JP3747981B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)に適した傾斜磁場コイル及び高周波(以下、RFと略す)照射コイルに係り、特に、大きな開口を備えた開放型静磁場発生用磁石と組み合わせて使用する傾斜磁場コイル及びRF照射コイルにおいて、傾斜磁場の発生効率とRF磁場の照射効率を高めるとともに、開放感のあるMRI装置を実現可能とする傾斜磁場コイル及びRF照射コイルの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のMRI装置の第1の例を図7,図8に示す。図7,図8は、水平磁場方式の超電導磁石を使用したMRI装置の構成を示しており、図7は装置全体の断面図、図8は傾斜磁場コイルの斜視図である。図7において、静磁場発生用磁石(超電導磁石)1は、円筒形状をしており、その内部の均一磁場領域(計測空間に相当)2に水平方向(Z軸方向)の静磁場B0を発生させている。超電導磁石1では、コイル3に超電導線材を用いるために、所定の温度(例えば、合金系超電導体の場合には液体ヘリウム温度(4.2K))にまで冷却する必要があり、超電導コイル3は真空容器4や冷媒容器(図では、液体ヘリウム容器)5などから構成される冷却容器6の中に保持される。
【0003】
また、超電導磁石1の内径側には、1組の傾斜磁場コイル7が配置されている。傾斜磁場コイル7は、1組の円筒上に構成されており、3次元空間に合わせて、X,Y,Zの3軸方向の傾斜磁場を発生させる。最近では、傾斜磁場コイル7に近接した導電体(具体的には、超電導磁石の真空容器や熱シールド材など)に発生する渦電流を抑制するため、図8に示すように、傾斜磁場コイル7は主コイル8とシールドコイル9とから構成され、シールドコイル9が主コイル8の外周に、同軸に配置されるのが一般的である。このとき、主コイル8は主に均一磁場領域2に所定の傾斜磁場を発生させ、シールドコイル9は主コイル8と逆方向の磁場を発生することにより、傾斜磁場コイル7の外部に生じる磁場強度を低減させる作用をする。この働きにより、上記の渦電流の発生を効果的に抑制することができる。
【0004】
さらに、傾斜磁場コイル7の内径側には、被検者にRF磁場を照射するためのRF照射コイル10と、RF照射10と外部環境との干渉を防ぐためのRFシールド11が配置されている。RFシールド11は、図にも示されているように、RF照射コイル10と傾斜磁場コイル7との間に配置されていた。
【0005】
図7に示した構成の場合には、図から分かるように、撮影のために被検者の入る計測空間(均一磁場領域)2が狭く、周囲が完全に囲まれているために、被検者は閉塞感を感じる。このため、時には、被検者に装置内に入ることを拒否される場合もあった。また、装置の外部から、術者が被検者へアクセスすることも困難であった。
【0006】
図9,図10には、従来のMRI装置の第2の例を示す。この例では、静磁場発生用磁石として永久磁石等を用いた対向型の磁気回路が採用されている。図9は、MRI装置全体の斜視図,図10はMRI装置の下側部分の外観斜視図と断面図である。図9において、装置の静磁場発生部分は、上下方向に対向して配置された静磁場発生用磁石としての永久磁石20と、永久磁石20を支持する継鉄板21と、上下の継鉄板21を間隔を保持して支持する柱状継鉄22と、永久磁石20の対向面に取り付けられたポールピース23とから構成される。磁気回路は、上側の永久磁石20,上側のポールピース23,均一磁場領域2,下側のポールピース23,下側の永久磁石20,下側の継鉄板21,柱状継鉄22,上側の継鉄板21の経路で形成され、均一磁場領域2に上下方向の均一な垂直磁場が発生する。
【0007】
この磁気回路に使用される傾斜磁場コイル24は、図10(b)に示す如く、平板形状をしており、磁気回路を構成するポールピース23に設けられた凹部27内に収容されるのが一般的である。このようにすると、上下に配置されたポールピース23の間の距離をできるだけ縮めることができるので、磁気回路の製造原価を抑制するのに効果がある。
【0008】
