JPH0462155B2

JPH0462155B2 -

Info

Publication number: JPH0462155B2
Application number: JP58147196A
Authority: JP
Inventors: Norio Myatake; Takahisa Aoi
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1983-08-10
Filing date: 1983-08-10
Publication date: 1992-10-05
Also published as: JPS6038775A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明はテープを巻回する２つのテープハブを
有し、一方から他方へのテープ移送をベルト駆動
により行なうベルト駆動型テープカセツト装置に
関するものである。

従来例の構成とその問題点従来テープカセツトとして広く普及しているも
のに、フイリツプス社規格のコンパクトカセツト
（以下Ｃカセツトと称す）がある。Ｃカセツトは
カセツト内に２つのテープハブを有し、その各々
の中心部にはテープレコーダ装置の巻取り及び巻
戻し用の駆動軸が挿入される孔が設けられてお
り、早送り或いは巻戻しは直接前記テープハブを
駆動することにより行なわれている。又再生時或
いは録音時にはキヤプスタン軸とピンチローラ間
に磁気テープを挟持し、キヤプスタン軸の定速回
転により磁気テープを移送し、巻取り側のテープ
ハブ上に巻回される。従つて定速走行時には巻取
り側のテープハブには巻取りトルクが与えられて
おり、その値は一般に早送り時よりも小さい値と
なつている。更にテープに張力を与えるために一
般に送出側のテープハブにブレーキ力或いは逆ト
ルクが与えられている。上記構成からなるＣカセ
ツトは次のような欠点を有している。その一つは
テープをキヤプスタン軸にピンチローラで圧接し
定速走行を行なうため、テープを傷めることであ
る。特にピンチローラにゴミが付着しピンチロー
ラ表面に凹凸が生じると、その凹凸がテープに転
写し、再生信号の欠落原因（ドロツプアウト）と
なる。更にキヤプスタン軸とピンチローラでテー
プを駆動する方式では、テープ走行は上下方向即
ちキヤプスタン軸方向に蛇行を繰返しており、記
録或いは再生時のトラツクずれの原因となつてい
る。特にピンチローラ面とキヤプスタン軸との平
行度が少しずれるとテープ上方或いは下方へ移行
し、テープエツジを著しく傷めてしまう。たとえ
前記平行度が優れていても、本質的に微少な上下
方向ずれを繰返しながらテープは走行するため、
狭トラツク幅の記録再生を行なう場合再生信号の
出力変動が無視できない値となる。更に前記Ｃカ
セツトにはテープハブ中心孔とテープレコーダ装
置のテープハブ駆動軸との間に間隙があることに
起因する欠点がある。テープハブはこの遊びのた
め常にがたを生じ、テープ張力変動の原因となつ
ている。特に早送り、巻戻し時、或いは高速サー
チ時には上記遊びがあるため、テープハブが急激
な振動を起すことがあり、テープの巻きむらの原
因となつている。更に高速サーチ時等、急激なテ
ープ走行方向の反転を必要とする場合、テープの
ゆるみが発生し巻きむらとなつたり、或いは著し
い瞬時張力が加わり、テープを部分的に伸ばして
しまうことがある。この瞬時反転走行を安定に行
なうにはテープレコーダ装置のテープハブ駆動部
の切り換えに微妙さが要求される。従つて機構の
設計及び組立て、調整に手間がかかり、コストア
ツプの原因となつている。更に高速でテープを走
行させるときはテープハブ駆動であるため、テー
プハブ上に巻回されているテープの巻き量により
テープ走行速度が変化する。例えば一定の回転数
でテープハブを回転させると、テープ巻き径に比
例してテープ走行速度が変動する。高速でテープ
を走行させる必要があるサーチ時等では、再生信
号周波数の変動或いは検出信号の間隔変化とな
り、検知回路が複雑となる欠点がある。一般に高
速サーチ時には一定速度でテープを走行させる方
が検知が容易で、なお且つ検知後停止までの距離
を一定にさせ易い。そのためにはＣカセツトでは
テープハブ駆動軸の回転数を巻き径に応じて変化
させる手段を講じる必要がある。以上述べたよう
にＣカセツト、或いはテープハブに駆動軸を介し
て巻取力を与える形態のカセツトは、安定走行性
及び急速反転走行等に多くの欠点を有している。

