JPH046040B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は湯と原料との混合液をフイルタにてろ
過し飲料を抽出する自動販売機の飲料抽出装置に
関するものである。

（従来の技術） 従来、この種の飲料抽出装置として、第２図に
示すものが知られている（実開昭62−182897号）。
即ち、湯と原料との混合液が流入口１ａを介して
流入するシリンダ１と、シリンダ１の流入口１ａ
を開閉するバルブ機構２と、シリンダ１内に加圧
用空気を給送する加圧装置３と、フイルタ４を上
下動させることによりフイルタ４でシリンダ１の
下部開口１ｂを開閉するフイルタブロツク機構５
とを備えた自動販売機の飲料抽出装置である。

この飲料抽出装置によれば、シリンダ１の流入
口１ａがバルブ機構２により、また、シリンダ１
の下部開口１ｂがフイルタ４によりそれぞれ閉塞
した状態で、シリンダ１内の混合液をフイルタ４
を介して強制ろ過し、また、このろ過操作が終了
した後、バルブ機構２により流入口１ａを開放
し、その後フイルタブロツク機構５によりシリン
ダ１の下部開口１ｂを開放する。

（発明が解決しようとする課題） この自動販売機の飲料抽出装置においては、前
述の如く、混合液のろ過操作終了後、まずシリン
ダ１の流入口１ａを開放してシリンダ１内の圧力
を下げ、その後シリンダ１の下部開口１ｂを開放
する。これは、混合液のろ過操作中にシリダ１内
の圧力が外気圧と比較し非常に高くなつているた
め、シリンダ１の下部開口１ｂを先に開放すると
きは、フイルタ４上の原料カスがシリンダ１とフ
イルタ４との〓間から周囲に飛散し、自動販売機
内部を汚すという問題点を有するからである。

しかしながら、流入口１ａ開閉するバルブ機構
２のバルブ２ａはこの流入口１ａを開閉するため
大径のものとなつており、これに加わる加圧用空
気の圧力も大きなものとなつている。従つて、こ
の流入口１ａを開放するためにはこのバルブ機構
２に大きな駆動力を付与することを必要とし、図
示しないバルブ駆動部として大型のものを用意し
なければならないという問題点を有していた。ま
た、このバルブ２ａを開いたとき、このバルブ２
ａに付着した湯等がシリンダ１の上部から飛散
し、原料を給送するミル装置の出口に付着し原料
詰まりを起こすという問題点を有していた。

本発明の目的は前記従来の問題点を鑑み、バル
ブ駆動部として大型のものを使用することなくシ
リンダ内を減圧でき、かつ、主バルブを開いたと
き湯等が飛散することがない自動販売機の飲料抽
出装置を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 本発明は前記目的を達成するため、湯と原料と
の混合液が流入口を介して流入するシリンダと、
該シリンダの流入口を開閉するバルブ機構と、該
シリンダ内に加圧用空気を給送する加圧装置と、
フイルタを上下動させることにより該フイルタで
該シリンダの下部開口を開閉するフイルタブロツ
ク機構とを備え、前記シリンダの流入口は前記バ
ルブ機構により、また、該シリンダの下部開口は
前記フイルタによりそれぞれ閉塞した状態で、該
シリンダ内に加圧用空気を供給して混合液を該フ
イルタを介して強制ろ過し、また、このろ過操作
が終了した後該バルブ機構により該流入口を開放
し、その後前記フイルタブロツク機構により該シ
リンダの下部開口を開放する自動販売機の飲料抽
出装置において、前記バルブ機構は、前記シリン
ダの上部の流入口を該シリンダの内側から開閉す
る主バルブと、前記主バルブに貫通して固定する
とともに、下端が前記シリンダ内に臨み、上端が
外気に臨む中空筒状の主バルブシヤフトと、前記
主バルブの下面側に配置され、前記主バルブシヤ
フトの下端開口を開閉するとともに、前記シリン
ダの下方に対面する下面を前記主バルブの下面の
面積より小さく形成した補助バルブと、前記主バ
ルブシヤフトの内部に所定間〓をおいて挿通する
とともに、前記加圧装置に連結して加圧空気が流
通するよう中空筒状に形成し、下端側には前記補
助バルブを固定し、上端側には下方に移動するこ
とにより該主バルブシヤフトの上端に接する当部
を有する補正バルブシヤフトと、前記補助バルブ
シヤフトを上下に移動させるバルブ駆動機構と、
前記主バルブシヤフトの上端と前記補正バルブシ
ヤフトの当部との間に介装され、前記補正バルブ
を該主バルブシヤフトの下端開口を閉止する方向
に付勢するばねとを備えたことを特徴とする。

（作用） 本発明によれば、混合液の強制ろ過操作中は、
ばねの付勢力により補正バルブが主バルブシヤフ
トの下端開口を閉止し、また、主バルブがシリン
ダの流入口を閉止している。