また、本例の場合、傾斜磁場コイルによる渦電流発生対策技術として、特開平6−251930号公報に開示されているポールピースの素材に電気抵抗の高い材料を採用することにより、傾斜磁場コイルを駆動した時でも渦電流の発生は非常に少なかった。このため、第1の従来例の場合と異なり、傾斜磁場コイルには、シールドコイルを含まないのが通例であった。
【0009】
一方、RF照射コイル25は、ポールピース23と均一磁場領域2との間に配置されており、RF照射コイル25によるRF磁場を遮蔽するためのRFシールド26はRF照射コイル25を覆うように、RF照射コイル25と傾斜磁場コイル24との間に配置されるのが通例であった。この技術については、特開平8−66379号公報にも開示されている。
【0010】
図9から明らかのように、永久磁石等を用いた対向型の磁気回路を含むMRI装置では、四方が開放されているために、第1の従来例で述べた被検者に閉塞感を与えるという問題点は解消されている。一方、MRI装置での画質は静磁場発生用磁石の静磁場強度に大きく依存し、画質を向上するためにはできるだけ高い静磁場強度を得ることが望ましい。
しかしながら、永久磁石や常伝導磁石を用いた磁気回路の場合には、高い静磁場強度を得ることが難しく、0.3テラス程度が上限であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
被検者が開放感を得ることができ、かつ、高い静磁場強度を得られる静磁場発生用磁石として、本発明者等は開放型の超電導磁石装置を考案している(特願平7−336023号)。この磁石装置は、超電導磁石を静磁場発生用磁石として用いることにより、高い静磁場強度を得るとともに、その外形を開放的な形状としたことに特徴がある。しかし、静磁場強度が高くなったことにより、傾斜磁場コイルによる渦電流の抑制が困難になり、静磁場の均一度に関してもより高い精度が必要となった。
【0012】
また、この超電導磁石装置では、ポールピースを使用していないので、従来例の如くポールピース材質として電気抵抗の高い材料を選択するという方法を採用することもできない。このため、渦電流の影響を大幅に低減するためには、シールドコイルを備えた平板型の傾斜磁場コイルを使用する必要がある。しかし、この構成においては、第2の従来例に示した傾斜磁場コイルに比べて厚さが増加する。
【0013】
一方、静磁場発生用磁石の内側(均一磁場空間側)には、傾斜磁場コイル,RF照射コイル,RFシールドを配置する必要がある。また、場合によっては、静磁場を補正するためシミング部材を配置するための領域も必要となる。大きな開放感を得るためには、被検者の入る計測空間をできるだけ広く確保する必要がある。このため、傾斜磁場コイル,RF照射コイル,RFシールドを計測空間と静磁場発生用磁石の内壁との間の狭い空間に配置する必要が生じた。
【0014】
しかし、RF照射コイルとRFシールドとの間隔を狭くすると、RF磁場の照射効率が低下してしまう。また、傾斜磁場コイルにおいても、シールドコイルを使用する場合、主コイルとシールドコイルとの間隔を狭くすると、傾斜磁場の発生効率が低下してしまう。このような事情から、従来技術においては、傾斜磁場コイル、及びRF照射コイルとRFシールドとの組合せの配置に、広い空間が必要となるため、開放型の静磁場発生用磁石が提供する開放空間を広いままで活用することができなかった。
【0015】
従って、本発明では、上記課題を解決し、開放型の静磁場発生用磁石を備えたMRI装置に適した傾斜磁場コイル、及びRF照射コイルとRFシールドとの組合せ構造を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のMRI装置は、静磁場発生領域に均一な静磁場を発生させる静磁場発生手段と、前記静磁場発生領域に傾斜磁場を発生させる傾斜磁場発生手段と、前記静磁場発生領域に挿入された被検者にRF磁場を照射するRF照射手段と、該RF照射手段からの外部へのRF磁場を遮蔽するRFシールド手段とを含むMRI装置において、前記傾斜磁場発生手段が前記静磁場発生領域に傾斜磁場を発生する主コイルと該主コイルがその外側に発生する漏洩磁場を打ち消すための磁場を発生するシールドコイルとから構成され、前記RFシールド手段が前記主コイルよりも前記静磁場発生手段に近い側に配置されている
