JPH0478559B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、トラツクの荷台の上方付近におい
て旋回、任意方向の水平移動および昇降移動でき
るチエーンブロツクを備えているトラツククレー
ンに関するものである。

〔従来の技術〕

従来、トラツククレーンとしては、(1)実開昭61
−65085号公報により公表されているように、ト
ラツクにおける荷台の前部に固定されている支持
フレームに、支柱をクランプにより固定し、その
支柱の上端部に水平な第１アームの基端部を旋回
自在に嵌合し、その第１アームの先端部に第２ア
ームの基端部を縦軸により枢着し、第２アームの
先端部に巻上機を取付けた構造のトラツククレー
ン、(2)実公昭54−39798号公報により公表されて
いるように、トラツクの荷台の前部に支柱の下部
を固定し、運転室の屋根よりも低レベルに配置さ
れた旋回支柱を前記支柱の上部に回動自在に嵌合
し、外筒とその中に摺動自在に嵌挿された内筒と
ラツクピニオン式伸縮装置とからなる伸縮ブーム
の基端部を、前記旋回支柱の下部に横軸により俯
仰自在に枢着し、前記内筒に複数の係止孔を設け
ると共に、前記外筒にばねにより押圧される係止
栓を取付け、前記伸縮ブームの先端部にチエーン
ブロツクを取付けると共に係止チエーンの一端部
を連結し、かつ前記旋回支柱の上端部に取付けら
れている係止部材に前記係止チエーンのリンクを
係止した構造のトラツククレーンが知られてい
る。

〔発明が解決しようとする課題〕

前記(1)のトラツククレーンの場合は、巻上機に
よる揚程を大きくするためには、支柱の高さを高
くする必要があるが、支柱の高さを高くすると、
トラツククレーンの高さが高くなるので、トラツ
ククレーンを格納する屋根付きガレージの高さを
高くする必要があり、そのため屋根付きガレージ
の建設費が高くなる。また低い屋根を有する既存
のガレージにはトラツククレーンを収容すること
ができない。さらにトラツククレーンの高さが高
くなると、走行時の安定性が悪くなるといいう問
題がある。

前記(2)のトラツククレーンの場合には、伸縮ブ
ームの構造が複雑で重量が大きくかつコスト高に
なり、伸縮ブームの俯仰角度を調節するときは、
大重量の伸縮ブーム全体を手で支持して上向き回
動または下向き回動する必要があるので、俯仰角
度調節操作性が悪いという問題がある。

この発明は、トラツククレーンの走行時および
格納時にトラツククレーンの高さを低くすること
ができ、かつ構造が簡単で低コストで製作できる
と共に、チエーンブロツクの高さ調節操作が容易
であるトラツククレーンを提供することを目的と
するものである。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するために、この発明のトラツ
ククレーンにおいては、トラツク１における荷台
４の上方に設けられた支持部材３に、旋回支持部
材８が縦軸１０により回動自在に取付けられ、そ
の旋回支持部材８に旋回俯仰アーム７の基端部が
横軸９により枢着され、、前記旋回俯仰アーム７
の下部において水平に延長するガイドレール１１
は前記旋回支持部材８に固定され、前記旋回俯仰
アーム７の中間部に、アーム上向き傾斜支持用支
脚１２の基端部が横軸１３により折りたたみ可能
に取付けられ、そのアーム上向き傾斜支持用支脚
１２の先端部に前記ガイドレール１１によりガイ
ドされるガイド部材１４が設けられ、前記旋回俯
仰アーム７の先端部にチエーンブロツク１５が取
付けられている。

〔作用〕

旋回俯仰アーム７を支持部材３に対し縦軸１０
を中心として旋回させると、チエーンブロツク１
５が旋回される。また旋回俯仰アーム７を、横軸
９を中心として上方に回動して上向きに傾斜させ
た状態で、ガイドレール１１によりアーム上向き
傾斜支持用支脚１２を介して旋回俯仰アーム７の
中間部を支持すると、チエーンブロツク１５が高
レベルの位置に支持され、アーム上向き傾斜支持
用支脚１２を旋回俯仰アーム７に対し折りたたん
だ状態で、旋回俯仰アーム７を倒伏すると、チエ
ーンブロツク１５が低レベルの位置に支持され
る。

さらにまた、旋回俯仰アーム７を上向きに傾斜
させた状態で旋回させると、チエーンブロツク１
５の旋回半径が小さくなり、旋回俯仰アーム７を
倒伏した状態で旋回させると、チエーンブロツク
１５の旋回半径が大きくなる。