このろ過操作が終了したときは、バルブ駆動部
によりバルブ機構が流入口を開放するが、このバ
ルブ駆動部が補正バルブを開放方向に移動させる
とき、各バルブシヤフト間は所定間隔をおいて隔
離しているため、駆動初期時は補助バルブシヤフ
トのみがばねに抗して下方に移動し、主バルブシ
ヤフトの下端開口を開放する。これにより、シリ
ンダ内の加圧用空気が主バルブシヤフトと補助バ
ルブシヤフトとの間〓を通つて外に放出され、シ
リン、ダ内が減圧される。

その後、補助バルブシヤフトの移動により、こ
の補助バルブシヤフトの上端側の当部が主バルブ
シヤフトの上端に当り、主バルブシヤフトが補助
バルブシヤフトとともに移動し、主バルブがシリ
ンダの流入口を開放する。

このように、飲料のろ過操作が終了したとき
は、シリンダ内の加圧状態を各バルブ開放して解
除するが、その解除操作が一旦主バルブの下面の
面積より小さく形成した補助バルブを動作させて
減圧し、その後に主バルブで流入口を開口するた
め、この主バルブの開放動作時はシリンダ内の圧
力が確実に減少しており、シリンダ内に付着して
いる湯等がこの流入口から飛散ることがない。

（実施例） 第１図及び第３図は本発明の一実施例を示すも
ので、第１図は自動販売機の概略構成を示すもの
である。即ち、１０はヒータ１１にて加熱された
貯湯タンク、２０はコーヒ豆を粉砕しコーヒ粉を
搬出するミル装置、３０は飲料抽出装置で、貯湯
タンク１０の給湯パイプ１２からの湯とミル装置
２０からのコーヒ粉を撹拌混合し、この混合液か
らコーヒ液を抽出するものである。４０は混合ボ
ツクスで、抽出液パイプ４１を介して流入したコ
ーヒ液に砂糖ボツクス４２及びクリームボツクス
４３から砂糖及びクリームを投入し、カツプ５０
にホツトコーヒを注入するようになつている。

第３図は飲料抽出装置３０の要部を示すもので
ある。３１は耐熱樹脂にて形成されたミキシング
ボールで、円筒状の側板３１１と、この側板３１
１から下方に向つて徐々に径を小さく低板３１２
からなり、この低板３１２の中央には後述するシ
リンダ３２内に臨む流入口３１３を穿設してい
る。また、このミキシングボール３１の中央には
上下に延びる筒状のバルブ貫通部３１４が固定さ
れている。また、ミキシングボール３１の上方に
は給湯パイプ１２及びミル装置２０が位置してお
り、ミキシングボール３１の上部開口から湯とコ
ーヒ粉が供給される。

３２はミキシングボール３１に一体に形成され
た円筒状のシリンダで、その上部内面を球面状に
形成するとともに、流入口３１３を介してミキシ
ングボール３１に連通している。

３３はバルブ機構で、流入口３１３を開閉する
主バルブ３３１と、この主バルブ３３１を上下に
移動させる主バルブシヤフト（以下、主シヤフト
という）３３２と、補助バルブ３３３と、この補
助バルブ３３３を上下に移動させる補助バルブシ
ヤフト（以下、補助シヤフトという）３３４と、
コイルばね３３５とから構成されている。

この主バルブ３３１はゴム製で断面略半円形状
に形成し、その周縁に密着を良好にするためフラ
ンジ３３１ａが突出するとともに、下面中央に補
助バルブ３３３用の弁座３３１ｂが環状に突出し
ている。

主シヤフト３３２は管状に形成され、ミキシン
グボール３１のバルブ貫通部３１４に貫通してお
り、その上端は外気に臨み、下端は主バルブ３３
１の中央に貫通固着しシリンダ３２内に臨んでい
る。

補助バルブ３３３はステンレス板にて円盤状に
形成されており、その径が主バルブ３３１の開閉
面の径より小さくし、シリンダ３２内の圧力が大
きく付与されないようにしている。

補助シヤフト３３４は主シヤフト３３２内に所
定間〓（約１mm〜２mm）Ａをおいて貫通してお
り、その上端には横方向に突出した当部３３４ａ
を設けている。この当部３３４ａはこの補助シヤ
フト３３４が下方に移動したとき主シヤフト３３
２の上端に当るようになつている。また、この補
助シヤフト３３４の下端はシリンダ３２の下部ま
で延設され、その途中に補助バルブ３３３を固着
している。

