JPH0465679B2 - - Google Patents

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JPH0465679B2
JPH0465679B2 JP61267709A JP26770986A JPH0465679B2 JP H0465679 B2 JPH0465679 B2 JP H0465679B2 JP 61267709 A JP61267709 A JP 61267709A JP 26770986 A JP26770986 A JP 26770986A JP H0465679 B2 JPH0465679 B2 JP H0465679B2
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cells
zone
tank
cell
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Takami Arai
Michuki Tokashiki
Kenji Ishimaru
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(a) 産業上の利用分野 本発明は細胞を培養増殖させるための方法に関
するものである。更に詳しくは細胞をサスペンジ
ヨン状態で培養するための方法に関するものであ
る。 細胞培養技術は、例えばウイルス、ワクチン、
インターフエロンの如き抗ウイルス剤或いはホル
モンの如き生物薬品の製造にとつて重要である。 更に近年特定タンパク質などを標的とするモノ
クローナル抗体の産生は抗体産生細胞とミエロー
マによるハイブリドーマの培養によるものであ
り、その技術の解決は工業的に重要なテーマであ
る。 (b) 従来技術 従来、細胞培養は一般にシヤーレ試験管、培養
びんなどを用いて実験室的規模で行なわれてい
る。 一方近年細胞の培養法及びそのための装置とし
て、いくつかの提案がなされている。これらの提
案は、大きく分けて付着培養(anchorage
dependent culture)と浮遊培養、つまりサスペ
ンジヨン培養(suspension culture)との2つの
方式に分類されるが、これらの方式は培養される
細胞の特性によつていずれかに決められる。 このうちサスペンジヨン培養に関して下記の提
案がなされている。例えばマグネテイツクスタラ
ーもしくは機械的に駆動されるシヤフト上の羽根
車によつて、スピナーフラスコの中に調整された
攪拌機能を設けた培養方法が提案されている(米
国特許第2958517号および同第3649465号明細書参
照)。 特開昭57−65180号公報には、回転可能にシヤ
フト上に支持される少くとも1枚の比較的大表面
積の屈撓性シートを攪拌機とし、該攪拌機を回転
させて該シートを波立たせ、それによつてヒトの
2倍体細胞のような或る種の虚弱細胞に対し所望
の穏かな攪拌を作り出すサスペンジヨン培養装置
が提案されている。 しかし、上記装置による培養方法においては、
細胞が一定量の栄養分の中で培養されるため細胞
の生長増殖は比較的低い密度で停止する。 細胞のサスベンジヨン培養において、細胞の生
長が比較的低い密度で停止するのを防ぎ、細胞を
大量に且つ高密度で培養するために、一般に新し
い培養液を培養槽中へ供給しつつ生育阻害物質を
含んだ古い培養液を培養槽外へ排出しながら培養
する方式すなわち通称ピーヒユージヨン方式と言
われる方式が提案されている(Annual Reports
or Fermentetion Processes.vol.6参照)。この方
式を用いて培養するに当つて重要なことの1つ
は、サスペンジヨン液中の生細胞と前記古い培養
液とを効率よく分離し、古い培養液を培養槽外へ
取り出し、培養槽内の細胞の成育環境を最適条件
下に維持することである。サスペンジヨン液から
生細胞と古い培養液とを分離するために種々のフ
イルターやまた種々の形式が提案されているが、
フイルターの目塞りや、装置の構造の煩雑性など
の点で工業的培養装置としてはいずれも満足すべ