【0017】
この構成では、RF照射手段とRFシールド手段との間隔及び傾斜磁場コイルの主コイルとシールドコイルとの間隔を一定値以上に広げることが可能となり、RF磁場の照射効率及び傾斜磁場の発生効率を向上させることができる。更に、均一磁場領域と静磁場発生手段との間の狭い空間についても有効に利用できるので、計測空間を広くすることも可能となる。
【0018】
本発明のMRI装置では更に、前記RFシールド手段が前記主コイルと前記シールドコイルとの間に配置されているこの構成では、RFシールド手段が傾斜磁場コイルの主コイルとシールドコイルの間にあるので、RF照射手段とRFシールド手段との間隔と、主コイルとシールドコイルとの間隔が同程度になるので、RF磁場の照射効率と傾斜磁場の発生効率は同等程度の向上が期待できる。
【0019】
本発明のMRI装置では更に、前記RFシールド手段が前記シールドコイルよりも前記静磁場発生手段に近い側に配置されているこの構成では、RF照射手段とRFシールド手段との間隔が、主コイルとシールドコイルとの間隔より広くなるので、RF磁場の照射効率の向上がより大きくなる。
【0020】
本発明のMRI装置では更に、静磁場発生領域に均一な静磁場を発生させる静磁場発生手段と、前記静磁場発生領域に傾斜磁場を発生させる傾斜磁場発生手段と、前記静磁場発生領域に挿入された被検者にRF磁場を照射するRF照射手段と、該RF照射手段からの外部へのRF磁場を遮蔽するRFシールド手段とを含む磁気共鳴イメージング装置において、前記傾斜磁場発生手段が積層された複数個の傾斜磁場コイル素子から構成され、前記RFシールド手段が隣接する前記傾斜磁場コイル素子の間に配置されている
【0021】
傾斜磁場コイルは通常数mmの厚さで作られているので、RFシールド手段を傾斜磁場コイルの間に配置することにより、RF照射手段とRFシールドとの間隔を少なくとも数mm広げることが可能となるので、RF磁場の照射効率の向上に寄与する。
【0022】
本発明のMRI装置では更に、前記複数個の傾斜磁場コイル素子がそれぞれX,Y,Zの3軸方向の傾斜磁場を発生させるコイルである
【0023】
本発明のMRI装置では更に、前記傾斜磁場発生手段を構成する複数個の傾斜磁場コイル素子のうち、少なくとも前記RFシールド手段よりも前記静磁場発生領域に近い側に配置された傾斜磁場コイル素子の電流路を形成する導電体が、前記RF照射手段が発生するRF磁場を実質的に透過させるこの構成では、RF磁場を実質的に透過させる傾斜磁場コイルがRFシールド手段より静磁場発生領域に近い側にあっても、RF磁場との干渉の問題はないので、それらの傾斜磁場コイルの厚さ分だけ、RF照射手段とRFシールド手段との間隔を広げることが可能である。
【0024】
本発明のMRI装置では更に、前記傾斜磁場発生手段を構成する複数個の傾斜磁場コイル素子のうち、少なくとも前記RFシールド手段よりも前記静磁場発生領域に近い側に配置された傾斜磁場コイル素子の電流路を形成する導電体の幅が、遠い側に配置された傾斜磁場コイル素子のものより狭くなっている この構成では、傾斜磁場コイルの導電体の幅を狭くしたことにより、RF磁場を実質的に透過する
【0025】
本発明のMRI装置では更に、前記静磁場発生手段が前記静磁場発生領域を挾んで、対向して、ほぼ平行に配置された2個の静磁場発生用磁石で構成されているこの構成では、静磁場発生用磁石が対向型の垂直磁場方式となるので、計測空間の周囲が開放された構造となり、被検者の開放感が大幅に改善される。
【0026】
本発明のMRI装置では更に、前記静磁場発生用磁石の前記静磁場発生領域に対向する面側の中央部に凹部が設けられ、該凹部に少なくとも前記傾斜磁場発生手段のうちのシールドコイル及び前記RFシールドの中央部が収容されているこの構成では、静磁場発生用磁石の中央部に凹部が設けられたことにより、凹部の深さ分だけ計測空間と静磁場発生用磁石の内壁面との実質的な間隔が広がったことになるので、RF照射手段とRFシールド手段との間隔及び傾斜磁場発生手段の主コイルとシールドコイルとの間隔を大幅に広げることが可能となる。
