JPH0476182B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、メカニズムを２台搭載した、いわゆ
るカセツトのダビング機能を有する磁気記録再生
装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 近年、民生用のカセツトのダビング装置に関し
ては、ダビング機能付テープレコーダ又はテープ
デツキ等に見るのが最も一般的である。この種の
テープデツキにおいては２つのテープ走行部を持
ち、このうち一方が再生専用、他方が録音再生用
として構成されているものがほとんどである。

再生側である第１のテープ走行部によつて再生
されるマスターテープの信号は、同時に動作する
録音側である第２のテープ走行部によつてスレー
ブテープに録音される。

通常はカセツトの走行速度（4.76cm／ｓ）でダ
ビングされるが、近年、高速（約２倍程度）でテ
ープを走行させ、ダビングに要する時間を短縮す
るものが増加している。

以下に従来の磁気記録再生装置について説明す
る。

第１図は従来のダビング機能を有する磁気記録
再生装置の構成図である。第１図において１は第
１のテープ走行部（再生側）、２は第１のテープ
走行部１に装着されたマスター用カセツト、３は
第１のテープ走行部１の供給リール台、４は第１
のテープ走行部１の巻取りリール台、５は第１の
テープ走行部のキヤプスタン、６はキヤプスタン
５と一体に固着されたフライホイール、１０は第
１のテープ走行部１のピンチローラ、１１はマス
ター用カセツト２のテープ、１２は再生ヘツドで
ある。２１は第２のテープ走行部（録音側）、２
２は第２のテープ走行部２１に装着されたスレー
ブ用カセツト、２３は第２のテープ走行部２１の
供給リール台、２４は第２のテープ走行部２１の
巻取りリール台、２５は第２のテープ走行部２１
のキヤプスタン、２６はキヤプスタン２５と一体
に固着されたフライホイール、３０は第２のテー
プ走行部２１のピンチローラ、３１はスレーブ用
カセツト２２のテープ、３２は録音用ヘツド、１
３は第１のテープ走行部１のキヤプスタン５と第
２のテープ走行部２１のキヤプスタン２５の駆動
用モータ、１４はモータ１３のシヤフト（図示せ
ず）に固着されたモータプーリ、１５は第１のテ
ープ走行部１のキヤプスタン５とモータ１３を連
結するベルト、１６は第２のテープ走行部２１の
キヤプスタン２５とモータ１３を連結するベルト
である。

次に動作について説明する。

通常再生時、マスター用カセツト２のテープ１
１は走行する。すなわち、ピンチローラ１０はキ
ヤプスタン５に圧着し、テープ１１を挾持する。
テープ１１は一定速度で回転するモータ１３によ
つてベルト１５を介して駆動されるキヤプスタン
５によつて一定速度で走行し、巻取りリール台４
に巻きとられる。（巻取りリール台４の駆動機構
は図示せず） マスター用カセツト２のテープ上に記録された
信号は、再生ヘツド１２によつて再生される。

ダビング時、マスター用カセツト２のテープ１
１およびスレーブ用カセツト２２のテープ３１は
ともに走行する。すなわち、それぞれのピンチロ
ーラ１０，３０はキヤプスタン５，２５に圧着
し、テープ１１，３１を挾持する。テープ１１，
３１は一定速度で回転するモータ１３によつてベ
ルト１５，１６を介して駆動されるキヤプスタン
５，２５によつて一定速度で走行し、巻取りリー
ル台４，２４に巻き取られる。（巻取りリール台
４，２４の駆動機構は図示せず。） マスター用カセツト２のテープ１１上に記録さ
れた信号は、再生ヘツド１２によつて読み出さ
れ、再生イコライザアンプ（図示せず）、録音イ
コライザアンプ（図示せず）を経て、録音ヘツド
３２によつてスレーブ用カセセツト２２のテープ
３１に記録される。

高速でダビングを行なう場合には、モータ１３
を高速に回転させてこれを実現する。

以下に従来例の問題点について述べる。

上記従来例では特にことわらなかつたが、第１
のテープ走行部１のキヤプスタン５、フライホイ
ール６と、第２のテープ走行部２１のキヤプスタ
ン２５、フライホイール２６はそれぞれ全く同一
寸法であり、モータプーリ径も第１のテープ走行
部１のベルト１５と第２のテープ走行部２１のベ
ルト１６のかかる位置で同一にすれば、第１のテ
ープ走行部１のテープ走行速度と、第２のテープ
走行部２１のテープ走行速度を同一にすることが
できる。

