JPH047011Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、自動車のフロント側とリヤ側の端面
に取着されるナンバープレートであるライセンス
プレートに係り、特にリヤ側のライセンスプレー
トに対する取付装置の改良に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

第１図は、いわゆるライトバン型の自動車のリ
ヤ側一部を示す。この車体１を構成するリヤ側の
端板であるテールゲート２には、リヤウインドガ
ラス３が嵌め込まれているとともに、その下方部
位にはナンバープレートであるライセンスプレー
ト４が後述するようにして取付けられる。

すなわち第４図に示すように、ライセンスプレ
ート４の上端部は、これとテールゲートアウタパ
ネル５との間にゴムパツキン６が介在するととも
に小ねじ７とナツト８とを締付けてなる固定具８
ａにより取付固定される。ライセンスプレート４
の下端部は、ブラケツト９により保持されてい
る。このブラケツト９は、第５図に示すように、
たとえば金属片からなつている。その上端部は上
記テールゲートアウタパネル５にたとえばスポツ
ト溶接などの手段で取着される取付片部９ａ、下
端部は略Ｕ字状に折返し折曲される保持片部９ｂ
である。

しかるに、上記ブラケツト９の保持片部９ｂ
は、実際にはライセンスプレート４の表面側もし
くは裏面側に接触するだけであり、場合によつて
は全く接触しないこともある。このため、自動車
の走行時にライセンスプレート４の下端部が振動
して保持片部９ｂに当接を繰返し、いわゆるビビ
リ音が発生し易いものであつた。

たとえばトラツクなどにおいては、リヤパネル
もしくはバンパーフレームにライセンスプレート
の上端部のみ、もしくは四隅を取付固定するの
で、ビビリ音の発生はないが、一般乗用車および
商用車など、テールゲート２やトランクリツドに
取付ける場合には、上記騒音の発生を抑制できな
いという不具合があつた。

なお、一般乗用車および商用車などの場合にお
いても、ライセンスプレート４の四隅を全て固定
具で取付固定することが考えられるが、たとえば
自光式のライセンスプレートもしくは周縁に沿つ
て飾りのついた特別のもの（いずれも市販品）の
取付けが不可能となるので、下端部は必ずブラケ
ツトで保持しなければならない。

〔考案の目的〕

本考案は、上記事情に着目してなされたもので
あり、その目的とするところは、比較的簡単な構
造でありながら、ライセンスプレートによるビビ
リ音などの騒音発生を確実に阻止できるリヤ側ラ
イセンスプレートの取付装置を提供しようとする
ものである。

〔考案の概要〕

すなわち本考案は、車体のリヤ側端面にライセ
ンスプレートの上端部を取付固定する固定具と、
上記車体のリヤ側端面に取着されライセンスプレ
ートの下端部を保持する金属片製のブラケツトと
からなるリヤ側ライセンスプレートの取付装置に
おいて、上記ブラケツトは、上記車体のリヤ側端
面に取着される取付片部と、上記ライセンスプレ
ートの裏面側に位置して上記取付片部から下方に
延びる中途部と、同中途部から略Ｕ字状に折り返
し折曲され上記ライセンスプレートの表面側に位
置する表面押え片部と、上記中途部に設けられ上
記表面押え片部の先端よりも上方に位置して車両
後方に突出形成された裏面押え片部とを有して一
体成形され、上記表面押え片部が上記ライセンス
プレートの表面に当接すると同時に上記裏面押え
片部が上記ライセンスプレートの裏面に当接する
よう上記裏面押え片部の突出量が設定されている
ことを特徴とするリヤ側ライセンスプレートの取
付装置である。

このため、ライセンスプレート上端部が固定具
により固定された状態で、ライセンスプレートの
下端部はブラケツトの表面押え片部と裏面押え片
部とに当接して確実に保持され、自動車の走行に
ともなうライセンスプレートの振動がなく、ビビ
リ音等の騒音が発生することがない。従来のもの
と比べて部品点数が増加することなく、安価であ
ると同時に、組付工数が増加することもない。ラ
イセンスプレートの下端部をブラケツトに保持さ
せる作業に際して、ライセンスプレートの下端部
をブラケツトに差し込むことにより容易に保持さ
せることができ、ライセンスプレートの組付作業
性が悪化することなく実用性に優れている。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面にもとづいて説
明する。第２図に示すように、ライセンスプレー
ト４は取付装置Ｓによつて、たとえばテールゲー
トアウタパネル５に取付固定される。

上記取付装置Ｓは、ライセンスプレート４の上
端部と下端部とをそれぞれ別個の手段で取付保持
する。すなわち、上端部はライセンスプレート４
とテールゲートアウタパネル５との間にパツキン
６を介在し、かつこれらの両面側を小ねじ７とナ
ツト８とで締付固定してなる。すなわち、ライセ
ンスプレート４の上端部は従来と全く同様の固定
具８ａで固定すればよい。

ライセンスプレート４の下端部を保持するの
は、金属片製のブラケツト１０である。このブラ
ケツト１０は第３図に示すように、その上端部に
取付片部１０ａが形成される。さらに取付片部１
０ａから中途部が下方に延びていて、同中途部か
ら略Ｕ字状に折り返し折曲される表面押え片部１
０ｂが設けられる。上記中途部は、裏面押え片部
１０ｃが設けられていて、これは上記表面押え片
部１０ｂの先端よりも上方に位置して車両後方に
突出形成されている。ただしこの裏面押え片部１
０ｃの取付片部１０ａからの突出高さ寸法ｈは、
上記パツキン６の肉厚寸法ｍよりも大であるよう
に設定する。

