JPH046908Y2 - - Google Patents

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JPH046908Y2
JPH046908Y2 JP8689785U JP8689785U JPH046908Y2 JP H046908 Y2 JPH046908 Y2 JP H046908Y2 JP 8689785 U JP8689785 U JP 8689785U JP 8689785 U JP8689785 U JP 8689785U JP H046908 Y2 JPH046908 Y2 JP H046908Y2
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【考案の詳細な説明】
〈考案の技術分野〉 本考案は、ソフトで軽いにもかかわらず、高強
力、高弾性率を有するポリビニルアルコール繊維
系防水布に関する。 〈従来の技術〉 従来、合成繊維を構成繊維とした防水布は、大
型テント、車輌用幌、船舶用シートおよびテント
倉庫などに広く使用されており、これらの防水布
の構成繊維としては、ポリエステル、ナイロン、
ビニロンなどのフイラメントや紡績糸が使用され
ている。 これらの各用途などに使用される防水布は、防
水性能の他に高い引張強力と高い引裂強力が要求
され、さらに最近の市場ニーズとして軽量性が強
く望まれている。 ところが、従来の合成繊維は、産業資材用の高
強力マルチフイラメントでも引張強度が低く、防
水布の設計必要強力を得るためには、防水布のベ
ースクロスの糸量を多くせざるを得ず十分な軽量
性が得られない。十分な軽量性を得るためにはベ
ースクロスの糸量を少なくする必要があり、この
場合は逆に防水布の設計必要強力が得られないと
いう欠点を有する。 また、防水布の引裂強力はベースクロスに使用
する繊維の引張強度に依存する割合が高く、高い
引裂強力を得るためにはベースクロスの構成繊維
に高強度の繊維を使用する必要があるが、従来の
ものは十分な引裂強力が得られなかつた。 さらに、大型テントのように建築物の構成材料
として取扱われる用途においては、防水布の弾性
率が高い程好ましいが、従来のものは、弾性率が
低いために、設計上高い弾性率が要求される場合
には、防水布の構成繊維として従来の合成繊維は
使用されず、ガラス繊維あるいはアラミド繊維
(特にポリーパラフエニレンテレフタルアミド繊
維)などの特殊繊維が使われていた。 従来のポリビニルアルコール(以下PVAと略
す)繊維は、通常PVA水溶液を紡糸原液として、
紡糸口金を通して凝固浴中に吐出、凝固せしめ、
得られた凝固糸条を水洗、延伸、乾燥した後、ア
セタール化などの水不溶性化処理を施す工程を経
由して製造される。 一方、このような製造方法において得られる
PVA繊維の機械的強度を向上させるために多く
の提案がなされており、その例として、(イ)特公昭
48−9209号公報、(ロ)特開昭56−128309号公報など
を挙げることができる。 さらに、最近になつてPVA重合体にゲル紡糸
法を応用して、高強度・高弾性率の繊維を得るた
めの提案が(ハ)特開昭59−130314号公報に記載され
ている。 しかしながら、(イ)および(ロ)で得られるPVA繊
維は、確かに従来のPVA繊維に比べると機械的
性質は改良されているが、前記アラミド繊維(特
にポリーパラフエニレンテレフタルアミド繊維)
に匹敵するような高度の機械的性質を示すもので
はなかつた。 また、(ハ)に記載される繊維および製造法を詳細
に検討してみると、用いられるPVA重合体があ
まりにも特殊な重合法により得られるものである
ため、商業的に入手することが難しいし、また、
PVA重合体の溶媒に対する溶解性が低いこと、
紡糸原液の均一性に欠けることなどのために、生
産性の低下を避けることができないなどの問題が
ある。さらに(ハ)に記載の発明について、本考案者
らが追試したところ、複数個の孔を有するノズル
から押出・冷却・ゲル化した糸条を脱溶媒し、乾
燥する工程において著しい単糸間の膠着が発生
し、マルチフイラメントヤーンの製造には適さな
いことが判った。このようにして起こる単糸間膠
着は、糸条自体の強度を低下させ、一方、糸条の
しなやかさを欠いたり、加撚時及び布帛製造工程
での強力利用率を低下させるなどの問題があつ
た。 従つて、前記のように、従来のPVA繊維は、
防水布として機械的強力面での設計必要強力を得
るためには不都合が多く、しかも工業的規模での
大量生産が著しく困難となつているのが実情であ
る。 〈考案が解決しようとする問題点〉 本考案の目的は、ソフトで軽いにもかかわら
ず、高強力、高引裂強力、高弾性率を有する防水
布を提供することにある。 〈問題点を解決するための手段〉 本考案に係わる防水布は、重合度が1500以上の
ポリビニル系重合体からなり、引張強度が15g/
d以上、初期弾性率が250g/d以上で、マルチ
フイラメントの構成単糸繊度が5d以下、総フイ
ラメント数が20本以上であり、X線小角散乱測定
において長周期像が観測されず、かつ実質的に単