きものとは言い難い。 特開昭56−82083号公報および特開昭60−9482
号公報には、培養装置内に細胞沈澱管を兼ねた培
養上清排出管と新鮮培地添加用の導管を設け、該
導管から培地を添加し同時に上記排出管から培養
上清を排出しつつ培養を行うようにした浮遊細胞
の高濃度培養が提案されている。 一般に、浮遊性の動物細胞は数ミクロンないし
数10ミクロンと小さくしかもその比重は培地の比
重と大きな差がないため、浮遊細胞と培地とを重
力によつて分離する上記の如き装置では、細胞沈
降を有利に達成するために沈降面積を大きくする
必要があるが上記2件の特開昭に開示された装置
では沈降面積をあまり大きくとることはできな
い。 そこで、本発明者の一部は、簡単な構造でサス
ペンジヨン培養液から生細胞と培養液とを分離す
ることが可能であり、フイルターを使用した場合
に生起するフイルターの目塞りなどの問題の発生
を解消した生細胞と培養液の分離するための装置
および方法について研究を進めた結果、「細胞培
養槽が、細胞のサスペンジヨン培養ゾーン、細胞
のセトリングゾーン、該セトリングゾーンからの
培養液排出口および該サスペンジヨン培養ゾーン
への培養液供給口とを有し、該サスペンジヨン培
養ゾーンと該セトリングゾーンとは該細胞培養槽
内で該セトリングゾーンの下方部位を通じて連絡
するように仕切りによつて仕切られており、そし
て該セトリングゾーンは該細胞培養槽の槽側壁と
該仕切りの間に形成されていることを特徴とする
サスペンジヨン培養のための細胞培養槽から構成
される潅流培養のための細胞培養装置。」 および「この細胞培養装置によつて細胞を潅流
培養する方法であつて、セトリングゾーンから細
胞を実質的に含まない培養液を抜出し、そしてサ
スペンジヨン培養ゾーンへ新しい培養液を導入す
ることを特徴とする細胞培養方法。」を見出し、
先に提案した(特開昭61−8839号明細書参照;昭
和61年1月21日付出願)。 本発明者は、前記提案装置およびその装置を用
いて、細胞培養を行つたところ、或る程度の規模
では特に支障なく効率的に細胞と培養液を分離で
きるが、規模が大きくなると、それに従つてサン
ペンジヨン培養ゾーンの体積に対するセトリング
ゾーンの体積の割合を大きくする必要が生じ、そ
のためサスペンジヨン培養ゾーンにおける回転に
よる攪拌力がセトリング培養ゾーンに及ぶことが
避けられず、サスペンジヨンゾーン内での細胞の
重力沈降がスムースに行なわれないことが、度々
認められた。このサスペンジヨン培養ゾーンでの
攪拌は、該培養ゾーンのセトリングゾーンとを仕
切つている仕切りを出来る限り下方へ長くして
も、規模が大きくなるにつれて、前記攪拌も強く
ならざるを得ず、その攪拌力の影響はセトリング
ゾーンへ及ぶことは避けられなくなる。 そこで本発明者は、前記した如き細胞のサスペ
ンジヨン培養ゾーンと細胞のセトリングゾーンを
設えた細胞培養槽を用いて、細胞を培養する方法
における問題点、特に規模を大きくした時に生じ
る問題点を解決すべく、さらに研究を進めたとこ
ろ培養槽内の底部に水よりも密度が大きい特定の
液状媒体の層を形成させ、その液状媒体層を攪拌
させながら培養すると培養規模が大きくなり、セ
トリングゾーンを大きくしてもセトリングゾーン
での細胞の重力沈降は乱されることなく効果的に
起り、培養液が細胞と分離されて培養槽外へ容易
に取出すことができることがわかつた。 (c) 発明の構成 本発明は、かかる知見に基いて到達されたもの
であつて、細胞培養槽が、細胞のサスペンジヨン
培養ゾーン、細胞のセトリングゾーン、該セトリ
ングゾーンからの培養液排出口および該サスペン
ジヨン培養ゾーンへの培養液供給口とを有し、該
サスペンジヨン培養ゾーンと該セトリングゾーン
とは該細胞培養槽内で該セトリングゾーンの下方
部位を通じて連絡するように仕切りによつて仕切
られており、そして該セドリングゾーンは該細胞
培養槽の槽側壁と該仕切りの間に形成されている
細胞培養槽を用いて細胞を培養する方法であつ
て、該培養槽の底部に下記性質 (イ) 水と実質的に混和せず (ロ) 水より密度が大きく且つ (ハ) 動物細胞の生育を実質的に阻害しない を有する液状媒体の層を形成させ、その液状媒体