他の従来例として米国特許第3692255号のベル
トドライブカートリツジについて第１図を用いて
説明する。第１図は上記米国特許の実施例の平面
図であり、図において１はテープカートリツジ基
板、２は駆動ベルト、３，４はベルトガイドロー
ラ、５はベルト駆動ローラ、６，７はテープハ
ブ、８は磁気テープ、９，１０，１１はテープガ
イドポストである。以上の各部材によりテープカ
ートリツジが構成されている。尚１２は前記ベル
ト駆動ローラ５に接してこのベルト駆動ローラ５
を回転させる駆動ローラ、１３は磁気ヘツドで、
これらはカセツトを装填してテープを走行駆動す
るテープカートリツジ駆動機構（図示せず）に属
している。上記構成よりなる従来のベルトドライ
ブカートリツジに、テープ走行速度を低速と高速
に例えば２cm／secと2m／secのように切り換え、
その速度比を大きく変える必要のあるオーデイオ
用の記録再生と、早送り、巻き戻し等では駆動ロ
ーラ１２を１：100の回転比で回す必要がある。
このような回転比が大きく異なるテープ走行で
は、低速走行で駆動ローラ１２の回転数を著しく
下げる必要があり、ワウ・フラツターが発生す
る。ワウ・フラツターを少なくするには駆動ロー
ラに大きい慣性モーメントを有するフライホイー
ルを取り付けるか、駆動ローラ１２の径を小型化
し、回転数を上げて慣性モーメントを大ならしめ
て用いる必要がある。しかしこのようにすると、
高速走行時に問題が発生する。即ち、前者の駆動
ローラに大きい慣性モーメントを有するフライホ
イールを取り付ける場合には慣性モーメントが大
きいためテープ走行速度の立上りや停止に時間を
要し、急速な反転に不適当となる。一方後者の場
合には駆動ローラ径が小さくなるので非常に高回
転数を必要とし、高速走行性に制限がある。又こ
の従来例ではベルト駆動ローラ５に回転力を伝え
るために外周がゴム等の弾性体からなる駆動ロー
ラ１２を用いる必要があり、ゴム等の変形により
テープ走行の速度むらが発生するという欠点もあ
つた。更に磁気テープ８の磁性層面と駆動ベルト
２とが接触しているため、駆動ベルト２の傷等に
より磁性層面が傷み、ドロツプアウトの原因とな
つていた。

発明の目的本発明は上記従来の欠点を解消するもので、安
定な走行を得、又急速な反転走行も可能なベルト
駆動型テープカセツト装置を提供することを目的
とする。

発明の構成上記目的を達成するため、本発明のベルト駆動
型テープカセツト装置は、テープを巻回すべくテ
ープカセツト基板に固定された軸に枢支された２
つのテープハブと、巻回されたテープの外周に接
してテープを駆動するためのエンドレス状の駆動
ベルトと、この駆動ベルトを支持するための３つ
のベルト支持回転体と、カセツトのヘツド挿入面
に対し側面或いは対向する背面に形成したテープ
低速走行用の切り欠き部およびテープ高速走行用
の切り欠き部と、低速走行時に前記テープ低速走
行用の切り欠き部を通してピンチローラとで前記
駆動ベルトを移送するキヤプスタン軸と、高速走
行時に前記テープ高速走行用の切り欠き部を通し
て前記ベルト支持回転体に当接し前記駆動ベルト
を移送する駆動回転体とを有し、前記ヘツド挿入
面に対し対向する面に沿つて略平行に走行する位
置でのエンドレス状駆動ベルトの走行方向とテー
プのヘツド摺動面での走行方向とが互いに逆方向
であるようにしたものである。

実施例の説明以下、本発明の一実施例について、図面に基づ
いて説明する。第２図、第３図において、２０は
テープカセツトの基板、２１はエンドレス状の駆
動ベルト、２２，２３はベルトガイド兼ベルト駆
動ローラ、２４はベルトガイドローラ、２６，２
７はテープハブ、２８は磁気テープ、２９，２９
は回転或いは固定のガイドポスト、３０〜３３は
テープガイドピン、３４，３５はテープカセツト
位置規正用兼テープ終始端検知用発光又は受光素
子挿入孔、３６はキヤプスタン軸挿入用孔、３７
はピンチローラ挿入用窓、３８は駆動ローラ挿入
用窓、３９〜４３はヘツド挿入用窓である。ヘツ
ド挿入用窓３９，４３はテープ終始端検出に用い
ることもある。２５…はテープカセツト基板２０
に固定された軸で、これらの軸２５にベルトガイ
ド兼ベルト駆動ローラ２２，２３、ベルトガイド
ローラ２４及びテープハブ２６，２７が回転自在
に嵌合支持されている。以上の各部材によりテー
プカセツト装置が構成されている。一方４４はキ
ヤプスタン軸、４５はピンチローラ、４６，４７
は外周がゴム等の弾性体からなる駆動ローラで、
これら４４〜４７の部材はテープカセツト駆動機
構（テープレコーダ）に属している。尚テープカ
セツト駆動機構の図示は省略する。

