JPH0463776A - 車両の前部車体構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は車両の前部車体構造に関し、特に、サスペンシ
ョンタワー部の車体に対する支持剛性強度の向上を図る
対策に関する。

（従来の技術） 一般に、車両の前部車体構造においては、例えば実開昭
６４−３９１７９号公報に開示されるように、車体前部
側壁を構成するホイールエプロンの上部に、車体前後方
向へ延びサスペンションタワー部とダッシュパネル上部
とにそれぞれ連結されている閉断面構造のフレームを設
けて、車体前部、特に車体前部側壁の剛性を高めるよう
にしている。この場合、フレームの後端部は、車体上下
方向に延びるヒンジピラ一部に連結されているとともに
、車体左右方向へ延びて車室とを仕切るダッシュパネル
上部の側端部に連結されている。

（発明が解決しようとする課題） ところで、近年、車輪の挙動を積極的に行う上で、既存
するサスペンション装置にリンクを付加したり、複数の
リンクにより構成されるマルチリンク式のサスペンショ
ン装置を積極的に採用することが行われている。その場
合、リンクなどの配置によっては車輪を弾性支持するダ
ンパに干渉する恐れがあるため、該ダンパの車体側支持
点（上端部）を車体内方側へオフセットしておく必要が
あり、これに伴いサスペンションタワー部が傾斜配置さ
れてその上端が車体内方側へオフセットされることにな
る。

この場合、サスペンションタワー部の上端は、オフセッ
トされた分だけホイールエプロン上部のフレームから車
体内方側へ離れるために、フレームによる支持がサスペ
ンションタワー部の外端部のみでしかなされておらず、
サスペンションタワー部のフレームに対する支持剛性強
度が弱いものとなる。このため、サスペンションタワー
部が車体内方側に倒れる。いわゆる“サスペンションタ
ワーの内倒れ”を招く恐れがある。

本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、その目的と
するところは、車体内方側にオフセットされるサスペン
ションタワー部がダッシュパネル上部を利用して効果的
に補強されるようにすることにより、“サスペンション
タワーの内倒れ“を確実に防止しようとするものである
。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本発明の解決手段は、車体前
部側壁を構成するホイールエプロンの上部に、車体前後
方向へ延びサスペンションタワー部とダッシュパネル上
部とにそれぞれ連結されている閉断面構造のフレームを
設けた車両の前部車体構造を前提とする。そして、前端
が上記サスペンションタワー部に連結され後端が上記ダ
ッシュパネル上部に連結されて、該サスペンションタワ
ー部とダッシュパネル上部との間において上記フレーム
よりも車体内方側に位置するホイールエプロン及びフレ
ームと協働して上記閉断面の内側に連なる閉断面を形成
する補強部材を設ける構成としたものである。

（作用） 上記の構成により、本発明では、サスペンションタワー
部は、ホイールエプロン上部を車体前後方向に延びる閉
断面構造のフレームと、前後端がサスペンションタワー
部およびダッシュパネル上部にそれぞれ連結された補強
部材とで支持され、この補強部材により、サスペンショ
ンタワー部とダッシュパネル上部との間においてフレー
ムよりも車体内方側に位置するホイールエプロン及びフ
レームと協働して上記閉断面の内側に連なる閉断面が形
成されている。これによって、近年の傾向とするところ
のマルチリンク式などのサスペンション装置の採用によ
りリンクとダンパとの干渉を防止する上でサスペンショ
ンタワー部の上端がエンジンルーム内方側へオフセット
されていても、サスペンションタワー部の車体（フレー
ムおよび補強部材）に対する支持剛性強度が、サスペン
ションタワー部およびダッシュパネル上部の間において
フレームの閉断面とその内側に連なる閉断面との２重の
閉断面により効果的に高められて、サスペンションタワ
ー部がエンジンルーム内方側に倒れる。　“サスペンシ
ョンタワーの内倒れ″を招くことはない。