層を攪拌させながら培養することを特徴とする細
胞培養方法である。 かかる本発明方法に従えば、培養槽の底部に前
記液状錠媒体層を存在せしめ、この液状媒体層を
攪拌することによつて、その液状媒体層の表面、
つまり培養ゾーンとの接触面において上下方向へ
の波立現象を起させ、この現象によつて培養ゾー
ンでの細胞の分散が助けられるがセトリングゾー
ンでの細胞沈降は妨げられない。 従つて、本発明によれば、大規模の培養槽であ
つても培養槽中に設置させたセトリングゾーンに
おいて、生細胞は重力方向の下部へ沈降し、古い
培養液や細胞破壊片などはセトリングゾーンの上
部へ分離されることになるので、セトリングゾー
ンの上部に設けられた培養液の排出口から生細胞
を実質的に含まない培養液を排出することができ
る。従つて本発明は、目塞りの原因となるフイル
ターを使用することなく、簡単な方式によつて生
細胞と培養液を効率よく分離することを可能とす
るので、細胞の大量且つ高密度培養に適用するこ
とができる。 本発明の培養槽は、細胞をサスペンドさせて実
質的な細胞培養を実施する区域と規定できる細胞
サスペンジヨン培養ゾーンおよび細胞を重力によ
つて培養液から分離する区域と規定できる細胞の
セトリングゾーンを有している。細胞のサスペン
ジヨン培養ゾーンと細胞のセトリングゾーンと
は、細胞培養槽内において該セトリングゾーンの
下方部位を通じて連絡するように仕切りによつて
仕切られている。このような構造を有するため、
細胞のセトリングゾーンにおいて、沈降しそして
培養液から分離された細胞は該セトリングゾーン
の下方部位を通じて細胞のサスペンジヨン培養ゾ
ーンに再び導入され、その区域で再び培養され
る。 本発明の培養槽内の該セトリングゾーンは、該
培養槽の槽側壁と上記仕切りの間に形成されてい
る。このような構造によつて、培養槽内でセトリ
ングゾーンの有効なセトリング面積を非常に大き
くとることのできる利点がある。 本発明の培養槽は、セトリングゾーンにおいて
細胞と分離された古い培養液を排出するための培
養液排出口および培養ゾーンへ新しい培養液を供
給するための培養液供給口を有している。 本発明の培養槽において、該セトリングゾーン
は、好ましくは、該サスペンジヨン培養ゾーンの
周囲に該サスペンジヨン培養ゾーンを取囲むよう
に槽側壁と該仕切りとの間に形成されている。こ
の好ましい態様において、例えば該サスペンジヨ
ン培養ゾーンと該セトリングゾーンは円筒状仕切
りによつて仕切られている。この場合、さらに好
ましくは、該円筒状仕切りと対向する槽側壁の実
質的部分が円筒状であり、そして上記円筒状仕切
りと上記円筒状槽側壁とが実質的に同心に位置し
ている。 また、本発明の培養槽は、セトリングゾーンに
おける細胞のセトリングを助長するため、セトリ
ングゾーン内に細胞のセトリングを助長する手段
を有することができる。その様な手段は、細胞が
沈降する重力方向の距離を短くするような手段で
あり、例えば重力方向を遮ぎる方向にラトリング
ゾーン内に設けられた沈降板であることができ
る。 さらに、セトリングゾーン内には、細胞のサス
ペンジヨン培養ゾーン通に形成される培養液の流
動の影響を可及的に小さくする目的で、重力方向
に伸びてセトリングゾーンを仕切るじやま板を設
けることもできる。重力方向に角度を有してセト
リングゾーン内に設けられたじやま板は沈降板と
しての機能を発揮することは容易に理解されよ
う。 また、培養槽には、酸素含有ガス導入口、また
は酸素含有ガス導入口と酸素含有ガス案内筒を設
け、該導入口から導入された酸素含有ガスが上昇
する際の攪拌効果により培養液中に細胞を強制的
にサスペンドさせることもできる。 本発明の細胞培養槽はサスペンジヨン型の細胞
培養に適用されるが、サスペンジヨン型とは、水
性媒体中で細胞それ自体が浮遊しながら、或いは
細胞を微小担体(マイクロキヤリアー)に担持し
て浮遊しながら、またマイクロカプル中で細胞が
生育されるような種々の浮遊培養をいう。殊に本
発明は、細胞自体を浮遊させながら培養する方式
に有利に用いられる。 本発明の方法において培養される培養は、動物