上記構成よりなる本発明のテープカセツト装置
のテープ走行について低速走行と高速走行の場合
について各々説明する。

低速走行の場合低速走行は、通常のオーデイオテープレコーダ
等の記録、或いは再生時の速度のように毎秒数cm
或いはそれ以下のテープ速度を得たい場合であ
る。先ず駆動機構に属しているキヤプスタン軸４
４とピンチローラ４５で駆動ベルト２１を挟持
し、キヤプスタン軸４４の定速回転により駆動ベ
ルト２１を移送する。駆動ベルト２１が第２図矢
印イの方向に動くと、テープハブ２６を反時計方
向に回転されるため、磁気テープ２８は第２図矢
印ロ方向に走行し、テープハブ２６に巻き取られ
ていく。一方テープハブ２７に巻装された磁気テ
ープ２８は駆動ベルト２１の走行に応じて送り出
されていく。このとき、駆動ローラ４６，４７は
ローラ２２，２３から離れているが、仮に接触し
ていても回転自在としておく。従つて低速走行時
は、テープの駆動はキヤプスタン軸４４の回転力
により行なわれ、テープ走行方向の逆転はキヤプ
スタン軸４４の逆回転で行なわれる。本発明の特
徴の一つは、正面でのテープ走行方向〔第２図、
第３図矢印ロ方向〕と駆動ベルト２１の背面での
走行方向〔第２図矢印イ方向〕とは互いに逆方向
となるように、磁気テープ２８をテープハブ２
６，２７に対し内側から巻き付けていることであ
る。その理由は、駆動ベルト２１の伸びを用いて
磁気テープ２８に張力を与えるためである。伸縮
性のある弾性体でできたベルトを駆動させた場
合、ベルトの伸びは各部で一様にはならない。第
２図で矢印イ方向に駆動ベルト２１をキヤプスタ
ン４４とピンチローラ４５で駆動させると、駆動
ベルト２１の各部Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅ，Ｆの伸び
率はＡ部＞Ｂ部＞Ｃ部＞Ｄ部＞Ｅ部＞Ｆ部の順と
なる。駆動ベルト２１の走行速さは伸び率の大き
い部分ほど早くなるので、各テープハブ２６，２
７に巻装されたテープの周速度はテープハブ２６
即ち巻き取り側のハブに巻かれたテープの方を送
出側よりも早めようと働く。従つて磁気テープ２
８には張力が働く。テープ走行を逆転させる場合
は、上記とは逆にベルトの伸び率はＦ部＞……＞
Ａ部となるため、やはり同様にテープ張力が得ら
れる。このように自然にテープに張力が得られる
のは、図示のように磁気テープ２８をテープハブ
２６，２７に巻装しているためで、逆に第１図に
示すように磁気テープ２８をテープハブ２６，２
７の外側から巻装し、第２図に示すように背面か
ら駆動すると、磁気テープ２８はゆるんでしま
い、正常に走行しなくなる。従つて本発明の場合
テープの巻き方向が重要であり、且つ大きな特徴
と言える。

高速走行の場合高速走行は毎秒数cm以上で且つ毎秒数ｍ以上に
も及ぶテープ走行を必要とする場合で、例えばテ
ープの早送り、巻き戻し、希望信号の高速サーチ
或いは高速記録再生を行ないたい場合である。こ
の場合ピンチローラ４５はキヤプスタン軸４４か
ら離しておき、駆動ローラ４７をテープカセツト
装置内のベルトガイド兼ベルト駆動ローラ２２に
圧接し、駆動ベルト２１を第２図矢印イ方向に走
行させ、磁気テープ２８をテープハブ２６に巻き
取つていく。この場合駆動ベルト２１の延び率は
Ｂ部＞Ｃ部＞Ｄ部＞Ｅ部＞Ｆ部＝Ａ部となる。従
つて、低速走行の場合と同様に磁気テープ２８に
張力が与えられる。テープ走行方向の反転を行な
う場合には、駆動ローラ４７の回転方向を逆転さ
せる。

本カセツト装置は駆動ローラ挿入窓３８が左右
に２か所あるため、次のような使い方及び機能が
ある。

１駆動ローラ４６，４７のどちらか一方の駆動
ローラのみを使い、高速走行させる。

２テープハブ２６に磁気テープ２８を巻き取る
ときには駆動ローラ４７を用い、逆にテープハ
ブ２７に巻き取るときには駆動ローラ４６を用
いて、他方の駆動ローラは非圧接状態或いは回
転自在な状態としておく。

