JPH047808A - 核磁気共鳴断層撮影装置の超電導マグネット用低温容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 Ａ、産業上の利用分野 この発明は、核磁気共鳴断層撮影装置（以下、単に装置
とも略称する）の静磁場発生に用いられる超電導マグネ
ットを収納する超電導マグネット用低温容器に関する。

Ｂ、従来技術 核磁気共鳴断層撮影装置は、装置内に挿入された被検体
の周囲空間に均一な静磁場を発生させ、これに、回転磁
場をパルス状に加えて被検体内のスピンを励起させ、励
起されたスピンが元の状態に戻るときに放出する電磁波
を検出して画像化するものとして知られており、静磁場
の発生には、超電導マグネットが使用されている。この
超電導マグネットの１ｉｌｌ状態を維持するために、超
電導マグネットは、以下のような低温容器内に収納され
ている。

低温容器は、環状の超電導マグネットを極低温寒剤（例
えば、液体ヘリウムなど）中に浸漬して収納する内容器
と、この内容器の周囲を覆う複数個の熱シールド板と、
これらを内包する真空容器などで構成されており、従来
からある低温容器は、一体の筒状体として形成されてい
る。

Ｃ３発明が解決しようとする課題 しかしながら、上述した従来の低温容器には、次のよう
な問題点がある。

すなわち、一体の筒状体で形成されているため、装置内
（低温容器の空洞内）に被検体を挿入すると、被検体の
周囲空間は低温容器で塞がれた状態となり、被検体に精
神的な圧迫感を与えるという問題点がある。

一般に、低温容器の空洞半径は４０〜５０ｃｍ程度であ
り、１回の撮影で被検体が装置内に挿入されている時間
は平均４０分程度である。このように、狭い空間内にあ
る程度の時間、被検体を閉じ込めた状態にすると、とき
に閉所恐怖症を引き起こし、撮影が不可能となってしま
う。

また、低温容器の空洞内には、励起された被検体内のス
ピンの３次元位置情報を検出するための傾斜磁場発生用
コイルが配置されている。この１頃斜磁場発生用コイル
によって発生した傾斜磁場により、低温容器を構成して
いる真空容器や熱シールド板などの導体部分に渦電流が
誘起され、渦電流による渦電流磁界が静磁場や傾斜磁場
に重畳して、画質の低下、撮影速度の低下を招くという
問題点がある。

この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであ
って、低温容器の空洞の周壁を開放することによって、
被検体に与える精神的な圧迫感を軽減するとともに、渦
電流による影響を低減することができる超電導マグネッ
ト用低温容器を提供することを目的とする。

０９課題を解決するための手段 この発明は、上記目的を達成するために次のような構成
を備えている。

即ち、この発明は、環状の超電導マグネット浸漬用の極
低温寒剤が充填される内容器と、この内容器の周囲を覆
う熱シールド板と、前記内容器と熱シールド板とを内包
する筒状の真空容器とを備えた低温容器の空洞内に、傾
斜磁場発生用コイルを配置した核磁気共鳴断層撮影装置
の超電導マグネント用低温容器において、前記低温容器
をその筒軸上に沿って複数個に分割し、分割された各低
温容器の周囲を磁気シールド板で覆うとともに、各磁気
シールド板間の接続を行う複数個の棒状磁気シールド材
を所要の空隙を隔てて取り付けたことを特徴としている
。

Ｅ１作用 この発明によれば、筒状体である低温容器をその筒軸上
に沿って、複数個に分割し、各超電導マグネット用低温
容器の周囲を覆う磁気シールド板の間の接続を、所要の
空隙を隔てた複数個の棒状磁気シールド材で行うように
したから、超電導マグネットによって発生した静磁場の
外部への漏洩磁場を抑制した状態で、低温容器の空洞の
周壁部が、前記空隙により開放する。

また、低温容器を分割構造としたので、一体化された低
温容器に比べ、導体面積は減少する。したがって、傾斜
磁場発生用コイルによる渦電流が誘起される領域が狭め
られるため、渦電流による影響は低減する。

Ｆ、実施例 以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は、この発明の一実施例に係る超電導マグネット
用低温容器の概略構成を示した斜視図である。

図中、符号１は低温容器２の端面から周面にかけて、低
温容器２を覆うように配されている磁気シールド板であ
る。低温容器２は、その筒軸に沿って２分割されており
、各低温容器を符号２ａ、２ｂで示す。

低温容器２ａと２ｂは、所定間隔Ｄ１を隔てて対向する
ように配置されている。各低温容器２ａ。

２ｂの対向している各端面の外周部には、前記の磁気シ
ールド板１ａ、ｌｂが取り付けられており、各磁気シー
ルド板１ａ、ｌｂを互いに接続するように、周方向に所
定間隔Ｄ２を隔てて複数個の棒状鉄シールド板４が取り
付けられている。各磁気シールドＦｉｌａ、ｌｂおよび
、棒状鉄シールド板４は鉄、ニッケルなどの強磁性材料
で形成されている。

筒状体である各低温容器２ａ、２ｂの空洞は、被検体Ｍ
を装置内に挿入するための貫通孔５である。この貫通孔
５内に対して進退移動するベツド６が、低温容器２ａの
端面側の床上に設置されており、このヘッド６に仰臥し
た被検体Ｍは、ベツド６の進行移動により貫通孔５内に
挿入され、核磁気共鳴断層撮影が行われる。