細胞、微生物細胞などであつてもよく、また人為
的或いは遺伝子操作により変性された細胞例えば
ハイブリドーマであつてもよい。種に本発明の方
法は、動物細胞の培養に適している。 本発明におけるサスペンジヨン型の細胞培養槽
中においては、培養しようとする細胞が培養液中
に浮遊した状態で培養される。培養液は実質的に
水よりなる水性媒体に、種々の無機塩、ビタミン
類、捕酵素、ブドウ等、アミノ酸、抗生物質など
の通常細胞培養に使用される添加成分が加えられ
ている。また培養液には血清を加えることもでき
るし、血清を用いない所謂無血清培地を培養液と
して使用することも出来る。 本発明の培養槽を用いて細胞を潅流培養する本
発明方法は、セトリングゾーンから細胞を実質的
に含まない培養液を抜出しそしてサスペンジヨン
培養ゾーンへ新しい培養液を導入することによつ
て有利に実施される。 その際、セトリングゾーンによつて規定される
細胞の有効セトリング面積[S(cm2)]と、サスペ
ンジヨン培養ゾーン内の培養液の体積 [V(cm2)]との比V/Sが好ましくは0.1〜500
cm、特に好ましくは1〜100の範囲にある。 本発明方法に用いられる培養槽の底部には、前
記、液状媒体層が形成され、培養液と界面を形成
している。この液状媒体層の厚さは、特に制限を
受けないが、液状媒体層の上層面(培養液との接
触面)が、培養ゾーンにおける培養液がセトリン
グゾーンへ移動を妨げないように、培養ゾーンと
セトリングゾーンとの間に形成された仕切りの下
端よりも、下方に位置する程度にすべきである。
液状液体層の厚さは培養槽の大きさ、槽の形状、
攪拌の強さなどにより適宜決定される。 また本発明方法は液状媒体層を攪拌し、その表
面(培養液との接触面)に波立を起させて、部分
的に表面の上下運動を起させることが望ましい。
そのために液状媒体層中で回転翼を回転させると
共に、液状媒体が回転円周に沿つて回転するのを
阻止するようなろじやま板を設けておくのが好ま
しい。このじやま板は、培養層の液状媒体層が形
成された底部の槽壁内に数個所設置することがで
きる。また液状媒体層内の数個所において回転翼
を設けて攪拌することもでき、その場合槽の円周
に沿つて液状媒体が回転することがないので特に
じやま板を設ける必要もないことがある。 本発明において使用される“液状媒”としては
下記性質 (イ) 水と実質的に混和せず (ロ) 水より密度が大きく且つ (ハ) 動物細胞の生育を実質的に阻害しない を有するものである。 かかる液状媒体としては、例えばパーフルオロ
カーボンが好適に使用される。 かかるフルオロカーボンとしては、常温で液体
であるものが有利であり、市販されているものが
広く利用できる。例えば各種熱媒体、電気絶縁材
料として使用されているフルオロガーボン、人工
血液として使用されている種々のフルオロカーボ
ンが使用できる。その具体例としては、例えば炭
素数8以上のパーフルオロアルカン類、パーフル
オロシクロアルカン類(例えば、パーフルオロデ
カリン、パーフルオロメチルデカリン、炭素数3
〜5のアルキル置換基を有するパーフルオロアル
キルシクロヘキサン)、炭素数5〜7のアルキル
置換基を有するパーフルオロアルキルテトラヒド
ロフラン類、炭素数4〜6のアルキル置換基を有
するパーフルオロアルキルテトラヒドロピラン
類、パーフルオロアダマンタン類(例えばパーフ
ルオロアダマンタン、パーフルオロメチルアダマ
ンタン、パーフルオロジメチルアダマンタン、パ
ーフルオロジメチルエチルアダマンタン、パーフ
ルオロジエチルアダマンタンなど)が挙げられ
る。前記フルオロカーボンは、種々の基、例えば
第3級アミノ基を含有したものであつてもよい。 以下本発明において使用される培養槽につい
て、添付図面を用いて説明する。図面は培養槽の
概略図を示したものである。 図面において培養槽本体1にはその内壁の内側
に隔壁2によつて仕切られたセトリングゾーン6
が設けられている。溶媒槽1には新しい培養液の
供給導管3を通じて培養液の供給口が備えられ、
導管5を通じて酸素または酸素含有ガスが供給さ
