JPH0462900B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、ブレーキロツク装置を有する自動変
速機付車両のブレーキ装置に関する。

［従来の技術］ 従来、特開昭59−11953号公報に示されるよう
なブレーキロツク装置は、第９図に示すように、
車両のブレーキ液圧伝達系に介設され、マスタシ
リンダ側の入力液室とブレーキ装置側の出力液室
間の連通を開閉し得る常開型の切換弁と、この切
換弁をアマチユアの移動によつて閉状態に移行さ
せる電磁作動機構とを備え、走行車両の停止時に
おける前記電磁作動機構の動作によつて、前記切
換弁を閉状態に維持させる電磁弁５０１と、アク
セルスイツチ５０２、パーキングスイツチ５０
３、ドアースイツチ５０４、車速スイツチ５０５
等の各信号を入力し、電磁弁５０１へ出力する電
子制御装置５０６とから構成されており、車両停
止時において運転者がブレーキペダルを踏み続け
なくても良いようになつていた。

［発明が解決しようとする問題点］ しかるに、パーキング機構を有した自動変速機
付車両において、シフトレバーを駐車位置（Ｐレ
ンジ）に設定し車両が動かないように出力軸をロ
ツクした場合でも、このブレーキロツク装置は作
動しており、不必要なブレーキ油の閉じ込みや、
電磁弁など電子部材に余分な電気がかかるという
問題があつた。

本発明は、自動変速機付車両においてシフトレ
バーを駐車位置（Ｐレンジ）に設定し車両が動か
ないように出力軸をロツクした場合、不必要なブ
レーキ油の閉じ込みを防止し、電磁弁など電子部
品への不必要な通電を止める自動変速機付車両の
ブレーキ装置を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本発明の自動変速機付車両のブレーキ装置は、 車両のブレーキ液圧伝達系に介設され、マスタ
シリンダ側の入力液室とブレーキ装置側の出力液
室間の連通を開閉制御する常開型の電磁弁を有
し、車両の停止時に前記電磁弁を閉状態に維持す
るブレーキロツク装置を備え、人動による常用ブ
レーキの制動を中止しても車両の停止時において
は自動的にブレーキ液圧が保持されブレーキの制
動力を維持するとともに、シフトレバーを駐車位
置に設定した時出力軸をロツクして車両を固定す
るように構成された自動変速機付車両のブレーキ
装置において、 シフトレバーが駐車位置に設定されたことを検
出するシフトレバーの駐車位置検出手段と、 該駐車位置検出手段の出力信号を入力し、前記
シフトレバーが駐車位置に設定された時、前記電
磁弁を開状態にして前記ブレーキロツク装置によ
る常用ブレーキの制動を中止するように前記ブレ
ーキロツク装置に出力するブレーキ制御回路とを
備えることを構成とする。

［発明の作用及び効果］ 上記構成により、本発明は自動変速機のシフト
レバーが駐車位置に設定されると、ブレーキロツ
ク装置が解除されるので、不必要なブレーキ油の
閉じ込みを防止できるとともに、電磁弁など電子
部品への不必要な通電を防止できるという効果を
奏する。

［実施例］ 本発明の自動変速機付車両のブレーキ装置を図
に示す実施例に基づき説明する。

本発明の自動変速機付車両のブレーキ装置の第
１実施例を第１図ないし第６図に示す。

自動変速機付車両のブレーキ装置１は、運転者
による常用ブレーキ（フツトブレーキ１１）の制
動を中止しても自動的にフツトブレーキ１１の作
動により発生したブレーキ液圧を保持させる電磁
弁３を含むブレーキロツク装置２と、駐車位置
（Ｐレンジ）、後退位置（Ｒレンジ）、中立位置
（Ｎレンジ）、ドライブ位置（Ｄレンジ）、セカン
ド位置（２レンジ）、ロー位置（Ｌレンジ）、など
のシフトレバー設定位置を有する自動変速機のシ
フトレバー４を含むシフトレバー機構５と、アク
セルペダル１３の作動検出手段６１、運転者の手
動による駐車ブレーキ１２の作動検出手段６２、
ドアの開閉により点滅するドアスイツチ６３、車
速センサ６４、シフトレバー４の駐車位置設定信
号を検出する駐車位置検出手段７からの各信号を
入力し、電磁弁３のON、OFFを制御するブレー
キ制御装置６とからなる。