また、補強部材がホイールエプロンとフレームと共にダ
ッシュパネル上部に連結されていることから、これら各
部材が効果的に補強されて、フレームの側端部に連結さ
れたヒンジピラーの剛性強度も高められることになる。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図ないし第３図は本発明の実施例に係る自動車の右
側における前部車体構造を示し、１は車体の前部サイド
に位置し且つ車体前後方向に延びてエンジンルーム２の
側壁部を構成するホイールエプロンである。上記ホイー
ルエプロン１は断面略鉤状をなし、その下縁部１ａは、
エンジンルーム２の内方にホイールハウス用の膨出部３
を有して延設され、車体前後方向に延びる閉断面形状の
フロントサイドロアフレーム４の上縁部に接合して固定
されている。該フロントサイドロアフレーム４は、外方
に開口する断面略コ字状のフロントサイドロアフレーム
インチ５と、該フロントサイドロアフレームインナ５の
各下端部に上下端部がそれぞれ接合された平板状のフロ
ントサイドロアフレームアウタ６とからなる。また、上
記ホイールエプロン１の上縁部１ｂの外面側には、断面
略Ｕ字状のホイールエプロンレインフォースメンドアツ
バ７と、該ホイールエプロンレインフォースメンドアツ
バ７の各下端部に内外端部がそれぞれ接合されたホイー
ルエプロンレインフォースメンドロア８とからなるホイ
ールエプロンレインフォースメント９が設けられており
、このホイールエプロンレインフォースメント９によっ
て閉断面を形成するフロントサイドアッパフレーム１０
（フレーム）が構成されている。そして、上記ホイール
エプロン１の上縁部１ｂは、上記フロントサイドアッパ
フレーム１０によってエンジンルーム２より所定幅を有
し、前方に向って下方に傾斜するようになっている。

上記ホイールハウス用の膨出部３の上部には、上下方向
に延びるサスペンションタワー部１１が設けられており
、上記ホイールエプロン１は、このサスペンションタワ
ー部１１を境にして前側のホイールエプロンフロント部
１２と、後側のホイールエプロンリヤ部１３とに分けら
れている。上記サスペンションタワー部１１は、第４図
および第５図にも示すように、上記フロントサイドアッ
パフレーム１０の上端面と略一致する高さのままでエン
ジンルーム２内方側へ延設された上端面１１ａと、該上
端面１１ａより上記ホイールエプロンフロント部１２に
沿って前方へ延びる前側延設部１１ｂと、上記上端面１
１ａより上記ホイールエプロンリヤ部１３に沿って後方
へ延びる後側延設部１１ｃとからなる。また、上記サス
ペンションタワー部１１の各延設部１１ｂ、ｌｌｃは、
上記ホイールエプロン１の上縁部１ｂの内面側に取付け
られていて、特に、後側延設部１１ｃは、その上部側が
ホイールハウス用の膨出部３に沿ってさらに後方へ延設
されて上記フロントサイドアッパフレーム１０の下端部
付近でホイールエプロン１の上縁部１ｂとして構成され
ている一方、下部側が上記リヤホイールエプロン部１３
の上端および前端に接合されている。この場合、サスペ
ンションタワー部１１は、図示しないサスペンション装
置のダンパの上端部を支持するためのものであるが、こ
のサスペンション装置として採用されたダブルウラッシ
ュボーンタイプのものに付加したリンクとダンパとの干
渉を回避する上で該ダンパの車体側支持点（上端部）が
エンジンルーム２内方側へオフセットされており、これ
に伴いサスペンションタワー部１１が傾斜配置されてそ
の上端面１１ａの内端部がエンジンルーム２内方側へオ
フセットされた配置となっている。

また、上記エンジンルーム２側端部の後端位置には、車
体後方に傾斜しつつ上下方向に延びる閉断面形状のフロ
ントピラー２１が設けられ、該フロントピラ一部２１の
下部は、図示しないサイドドアをヒンジを介して枢支す
るためのヒンジピラ一部２２として構成されている。ま
た、上記ヒンジピラ一部２２（フロントピラー２１の下
端部）には、上記エンジンルーム２後端において該エン
ジンルーム２と車室とを仕切るように車体左右方向に延
びて設けられたダッシュ部２３の側端部が接合されてい
る。該ダッシュ部２３は、エンジンルーム２の後壁下部
を構成する平板状のダツシュロアパネル２４と、該ダツ
シュロアパネル２４の上端に下端面が接合されてエンジ
ンルーム２の後壁上部を構成する断面略Ｕ字状のダッシ
ュアッパパネル２５（ダッシュパネル上部）と、該ダッ
シュアッパパネル２５の後方に設けられ、ダッシュアッ
パパネル２５の後面側に上下端部がそれぞれ接合されて
車体左右方向へ延びる閉断面を形成する断面略し字状の
ダッシュアッパメンバ２６と、上記ダッシュアッパパネ
ル２５の後端部（上端部）上面に後端部が接合された断
面略ハツト状のカウルパネル２７とで構成されている。