しかし、この時、製造誤差その他の原因により
キヤプスタン５，２５の径が異なることや、フラ
イホイール６，２６の密度分布が不均一になるこ
と等があり、キヤプスタン５，２５が互いに干渉
し、テープワウが周期的に変化する。すなわち、
キヤプスタン５，２５の微視的な回転むらが互い
に強めあう場合と、互いに打ち消しあう場合が生
じ、テープワウが周期的に悪化する現象が生じ、
通常再生時の再生音がふらつく等の悪影響が生ず
る。

また、高速でダビングを行なう場合においては
以下に述べるような問題を生ずる。すなわち、録
音・再生時にはキヤプスタン５，２５にはベルト
１５，１６より張力が、ビンチローラ１０，３０
から圧着力がそれぞれ加わる。この張力と圧着力
は偶力となるが、第１のテープ走行部１のキヤプ
スタン５に加わる偶力と、第２のテープ走行部２
１のキヤプスタン２５に加わる偶力は大きさが異
なり、この力の大なるキヤプスタン高速回転時に
は軸受との間で生ずる〓擦が大きくなり、この軸
受、キヤプスタンは擦耗等の損傷を受ける。この
ため通常再生時のワウを悪化させる等の問題点を
有していた。

発明の目的 本発明は、上記従来の問題点を解消するもの
で、キヤプスタンの相互の干渉を防止することが
可能であり、ワウの周期的変動のない磁気記録再
生装置を提供することを目的とする。

発明の構成 本発明は、少なくとも再生可能な第１の機構
と、少なくとも録音可能な第２の機構と、各々の
キヤプスタンを駆動するモータと、ベルトにより
このモータと各々のキヤプスタンを連結し、第１
の機構のキヤプスタン軸径と第２の機構のキヤプ
スタン軸径を異なるように構成した磁気記録再生
装置で、上記のように構成したことにより、キヤ
プスタン、フライホイールの製造上の寸法誤差、
不均一さから生ずるキヤプスタンの干渉を防止が
可能であり、ワウの変動をなくすことができる。

実施例の説明 第２図は本発明の第１の実施例における磁気記
録再生装置の構成図である。第１図と共通する箇
所については同一番号を付し説明を省略する。４
５は再生動作を行なう第１のテープ走行部１のキ
ヤプスタン、４６はキヤプスタン４５と一体に固
着されたフライホイール、５５は録音動作を行な
う第２のテープ走行部２１のキヤプスタン、５６
はキヤプスタン５５と一体に固着されたフライホ
イール、６４はモータ１３のシヤフト（図示せ
ず）に固着されたモータプーリである。キヤプス
タン４５とキヤプスタン５５の径は異なるように
構成されている。

次に動作について説明する。

通常再生時、マスター用カセツト２のテープ１
１は走行する。すなわち、ピンチローラ１０はキ
ヤプスタン４５に圧着し、テープ１１を挾持す
る。テープ１１は一定速度で回転するモータ１３
によつてベルト１５を介して駆動されるキヤプス
タン４５によつて一定速度で走行し、巻取りリー
ル台４に巻きとられる。（巻取りリール台４の駆
動機構は図示せず） マスター用カセツト２のテープ１１上に記録さ
れた信号は、再生ヘツド１２によつて再生され
る。

ダビング時、マスター用カセツト２のテープ１
１およびスレーブ用カセツト２２のテープ３１は
ともに走行する。すなわち、それぞれのピンチロ
ーラ１０，３０はキヤプスタン４５，５５に圧着
し、テープ１１，３１を挾持する。テープ１１，
３１は一定速度で回転するモータ１３によつてベ
ルト１５，１６を介して駆動されるキヤプスタン
４５，５５によつて一定速度で走行し、巻取りリ
ール台４，２４に巻き取られる。（巻取りリール
台４，２４の駆動機構は図示せず。） マスター用カセツト２のテープ１１上に記録さ
れた信号は、再生ヘツド１２によつて読み出さ
れ、再生イコライザアンプ（図示せず）、録音イ
コライザアンプ（図示せず）を経て、録音ヘツド
３２によつてスレーブ用カゼツト２２のテープ３
１に記録される。