〔実施例〕

次にこの発明を図示の例によつて詳細に説明す
る。

図面はこの発明の一実施例を示すものであつ
て、左右両側に取付用座板１６を備えているフレ
ーム本体１７に支持１８が固着されて支持フレー
ム５が構成され、その支持フレーム５はトラツク
１における荷台４の前端部に載置されてボルト１
９により着脱自在に固定され、かつ前記支柱１８
の上端部に縦軸６の下部が固定され、トラツク１
における運転室２の屋根よりも僅かに高レベルに
配置された水平な旋回アームからなる支持部材３
の基端部は、前記縦軸６に対し軸受を介して回動
自在にかつ上下方向に移動しないように嵌設さ
れ、さらに旋回支持部材８の下部に一体に設けら
れた縦軸１０は、支持部材３の先端部に軸受を介
して回動自在にかつ上下方向に移動しないように
取付けられ、また旋回俯仰アーム７の基端部は旋
回支持部材８に対し横軸９により枢着されてい
る。

上部に内向きフランジを備えている上向き開口
溝形断面のガイドレール１１は、前記旋回俯仰ア
ーム７の下部において水平に延長するように配置
され、かつ前記ガイドレール１１の下部には上向
き開口溝形断面の補強部材２０が溶接により固着
され、前記ガイドレール１１および補強部材２０
の基端部は前記旋回支持部材８に対し溶接により
固着され、さらにトラツク１の電源により運転さ
れる電動式チエーンブロツク１５における本体２
１に、金属板製支持金具２２の下端部がボルト２
３により連結され、また前記支持金具２２の上端
部は旋回俯仰アーム７の先端部に対しボルト２４
により着脱自在に連結されている。

溝形断面のアーム上向き傾斜支持用支脚１２の
基端部は、ガイドレール１１の先端に近い位置の
上方において旋回俯仰アーム７の中間に対し横軸
１３により枢着され、かつ前記支脚１２の先端部
の左右両側には、円盤状のガイド部材１４が固定
されるかまたは回転自在に取付けられ、各ガイド
部材１４はガイドレール１１の左右両側の溝内に
移動自在に嵌入され、さらに支脚１２の先端側に
は支脚回動用把手２５が取付けられ、前記ガイド
レール１１の先端部にはガイド部材１４を係合さ
せるストツパ２６が固定され、ガイド部材１４が
ストツパ２６に係合された状態では、支脚１２の
先端側が旋回俯仰アーム７の先端側に偏位するよ
うに傾斜して、旋回俯仰アーム７が上向きに傾斜
した状態に支持される。また前記アーム上向き傾
斜支持用支脚１２に固定されたばね支持金具２７
と横軸１３よりもアーム先端側において旋回俯仰
アーム７に固定されたばね支持金具２８とは、支
脚突出方向回動用引張ばね２９を介して連結され
ている。

前記支柱１８の上端部の側面に縦孔３０および
下部フランジ３１を有する保持金具３２が溶接に
より固定され、その保持金具３２の上部における
支柱周囲方向の一側部に、支柱１８の上端面より
も上方に突出する旋回ストツパ３３が一体に設け
られ、上端に截頭円錐面を形成したロツク用ピン
３４は前記縦孔３０に昇降自在に嵌合され、前記
ロツク用ピン３４の下端部に連結された螺杆３５
は下部フランジ３１に挿通され、かつロツク用ピ
ン３４の下端部と下部フランジ３１との間にピン
押上用ばね３６を介在され、さらに螺杆３５の下
端部に、ストツパナツト５２が螺合されると共
に、ピン引下用把手３７が金属線材または繊維製
紐からなる連結材３８を介して連結され、前記ロ
ツク用ピン３４はピン押上用ばね３６により押上
げられて保持金具３２の上端面から上方に突出す
る。

前記支持部材３の基端部の側面に截頭円錐孔３
９を有するピン受金具４０が溶接により固定さ
れ、前記保持金具３２に嵌設された螺杆３５およ
びピン引下用把手３７付きのロツク用ピン３４と
ピン押上用ばね３６とピン受金具４０とにより支
持部材ロツク装置４１が構成されている。

ピン引下用把手３７を手で引張つてロツク用ピ
ン３４を引き下げた状態で、ピン受金具４０が旋
回ストツパ３３に突き当たるまで支持部材３を旋
回すると、支持部材３が運転室２の屋根に近接す
る位置において支柱１８から前方に突出すると共
に、ピン受金具４０における截頭円錐孔３９がロ
ツク用ピン３４の上部に配置され、前記ピン引下
用把手３７から手を離すと、ロツク用ピン３４が
ピン押上用ばね３６により押し上げられてピン受
金具４０に嵌入され、支持部材３が旋回しないよ
うにロツクされる。