【0027】
本発明のMRI装置では更に、前記静磁場発生手段が超電導磁石であるこの構成では、静磁場発生手段に超電導磁石を使用しているので、高い静磁場強度を実現することができ、画質の向上を図ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。なお、図面の符号に関しては、従来の技術の欄の説明で使用した図面に図示したものと同じ機能のものは同じ符号を付すことにした。
【0029】
図1及び図2は、本発明のMRI装置の第1の実施例を示す。図1は縦断面図、図2は外観斜視図である。本実施例においては、静磁場発生用磁石が超電導磁石である場合について説明する。図1において、超電導磁石30は、本発明者等が先に考案した垂直磁場方式のもの(特願平7−336023号)である。そのため、この装置では従来の水平磁場方式の超電導磁石と比較して、被検者にとっての開放感が大幅に増加している。
【0030】
超電導磁石30の基本的構成は、均一磁場領域2に垂直方向の均一な静磁場B0を発生するための超電導コイル31と、超電導コイル31を所定の超電導特性が得られる温度に冷却・保持するための冷却容器32とから成る。図では簡単のため最も外側にあり、熱の対流による放熱を防ぐために全体を内包している真空容器のみを冷却容器32として示した。冷却容器32は、真空容器の他に、超電導コイル31を浸す液体ヘリウム容器や、熱の輻射を防ぐための熱シールドなどから構成されている。
【0031】
超電導コイル31は、装置中央の均一磁場領域2を挾んで上下対称に配置されている。それに対応して、冷却容器32も円筒状のものが上下対称に配置されている。2個の冷却容器32は、図2に示す如く、その間にある支柱33によって所定の間隔を維持して支持される。この支柱33は、上下の冷却容器32を機械的に支える働きをしている。超電導磁石30を上述の如く構成することにより、高い磁場均一度と広い開口を有する開放感のある静磁場発生用磁石を得ることができる。
【0032】
冷却容器32を支持する支柱33には、必要によっては、上下の冷却容器32に内包される液体ヘリウム容器を熱的に接続する働きを持たせてもよい。そのように構成すると、液体ヘリウム容器を冷却する冷凍機を上下1台ずつ設ける必要はなくなり、装置全体に対し1台の冷凍機で間に合わせることが可能となる。また、支柱33の本数も図示の2本に限定する必要はなく、3本,4本と増やすこともできるし、開放感を更に増すためには、片持ちの1本の支柱としてもよい。
【0033】
一方、傾斜磁場コイル24も、均一磁場領域(計測空間)2を挾んで、上下対称に配置されている。上下の傾斜磁場コイル24は、それぞれ平板状の主コイル34とシールドコイル35とから構成されている。主コイル34は主に均一磁場領域2内に所定の傾斜磁場を発生させる働きを行い、シールドコイル35は、主コイル34が均一磁場領域2の側とは逆方向の側に発生する磁場を打ち消すための磁場を発生させることにより、超電導磁石30の側に磁場を漏らさないようにする働きを行う。この働きにより、超電導磁石30における渦電流の発生を抑制することができる。このとき、シールドコイル35も均一磁場領域2に磁場を発生するので、所定の傾斜磁場を均一磁場領域2に発生させるためには、シールドコイル35による磁場の寄与分も考慮する必要がある。
【0034】
傾斜磁場コイル24の主コイル34とシールドコイル35との位置関係に関しては、先ず、シールドコイル35の外径は通常図示の如く主コイル34の外径よりも少し大きくしてある(通常、少なくとも小さくならないようにしている)。これは、傾斜磁場コイル24の外側への漏洩磁場量を抑制するためである。また、傾斜磁場の発生効率を考えた場合、主コイル34とシールドコイル35との間に適当な間隔をとる必要がある。これは、傾斜磁場コイル24の外側の導電体(超電導磁石30の内壁面36など)に渦電流を発生させないようにするために、主コイル34とシールドコイル35に逆方向の電流を流すことに起因する。すなわち、両コイルに流す電流を一定にした場合、両コイル間の距離が近付くほど、計測空間2に発生できる傾斜磁場強度が低下し、両コイル間の距離が離れるほど、計測空間2に発生できる傾斜磁場強度が上昇する。従って、両コイル間の間隔は広いほど、傾斜磁場の発生効率は向上する。このため、主コイル34とシールドコイル35の間の距離は、必要とする傾斜磁場強度と、傾斜磁場コイル24を駆動する電源容量とによって決まる一定値以上にとる必要がある。