また、上記ダッシュアッパパネル２５の下端面前部位置
には、上記サスペンションタワー部１１の後端がダツシ
ュロアパネル２４と共に接合されており、このダッシュ
アッパパネル２５の側端部は、上記フロントサイドロア
フレームアウタ６の上端部に接合されている。さらに、
上記カウルパネル２７の前部上面にはフロントウィンド
ガラス２８の下端部が接着剤２９により固着されている
。

さらに、上記フロントサイドアッパフレーム１０の後端
部は、上記サスペンションタワー部１１の後側延設部１
１ｃ後端よりも前方（後述するダッシュアッパパネル２
５の前方）まで延びて設けられていて、その後端部には
、該フロントサイドアッパフレーム１０を閉断面構造の
ままで上記ヒンジピラ一部２２まで延設させるフロント
サイドアッパ延設フレーム３１が設けられている。該フ
ロントサイドアッパ延設フレーム３１は、上記ホイール
エプロンレインフォースメンドアツバ７の外面後端に前
端が接合され且つ、後端が上記ヒンジピラ一部２２に接
合された平板状のカウルサイドプレート３２と、上記ホ
イールエプロンレインフォースメンドアツバ７の上面お
よび内面の各後端並びにサスペンションタワー部１１の
上部側後端（外端側後端）に前端がそれぞれ接合され且
つ後端が上記ヒンジピラ一部２２およびダッシュアッパ
パネル２５に接合された断面略し字状のカウルプレート
３３とを備えている。そして、上記カウルサイドプレー
ト３２の上端およびカウルプレート３３の外端が接合さ
れるとともに、カウルサイドプレート３２の下端がダッ
シュアッパパネル２５の外端部に、カウルプレート３３
の下端がダッシュアッパパネル２５の底面にそれぞれ接
合されることによってフロントサイドアッパ延設フレー
ム３１を構成している。

そして、第６図にも示すように、上記フロントサイドア
ッパ延設フレーム３１よりもエンジンルーム２内方側に
位置するホイールエプロン１の上縁部１ｂ上、つまりサ
スペンションタワー部１１の後側延設部１１Ｃの上部側
およびダッシュアッパパネル２５の底面上には、前端が
上記サスペンションタワー部１１の上端部１１ａに接合
され後端が上記ダッシュアッパ、）ネル２５の後端と上
記カウルパネルの前端との間に接合された断面略し字状
の補強部材４１が設けられている。上記補強部材４１は
、その下端部が上記サスペンションタワー部１１の後側
延設部１１Ｃの上部側およびダッシュアッパパネル２５
の底面に接合されているとともに、外端部が上記カウル
プレート３３上面の内端側に接合されている。そして、
上記補強部材４１は、サスペンションタフ一部１１の上
端面１１ａおよびダッシュアッパパネル２５後端部の間
において、上記フロントサイドアッパ延設フレーム３１
よりもエンジンルーム２内方側に位置するサスペンショ
ンタワー部１１の後側延設部１１Ｃの上部側およびダッ
シュアッパパネル２５の底面、並びにフロントサイドア
ッパ延設フレーム３１と協働して上記フロントサイドア
ッパ延設フレーム３１の閉断面の内側に連なる閉断面を
形成している。

したがって、上記実施例では、サスペンションタワー部
１１は、カウルサイドプレート３２およびカウルプレー
ト３３によってフロントサイドアッパフレーム１０の後
端部（上記サスペンションタワー部１１の後側延設部１
１ｃ後端よりも前方）からヒンジピラ一部２２までの間
を車体前後方向に延びる閉断面構造のフロントサイドア
ッパ延設フレーム３１と、前端がサスペンションタワー
部１１の上端面１１ａに連結され且っ後端がダッシュア
ッパパネル２５後端部に連結された補強部材４１とによ
り支持され、この補強部材４１により、サスペンション
タワー部１１とダッシュアッパパネル２５との間におい
て、フロントサイドアッパ延設フレーム３１よりもエン
ジンルーム２内方側に位置するサスペンションタワー部
１１の後側延設部１１ｃの上部側およびダッシュアッパ
パネル２５の底面並びにフロントサイドアッパ延設フレ
ーム３１と協働してフロントサイドアッパ延設フレーム
３１の閉断面の内側に連なる閉断面が形成されている。