前記支持部材３の基端側の上部に支承金具４２
の下部が溶接により固定され、前記旋回俯仰アー
ム７の中間部の下部に、その旋回俯仰アーム７が
支持部材３に重なる位置まで回動されたとき前記
支承金具４２に係合するストツパ４３が溶接によ
り固定され、かつ旋回俯仰アーム７の中間部の側
面にフツク形の係合金具４４がビスにより固定さ
れ、操作レバー４５の先端部が保持金具４６に対
し枢軸４７により枢着されると共に、Ｕ字係止ア
ーム４８の両腕の先端部が前記操作レバー４５の
中間部に対しピン４９により枢着されて、係止金
具５０が構成され、その係止金具５０における保
持金具４６は支承金具４２に対しビスにより固定
され、前記係合金具４４と係止金具５０とにより
旋回俯仰アーム係止装置５１が構成されている。

係止金具５０におけるＵ形係止アーム４８を係
合金具４４から外した状態で、ストツパ４３が支
承金具４２に突き当たるまで旋回俯仰アーム７を
支持部材３に対し回動すると、その旋回俯仰アー
ム７が支持部材３の上部になるように配置され、
次いで操作レバー４５を枢軸４７から横方向に突
出する位置に配置した状態で、Ｕ形係止アーム４
８を係合金具４４に係合したのち、操作レバー４
５を押し下げると、前記旋回俯仰アーム係止装置
５１により旋回俯仰アーム７が支持部材３に結合
される。

第１図および第２図は、チエーンブロツク１５
を低レベルに配置すると共に、支持部材３および
旋回俯仰アーム７をトラツク１の荷台４の上方に
配置して、荷物の積み降ろしを行なうときの状態
を示している。

チエーンブロツク１５を低レベル位置から高レ
ベルに移動する場合は、旋回俯仰アーム７を、作
業員が手で押上げて横軸９を中心として上向きに
回動していくと、支脚突出方向回動用引張ばね２
９の張力により支脚１２が旋回俯仰アーム７から
下側に突出する方向に自動的に回動されて行き、
アーム上向き傾斜支持用支脚１２の先端のガイド
部材１４がガイドレール１１の先端のストツパ２
６に突き当たつた状態では、旋回俯仰アーム７か
ら手を離しても、ガイドレール１１によつてガイ
ド部材１４および支脚１２を介して旋回俯仰アー
ム７が上向き傾斜状態に支持され、したがつて、
第１３図に示すように、チエーンブロツク１５が
高レベル位置に保持される。

またチエーンブロツク１５を高レベル位置から
低レベル位置に移動する場合は、作業員が一方の
手で旋回俯仰アーム７を支えながら、他方の手で
回動用把手２５をガイドレール１１の基端側に向
かつて押圧して、支脚１２を折りたたみ方向に回
動させると共に、旋回俯仰アーム７を倒伏回動さ
せていく。

トラツククレーンを走行させたり、ガレージに
格納する場合は、第１５図ないし第１９図に示す
ように、支持部材３を支柱１８から運転室２上の
前方に突出するように配置して支持部材ロツク装
置４１によりロツクし、かつ旋回俯仰アーム７を
支持部材３の上部に重なるように配置して、旋回
俯仰アーム係止装置５１により旋回俯仰アーム７
を支持部材３に結合する。

前記実施例の場合は、支持部材３の旋回および
旋回俯仰アーム７の旋回を適宜組合わせて行なう
ことにより、荷台４における支持フレーム５の近
くにも荷物を搭載することができ、さらに支持フ
レーム５の近くにおいても、荷台４上に荷物を高
く積載することができる。

この発明を実施する場合、前記ストツパ２６を
省略して、支脚１２に係合する脚片突出方向回動
停止用ストツパを旋回俯仰アーム７に固定しても
よく、また前記支脚突出方向回動用引張ばね２９
を省略してもよい。

