JPH0479055B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は磁気記録体に関し、その主たる目的は
電磁変換特性及び帯電防止効果の改良された磁気
記録体に関する。 従来、磁気記録体の磁性層は、帯電防止を主た
る目的として、カーボンブラツクを含有してい
る。しかしながら、カーボンブラツクの添加は磁
性層の塗膜表面の平滑性を悪化させる為、特に高
密度記録を必要とするビデオテープに於ては、電
磁変換特性を顕著に劣化せしめるので、両特性の
バランスがとれずその改良が待ち望まれていた。 本発明の目的は磁気記録体の電磁変換特性及び
帯電防止効果、より具体的にはカラーノイズ及び
磁性層表面電気抵抗の改良された磁気記録体を提
供するにある。 本発明の上記の目的は、非磁性支持体上に磁性
層を設けてなる磁気記録体であつて、該磁性層
が、平均一次粒子サイズ20〜50mμのカーボンブ
ラツクに10mμ以下の極微粒子のカーボンブラツ
ク、いわゆるハイカラーカーボンブラツクを適量
混合して含有することによつて達成できることを
見い出した。 本発明に使用されるカーボンブラツクの一種(A)
は平均一次粒子サイズが10mμ以下のカーボンブ
ラツクであればよい。その具体例としてはコロン
ビヤンカーボン製Royal Spectra（7mμ）、
NeoSpectra Mark（8mμ）、Super Spectra
（9mμ）等がある。 また、本発明の他方のカーボンブラツク(B)は平
均一次粒子サイズが20〜50mμであればよく、そ
の具体例としては旭カーボン製旭＃80（23mμ）、
同＃70（27mμ）、同＃60H（35mμ）、同＃60
（50mμ）、電気化学製アセチレンブラツク
（42mμ）、三菱化成製＃4000B（20mμ）、MA−８
（24mμ）、東海電極製シースト5H（22mμ）、Cabot
製Vulcan XC−72（30mμ）、コロンビヤンカーボ
ン製Raven 1035（27mμ）、Conductex 975
（20mμ）等がある。 カーボンブラツクＡとＢの混合比率は重量比で
１：99〜30：70であり、３：97〜25：85が好まし
く、５：95〜20：80がより好ましい。カーボンブ
ラツクの添加量としてはＡ、Ｂ合計で１〜20重量
部が好ましく、より好ましくは３〜15重量部であ
る。添加量が少ないと帯電防止効果が減少し、又
反対に多いと、磁性体の磁性層中の充填度が低下
し、かつ塗膜表面性が劣化し、電磁変換特性が劣
化する。 磁性体はγ−Fe₂O₃、FeOx（1.33＜ｘ＜1.5）、
CrO₂、Co添加γ−Fe₂O₃、Co添加FeOx（1.33＜
ｘ＜1.5）、平板状Baフエライト、Fe−Co−Ni合
金粉末、Fe−Zn合金粉末等の通常磁気記録体に
使用出来る強磁性粉末が本発明に於ても何等異な
ることなく使用出来る。 酸化鉄系磁性体の形状については粒状、針状、
紡錘状等のどれであつてもよく、必要により混合
使用しても支障ない。 バインダーについては、例えばポリ塩酢ビ、セ
ルロース誘導体、ポリウレタン、ニトリル−ブタ
ジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリエ
ステル、アクリル樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、
エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイソシアネート
等が使用出来るが、これらのみに限定されるべき
ではなく、磁気記録体用として通常用いられてい
るものが本発明に於ても用いられる。 磁性層中に添加される潤滑剤としては、脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステルの如きエス
テル、各種シリコンオイル、フツ素系オイル、流
動パラフイン、スクワラン、その他通常磁気記録
体に使用出来るものが用いられる。 磁性層中に必要に応じて安定剤、無機フイラ
ー、分散剤、可塑剤、固体潤滑剤、研磨剤等を加
えても支障ない。 支持体に関してはポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポ
リイミド、塩ビ系フイルム等が用いられ、これら
にバツクコートを施したフイルムでも支障なく使
