水平
な載荷板には、荷物の左右方向側面用のストツパ
を斜め上向きに切り起こし形成することを提案し
ている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、前記先行技術のストツパは、その上端
縁が自由端となるように切り起こしているので、
荷物の左右方向の載置位置ずれが大きい場合に、
当該荷物の下面がストツパの上端縁に当たないよ
うにするには、このストツパの切り起こし長さを
大きくしなければならず、そうすると、荷受棚板
における水平な載荷板に大きい切り起こし後の孔
ができ、当該荷受棚板の剛性が小さくなつて荷受
け強度が低下するという欠点が別途生じる。

さらに、前記従来技術のように、荷受棚板が偏
平な板状であつて、且つ片持ち梁的に突出してい
る場合に、前記の切り起こしのストツパを適用す
ると、さらに荷受け強度が低下してしまうという
問題がある。

本考案は、前記技術的課題を一挙に解決した荷
受棚装置を提供することを目的とするものであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

そのため本考案は、上下多段の荷受棚板を有す
る棚枠の前面に沿つて走行する上下長手の走行フ
レームに、前記棚枠の任意の荷受棚板箇所に荷物
を出し入れするための水平方向に前後動自在なス
ライドフオークを昇降自在に装着して成る立体倉
庫において、棚枠には前後長手の支持梁を前記ス
ライドフオーク側方の前後移動方向に沿つて配設
し、該各支持梁には、荷物の下面側部を支持する
偏平状の荷受棚板を、その左右自由端が支持梁の
長手軸線の左右両側で前記スライドフオークの側
方に向かつて延びるように水平状に突設し、荷物
の左右中心方向に向かつて下向き傾斜する左右一
対の傾斜面を備えた略門型のガイド体を、その左
右両下端が前記荷受棚板の左右両自由端縁方向に
延び、且つ前記支持梁の前後長手軸線を跨ぐよう
に配設し、該ガイド体の少なくとも左右両下端
を、前記荷受棚板上面に固着したものである。

〔考案の作用・効果〕

この構成によれば、略門型のガイド体は、その
左右両側に、荷受棚板の自由端である荷物の左右
中心方向に向かつて下向きに傾斜する傾斜面を有
するから、スライドフオークに載置された荷物の
位置が左右にずれていても、当該スライドフオー
クを下降する途次それに載置された荷物の下面と
右側面または左側面との角部がガイド体の傾斜面
に接当すれば、このガイド体に沿つて荷物が左右
中心方向に強制的に移動させられることになる。

従つて、スライドフオークの上面から離れて荷
受棚板上に荷物が載置するときには、左右の荷受
棚板間の中心位置と荷物の左右中心位置とが略一
致した状態となり、荷物の荷受棚板上での姿勢を
略一定状態に修正することができる。

しかも、偏平な荷受棚板の上面に、少なくとも
左右両下端を固着した略門型のガイド体により、
荷受棚板の断面係数が大きくなり、剛性を高める
ことができ、当該荷受棚板の左右両自由端側が、
載置された荷物の荷重により下向きに垂れ変形す
ることを防止できる。

この結果、立体倉庫における棚枠の荷受棚板を
偏平なものとして上下間隔に無駄な空間を多く取
る必要がなくなり、同じ上下空間により多くの棚
を設けて、多数の荷物を収納することができる効
果を奏する。

このように、本考案に従えば、偏平状の荷受棚
板上面に左右両側に傾斜面を有する略門型のガイ
ド体を固着するという簡単な構成により、荷受棚
板の強度を向上させると同時に荷受棚板上での荷
物の姿勢も修正できるという顕著な効果を有する
ものである。

〔実施例〕

次に本考案の実施例について説明すると、符号
１は立体倉庫における床レール２と天井レール３
とにより支持案内されて走行する上下長手の走行
フレーム１を示し、符号４，４は前記走行フレー
ム１の前後に適宜隔てて立設する棚枠で、該各棚
枠４には床レール２の長手方向にそつて上下及び
左右に一定間隔にて荷物５を載置できる多数の荷
受棚箇所６が形成されている。