３駆動ローラ４７，４６共がベルトガイド兼ベ
ルト駆動ローラ２２，２３に圧接し、テープハ
ブ２６に磁気テープ２８を巻き取るときには駆
動ローラ４７で駆動し、他方の駆動ローラ４６
に制動力を与える。このときベルトガイド兼ベ
ルト駆動ローラ２３に制動力が与えられる。と
ころでローラ２２は一定の速さで駆動ベルト２
１を走行させようとし、磁気テープ２８をテー
プハブ２６に巻き取ろうとするが、一方ローラ
２３は駆動ベルト２１に制動を与えるため、テ
ープハブ２７に巻装された磁気テープ２８が送
り出されるのを阻止しようと働く。従つてロー
ラ２３に制動を与えることはテープ張力を高め
る働きがある。このためローラ２３に与える制
動力を調整することによりテープ張力を可変或
いは一定に保つことができる。勿論磁気テープ
２８を逆走させるときには駆動ローラ４６で駆
動し、駆動ローラ４７で制動を与える。同様に
キヤプスタン軸４４とピンチローラ４５を用い
て低速走行させるときもテープ張力を任意に与
えることができ、例えば磁気テープ２８を第２
図矢印ロ方向に走行させるときには、ローラ２
３に制動力を与え、逆走行させるときにはロー
ラ２２に制動力を与えれば良い。

尚本実施例では、駆動ローラ挿入用窓３８をヘ
ツド挿入用窓３９〜４３の存在する面に対し側面
に配しているが、ピンチローラ挿入用窓３７のあ
る面、即ちヘツド挿入面に対し背面に設けても良
い。

発明の効果以上のように本発明によれば次のような効果を
得ることができる。

１第１図に示す従来例のベルトドライブカート
リツジではヘツド挿入面と駆動面とが同一であ
るため、ヘツドの配置及び個数に制限を受ける
が、本発明のテープカセツト装置の駆動面はヘ
ツド挿入面に対し裏面或いは側面であるため、
ヘツド配置を正面の任意のヘツド挿入窓を使つ
て記録再生消去等を行なうことが可能である。

２第１図に示す従来例ではテープの磁性層面と
駆動ベルトが接触しているため、駆動ベルトの
傷等により磁性層表面が傷み、ドロツプアウト
の原因となる。しかし本発明のテープカセツト
装置では駆動ベルトとの接触面はテープのベー
ス層となる。更に本発明のテープカセツト装置
のテープ走行ではヘツド以外とはテープの磁性
層がガイドポスト等と摺動しないため、ドロツ
プアウトの原因となるテープ磁性層の傷の発生
が少ない。

３第１図の従来例ではテープ張力を使用者が任
意に変更することができなかつたが、本発明の
テープカセツト装置ではテープ駆動回転体（駆
動ローラ）の一方に制動力を与えることにより
任意にテープ張力を変更することができる。

４従来のＣカセツトと比較すると、本発明のテ
ープカセツト装置ではテープハブがカセツト内
部の基板に固定された軸に挿入されているので
テープハブの回転に殆んど遊びがないため、テ
ープの巻きむらがなく、これはテープの高速走
行に非常に有利となつている。更にテープを直
接キヤプスタンとピンチローラで駆動しないた
め、テープの上下方向の蛇行が極めて少なく、
又キヤプスタン軸或いはピンチローラの振動が
テープに直接伝わらないため、テープのジツタ
ー成分もＣカセツトより少ないという特長を有
している。

以上本発明によれば、ベルト駆動方式の特長を
有し、更に欠点を除いたテープカセツト装置を提
供し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す断面平面図、第２図及び
第３図は本発明の一実施例を示す断面平面図及び
一部省略正面図である。２０……テープカセツト基板、２１……駆動ベ
ルト、２２，２３……ベルトガイド兼ベルト駆動
ローラ、２４……ベルトガイドローラ、２５……
軸、２６，２７……テープハブ、２８……磁気テ
ープ、２９，３０……ガイドポスト、３７……ピ
ンチローラ挿入用窓、３８……駆動ローラ挿入用
窓、３９〜４３……ヘツド挿入窓、４４……キヤ
プスタン軸、４５……ピンチローラ、４６，４７
……駆動ローラ。

Claims

【特許請求の範囲】

１テープを巻回すべくテープカセツト基板に固
定された軸に枢支された２つのテープハブと、巻
回されたテープの外周に接してテープを駆動する
ためのエンドレス状の駆動ベルトと、この駆動ベ
ルトを支持するための３つのベルト支持回転体
と、カセツトのヘツド挿入面に対し側面或いは対
向する背面に形成したテープ低速走行用の切り欠
き部およびテープ高速走行用の切り欠き部と、低
速走行時に前記テープ低速走行用の切り欠き部を
通してピンチローラとで前記駆動ベルトを移送す
るキヤプスタン軸と、高速走行時に前記テープ高
速走行用の切り欠き部を通して前記ベルト支持回
転体に当接し前記駆動ベルトを移送する駆動回転
体とを有し、前記ヘツド挿入面に対し対向する面
に沿つて略平行に走行する位置でのエンドレス状
駆動ベルトの走行方向とテープのヘツド摺動面で
の走行方向とが互いに逆方向であるようにしたベ
ルト駆動型テープカセツト装置。