これにより、近年の傾向とするところのマルチリンク式
などのサスペンション装置の採用によりリンクとダンパ
との干渉を防止する上でサスペンションタワー部１１の
上端面１１ａの内端部がエンジンルーム２内方側へオフ
セットされていても、サスペンションタワー部１１の車
体（フロントサイドアッパ延設フレーム３１および補強
部材４１）に対する支持剛性強度が、サスペンションタ
ワー部１１の上端面１１ａとダッシュアッパパネル２５
後端部との間においてフロントサイドアッパ延設フレー
ム３１の閉断面とその内側に連なる補強部材４１の閉断
面との２重の閉断面により効果的に高められて、サスペ
ンションタワー部１１がエンジンルーム２内方側に倒れ
る。

“サスペンションタワーの内倒れ”を確実に防止するこ
とができる。

また、補強部材４１がサスペンションタワー部１１の後
側延設部１１ｃの上部側およびダッシュアッパパネル２
５の底面、並びにフロントサイドアッパ延設フレーム３
１と共にダッシュアッパパネル２５の後端部に接合され
ていることから、これら各部材１１ｃ、２’５．３１が
効果的に補強されて、フロントサイドアッパ延設フレー
ム３１の後端部およびダッシュアッパパネル２５の側端
部に連結されたヒンジピラ一部２２の剛性強度を高める
こともできる。

尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、そ
の他種々の変形例を包含するものである。

例えば、上記実施例では、フロントサイドアッパフレー
ム１０の後端部にフロントサイドアッパ延設フレーム３
１を接合したが、フロントサイドアッパ延設フレームを
廃止してフロントサイドアッパフレームが直接ヒンジピ
ラ一部に接続されるようにしても良い。

また、上記実施例では、車体前部にエンジンが搭載され
た前部車体構造としたが、エンジンか車体後部側に搭載
されて車体前部がトランクスペースとして利用される前
部車体構造に適用しても良いのは勿論である。

（発明の効果） 以上の如く、本発明における車両の前部車体構造によれ
ば、サスペンションタワー部とダッシュパネル上部との
間においてフレームよりもエンジンルーム内方側に位置
するホイールエプロン及びフレームと協働して該フレー
ムの閉断面の内側に連なる閉断面を形成する補強部材に
より、サスペンションタワー部を支持したので、サスペ
ンションタワー部の上端が車体内方側へオフセットされ
ているにも拘らずサスペンションタワー部の車体に対す
る支持剛性強度を効果的に高めて、“サスペンションタ
ワーの内倒れ”を確実に防止することができる。しかも
、補強部材によってヒンジピラー付近を効果的に補強し
ているので、ヒンジピラーの剛性強度を高めることもで
きる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は自動車の
右側における車体前部の斜視図、第２図は第１図の■−
■線における断面図、第３図は第１図の■−■線におけ
る断面図、第４図は第１図のＴＶ−ＴＶ線における断面
図、第５図は第１図のＶ−Ｖ線における断面図、第６図
は第１図に関わる分解斜視図である。 １・・・ホイールエプロン １ａ・・・上縁部（上部） １１・・・サスペンションタワー部 ２５・・・ダッシュアッパパネル （ダッシュパネル上部） ３１・・・フロントサイドアッパ延設フレーム（フレー
ム） ４１・・・補強部材 第３ＷＡ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）車体前部側壁を構成するホイールエプロンの上部
   に、車体前後方向へ延びサスペンションタワー部とダッ
   シュパネル上部とにそれぞれ連結されている閉断面構造
   のフレームを設けた車両の前部車体構造において、 前端が上記サスペンションタワー部に連結され後端が上
   記ダッシュパネル上部に連結されて、該サスペンション
   タワー部とダッシュパネル上部との間において上記フレ
   ームよりも車体内方側に位置するホイールエプロン及び
   フレームと協働して上記閉断面の内側に連なる閉断面を
   形成する補強部材が設けられていることを特徴とする車
   両の前部車体構造。