れるようになつており、酸素濃度検知センサー7
が設けられ、また排ガスの排出導管が設けられて
いるがこれは図面では省略されいる。さらにセト
リングゾーン6の上部には古い培養液の排出口が
設けられ、導管4を通じて培養槽外へ培養液を排
出するようになつている。また培養槽底部にはじ
やま板9が設置されている。 図面の培養槽1の底部には液状媒体が導入され
ており、液状媒体槽10が形成されている。図面
における点線は液状媒体層と培養液との界面を意
味する。 培養層内の液状ばたい層中に攪拌翼8が設けら
れ、また前述したようにじやま板9も設けられて
いる。 かくして液状媒体層10を攪拌翼8により攪拌
すると液状媒体は攪拌されるが、攪拌翼の回転方
向の回転がじやま板9により阻止され、液状媒体
層の表面が波立現象を起し、部分的に上下にゆれ
るようになる。液状媒体層の表面の波立によつて
培養ゾーン中の細胞はサスペンジヨン状態に維持
される。一方セトリンゾーンは液密になつてお
り、細胞の沈降はスムースに行なわれ、セトリン
グゾーンの上部に設けられた排出口より導管4を
通じて細胞を含まない古い培養液が取り出され
る。 図面に示すように槽の高さをH、槽の直径をD
としたとき、H/Dが0.5〜10、好ましくは1〜
5の範囲となるような槽が、本発明の培養槽とし
て好ましく使用される。また槽の全体の形状とし
ては一般に細胞のサスペンジヨン型培養に使用さ
れるものであれば種々のものが用いられる。 セトリングゾーンは、その中における培養液の
線速度が、細胞の沈降速度よりも遅く且つ培養槽
内のサスペンジヨン液の攪拌が及ばない領域が確
保されていればよく、その形状および構造に限定
を受けない。 図面の培養槽は、セトリングゾーン6とサスペ
ンジヨン培養ゾーンとが円筒状隔壁によつて仕切
られており、該円筒状隔壁と対向する槽側壁の実
質的部分が円筒状であり、そして上記円筒状隔壁
と上記円筒状槽側壁とが実質的に同心に位置して
いるものである。 この培養槽において、V/S(ここで、Vはサ
スペンジヨン培養ゾーン内の培養液の体積であ
り、Sは細胞の有効なセトリング面積である)を
算出する基礎となるSは下記式で表わされる。 S=π/4(D2−d2) ここで、Dは円筒状槽側壁部の直径であり、d
は円筒状隔壁直径である。また、Vは培養槽の容
積から、培養液の存在しない空間部の体積とセト
リングゾーンの容積とを差し引いた体積と理解さ
れるべきである。 さらに培養槽には、二酸化炭素や栄養素の濃
度、PHの値を測定し、それらを或る範囲に維持す
る装置が一般に設置されているが、本発明の細胞
培養槽にこれらの装置が備えられてもよいことは
言うまでもない。しかし添付図面にはこれらの付
属装置は省略されている。 本発明の方法を実施するに当つて、新しい培養
液は、この中にブドウ糖、蛋白質の如き栄養源、
種々のアミノ酸、無機塩、抗生物質などの細胞培
養に必要な成分を水溶液とし含むものが使用され
るが、さらに血清を含んでいてもよく、また含ん
でいなくてもよい。 かかる新しい培養液は、サスペンジヨン培養ゾ
ーンへの培養液供給口から、例えば図面に示すよ
うに培養槽の上部に設けられた培養液供給口から
供給される。またサスペンジヨン液中へ直接導管
を通じて供給してもよい。 また本発明の方法を実施するに当つて、新しい
培養液の供給と、古い培養液の排出とは、培養槽
中の液面の水準がほぼ一定となるように維持する
ことが望ましいが、必ずしもその必要はない。新
しい培養液の供給と古い培養液の排出とは、それ
ぞれ独立して、連続的に行なうこともできまた間
歇的に行なうこともできる。 本発明の培養方法において、サスペンジヨン液
中の酸素濃度を一定に維持するために、酸素を供
給する方法としては、前述の如く、サスペンジヨ
ン液中の酸素または酸素含有ガスを直接供給する
ことができる。 また培養は、培養槽の有効培養層(t)に対して新
しい培養液を供給する割合(新しい培養液の供給
量/V)は1日当り0.2〜10、好ましくは0.5〜5
の範囲とするのが適当である。 かくして本発明によれば、細胞のサスペンジヨ
ン培養において、生細胞を含まない古い培養液を