糸間膠着がないポリビニルアルコール系マルチフ
イラメントからなる布帛を、熱可塑性樹脂または
合成ゴムで防水加工してなるものである。 本考案に係わる防水布の構成繊維であるPVA
系マルチフイラメントヤーンを構成するPVA重
合体としては、その重合度が1500以上、好ましく
は2500以上であり、繊維形成性があれば特に限定
されるものではなく、例えば部分ケン化PVA、
完全ケン化PVA、およびビニルアルコールと共
重合可能なビニル系モノマーを少量重合した
PVA共重合体などを挙げることができる。 かかるPVA重合体を糸条化する方法としては、
該重合体の溶液を乾湿式紡糸法あるいはゲル紡糸
法により、複数孔(孔数20以上)のノズルから紡
糸し凝固あるいは冷却固化する、などの方法があ
る。 乾湿式紡糸法とは、該重合体を含有する溶液を
一旦空気等の不活性雰囲気に吐出し、ついでこの
吐出糸条を凝固浴中または冷却液体中で糸条を形
成させる紡糸法である。 ここで、吐出糸条が不活性雰囲気中を走行する
距離(口金面から凝固浴面までの距離)は、特に
制限されないが、3mmから50mmが適当である。 乾湿式紡糸法におけるPVA系重合体の溶剤と
して、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセ
リン、エチレングリコール、ジエチレントリアミ
ン、エチレンジアミン、およびフエノールなどの
有機溶媒、水や塩化亜鉛、ロダンソーダ、塩化カ
ルシウム、塩化アルミニウムなどの無機塩の水溶
液、またはこれらの混合溶媒などを挙げることが
できるが、好ましくは、特にDMSO、ジエチレ
ントリアミン、エチレンジアミンがよく、さらに
好ましくはDMSOがよい。 また、凝固剤としては、メタノール、エタノー
ル、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、
ベンゼン、トルエンなど、またはこれらの一種以
上とDMSOとの混合溶媒、飽和無機塩類水溶液、
カセイソーダ水溶液などがあるが、好ましくはメ
タノール、エタノール、およびアセトンがよい。 一方、ゲル紡糸法においては、該PVA系重合
体の溶剤として、該重合体を高温で加熱、溶解
し、得られた溶液を冷却するとゲル化し、さらに
紡糸条件下で不揮発性である溶剤が使用される。 複数孔のノズルから押出された繊維状溶液をゲ
ル化させる冷却液体としては、デカリン、トリク
ロロエチレン、四塩化炭素、パラフインオイル、
灯油などが使用される。なお、複数孔のノズルと
冷却媒体浴液面の間の距離は前記乾湿式紡糸法の
場合と同様である。 前記乾湿式紡糸法によつて凝固した糸条は、引
続き、脱溶媒が行われる。 一方、ゲル紡糸法により冷却されたゲル化糸条
は、つづいて脱溶媒が施され、最終的には、溶媒
が脱溶媒に用いられる抽出剤によつて置き換えら
れる。 このようにして得られた糸条は、乾燥工程に送
られるが、乾燥に際しては、本考案の1つの特徴
である実質的に単糸間膠着のないマルチフイラメ
ントヤーンを得るために、糸条に乱流気体を吹き
付け、それによつて糸条を構成する各単糸間を拡
げ、かつ振動させつつ乾燥させる。 かくして得られる乾燥糸条は、続いて熱延伸さ
れる。延伸温度は、PVA系重合体の融点よりも
低温側であり、160℃〜250℃の範囲が望ましい。 延伸は、全工程を通じての総延伸倍率をできる
だけ高くし、例えば、糸条の切断を伴う延伸倍率
の85%以上とし、延伸後の糸をX線小角散乱測定
したとき、長周期像が観測されなくなるまで延伸
する。この際、マルチフイラメントヤーンの単糸
繊度が5dを上回ると、本考案の高物性のマルチ
フイラメントヤーンを得ることが困難となる。 かくして得られた本考案のポリビニルアルコー
ル系マルチフイラメントヤーンは、構成単糸の繊
度が5d以下、総フイラメント数が20本以上であ
り、かつ引張強度が15g/d、初期弾性率が250
g/d以上である。 かかるポリビニルアルコール系マルチフイラメ
ントヤーンは、水(沸水も含む)に不溶であると
共に、従来のPVA系繊維に比較して高強度、高
初期弾性率である。また従来のポリエステルや、
ナイロンなどの産業用繊維に比べても機械的特性
が優れている。 本考案の防水布は、かかるPVA系繊維からな
る布帛を、熱可塑性樹脂または、合成ゴムで処理
することにより製造される。 布帛としては、通常の織物、トリコツトなどが
ある。 熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ
ウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エス
テルなどが用いられる。また、合成ゴムとして
は、ポリクロロプレンゴム、ニトリルゴム、クロ
ルスルフオン化ポリエチレンなどが使用される。 これら熱可塑性樹脂または合成ゴムによる防水
処理方法としては、上記熱可塑性樹脂または合成
ゴムを流動性のある溶液の状態でコーテイング
し、加熱乾燥するコーテイング法、熱可塑性樹脂
または合成ゴムのプラスチゾル液に布帛を浸漬
し、加熱処理により樹脂または合成ゴムをゲル化