再び第２図に示すように、ブラケツト１０の取
付片部１０ａは上記テールゲートアウタパネル５
にたとえばスポツト溶接などの手段で取付固定さ
れる。上記ライセンスプレート４の下端部は表面
押え片部１０ｂ内に挿入される。裏面押え片部１
０ｃの突出高さ寸法ｈが上記パツキン６の肉厚寸
法ｍよりも大であるところから、ライセンスプレ
ート４の下端部裏面側に当接する。ライセンスプ
レート４はテールゲートアウタパネル５に対し、
その上端部間隔よりも下端部間隔が広くなるよう
わずかに傾くこととなり、下端部表面側は表面押
え片部１０ｂに当接する。このように上記裏面押
え片部１０ｃの突出量は、上記表面押え片部１０
ｂがライセンスプレート４の表面に当接すると同
時に、裏面押え片部１０ｃがライセンスプレート
４の裏面に当接するように設定されている。結
局、ライセンスプレート４の下端部はブラケツト
１０によつてその表面側および裏面側を押え付け
られることとなる。

しかして、自動車の走行にともなつてテールゲ
ートアウタパネル５が振動するようなことがあつ
ても、ライセンスプレート４の上端部は固定具８
ａによつて固定され、下端部はブラケツト１０に
よつて表面側および裏面側から保持されるので部
分的に振動することはなく、いわゆるビビリ音な
どの騒音発生が全くない。なお説明すれば、ライ
センスプレート４の下端部を保持するブラケツト
１０が、表面押え片部１０ｂと裏面押え片部１０
ｃとを有して構成され、表面押え片部１０ｂがラ
イセンスプレート４の表面に当接すると同時に、
裏面押え片部１０ｃがライセンスプレート４の裏
面に当接するよう、裏面押え片部１０ｃの突出量
が設定されている。

このため、ライセンスプレート４の上端が固定
具８ａにより固定された状態では、ライセンスプ
レート４の下端部はブラケツト１０の表面押え片
部１０ｂと裏面押え片部１０ｃとに当接して、確
実に保持されることになる。自動車が走行して
も、ライセンスプレート４が振動することなく、
ビビリ音等の騒音が発生することがない利点があ
る。

また、上記ブラケツト１０は、車体のリヤ側端
面であるテールゲートアウタパネル５に取着され
る取付片部１０ａと、この取付片部１０ａから下
方に延びる中途部と、中途部から略Ｕ字状に折り
返し折曲された表面押え片部１０ｂと、中途部に
設けられる裏面押え片部１０ｃとを有して金属片
により一体成形されるものであるため、従来のも
のと比べて部品点数が増加することなく、安価で
あると同時に組付工数が増加することもない。

さらに、裏面押え片部１０ｃは表面押え片部１
０ｂの先端よりも上方に位置して車両後方に突出
形成されるものであるため、表面押え片部１０ｂ
と裏面押え片部１０ｃとの間の上下方向の間隔を
比較的大きく取ることができる。

このため、ライセンスプレート４の上端部の固
定に先だつて、ライセンスプレート４の下端部を
ブラケツト１０に保持させる作業に際して、ライ
センスプレート４の下端部を車体の後方から斜め
下方に向けてブラケツト１０に差し込むことによ
り、容易に保持させることができ、ライセンスプ
レート１０の組付作業性が悪化することなく実用
性に優れている。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、ブラケツ
トに表面押え片部と裏面押え片部を備え、これら
でライセンスプレートの下端部に当接して確実に
保持し、自動車の走行にともなうライセンスプレ
ートの振動防止とビビリ音等の騒音発生防止を得
る。そして、ブラケツトは、取付片部と、この取
付片部から下方に延びる中途部と、中途部から略
Ｕ字状に折り返し折曲された表面押え片部と、中
途部に設けられる裏面押え片部とを有して金属片
により一体成形されるものであるため、従来のも
のと比べて部品点数が増加することなく、安価に
提供できる。さらに、裏面押え片部を表面押え片
部の先端よりも上方に位置したので、これらの上
下方向の間隔を比較的大きくとることができ、ラ
イセンスプレートの下端部をブラケツトに容易に
保持させ、この組付作業性を悪化させずに実用性
に優れるなどの種々の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の一部斜視図、第２図および第
３図は本考案の一実施例を示し、第２図はリヤ側
ライセンスプレートの取付装置の縦断面図、第３
図はブラケツトの斜視図、第４図および第５図は
本考案の従来例を示し、第４図はリヤ側ライセン
スプレートの取付装置の縦断面図、第５図はブラ
ケツトの斜視図である。 １……車体、５……テールゲートアウタパネ
ル、４……ライセンスプレート、８ａ……固定
具、１０……ブラケツト、１０ｂ……表面押え片
部、１０ｃ……裏面押え片部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体のリヤ側端面にライセンスプレートの上端
   部を取付固定する固定具と、上記車体のリヤ側端
   面に取着されライセンスプレートの下端部を保持
   する金属片製のブラケツトとからなるリヤ側ライ
   センスプレートの取付装置において、上記ブラケ
   ツトは、上記車体のリヤ側端面に取着される取付
   片部と、上記ライセンスプレートの裏面側に位置
   して上記取付部から下方に延びる中途部と、同中
   途部から略Ｕ字状に折り返し折曲され上記ライセ
   ンスプレートの表面側に位置する表面押え片部
   と、上記中途部に設けられ上記表面押え片部の先
   端よりも上方に位置して車両後方に突出形成され
   た裏面押え片部とを有して一体成形され、上記表
   面押え片部が上記ライセンスプレートの表面に当
   接すると同時に上記裏面押え片部が上記ライセン
   スプレートの裏面に当接するよう上記裏面押え片
   部の突出量が設定されていることを特徴とするリ
   ヤ側ライセンスプレートの取付装置。