図中、符号７は各低温容器２ａ、２ｂを床上に設置する
ため脚部、８はベツド６を支持するとともに内部にベツ
ド６の移動機構を備えた基台である。

第２図は低温容器の断面図である。この図を参照して、
低温容器内の構成について説明する。

なお、各低温容器２ａ、２ｂとも内部構成は同一の部品
で構成されているため、この図では添字ａ、ｂによる区
別は付けずに、同一の符号で示している。

被検体Ｍが挿入される貫通孔５内に、被検体Ｍの体軸方
向に均一な静磁場を発生させる超電導マグネット１０と
、超電導マグネット１０が発生する静磁場の外部漏洩磁
場を打ち消すように、静磁場に対して逆向きの磁場を発
生するシールド用コイル１５とが、極低温寒剤としての
液体ヘリウム中に浸漬された状態で環状の内容器１１内
に収納されている。内容器１１の周囲は、アルミニウム
などの熱伝導性の高い材料で形成された第２熱シールド
１２によって覆われ、第２熱シールド１２の周囲は、同
様の材料で形成された第１熱シールド１３によって覆わ
れている。第２熱シールド１２は、冷凍機（図示せず）
の冷却作用によって約２０Ｋに維持され、第１熱シール
ド１３は約８０Ｋに維持されている。内容器１１、第２
熱シールド１２、および第１熱シールド１３は常温の真
空容器１４内に収納されている。この真空容器１４が低
温容器２のケーシングとなっており、前述の磁気シール
ド１は真空容器１４の外周面に配されている。

なお、図中、符号１６は低温容器２の貫通孔５を形成す
る内周面に配置されている傾斜コイルであり・励起され
た被検体Ｍ内のスピンの３次元位置情報を得るための傾
斜磁場を発生する。

このような構成の低温容器２によれば、低温容器２を二
つの低温容器２ａ、２ｂに分割するとともに、棒状鉄シ
ールド板４を所定間隔Ｄ２を隔てて取り付けているので
、貫通孔５内に挿入された被検体Ｍの周囲空間を完全に
塞がずに所要の開放した空間を確保でき、被検体Ｍに精
神的な圧迫を及ぼすことなく、核磁気共鳴断層撮影を行
うことができる。

また、この実施例に係る低温容器２は、容器を二分割し
たことによる外部漏洩磁場の抑制手段として、強磁性材
料で形成された磁気シールド板１および棒状鉄シールド
板４を配することにより、超電導マグネット１０により
発生した静磁場による外部への漏洩磁場を抑制している
。これによって、装置の周囲に置かれている電子機器な
どに悪影響を及ぼすことを防止できる。

なお、外部漏洩磁場を打ち消すものとして、内容器ｌｌ
中にシールド用コイル１５を設けているが、このシール
ド用コイル１５は棒状鉄シールド板４の取り付は数を減
らす目的で設けているもので、特にこのシールド用コイ
ル１５を設ける必要はない。

ただし、シールド用コイル１５を設けると、このコイル
によって打ち消される外部漏洩磁場骨だけ、棒状鉄シー
ルド板４の取り付は数を減らすことができるので、被検
体Ｍの開放感は一層高められる。

また、低温容器２を分割構造にすることで、次のような
作用がある。

低温容器２を分割構造にし、各低温容器２ａ。

２ｂ間に空隙りを形成することで、従来のように一体化
された低温容器に比べ、渦電流が誘起される導体面積を
大幅に減少させることができる。これにより、低温容器
２の貫通孔５を形成する内周面に設けられた傾斜コイル
１６が発生する傾斜磁場によって真空容器１４や熱シー
ルド１１．１２などの導体に誘起される渦電流を小さく
でき、渦電流によって発生する渦電流磁界の静磁場や傾
斜磁場への重畳に起因する断層像の画質の低下や撮影速
度の低下を抑制できる。

Ｇ１発明の効果 以上の説明から明らかなように、この発明に係る核磁気
共鳴断層撮影装置の超電導マグネット用低温容器は、筒
状体である低温容器をその筒軸上に沿って複数個に分割
し、各低温容器の周囲を覆う磁気シールド板の間の接続
を、所要の空隙を隔てた複数個の棒状磁気シールド材で
行うようにしたから、超電導マグネットによって発生し
た静磁場の外部への漏洩磁場を抑制した状態で、被検体
の周囲空間が、前記空隙により開放される。これにより
、被検体に与える精神的な圧迫感を低減することができ
る。

また、低温容器を分割しているため、一体化されている
従来の低温容器に比べ、導体面積を減少させることがで
きる。したがって、低温容器の貫通孔を形成する内周面
に設置された傾斜コイルによって、導体に誘起される渦
１ｉｔｆＪＬを低減することができ、断層像の画質の低
下や撮影時間速度の低下を抑制できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第２図は、この発明の一実施例に係り、第
１図は超電導マグネット用低温容器の概略構成を示した
斜視図、第２図はその縦断面図である。 １・・・磁気シールド板　　２・・・低温容器４・・・
棒状鉄シールド板　訃・・貫通孔１０・・・超電導マグ
ネット ＩＬ　１２・・・熱シールド　　１４・・・真空容器１
６・・・傾斜コイル 特許出願人　株式会社　島津製作所

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）環状の超電導マグネット浸漬用の極低温寒剤が充
   填される内容器と、この内容器の周囲を覆う熱シールド
   板と、前記内容器と熱シールド板とを内包する筒状の真
   空容器とを備えた低温容器の空洞内に、傾斜磁場発生用
   コイルを配置した核磁気共鳴断層撮影装置の超電導マグ
   ネット用低温容器において、前記低温容器をその筒軸上
   に沿って複数個に分割し、分割された各低温容器の周囲
   を磁気シールド板で覆うとともに、各磁気シールド板間
   の接続を行う複数個の棒状磁気シールド材を所要の空隙
   を隔てて取り付けたことを特徴とする核磁気共鳴断層撮
   影装置の超電導マグネット用低温容器。