簡単に分離することができ、また細胞破壊片も古
い培養液と共にサスペンジヨン液から除去でき
る。また本発明の装置は構造が簡単であり、その
操作が煩雑でなく工業的装置として適している。
殊に細胞の大量培養、高密度培養に有利である。 以下実施例を掲げて本発明を詳述する。 実施例 (1) 培養槽の形状 添加図面に示したような容積約10の容器を
培養槽として用いた。この容器は図面に示した
ように攪拌の力がおよばないセトリングゾーン
がもうけられている。この容器下部には攪拌翼
8とジヤマ板9を全没させるように約1.2の
フルオロカーボンが入られており、このフルオ
ロカーボンを攪拌するような構造をしている。
図面の培養槽いおけるH:Dの比は約1:1で
ある。 (2) 培養液の組成 培養液はタルペツコ変法イーグル培地と
RPMI1640培地とハムF12培地を1:2:1の
割合で混ぜたものに、種々のアミノ酸、グルコ
ース、ピルビン酸ナトリウム、チミジン、塩化
コリン、イノミトール等を加えたものを基礎培
地として、これにインシユリン、トランスフエ
リン、エタノールアミン、セレナイト及びFCS
を加えたものを用いた。 (3) 培養方法 添付図面で示した培養槽に約8の培養液を
入れ、攪拌翼を約20rpmで回転させて培養し
た。この時、細胞は約4の懸濁液として容器
中に存在する。細胞はマウスミエローマ細胞
P3U1を親株とするマウス−マウスハイブリド
ーマを用いた。この細胞は免疫グロブリン
(IgG)産生型の株である。培養槽中には、5
%CO2含空気とO2ガスを供給され培養中PH=
6.5〜7.0、溶存酸素3〜4ppmにゆるように調
節された。培養液の入れ換えは培養を始めた日
に開始し、2/day〜8/deyの流速で行
つた。培養槽は、37℃に保たれるような条件と
した。 (4) 培養結果 培養結果は第1表の通りであつた。
【表】 比較例 1 (1) 培養槽の形状 培養槽としては前記実施例と同じ添付図面と
同様の容器を使用した。ただし、攪拌はフルオ
ロカーボンを用いず直接攪拌翼によつて行つ
た。その他の培養条件は、前記実施例と同様で
あつた。 (2) 培養結果 フルオロカーボンを用いない方法では攪拌の
調整が非常に困難であることが判明した。攪拌
を約20rpmで行なうと細胞がうまくセトリング
せず、培養上清の細胞の分離が不可能であつ
た。攪拌速度を12rpmまで下げる、細胞が懸濁
せず、培養槽下部に沈澱してしまい、生存させ
ることができなかつた。結果を表2に示す。
【表】 【図面の簡単な説明】
添付図面は、本発明の培養方法を実施するため
に適した培養槽の概略図を示したものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 細胞培養槽が、細胞のサスペンジヨン培養ゾ
    ーン、細胞のセトリングゾーン、該セトリングゾ
    ーンからの培養排出口および該サスペンジヨン培
    養ゾーンへの培養液供給口とを有し、該サスペン
    ジヨン培養ゾーンと該セトリングゾーンとは該細
    胞培養槽内で該セトリングゾーンの下方部位を通
    じて連絡するように仕切りによつて仕切られてお
    り、そして該セドリングゾーンは該細胞培養槽の
    槽側壁と該仕切りの間に形成されている細胞培養
    槽を用いて細胞を培養する方法であつて、該培養
    槽の底部に下記性質 (イ) 水と実質的に混和せず (ロ) 水より密度が大きく且つ (ハ) 動物細胞の生育を実質的に阻害しない を有する液状媒体の層を形成させ、その液状媒体
    層を攪拌させながら培養することを特徴とする動
    物細胞の培養方法。
JP61267709A 1985-02-05 1986-11-12 動物細胞の培養方法 Granted JPS63123379A (ja)

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JPS63123379A JPS63123379A (ja) 1988-05-27
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