ブレーキロツク装置２は、液圧式ブレーキ機構
２１であり、ブレーキ機構２１はフツトブレーキ
１１に加えられた操作力をバキユームサーボ２２
を介して液圧に変換する装置であり、ブレーキ液
を貯蔵するリザーバと液圧を発生させるシリンダ
部分より構成されるフロントブレーキマスタシリ
ンダ２２ａ、リアブレーキマスタシリンダ２２ｂ
と、フロントブレーキ２３Ａのホイールシリンダ
２３ａ、リアブレーキ２３Ｂのホイールシリンダ
（図せず）にブレーキ液を供給するブレーキチユ
ーブ２４と、フロントブレーキマスタシリンダ２
２ａとフロントリレーバルブ２５との間のブレー
キチユーブ２４に設けられた電磁弁３とからな
る。

電磁弁３は、第１図ないし第４図に示す如く、
ブレーキ液をフロントブレーキマスタシリンダ２
２ａから取入れる取入口３１ａ、内部を貫通した
ブレーキ液をフロントブレーキ２３Ａのホイール
シリンダ２３ａへ供給する供給口３１ｂを有する
筒状の非磁性体とからなるケース３１と、該ケー
ス３１より突出したハウジング３３の内部に設け
られた電磁コイル３３ａ、プツシユロツド３３ｂ
と、ハウジング３３より突出した車両用電源３３
ｃの−側へ連結した電磁コイル３３ａの端子３３
Ａ、車両用電源３３ｃの＋側へスイツチ３３Ｂを
介して連結する端子３３Ｃと、ケース３１の内部
室３４内に設けられボール３５ａを介してプツシ
ユロツド３３ｂと連結し、図示左方にばね３５ｂ
を背設したロツド３５と、該ロツド３５によりケ
ース３１内に挿入されたプラグ３６とからなり、
プラグ３６は外周にケース３１の内周部に形成さ
れたねじ部３１ｃと噛み合うねじ部３９ａを有し
た止め部材３９でケース３１に固定されている。
またプラグ３６にはブレーキ液を図示右側から左
側の一方向のみ通過させるオイルシール３６ａが
取り付けてある。

電磁弁３の作動を第２図ないし第４図に基づき
説明する。

走行中は、電磁コイル３３ａに通電しないた
め、第２図に示す如く電磁弁３は単なるブレーキ
液の通路として作動する。このときフツトブレー
キ１１を踏み込めば、ブレーキ液は取入口３１
ａ、通路３７ａ、通路３７ｂ、通路３７ｃ、通路
３７ｄ、供給口３１ｂを介してフロントブレーキ
２３Ａのホイールシリンダ２３ａへ供給され、ブ
レーキが作動する。

この状態で、車速センサ６４が車両の停止を検
知すると、電磁コイル３３ａを通電して第３図に
示す如くプツシユロツド３３ｂが図示左方へ移動
し、取入口３１ａと供給口３１ｂとの連通をボー
ル３５ａにより遮断するため、フツトブレーキ１
１から足を離しても、ホイールシリンダ２３ａの
液圧は下がらなくなる。

車両の停止した瞬間のブレーキ力はあまり強く
ないのが普通であるため、坂路ではブレーキ力が
不足することもある。このため車両の停止後もフ
ツトブレーキ１１を踏み直せば第４図に示す如
く、ブレーキ液は取入口３１ａ、通路３８ａ、通
路３７ｃ、通路３８ｃ、通路３７ｄ、供給口３１
ｂを介してフロントブレーキ２３Ａのホイールシ
リンダ２３ａへ供給され、ブレーキ圧は増圧す
る。

アクセルペダル１３を踏み込んだ時には、作動
検出手段６１によつてアクセルペダル１３の踏み
込み信号がブレーキ制御装置６に入力され、電磁
弁３の電磁コイル３３ａへの電流が切れ、電磁弁
３は第２図の状態に戻つてブレーキが緩む。

また、駐車ブレーキ１２を引いた時も同様にし
て、作動検出手段６２によつて駐車ブレーキ信号
がブレーキ制御装置６に入力され、電磁弁３の電
磁コイル３３ａへの電流が切れ、電磁弁３は第２
図の状態に戻つてブレーキが緩む。

更に、本発明の主旨である自動変速機のシフト
レバー４を駐車位置（Ｐレンジ）に設定した時に
は、シフトレバーの駐車位置検出手段７により駐
車位置設定信号がブレーキ制御装置６に入力さ
れ、電磁弁３の電磁コイル３３ａへの電流が切
れ、電磁弁３は第２図の状態に戻つてブレーキが
緩む。

