JPH0474202B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、タイヤの空気圧やタイヤ内の温度
の検出、あるいはタイヤホイールの歪み等の検出
をするのに適したタイヤバルブに関する。

〔従来の技術〕

例えば、タイヤ内圧検出装置の従来例として
は、タイヤ側に検知手段を設け、電磁誘導や電磁
波共振等を応用して自動車が走行中であつてもタ
イヤ内圧を検知することができるようにしたもの
が知られている。これは非接触方式という。ま
た、スリツプリング、突出し棒等によりタイヤ内
圧を伝達するもの、所謂接触方式と呼ばれる方法
も知られている。このうちの非接触タイヤ内圧検
出手段は装置が大掛かりでコストが高く、例えば
専用ホイールや車の改造等を必要としていた。ま
た、耐環境性や信頼性の確保が難しくこれらを解
決するには更にコスト高になつてしまつていた。
また、表示式のタイヤ内圧検出手段は、低コスト
な手段として開発されているが、その本来的な構
造からこの装置が破損してしまうとタイヤ内圧が
大気中に開放されることや、冬季の低温下では凍
結により動作不良等が生ずるので、信頼性および
安全性に問題があり、実用されるまでには至つて
いないものである。そして、いずれの内圧検出手
段においても、タイヤバルブそのものは、空気の
円滑な注入及び密閉のみを目的として製造された
ものであり、内圧やタイヤ内の温度等を検出する
ための目的に沿つた構造とはなつていなかつた。

〔解決しようとする課題〕

上述の如くタイヤ内圧検出手段も種々のものが
開発されているが、そこで用いられるタイヤバル
ブそれ自体には何ら工夫が施されておらず、しか
もタイヤ内圧検出手段としても十分に満足のいく
ものが未だ開発されていない状況である そこで、この発明は、タイヤバルブに工夫して
タイヤ内圧の検出やタイヤ内の温度等を検出する
のに適したタイヤバルブを提供することを目的と
する。

〔課題を解決するための手段〕

上述の目的を達成するため、この発明は、タイ
ヤホイールに取付けられる導電性のバルブステム
と、前記バルブステム内に挿入されるバルブコア
とを有するタイヤバルブにおいて、バルブコア
が、コア本体と、前記バルブステムとは電気的に
絶縁された導電性の軸と、前記軸に電気的に導通
する第１の電極及びコアスプリングに電気的に導
通する第２の電極が取付けられた台座と、前記第
１の電極及び前記第２の電極にそれぞれ接続され
る２個のセンサー電極を有し前記台座に固定され
るセンサーと、前記台座に付勢力を付与するとと
もに前記第２の電極と前記バルブステムとを電気
的に導通する前記コアスプリングとを備えている
ものである。

〔作用〕

この発明では、バルブコアの台座に設けたセン
サーが、例えばタイヤ内圧が所定値より低い場合
には作動してバルブコアの軸とバルブステムに電
気信号を伝え、軸とバルブステムに伝えられた電
気信号を適宜の検出手段で検出することにより、
タイヤ内圧が低いことを知ることができる。台座
に設けるセンサーを温度センサーとすれば、タイ
ヤ内の温度を知ることができる。

〔実施例〕

以下にこの発明の好適な実施例を図面を参照に
して説明する。

第１図において、タイヤホイール１に取付けら
れたバルブステム２内にバルブコア３を挿入して
タイヤバルブを構成してある。ここでバルブコア
３を構成する軸４とコア本体５とを電気的に絶縁
してある。この電気的な絶縁手段は、軸４に絶縁
体６，７を設けることにより行つている。これら
絶縁体６，７は合成樹脂材料等を軸４に被覆する
等して行う。コア本体５は頭８、胴９及び胴パツ
キン１０とからなり、この胴９の下端は弁パツキ
ン１１に当接し、弁パツキン１１は弁パツキン受
１２に収容してある。また、軸４の下端はこの弁
パツキン受１２に挿入されている。弁パツキン受
１２の下端は台座１３の孔１３Ａに嵌め込まれる
ようになつている。この台座１３には軸４に電気
的に導通する第１電極１４とコアスプリング１６
に電気的に導通する第２電極１５が設けてある。
更に、この台座１３には第１電極１４及び第２電
極１５に夫々接続されるセンサー電極１７，１８
を有するセンサーＳを設けてある。この台座１３
の下端にはコアスプリング１６が取り付けてあ
る。センサー電極１７，１８を有するセンサーＳ
を備えたバルブコア３は第１図に示すようにバル
ブステム２内に挿入され、軸４の頭を下方に押し
下げるとコアスプリング１６が縮み、胴９と弁パ
ツキン１１との密接状態が解除され、タイヤ内の
空気が外部に流出或いは外部からタイヤ内へ空気
を注入することができるようになつている。コア
本体５の詳細は第２図に示す通りである。第１及
び第２電極１４，１５を備えた台座１３とコアス
プリング１６は第３図に示す通りである。第４図
は台座１３の斜視図を示し、切り込み１３Ｂ及び
１３Ｃを形成してあり、これらの切り込み１３
Ｂ，１３Ｃに第１電極１４及び第２電極１５の縦
方向に延びる板状部分が嵌まり込むようになつて
いる。ここで用いられる第１電極１４及び第２電
極１５は第５図ａ，ｂに示す通りである。なおこ
のような形状の電極ではなく、第６図に示すよう
な形状の電極１４，１５を用いることも可能であ
る。前述したコアスプリング１６は、第３図に示
すように下方に行くに従つて径の大きなテーパー
形状をなし、この底面がバルブステム２に接触し
電気的に導通されている。センサー電極１７から
の電気信号は第１電極１４から軸４へ伝えられ、
センサー電極１８からの電気信号は第２電極１５
からコイルスプリング１６を介してバルブステム
２に伝えられる。センサー電極１７からの電気信
号は第１電極１４から弁パツキン受１２を介して
軸４に伝えるように構成してあるが、第１電極１
４から直接軸４に伝えるように構成することも可
能である。また、センサーＳを複数個使用するこ
とも可能であり、センサーＳに電子回路（後述す
る回路部２１のみならず種々の回路）を取付ける
こともできる。