用出来る。支持体の表面性は特に制限されない
が、高密度小形ビデオテープ用としては、中心線
平均粗さ（Ra）が0.035μ以下（cut off0.08mm）
のものが好ましい。また、支持体の両面の平滑性
の異なるものを必要に応じて用いてもよい。支持
体の片面（反磁性面）に潤滑剤または界面活性剤
を塗布したものを用いて磁性層を塗設してもよ
い。磁性層塗設後またはカレンダー処理等の表面
成形処理後、反磁性面側の支持体表面に潤滑剤ま
たは界面活性剤を塗布してもよい。 本発明に適用できる磁性層、支持体、磁性粉及
び添加剤等については特公昭56−26890号に記載
されている。 以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説
明する。実施例中「部」は「重量部」を示す。 実施例 １ Co添加γ−Fe₂O₃ 100部 カーボンブラツク（7mμ） 0.5部 カーボンブラツク（30mμ） 4.5部 α−Al₂O₃ ５部 ポリイソシアネート ８部 ビニルアルコール含有塩酢ビ樹脂 16部 アクリル樹脂 4.5部 オレイン酸 0.5部 オレイルオレエート 0.5部 溶剤（シクロヘキサノン／メチルエチルケトン
＝１／１） 適量 上記組成でボールミル分散により磁性液を調製
後、15μ厚のポリエステルフイルム上にドクター
法にて塗布した。 しかる後、表面成形処理を施し、1/2吋幅に裁
断し、VHS用小型ビデオテープ（サンプルNo.１）
を得た。 比較例 １ 実施例１に於てカーボンブラツクを平均一次粒
子サイズ20mμのもののみ５部に代える以外は実
施例１のサンプルNo.１と同様にしてサンプルNo.２
を得た。 比較例 ２ 実施例１に於てカーボンブラツクを平均一次粒
子サイズ30mμのもののみ５部又は50mμのものの
み５部に代えた以外同様にしてサンプルNo.３及び
No.４を得た。 実施例 ２ 実施例１のサンプルNo.１に於てカーボンブラツ
クＡ、Ｂ混合比を変更して（合計で５部）、１：
99、５：95、20：80、30：70としたサンプルNo.
５、No.６、No.７、No.８を得た。 比較例 ３ 実施例１のサンプルNo.１に於てカーボンブラツ
クＡ、Ｂ混合比を変更して（合計で５部）、0.5：
99.5、50：50とした以外実施例１のサンプルNo.１
と同様にしてサンプルNo.９、No.10を得た。 この様にして得られたサンプルNo.１〜No.10の評
価結果を第１表に示す。 カラーノイズはカラーノイズメーターを用いて
測定し、相対値で示した。耐久性はテープを50cm
の長さのエンドレスループにしてSuSポールを用
いた簡易・走行テスト機にて3m／秒で走行させ、
100回毎にチエツクし、磁性層剥離の発生回数を
調べた。1000回で中止した。 帯電防止効果は定法に従い磁性層表面電気抵抗
を測定し値が小なる程、効果大とした。サンプル
１／２吋×1/2吋角を用いテープ長さ方向に100Vを
印加し高抵抗測定機で測定した。

【表】 第１表から明かな如く、サンプルNo.１（本発明）
は比較サンプルNo.２、３、４（サイズ20mμ、
30mμ、50mμのカーボンブラツクを使用）にくら
べてカラーノイズ及び磁性層表面電気抵抗の点で
優れている。サンプル５〜８（本発明）も比較サ
ンプルNo.２〜４より良好な特性を示している。 10mμカーボンの少ないサンプルNo.９は本発明
の効果が十分認められず、添加量が50％と多いサ
ンプルNo.10は耐久性が劣る。 また、サンプルNo.１（本発明）とサンプルNo.３
の磁性層の耐溶剤性を調べたところNo.１の方が勝
つていた。原因としては硬化剤（ポリイソシアネ
ート）の反応に表面積の大きなカーボンブラツク
(A)の吸湿水分が関与した事が推定される。 以上まとめると、平均一次粒子サイズ10mμ以
下のカーボンブラツクと20〜50mμのカーボンブ
ラツクを重量比１：99〜30：70で混合して含む時
のみ良好な電磁変換特性及び帯電防止効果を持つ
磁気記録体を得ることが出来る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 非磁性支持体上に磁性層を設けて成る磁気記
   録体に於て、該磁性層が平均一次粒子サイズ
   10mμ以下のカーボンブラツク及び20〜50mμのカ
   ーボンブラツク（重量比１：99〜30：70）を含む
   ことを特徴とする磁気記録体。