以上述べた第１の実施例において、特にことわ
らなかつたが、第１のテープ走行部１のテープ走
行速度と、第２のテープ走行部２１のテープ走行
速度は同一でなければならないため、フライホイ
ール４６，５６の径を異ならしめ、又は、モータ
プーリ６４の外径をベルト１５，１６のかかる位
置で異ならしめることにより、キヤプスタン４
５，５５の回転数を異ならしめ、第１のテープ走
行部１のテープ走行速度と第２のテープ走行部２
１のテープ走行速度が同一となるように構成され
ている。

このように、キヤプスタン４５，５５の径が異
なるため、キヤプスタン４５，５５の回転数が異
なることにより、テープワウの干渉を防止し、テ
ープワウの周期的変動をなくすることができる。
すなわち、フライホイール４６，５６の密度分布
の不均一さ等から生ずるキヤプスタン４５，５５
の微視的な回転むらは、キヤプスタン４５，５５
の回転数が全く異なるため、互いに影響を及ぼし
合うことがなく、ワウの周期的な悪化現象を防止
することができる。

以下本発明の第２の実施例について説明する。
第３図は本発明の第２の実施例の構成図である。
第２図と共通する箇所においては同一番号を付
し、説明を省略する。６５は第１のテープ走行部
１のキヤプスタン、６６は第２のテープ走行部２
１のキヤプスタンである。キヤプスタン６６の径
はキヤプスタン６５の径より大きくなるように構
成されている。尚、第１のテープ走行部１と第２
のテープ走行部２１の位置関係は、供給リール台
３と巻取りリール台４を結ぶ線と、キヤプスタン
６５とキヤプスタン６６とを結ぶ線が略平行にな
るようになつている。

動作については、第１の実施例と同様であるの
で省略する。

キヤプスタン６５，６６の径が異なるため、キ
ヤプスタン６５，６６の干渉が防止できるのは言
うまでもない。

また、キヤプスタン６６にはベルト１６の張力
とピンチローラ３０の圧着力ばほぼ180゜の角度を
もつて加わつているため、偶力がキヤプスタン６
５の場合よりも大きくなるが、キヤプスタン６６
の径は大きいため、キヤプスタン６６と軸受の接
触面積は大きくなるので、キヤプスタン６６と軸
受との間の摩擦によるキヤプスタン６６、軸受の
損傷を防止することができる。

発明の効果 以上のように本発明では、第１の機構のキヤプ
スタン軸径と第２の機構のキヤプスタン径軸を異
ならしめることにより、キヤプスタンの微視的な
回転むらによるキヤプスタンの干渉を防止するこ
とが可能となり、通常再生においても、ワウの周
期的な変動を防止できる。

また、第１の機構のキヤプスタンに加わるベル
ト張力とピンチローラ圧着力から生ずる偶力と、
第２の機構に同様に加わる偶力の大なる機構のキ
ヤプスタン径を他方よりも大きくすることによ
り、キヤプスタンの干渉を防止できることは言う
までもなく、高速走行時であつても、偶力的な力
の大きい機構のキヤプスタン、軸受の損傷は生じ
ないという優れた効果を奏することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のダビング機能を有する磁気記録
再生装置の構成図、第２図は本発明の第１の実施
例におけるダビング機能を有する磁気記録再生装
置の構成図、第３図は本発明の第２の実施例にお
けるダビング機能を有する磁気記録再生装置の構
成図である。 １……第１のテープ走行部、４５，５５，６
５，６６……キヤブスタン、４６，５６……フラ
イホイール、１３……モータ、１４，６４……モ
ータプーリ、１５，１６……ベルト、２１……第
２のテープ走行部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも再生可能な第１の機構と、少なく
   とも録音可能な第２の機構と、モータと、前記第
   １の機構のキヤプスタンと前記第２の機構のキヤ
   プスタンと前記モータを直接又は間接に連結する
   ベルトとを備え、前記第１の機構のキヤプスタン
   軸径と、前記第２のキヤプスタン軸径が異なり、
   前記第１の機構のテープ走行速度と前記第２のテ
   ープ走行速度が同一であることを特徴とする磁気
   記録再生装置。 ２ キヤプスタンに加わるベルト張力とピンチロ
   ーラ圧着力から生ずるキヤプスタン部の偶力が他
   方のものと比較して大きい第１又は第２のいずれ
   か一方の機構のキヤプスタン軸径を他方の機構の
   キヤプスタン軸径より大きくすることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の磁気記録再生装
   置。