シフトレバーの駐車位置検出手段７は、第５図
及び第６図に示す如く、自動変速機のニユートラ
ルスタートスイツチ７Ａであり、これを使つてシ
フトレバーの駐車位置（Ｐレンジ）を検出する。
まず車両内部のシフトレバー４を作動させると、
シフトレバー４に連接されたプツシユプルケーブ
ル４１が作動する。プツシユプルケーブル４１の
一方の先端４１ａは、第６図のレバー４２の回転
中心に取り付けられたもう一つのレバー（アウタ
レバー）４３に接続されており、プツシユプルケ
ーブル４１の動きに応じてアウタレバー４３が回
転させられ、第６図のレバー４２が回転させられ
る。このレバー４２が回転することにより各ポイ
ントの接続を行ない、各シフト位置を検出してい
る。今、第６図はＬレンジ（第５図はＤレンジ）
にあるが、左方向に最後まで回すと駐車位置（Ｐ
レンジ）になり、ポイントの１−２，３−４が接
続すると駐車位置（Ｐレンジ）と判定される。こ
れにより駐車位置（Ｐレンジ）を検出できる。

第７図及び第８図は、シフトレバーの駐車位置
検出手段７の第２実施例を示す。

７０１は中間７１０において車体に枢着され、
頭部はＴ字形のシフトノブ７１１が設けられ、下
端部７１２にはプツシユプルケーブル７０６の一
端７６１に連結されたシフトレバー７０４と、シ
フトレバー７０４の設定位置を明示するための表
示板７１３と、シフトレバー７０４を所定位置に
停止させるためのストツパー機構７１４とからな
るシフトレバー機構である。

ストツパー機構７１４は、前記シフトレバー７
０４の作用面に平行的に配され、シフトレバー７
０４のＮ、Ｄ、２の各位置に対応する作用縁７３
１を有するガイド板７３２と、シフトレバー７０
４に設けられ前記作用縁７３１に摺接するようシ
フトレバー７０４の中間７１０の上方に配置さ
れ、シフトレバー７０４のシフトノブ７１１に設
けられたプツシユボタン７１５が押された時、上
方に変位する係止爪７３５とからなる。

本実施例の駐車位置検出手段７は、シフトレバ
ー機構７０１内にシフトレバー７０４が駐車位置
（Ｐレンジ）にシフトされた時に、ケース７３０
に取り付けられた駐車位置検出スイツチ７Ｂにシ
フトレバー７０４が接触し、駐車位置を検出す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の自動変速機付車両のブレーキ
装置の実施例を示す図、第２図、第３図及び第４
図は本発明の自動変速機付車両のブレーキ装置に
適用される電磁弁の作動説明図、第５図及び第６
図は本発明の自動変速機付車両のブレーキ装置の
駐車位置検出手段の第１実施例を示す図、第７図
及び第８図は本発明の自動変速機付車両のブレー
キ装置の駐車位置検出手段の第２実施例を示す
図、第９図は自動変速機付車両のブレーキ装置の
従来例を示す図である。 図中、１……自動変速機付車両のブレーキ装
置、２……ブレーキロツク装置、３……電磁弁、
４……シフトレバー、５……シフトレバー機構、
６……ブレーキ制御装置、７……駐車位置検出手
段、７Ａ……ニユートラルスタートスイツチ、７
Ｂ……駐車位置検出スイツチ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 車両のブレーキ液圧伝達系に介設され、マス
   タシリンダ側の入力液室とブレーキ装置側の出力
   液室間の連通を開閉制御する常開型の電磁弁を有
   し、車両の停止時に前記電磁弁を閉状態に維持す
   るブレーキロツク装置を備え、人動による常用ブ
   レーキの制動を中止しても車両の停止時において
   は自動的にブレーキ液圧が保持されブレーキの制
   動力を維持するとともに、シフトレバーを駐車位
   置に設定した時出力軸をロツクして車両を固定す
   るように構成された自動変速機付車両のブレーキ
   装置において、 シフトレバーが駐車位置に設定されたことを検
   出するシフトレバーの駐車位置検出手段と、 該駐車位置検出手段の出力信号を入力し、前記
   シフトレバーが駐車位置に設定された時、前記電
   磁弁を開状態にして前記ブレーキロツク装置によ
   る常用ブレーキの制動を中止するように前記ブレ
   ーキロツク装置に出力するブレーキ制御回路とを
   備えることを特徴とする自動変速機付車両のブレ
   ーキ装置。 ２ 前記駐車位置検出手段は、ニユートラルスタ
   ートスイツチであることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の自動変速機付車両のブレーキ装
   置。 ３ 前記駐車位置検出手段は、前記シフトレバー
   が駐車位置に設定された時、シフトレバーと接触
   するスイツチであることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の自動変速機付車両のブレーキ装
   置。