【0035】
図示では、傾斜磁場コイル24の主コイル34もシールドコイル35も、1枚の円板として表わされているが、実際には、両コイルともX,Y,Zの3軸方向に対応した3組の傾斜磁場コイル素子から成る。それぞれのコイルの電流分布(パターン)は、上述の如く、計測空間2に所定の傾斜磁場を発生させ、かつ、超電導磁石30の側に漏れる磁場量を抑制するように選択される。この電流分布の選択は、計測空間2に発生させる傾斜磁場の直線性を最良にし、外側への漏洩する磁場量を最小にし、傾斜磁場コイル24に通電する単位電流当りに発生する傾斜磁場強度を最大にし、傾斜磁場コイル24のインダクタンスを最小にするように行われる。
【0036】
傾斜磁場コイル24として、図示の如き円板状の主コイル34とシールドコイル35を用いることによって、計測空間2の周辺を遮ることがないので、超電導磁石30のもつ開放性も損なわれることはなく、高性能の傾斜磁場を発生させることができる。このような傾斜磁場コイル24の構成については、本発明者等が既に特許出願している(特願平8−99670号)。
【0037】
また、本実施例では、超電導磁石30の内側にはRF照射コイル25とRFシールド26が配置される。RF照射コイル25は均一磁場領域2に挿入された被検者にRF磁場を照射し、RFシールド26はRF照射コイル25が超電導磁石30の側に発生させる漏洩磁場を遮蔽する働きをしている。RF照射コイル25は傾斜磁場コイル24を構成する主コイル34の内側に配置されるが、RFシールド26は主コイル34とシールドコイル35との間に配置されている。このRFシールド26は、平板形状をしていて、材料としては通常銅箔が用いられている。主コイル34とシールドコイル35との間は、上述の如く、必ず一定値以上の距離を離すことになるので、両コイル間にRFシールド26を配置することは、計測空間2と超電導磁石30の内壁面36との間の狭い空間を有効に利用することになる。従来技術では、RFシールド26は傾斜磁場コイル24の外側に配置されていたので、本実施例のようにRFシールド26を両コイル間に配置することにより、RFシールド26を配置するのに必要な分のスペースを削減することが可能となる。この結果、被検者の入る計測空間2をより広く確保することができるので、開放感のあるMRI装置を提供することができる。
【0038】
一方、RF照射コイル25とRFシールド26との間の距離に関しても、傾斜磁場コイル24の場合と同様、両者の間隔が広いほど、RF磁場の照射効率は向上するので、RF磁場の照射効率として一定値以上の値を確保するためには、両者の間の距離を一定値以上にする必要がある。従って、図示の如く、RFシールド26を傾斜磁場コイル24の2つのコイルの間に挾み込むことにより、RF照射コイル25とRFシールド26との間隔を広げることが可能となり、両者間の距離を一定値以上にすることができる。この結果、RF照射コイル25と傾斜磁場コイル24との実質的な寸法(厚さ)を薄くすることができるので、被検者の入る空間を広く確保することができる。
【0039】
さらに、本実施例を図3により詳しく説明する。本実施例の装置の基本構成は上下対称になっているので、図3には装置の下側部分のみの断面図を示す。当然予想されるように、RF照射コイル25と傾斜磁場コイル24の主コイル34との間にも干渉が発生する。しかし、発明者逹は、傾斜磁場コイル24を構成する電流路の幅を一定値以下にすることにより、両コイル間には実質的な干渉が発生しないことを実験的に確認している。このことから、傾斜磁場コイル24の主コイル34とRF照射コイル25との間にRFシールド26を設置する必然性がなくなり、本実施例の配置が可能となった。
【0040】