走行フレームは断面コ字型の中空部材からな
り、該走行フレーム１の外周には同じく断面コ字
型の昇降フレーム７を昇降自在に配設し、昇降フ
レーム７の一側には、第８図及び第９図に示すよ
うな固定下台９に対して前後移動自在に連結され
た中間移動台１０を介して上段台１１が前後に進
退移動できる３段伸縮式の前後進退動自在なスラ
イドフオーク８を備え、該スライドフオーク８の
伸縮作動と昇降フレーム７の昇降作動とにより、
任意の荷受棚箇所６への荷物５の出し入れを行う
ものである。

走行フレーム１は第７図に示すように、走行用
モータ１２及びチエーン１３を介して駆動される
走行車輪１４，１４により走行駆動する。

走行フレーム１の外面には、前記スライドフオ
ーク８の前後進退動と平行な側面とそれに直角な
側面とに各々上下長手の断面矩形状のガイドレー
ル１７，１８，１８を固着する。

前記昇降フレーム７の内側には、前記ガイドレ
ール１８の側面に接当する左右一対上下対の４個
の回転コロ１９を設け、昇降フレーム７は走行フ
レーム１に上下方向に配設されたチエーン１５を
介して駆動用モータ１６により上下動自在に駆動
される。

次に棚枠４における荷受棚箇所６の詳細につい
て述べる。

棚枠４は断面コ字型の前後一対の支柱２０，２
０を床面から前記床レール２の長手方向に沿つて
一定間隔Ｗ１にて立設し、その前後一対の支柱２
０，２０間には、荷物５の高さ寸法Ｈ１より大き
い高さ寸法Ｈ２の間隔にて前後長手の支持梁２１
を配設し、前後両端をボルト２３等にて固着す
る。

第２図及び第３図の実施例において、支持梁２
１の断面は下向きコ字型であり、荷物５の下面側
部を支持する偏平板状の幅寸法Ｗ２の荷受棚板２
２を支持梁２１の下端から側方に一体的に水平状
に突出させてある。

従つて、棚枠４の床レール２長手方向端部にお
いては、荷受棚板２２は、その一端自由端が支持
梁２１の一方の側方にのみ突出するものであり、
中間部分においては、荷受棚板２２の左右両自由
端が支持梁２１の左右両側方に突出する。

前記各荷受棚板２２の長手方向前後両端部は斜
め上向きに屈曲させたストツパ部２２ａ，２２ｂ
を形成し、荷物５の前後方向き位置ずれを修正す
ることができると同時に落下防止の役割を果た
す。

符号２４は本考案のガイド体で、該ガイド体２
４は、上水平部から前記各荷受棚板２２の上面に
荷物５の左右中心方向に向かつて下向き傾斜する
傾斜面２４ａを有するように熔接等により固着し
たものであり、前記棚枠４の長手方向中途部にお
ける支持梁２１に設けるガイド体２４は、上水平
部から左右両側に斜め下向きに延びる（荷受棚板
２２の左右両自由端縁方向に斜め下向きに延び
る）傾斜面２４ａ，２４ａを有する略門型に形成
するのであり、この各傾斜面２４ａの下端は荷受
棚板２２の幅寸法Ｗ２の略中途部に位置させ、荷
受棚板２２の自由端縁から寸法Ｗ３の部分に荷物
５の下面側縁が乗るように構成する（第２図参
照）。

第２図及び第３図の実施例では、前後寸法ｌ１
のガイド体２４は荷受棚板２２の長手方向の前後
位置及び中途位置の３箇所に別別に熔接してある
が、ガイド体２４の前後長さを荷受棚板２２の前
後長さと略一致するように形成しても良い。

この構成により、荷受棚箇所６における左右両
側の荷受棚板２２，２２間を自由に昇降できる幅
寸法Ｗ４を有するスライドフオーク８の上段台１
１上にこれより幅広い寸法Ｗ５の荷物５を載置
し、荷物５が収納されていない荷受棚箇所６に
て、スライドフオーク８における上段台１１上面
が、左右両側の荷受棚板２２，２２の上面より高
い位置まで上昇させた後、荷物５が荷受棚箇所６
に十分納まる所定距離だけ中間移動台１０及び上
段台１１を前進させ、次いで昇降フレーム７を下
降させると、上段台１１が前記左右両側の荷受棚
板２２，２２間にて下方に通過し、荷物５の下面
が前記左右両側の荷受棚板２２，２２上面に乗る
ことになる。