コイルばね３３５はバルブ貫通部３１４の上端
と補助シヤフト３３４の当部３３４ａとの間に介
装されている。このコイルばね３３５は補助シヤ
フト３３４を上方に付勢して、この当部３３４ａ
と主シヤフト３３２の上端との間に所定間〓（約
４mm〜５mm（Ｂをおいて位置させるとともに、補
助バルブ３３３を上方に引き上げ主バルブ３３１
の弁座３３１ｂに押圧させており、このにより主
シヤフト３３２の下端開口３３２ａを閉鎖してい
る。

３４は補助シヤフト３３４の上端に連結したバ
ルブ駆動部で、駆動モータ３４１により回転する
カム３４２とカムシヤフト３４３を有し、駆動モ
ータ３４１の駆動によりカムシヤフト３４３が支
点３４４を中心に回動し、各シヤフト３３２，３
３４を上下動させるようになつている。

３５は加圧装置例えば空気供給ポンプで、空気
パイプ３５１を介して加圧空気を給送する。この
空気パイプ３５１は可撓性の樹脂にて形成され、
その先端は補助シヤフト３３４の先端に嵌合圧着
している。

３６はシリンダ３２の下部開口３２１を閉鎖す
るフイルタで、ローラ３７１等よりなる周知のフ
イルタ送り機構３７でフイルタロール３７２から
フイルタ３６をフイルタブロツク３８上に送るよ
うになつている。また、フイルタブロツク３８は
ソレノイド３９により上下動しフイルタブロツク
機構を構成するとともに、抽出パイプ４１に連通
し、フイルタ３６を介して抽出されたコーヒ液を
混合ボツクス４０に流すようになつている。

次に、ホツトコーヒの抽出販売工程を説明す
る。まず、貯湯タンク１０から所定量の湯を給湯
パイプ１２を通じてミキシングボール３１内に給
送するとともに、ミル装置２０から所定量のコー
ヒ粉をミキシングボール３１内に投入し、湯とコ
ーヒ粉とを混合する。

ここで、フイルタブロツク３８をソレノイド３
９により押し上げフイルタ３６によりシリンダ３
２の下部開口３２１を閉塞する（２点鎖線位置か
ら実線位置）そしてバルブ駆動部３４を駆動モー
タ３４１を駆動する。

これにより、補助シヤフト３３４がコイルばね
３３５に抗して押し下げられ、補助バルブ３３３
が主シヤフト３３２の下端開口３３２ａを開放す
る。そして補助シヤフト３３４の当部３３４ａが
主シヤフト３３２の上端に当りこの主シヤフト３
３２をも押し下げ、流入口３１３を開放して混合
液をシリンダ３２内に流入させる。

ここで、空気供給ポンプ３５から加圧用空気を
給送するときはこの空気が空気パイプ３５１及び
補助シヤフト３３４を介してシリンダ３２内の混
合液内に給送される。この加圧用空気の気泡に伴
なう撹拌効果によりシリンダ３２内の混合液全体
が均一に混合される。

このように、混合液を撹拌した後、バルブ駆動
部３４を再駆動させ、主バルブ３３１が流入口３
１３を閉止し、補助バルブ３３３が主シヤフト３
３２の下端開口３３２ａを閉止する。この状態で
加圧用空気の供給を継続するときは、シリンダ３
２内の混合液の撹拌操作が継続されるとともに、
シリンダ３２内の圧力が上昇し、混合液が強制的
に抽出瀘過され、混合ボツクス４０に流される。
その後、この抽出液に砂糖等を加えてカツプ５０
に注入され、ホツトコーヒが販売されることとな
る。

この飲料の抽出操作が終了したときには、フイ
ルタ３６上の原料ガスを排棄する排棄工程に移行
する。この排棄工程では、まず、バルブ駆動部３
４を駆動して補助シヤフト３３４をコイルばね３
３５に抗して押し下げる。これにより、補助バル
ブ３３３が主シヤフト３３２の下端開口３３２ａ
が開放し、シリンダ３２内の加圧用空気が間〓Ａ
を介して外気に排出される。これにより、シリン
ダ３２内の圧力（背圧力）が減圧される。

このとき、補助バルブ３３３は小径のものとな
つているから、この補助バルブ３３３には大きな
圧力が付当されておらず、小さな駆動力により下
端開口３３２ａを開放すとができる。

また、この補助バルブ３３３がステンレス製と
なつているから、ゴム製のものと比較し、シリン
ダ３２内の背圧により変形或いは圧着することが
なく、バルブ駆動部３４の駆動に対して応答性の
優れたものとなつている。

更に、主シヤフト３３２の下端開口３３２ａ及
び補助バルブ３３３が主バルブ３３１の下面側に
位置し、湯が直接に接触しない場所に設置されて
いる。従つて、この減圧時に間〓Ａを介して湯が
飛散することがないため、この主シヤフト３３２
の上方に位置するミル装置２０の出口を濡らすこ
とがなく、原料詰りを防止できる。