一方、RFシールド26は、RF磁場と外部環境との干渉を打ち切るために設けられるものであることから、RFシールド26のカバーする領域としては、RF磁場の干渉の程度が十分に弱まる範囲まで覆う必要がある。従って、必要な場合には、図示の如く、超電導磁石30の外周まで覆うような形状にすると効果がある。
【0041】
また、図3では、理解しやすいように、RFシールド26を傾斜磁場コイル24の主コイル34とシールドコイル35との間の中央部付近に位置するように配置したが、主コイル34またはシールドコイル35のどちらか一方に寄せた位置に配置することもでき、その方が製作は容易となる。
【0042】
本発明のMRI装置の第2の実施例を図4に示す。図4も、装置の下側部分のみの断面図である(以後の実施例についても同様である)。本実施例では、RFシールド26を傾斜磁場コイル24のシールドコイル35の外側で、静磁場発生用磁石(超電導磁石など)40に近い側に配置している。このようにRFシールド26を配置した場合、RF照射コイル25とRFシールド26との間隔を広げることができるので、RF磁場の照射効率を更に向上させることが可能となる。
【0043】
本発明のMRI装置の第3の実施例を図5に示す。本実施例では、RFシールド26を傾斜磁場コイル24の主コイル34を構成する3つの傾斜磁場コイル素子34A,34B,34Cの間に配置している。図5では傾斜磁場コイル素子34Bと34Cの間に配置している。他に、傾斜磁場コイル素子34Aと34Bの間に配置してもよい。このような構成を採用した理由は、上述した如く、RF照射コイル25と傾斜磁場コイル24との間の干渉を避けるためには、傾斜磁場コイル24の導電体の幅を一定値以下とする必要があることによる。傾斜磁場コイル24の導電体の幅を狭くすると低抗値が増加するために、傾斜磁場を発生したときに、コイルでの発熱量が大きくなる。従って、この発熱量を低減しようとすると、ある程度以上の導電体の幅寸法が必要となる。このことから、特に、導電体の幅を広くする必要のある傾斜磁場コイル素子をRFシールド26の後方(静磁場発生用磁石40に近接した例)に配置し、導電体の幅の狭い傾斜磁場コイル素子をRFシールド26の前方に配置したものである。この場合、傾斜磁場コイル素子は1枚当りにつき3〜7mm程度の厚さを必要とするので、その分だけRF照射コイル25とRFシールド26との距離を広げることができる。RF磁場の周波数にも依存するが、RF照射コイル25とRFシールド26との距離としては、20〜40mm程度であるので、上記程度の距離の短縮でも効果は大きくなる。
【0044】
本発明のMRI装置の第4の実施例を図6に示す。図6において、静磁場発生用磁石41の均一磁場領域2に対向する内壁面36側のほぼ中央部に凹部42が設けられている。この凹部42は、超電導磁石の冷却容器や、第2の従来例で紹介した永久磁石を用いた対向型磁石におけるポールピースなどの中央部に設けられた凹部に相当する。本実施例においては、RF照射コイル25を磁石41の前方に、傾斜磁場コイル24の主コイル34とシールドコイル35を磁石41の凹部42の中に配置し、RFシールド26の中央部を主コイル34とシールドコイル35との間に配置したものである。凹部42の深さ寸法が十分にとれない場合などには、凹部42の中には、シールドコイル35とRFシールド26のみを配置することでも効果がある。また、磁石41の凹部42の外部においては、RFシールド26はRF照射コイル25と磁石41の内壁面36との間に配置されている。場合によっては、他の実施例と同様に、RFシールド26が磁石41の外周を覆うような構成にしてもよい。
【0045】
上述の如く、傾斜磁場コイル24の主コイル34及びシールドコイル35、又はシールドコイル35のみ、とRFシールド26の中央部とを、磁石41の凹部42の内部に配置することにより、主コイル34とシールドコイル35を一定値以上の間隔を確保して配置することができると共に、RFシールド26も両コイルの間に配置することが可能となる。その結果、傾斜磁場の発生効率及びRF磁場の照射効率の向上を図ることができると共に、静磁場発生用磁石41の内壁面36と計測空間2との間の狭い空間を有効に利用することができるので、広い計測空間2を確保することができる。