するデイツピング法、熱可塑性樹脂または合成ゴ
ムの溶融体を布帛の面に熱融着するトツピング
法、あるいは熱可塑性樹脂または合成ゴムのフイ
ルムを積層する方法が採用される。 第1図は、高強度、高弾性率のポリビニルアル
コール系マルチフイラメントヤーンからなる布帛
1上に熱可塑性樹脂または合成ゴム2をナイフコ
ーテイングしてなる防水布を示す。 〈考案の効果〉 本考案による防水布は、高強力、高引裂強力で
あると共に、初期弾性率が高く外力による寸法変
化が小さく、耐候性、耐疲労性などに優れてい
る。 さらに、ポリビニルアルコール系繊維特有の優
れた接着性があるために、防水処理時の熱可塑性
樹脂または合成ゴムと布帛の接着加工が容易であ
る。 本考案による防水布は、かような優れた特性を
有しており、大型テント、車輌用幌、船舶用シー
ト、テント倉庫などに有効に使用することができ
る。 以下、本考案を実施例により具体的に説明す
る。実施例1〜3、比較例1〜2 重合度が1500、1900および3100の完全ケン化型
(ケン化度99.5%以上)PVAをそれぞれDMSOに
溶融し、紡糸原液とし、これら3種の紡糸原液を
孔径0.06mm、孔数100の紡糸口金から10重量%の
DMSOを含有するメタノール凝固浴へ押出し、
乾湿式紡糸した。紡糸口金面と凝固浴液面との距
離は7mmに設定した。 得られた凝固糸条をそれぞれメタノール洗浄
し、DMSOを除去した後、メタノール中で4倍
に延伸し、空気の乱気流により糸条を攪乱・振動
させながら乾燥させた。 次いで得られた乾燥糸を、それぞれ235℃に設
定された乾熱チユーブで熱延伸し、200デニール、
100フイラメントの高強力、高初期弾性率のPVA
系マルチフイラメントヤーンを製造した。かかる
繊維の特性を第1表に示す。 一方、比較のために、凝固、メタノールの延伸
工程を経た糸条を乾燥する際に、空気の乱気流に
よつて振動させることなく乾燥すると、乾燥糸に
単糸間膠着が生じ、開繊性が著しく劣つた。ま
た、熱延伸工程では延伸倍率が低く、引張強度は
15g/dを上回ることがなく、X線小角散乱測定
においても長周期像が現われる。
【表】 上記第1表に示すA〜Eの5種類の繊維を、そ
れぞれ合糸し、600Dのマルチフイラメントヤー
ンとし、これに200T/Mの撚りをかけ製織用原
糸とした。次いで、織密度たて35本/インチ、よ
こ33本/インチ平織で製織し、布帛を得た。 この布帛に、ポリ塩化ビニルペーストをコーテ
イングした後ベーキングし、重量約340g/m2
防水布を製造した。 この防水布の引張強力、引裂強力および初期引
張り弾性率を測定した。その結果を第2表に示
す。
【表】 第2表に示すように、本考案による、高強力で
初期弾性率が高いポリビニルアルコール系マルチ
フイラメントヤーンを構成繊維とした防水布は、
引張強力、引裂強力がともに高く、かつ初期引張
弾性率が高いことが判る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の実施例を示す断面図であ
る。 1……マルチフイラメントヤーンからなる織
物、2……熱可塑性樹脂または合成ゴム、3……
防水布。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 重合度が1500以上のポリビニルアルコール系重
    合体からなり、引張強度が15g/d以上、初期弾
    性率が250g/d以上で、X線小角散乱測定にお
    いて長周期像が観測されず、実質的に単糸間膠着
    がなく、構成単糸の繊度が5d以下、総フイラメ
    ンド数が20本以上であるマルチフイラメントヤー
    ンからなる布帛の少なくとも片面に、熱可塑性樹
    脂または合成ゴム層を設けてなる防水布。
JP8689785U 1985-06-11 1985-06-11 Expired JPH046908Y2 (ja)

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JPS61204733U JPS61204733U (ja) 1986-12-24
JPH046908Y2 true JPH046908Y2 (ja) 1992-02-25

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107315217A (zh) * 2012-03-30 2017-11-03 株式会社可乐丽 聚乙烯醇系聚合物膜及其制造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107315217A (zh) * 2012-03-30 2017-11-03 株式会社可乐丽 聚乙烯醇系聚合物膜及其制造方法

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JPS61204733U (ja) 1986-12-24

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