第１図に示すバルブステム２の上端外周面には
ネジ１９が形成してあり、このネジ１９にバルブ
キヤツプ２０が取付けられる。このキヤツプ２０
は、第７図に示すような構造のものを用いること
ができる。このキヤツプ２０には回路部２１を組
み込み、回路部２１には回路部の第１電極２２と
回路部の第２電極２３とを接続してあり、回路部
の第１電極２２はバルブキヤツプスプリング２４
に接続してあり、バルブキヤツプスプリング２４
には電極２５を接触させてある。またこの電極２
５は軸４に電気的に接続されるようになつてい
る。従つて軸４からの電気信号は電極２５からバ
ルブキヤツプスプリング２４に伝えられ、更に回
路部の第１電極２２から回路部２１に送られる。
一方、バルブステム２へ伝えられた電気信号はバ
ルブキヤツプ２０の胴２６を介して回路部の第２
電極２３に伝えられ、ここから回路部２１へ送ら
れる。第７図中符号２７で示すものは絶縁部であ
り、符号２８はバルブキヤツプのパツキンを示
す。また符号２９は電極２２，２３が取付けられ
る回路基板を示す。回路部２１は、第８図に示す
ように、コンデンサ２１Ａと抵抗２１Ｂ及びコイ
ル２１Ｃとを備え、全体として共振部３０を構成
している。回路部２１が構成する共振部３０を利
用してタイヤ内の情報を知るための検知手段３１
の一例としては、第９図に示すように先端部３３
に設けた発振コイル３４と、発振コイル３４が接
続される発振部３５とを有している。発振部３５
は信号処理部３６に接続され、信号処理部３６は
表示部３７に接続されている。また、ランプ３８
や発振部３５等の電源となる電池３９がケーシン
グ４０内に収めてある。ランプ３８は、暗いとこ
ろでもバルブが見えるようにするためのものであ
る。表示部３７は、検出したタイヤ内の情報例え
ばタイヤ内圧が適性値であれば青色が点灯すると
ともに快適なチヤイム音等を発生し、適性値以下
であれば赤色が点灯してするとともにブザー等に
よる警告を発するようになつている。第１０図は
検知手段のケーシング４０内に収めた構成のブロ
ツク図を示すものである。第１１図は、先端部３
３を共振部３０（バルブキヤツプ２０内に設けた
回路部２１）に接近させていないときの発振部３
５の発振状態を表す振動電流の波形であり、第１
２図及び第１３図は先端部３３を共振部３０に接
近させ発振部３５の振動電流がタイヤ側に設けら
れた共振部３０との接近により変化する状態を示
す図である。第１２図の波形はタイヤ内圧が正常
であり、センサーＳがオンの状態を示し、第１３
図の波形はタイヤ内圧が異常であり、センサーＳ
がオフの状態を示す。このような発振部３５から
の出力信号の変化を信号処理部３６によつて検
波、比較等を行い、第１２図に示すような状態で
は青色ランプを点灯し、第１３図に示すような状
態では赤色ランプを点灯するようにし、タイヤ内
圧が規定値に達していないことを警告するように
する。なお、回路部２１は必ずしも全てバルブキ
ヤツプ２０に内蔵する必要はなく、バルブステム
２、バルブコア３又はこれらに取付けた部材に回
路部２１を内蔵しても何ら差し支えない。

第１４図に示すバルブキヤツプ２０は、バルブ
キヤツプ２０の胴２６を導電体で構成せずにプラ
スチツク材料で形成した場合、電極４１を金属メ
ツキ等により施してバルブステム２からの電気信
号をこの電極４１を介して回路部２１の第２電極
２３に伝えるようにしたものである。

なお、バルブキヤツプ２０は、第１５図に示す
ような形状のものを使用しても良い。第７図で説
明したように回路部２１等は同一符号を付して説
明を省略するが、胴２６はバルブステム２と接触
し、電気的に導通している。