〔発明の効果〕

この発明は、前述のように構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。

アーム上向き傾斜支持用支脚１２を旋回俯仰ア
ーム７に重なるように折りたたんだ状態で、チエ
ーンブロツク１５を支持している旋回俯仰アーム
７を倒伏することにより、トラツククレーンの重
心を低くすると共にトラツククレーンの高さを低
くできるので、トラツククレーンを安定状態で走
行させることができるのと共に、低い屋根のガレ
ージにも格納することができ、かつ前記アーム上
向き傾斜支持用支脚１２を旋回俯仰アーム７から
下向きに突出させると共に、ガイドレール１１に
よつてガイド部材１４および支脚１２を介して旋
回俯仰アーム７を支持することにより、チエーン
ブロツク１５を高レベルの位置に保持して、その
チエーンブロツク１５による揚程を大きくするこ
とができ、さらに単に支脚１２を旋回俯仰アーム
７に重なるように折りたたんで、その旋回俯仰ア
ーム７を倒伏したり、旋回俯仰アーム７を上向き
に回動してその旋回俯仰アーム７から突出した支
脚１２により支持するという簡単な操作を行なう
ことにより、チエーンブロツク１５のレベルを容
易に調節することができ、しかも旋回俯仰アーム
７を上下方向に回動してチエーンブロツク１５の
レベルを調節することができるので、比較的小さ
な力で上下方向回動操作を行なうことができる。
またこの発明のトラツククレーンは構造も比較的
簡単で低コストで製作できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示すものであつ
て、第１図はトラツククレーンにおける支持部材
および旋回俯仰アームを直列に配置すると共にチ
エーンブロツクを低レベルに配置した状態を示す
一部縦断側面図、第２図は第１図の一部を拡大し
て示す一部切欠縦断側面図、第３図は第１図のＡ
−Ａ線拡大断面図、第４図は第２図のＢ−Ｂ線拡
大断面図、第５図は第２図のＣ−Ｃ線拡大断面
図、第６図は旋回俯仰アームの先端のチエーンブ
ロツク取付部を示す一部縦断側面図、第７図は支
持部材ロツク装置を分離した状態を示す一部縦断
正面図、第８図は支持部材ロツク装置におけるピ
ン支持部を示す一部縦断側面図、第９図は支持部
材に設けられた旋回俯仰アーム係止具を示す側面
図、第１０図は第９図のＤ−Ｄ線断面図、第１１
図は旋回俯仰アームに設けられた旋回俯仰アーム
係合金具を示す側面図、第１２図は第１１図のＥ
−Ｅ線断面図である。第１３図はトラツククレー
ンにおける旋回俯仰アームを上向きに傾斜させた
状態を示す一部縦断側面図、第１４図は第１３図
の一部を拡大して示す一部切欠縦断側面図、第１
５図は支持部材および旋回俯仰アームをトラツク
における運転室の上部で折りたたんでロツクした
状態を示す一部縦断側面図、第１６図は支持部材
ロツク装置をロツクした状態を示す一部縦断側面
図、第１７図は第１６図のＦ−Ｆ線断面図、第１
８図は旋回俯仰アームを支持部材に係止した状態
を示す側面図、第１９図はその縦断正面図であ
る。 図において、１はトラツク、２は運転室、３は
支持部材、４は荷台、５は支持フレーム、６は縦
軸、７は旋回俯仰アーム、８は旋回支持部材、９
は横軸、１０は縦軸、１１はガイドレール、１２
はアーム上向き傾斜支持用支脚、１３は横軸、１
４はガイド部材、１５はチエーンブロツク、１８
は支柱、２５は回動用把手、２６はストツパ、２
９は支脚突出方向回動用引張ばね、３３は旋回ス
トツパ、３４はロツク用ピン、３６はピン押上用
ばね、３７はピン引下用把手、４０はピン受金
具、４１は支持部材ロツク装置、４２は支承金
具、４３はストツパ、４４は係合金具、５０は係
止金具、５１は旋回俯仰アーム係止装置である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ トラツク１における荷台４の上方に設けられ
   た支持部材３に、旋回支持部材８が縦軸１０によ
   り回動自在に取付けられ、その旋回支持部材８に
   旋回俯仰アーム７の基端部が横軸９により枢着さ
   れ、前記旋回俯仰アーム７の下部において水平に
   延長するガイドレール１１は前記旋回支持部材８
   に固定され、前記旋回俯仰アーム７の中間部に、
   アーム上向き傾斜支持用支脚１２の基端部が横軸
   １３により折りたたみ可能に取付けられ、そのア
   ーム上向き傾斜支持用支脚１２の先端部に前記ガ
   イドレール１１によりガイドされるガイド部材１
   ４が設けられ、前記旋回俯仰アーム７の先端部に
   チエーンブロツク１５が取付けられているトラツ
   ククレーン。