【0046】
また、上記の説明では、本発明における静磁場発生用磁石として超電導磁石を例に上げて説明して来たが、これに限定されることなく、常伝導磁石,永久磁石の場合でも、磁石が上記実施例と相似の形状を有する場合には、本発明の適用が可能である。
【0047】
また、上記の説明では、本発明の静磁場発生用磁石としては、垂直磁場方式の対向型の磁石を例に上げて説明して来たが、本発明は水平磁場方式の場合にも適用可能である。円筒型の磁石を使用した水平磁場方式のMRI装置の場合には、傾斜磁場コイル,RF照射コイル,RFシールドなども円筒型の構造のものが適当である。
【0048】
【発明の効果】
以上説明した如く、静磁場発生用磁石との組合せにおいて、傾斜磁場コイル及びRFシールドの配置の適正化をはかることにより、MRI装置の傾斜磁場の発生効率及びRF磁場の照射効率が向上すると共に、計測空間を広くすることができる。これを垂直磁場方式の静磁場発生用磁石を備えたMRI装置に適用することにより、画質の良い、大きな開放感を有し、かつ、術者が被検者に容易にアクセスできるMRI装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のMRI装置の第1の実施例の縦断面図。
【図2】本発明のMRI装置の第1の実施例の外観斜視図。
【図3】本発明のMRI装置の第1の実施例の下側部分の断面図。
【図4】本発明のMRI装置の第2の実施例の下側部分の断面図。
【図5】本発明のMRI装置の第3の実施例の下側部分の断面図。
【図6】本発明のMRI装置の第4の実施例の下側部分の断面図。
【図7】従来のMRI装置の第1の例の装置全体の断面図。
【図8】従来のMRI装置の第1の例の傾斜磁場コイルの斜視図。
【図9】従来のMRI装置の第2の例の装置全体の斜視図。
【図10】従来のMRI装置の第2の例の装置下側部分を示す図。
【符号の説明】
1,30,40,41 静磁場発生用磁石(超電導磁石)
2 均一磁場領域(計測空間)
3,31 超電導コイル
4 真空容器
5 冷媒容器
6,32 冷却容器
7,24 傾斜磁場コイル
8,34 主コイル
9,35 シールドコイル
10,25 RF照射コイル
11,26 RFシールド
20 永久磁石
21 継鉄板
22 柱状継鉄
23 ポールピース
27,42 凹部
33 支柱
35A,35B,35C 傾斜磁場コイル素子
36 内壁面

Claims (4)

  1. 静磁場発生領域に均一な静磁場を発生させる静磁場発生手段と、前記静磁場発生領域に傾斜磁場を発生させる傾斜磁場発生手段と、前記静磁場発生領域に挿入された被検者に高周波(以下、RFと略称する)磁場を照射するRF照射手段と、該RF照射手段からの外部へのRF磁場を遮蔽するRFシールド手段とを含む磁気共鳴イメージング装置において、
    前記傾斜磁場発生手段は、前記静磁場発生領域に傾斜磁場を発生する主コイルと該主コイルがその外側に発生する漏洩磁場を打ち消すための磁場を発生するシールドコイルとを有して構成され、
    前記RFシールド手段は、前記主コイルと前記シールドコイルとの間に配置されていることを特徴とする磁気共鳴イメージン グ装置。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記静磁場発生手段が前記静磁場発生領域を挾んで、対向して、ほぼ平行に配置された2個の静磁場発生用磁石を有して構成されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記静磁場発生用磁石の前記静磁場発生領域に対向する面側の中央部に凹部が設けられ、該凹部に少なくとも前記傾斜磁場発生手段のうちのシールドコイル及び前記RFシールドの中央部が収容されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記静磁場発生手段が超電導磁石であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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