なお、バルブキヤツプ２０内に電池とLED等
の表示装置を組み込み、キヤツプ２０を透明又は
半透明等に形成しておくことにより、キヤツプ２
０を目視するだけで分かる。

第１６図以下に示す図面は、軸４と回路部２１
との電気的接続の各種手段を示すものであり、第
１６図において電極２５は板バネで形成してあ
る。軸４の上端部は導電体となり、ここには絶縁
体６を設けていない。第１７図では電極２５とし
て導電性ブラシ４３を使用し、第１８図において
はスプリング４４を用いた。第１９図に示すもの
ではスプリング４４と金属ボール４５及びガイド
４６を設けて軸４と回路部２１との電気的導通を
図つたものを示す。更に、第２０図においては電
極２５として金属性スプリング４７を用い、第２
１図では導電性ゴム４８を用いた。第２２図にお
いては中空ゴム４９と金属板５０とを組み合わ
せ、第２３図では第２２図の形状を変化させたも
のを示す。第２４図ではガイド５１を設けこの内
周面に導電性ブラシ４３を設けたものを示す。更
に第２５図の実施例では導電性ブラシ４３で軸４
の側面から接触する部分を分離してバルブステム
２側へ組み込み、バルブキヤツプ２０の側より金
属筒等で接続するようにしたものである。第２６
図は電極２５を構成するクリツプ５２がキヤツプ
２０を締付けていくと軸４の側面に密着するよう
に構成したものである。第２７図以下は電極２５
として各種形状のバネを用いた例を第３１図まで
示す。

〔効果〕

以上説明したように、この発明によれば、既存
のタイヤバルブのうちバルブステムを変更するこ
となく、バルブコアとバルブキヤツプのみを交換
すれば、簡単にタイヤ点検装置を構成することが
でき、ホイールに特別な加工を必要としないもの
である。更に、高度な製造技術を必要とせず低コ
ストで実施が可能となる。即ち、バルブステム側
に工夫をする場合には耐久性の要求等があり、高
度な製造技術を要するが、バルブコアを構成する
部品に対し加工することは容易であり、低コスト
で実施が可能となる。さらに、この発明では、セ
ンサー電極→第１の電極→軸、センサー電極→第
２の電極→コアスプリング→バルブステムと夫々
導通させ、センサーの２つの電極からの信号を別
個絶縁して、軸とバルブステムとに伝達し、外部
に取り出そうとするものであり、機械的可動手段
を採用せず、信頼性や精度に優れる。さらにま
た、バルブコアの構成は、前述の通りであり、そ
のためにバルブコアの基本的機能、すなわち空気
の給排及び空気の漏れを防止する機能を損うこと
なく、タイヤ内の状態を検知することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明のタイヤバルブを示す断面
図、第２図は軸及びコア本体を示す断面図、第３
図は軸及びコア本体以外にバルブコアを構成する
部品を示す断面図、第４図は台座の斜視図、第５
図Ａ，Ｂは夫々第１電極及び第２電極を示す斜視
図、第６図第１電極及び第２電極の変形例を示す
斜視図、第７図はバルブキヤツプを示す断面図、
第８図は回路部の構成を示す回路図、第９図検知
手段を示す正面図、第１０図は検知手段の回路構
成を示すブロツク図、第１１図乃至第１３図は検
知手段の電気的な動作図、第１４図は回路部を内
蔵した他のバルブキヤツプを示す断面図、第１５
図はバルブコアに取付けられるキヤツプを示す断
面図、第１６図乃至第３１図は軸と回路部との電
気的接続を図る各種手段を示す断面図である。 １……タイヤホイール、２……バルブステム、
３……バルブコア、４……軸、５……コア本体、
１３……台座、１４……第１電極、１５……第２
電極、１６……コアスプリング、１７，１８……
センサー電極、２０，４２……バルブキヤツプ、
２１……回路部、Ｓ……センサー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ タイヤホイールに取付けられる導電性のバル
   ブステムと、前記バルブステム内に挿入されるバ
   ルブコアとを有するタイヤバルブにおいて、 バルブコアが、コア本体と、前記バルブステム
   とは電気的に絶縁された導電性の軸と、前記軸に
   電気的に導通する第１の電極及びコアスプリング
   に電気的に導通する第２の電極が取付けられた台
   座と、前記第１の電極及び前記第２の電極にそれ
   ぞれ接続される２個のセンサー電極を有し前記台
   座に固定されるセンサーと、前記台座に付勢力を
   付与するとともに前記第２の電極と前記バルブス
   テムとを電気的に導通する前記コアスプリングと
   を備えていることを特徴とするタイヤバルブ。 ２ 前記バルブステムに装着されたときに前記バ
   ルブコアの軸及び前記バルブステムを介して前記
   センサーと電気的に接続され、前記センサーの状
   態に応じた電気信号をタイヤバルブの外部に導出
   し得る電気回路を備えた回路部が組み込まれたバ
   ルブキヤツプをさらに備えたことを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載のタイヤバルブ。 ３ 前記電気回路は、外部から到来する放射電磁
   波に共振し得る共振回路であることを特徴とする
   特許請求の範囲第２項記載のタイヤバルブ。