その場合、スライドフオーク８の左右中心に対
して荷物５の載置位置が左右にずれていると、ス
ライドフオーク８の側方にはみだす量が多い側に
て、当該荷物５の左側または右側の下面が前記ガ
イド体２４の傾斜面２４ａに接当し、該傾斜面２
４ａに沿つて荷物５は反対側に押されて滑り、当
該荷物５の左右中心位置が荷受棚箇所６の左右中
心位置と略一致した状態にて左右両荷受棚板２
２，２２の上面に載置できるのである。

そして、前記棚枠４中途部における支持梁２１
の長手軸線を跨ぐように配設された各門型のガイ
ド体２４の左右両下端は、支持梁２１の左右両側
に延びる左右両荷受棚板２２の上面に固着されて
いることから、荷受棚板２２自体が偏平であつて
も、剛性が高くなり、強度を向上させることがで
きるのである。

なお、ガイド体２４の下端水平片２４ｂを、第
４図の一点鎖線に示すように、荷受棚板２２の自
由端縁まで延長すれば、荷物５の下面はその延長
部の上面に乗ることになる。

第５図は、支持梁２１を断面上向きコ字型に形
成し、その上面に左右両側に延びる荷受棚板２２
を熔接固着し、さらに該荷受棚板２２の上面に、
前記と同様に上水平部の左右両側から斜め下向き
に延びる傾斜面２４ａ，２４ａを有する略門型の
ガイド体２４の左右両下端を熔接固着した実施例
である。

第６図の実施例では、荷受棚板２２の前後方向
中途部を切り欠く等して左右荷受棚板２２，２２
の左右間隔が広い箇所と狭い箇所とを形成し、各
荷受棚板２２の突出部分の上面にて荷物５を載置
するものとし、これに対応してスライドフオーク
８における上段台１１の左右幅寸法も前記左右荷
受棚板２２，２２の左右間隔が広い箇所で広く、
狭い箇所で狭く形成し、互いに干渉しないで上段
台１１が上下に通過できるように構成するもので
あり、ガイド体２４は前記各荷受棚板２２の幅寸
法の大きい箇所の上面に固着している。この構成
によれば、広い幅寸法の上段台１１にて安定して
荷物５を載置できる一方、荷受棚板２２を支持梁
２１に沿つて前後長手に形成することなく、部分
的に形成することもでき、その場合の荷受棚板２
２の上面のガイド体２４の固着によつて強度の不
足も解消することができるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は立体倉
庫の側面図、第２図は第１図の−線視一部切
欠き断面図、第３図は第１図及び第２図の−
線視拡大断面図、第４図は要部斜視図、第５図は
他の実施例の断面図、第６図はさらに他の実施例
の断面図、第７図は第１図の−視で示す走行
フレームの側面図、第８図は第７図の−視平
面図、第９図は第１図の要部拡大側面図である。 １……走行フレーム、２……床レール、３……
天井レール、４……棚枠、５……荷物、６……荷
受棚箇所、７……昇降フレーム、８……スライド
フオーク、９……固定台、１０……中間移動台、
１１……上段台、１７，１８……ガイドレール、
１９……回転コロ、２０，２０……支柱、２１…
…支持梁、２２，２２……荷受棚板、２２ａ，２
２ｂ……ストツパ、２３……ボルト、２４……ガ
イド体、２４ａ……傾斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下多段の荷受棚板を有する棚枠の前面に沿つ
   て走行する上下長手の走行フレームに、前記棚枠
   の任意の荷受棚板箇所に荷物を出し入れするため
   の水平方向に前後動自在なスライドフオークを昇
   降自在に装着して成る立体倉庫において、棚枠に
   は前後長手の支持梁を前記スライドフオーク側方
   の前後移動方向に沿つて配設し、該各支持梁に
   は、荷物の下面側部を支持する偏平状の荷受棚板
   を、その左右自由端が支持梁の長手軸線の左右両
   側で前記スライドフオークの側方に向かつて延び
   るように水平状に突設し、荷物の左右中心方向に
   向かつて下向き傾斜する左右一対の傾斜面を備え
   た略門型のガイド体を、その左右両下端が前記荷
   受棚板の左右両自由端縁方向に延び、且つ前記支
   持梁の前後長手軸線を跨ぐように配設し、該ガイ
   ド体の少なくとも左右両下端を、前記荷受棚板上
   面に固着したことを特徴とする立体倉庫における
   荷受装置。