このバルブ駆動部３４の駆動を継続するとき
は、補助シヤフト３３４の当部３３４ａが主シヤ
フト３３２を上端に当り、この主シヤフト３３２
を押し下げる。これにより、主バルブ３３１が下
方に向つて移動し流入口３１３が開放される。こ
のとき、シリンダ３２内は既に減圧されているか
ら、主バルブ３３１に付着した湯等が流入口３１
３を通つて飛散することがない。従つて、ミキシ
ングボール３１の上方に位置するミル装置２０の
出口を濡らすことがなく、原料詰りを防止でき
る。

この各バルブ３３１，３３３の開放動作の後に
フイルタブロツク３８をソレノイド３９により下
方に引き下げ、フイルタ送り機構３７を駆動して
使用済みのフイルタ３６を移送し新しいフイルタ
３６と交換する。

また、本実施例に係る補助シヤフト３３４は主
シヤフト３３１の内部に設置され、かつ、補助バ
ルブ３３３が主バルブ３３１の下面に配置されて
いるため、バルブ機構３３がコンパクトに構成さ
れているし、また、この補助シヤフト３３１が空
気ポンプ３５の加圧空気供給路ともなつており、
設置効率の優れたものとなつている。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明によれば、シリン
ダ内の背圧を抜くために、バルブ機構を動作する
ときは、開閉面が主バルブより小さく形成した補
助バルブが動作しシリンダ内の加圧用空気を抜く
ことから、従来の如く背圧抜きのため大きな主バ
ルブを動作させる必要がなく、小さか駆動力によ
り背圧抜きができるという利点を有している。

また、補助バルブにて背圧抜きした後に主バル
ブが流入口を開放することから、この主バルブの
開放時に主バルブに付着している湯等が流入口を
通じて飛散ることがない。

更に、補助バルブシヤフトは主バルブシヤフト
の内部に配置され、かつ、補助バルブが主バルブ
の下面に設置されているため、バルブ機構がコン
パクトに構成されているし、また、この補助シヤ
フトが加圧装置の加圧空気供給路ともなつてお
り、設置効率の優れたものとなつている。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第３図は本発明の一実施例を示すも
ので、第１図は自動販売機の概略構成図、第２図
は従来の飲料抽出装置の概略構成図、第３図は飲
料抽出装置の要部を示す断面図である。 図中、３０……飲料抽出装置、３２……シリン
ダ、３３……バルブ機構、３４……バルブ駆動
部、３５……空気ポンプ、３８……フイルタブロ
ツク、３９……ソレノイド、３１３……流入口、
３３１……主バルブ、３３２……主バルブシヤフ
ト、３３３……補助バルブ、３３４……補助バル
ブシヤフト、３３５……コイルばね、３３２ａ…
…下端開口、３３４ａ……当部、Ａ，Ｂ……間
〓。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 湯と原料との混合液が流入口を介して流入す
   るシリンダと、該シリンダの流入口を開閉するバ
   ルブ機構と、該シリンダ内に加圧用空気を給送す
   る加圧装置と、フイルタを上下動させることによ
   り該フイルタで該シリンダの下部開口を開閉する
   フイルタブロツク機構とを備え、 前記シリンダの流入口は前記バルブ機構によ
   り、また、該シリンダの下部開口は前記フイルタ
   によりそれぞれ閉塞した状態で、該シリンダ内に
   加圧用空気を供給して混合液を該フイルタを介し
   て強制ろ過し、また、このろ過操作が終了した後
   該バルブ機構により該流入口を開放し、その後前
   記フイルタブロツク機構により該シリンダの下部
   開口を開放する自動販売機の飲料抽出装置におい
   て、 前記バルブ機構は、 前記シリンダの上部の流入口を該シリンダの内
   側から開閉する主バルブと、 前記主バルブに貫通して固定するとともに、下
   端が前記シリンダ内に臨み、上端が外気に臨む中
   空筒状の主バルブシヤフトと、 前記主バルブの下面側に配置され、前記主バル
   ブシヤフトの下端開口を開閉するとともに、前記
   シリンダの下方に対面する下面を前記主バルブの
   下面の面積より小さく形成した補助バルブと、 前記主バルブシヤフトの内部に所定間〓をおい
   て挿通するとともに、前記加圧装置に連結して加
   圧空気が流通するよう中空筒状に形成し、下端側
   には前記補助バルブを固定し、上端側には下方に
   移動することにより該主バルブシヤフトの上端に
   接する当部を有する補助バルブシヤフトと、 前記補助バルブシヤフトを上下に移動させるバ
   ルブ駆動機構と、 前記主バルブシヤフトの上端と前記補助バルブ
   シヤフトの当部との間に介装され、前記補助バル
   ブを該主バルブシヤフトの下端開口を閉止する方
   向に付勢するばねとを備えた ことを特徴とする自動販売機の飲料抽出装置。