JPH045476B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明はゼンマイ動力装置を具えた駆動輪に関
し、とくに部品点数と組立工数を削減するととも
に機械的損失を少なくするための構造を提供する
ものである。

「従来の技術」 従来のゼンマイ動力装置を具えた駆動輪は第３
図の如く、中空の車輪状に形成し、その一側にゼ
ンマイ収納ドラム２２を具えたケーシング２１
と、同ケーシング２１の中心に軸受けされ上記ゼ
ンマイ収納ドラム２２内のゼンマイ２３の一端に
係合する係合部２４をもつ太陽歯車２５と、同太
陽歯車２５の回転軸２６に回転自在に装設され本
体にたいする係止部２７を突設した固定小歯車２
８を設け、これら太陽歯車２５と固定小歯車２８
との間に連係し、夫々上記回転軸２６の回転方向
にたいして平行に移動自在な切替歯車３０、およ
び遊星歯車２９を具えたゼンマイ巻上げ側歯車系
と同じく切替歯車３１と、これと一体の平歯車３
２、および遊星歯車３３を具えた解除側歯車系と
を構成するとともに同切替歯車３０，３１には
夫々復帰用のスプリング３４，３５を装設してい
る。

上記構成において、係合部２４を走行玩具の車
体に固定し、同車体を後退させることによつてケ
ーシング２１の時計方向の回動とともにゼンマイ
巻上げ側歯車系の遊星歯車２９、切替歯車３０を
介して太陽歯車２５を時計方向に回動し、ゼンマ
イ２３を巻上げており、また同車体から手を放す
とゼンマイ２３の開放に伴う太陽歯車２５の反時
計方向の回動とともに、ゼンマイ解除側歯車系の
遊星歯車３３、切替歯車３１、平歯車３２、固定
小歯車２８を介して車体を前進駆動している。し
かして上記ゼンマイ巻上げ側歯車系によるゼンマ
イ巻上げ時にはゼンマイ解除側歯車系の切替歯車
３１はスプリング３５とともに復帰位置にあり、
またゼンマイ解除側の歯車系による駆動時にはゼ
ンマイ巻上げ側歯車系の切替歯車３０はスプリン
グ３４とともに復帰位置にあり、夫々互いに作動
時に干渉しない様に構成している。

「発明が解決しようとする問題点」 しかしながら上記構成によると、上記切替歯車
３０，３１は回転軸２６の回転方向にたいして平
行に移動自在としているので、ケーシング２１の
回転時に遠心力の影響を排除することができる
が、夫々復帰用のスプリング３４，３５を具える
必要があり、夫々切替歯車の復帰スプリングに抗
して動力伝達が行なわれるので、スプリングの強
弱の調整がむつかしくその抵抗による械的損失が
生ずる欠点を有し、とくに部品点数が多くなると
ともに同スプリング３４，３５の装着が極めて面
倒であり、組立工数が多くかかりコスト高となる
欠点を有していた。

「問題点を解決するための手段」 本発明は上記従来型の欠点を除去するもので、
中空の車輪状に形成し、その一側にゼンマイ収納
ドラムを具えたケーシングと、同ケーシングの中
心に軸受けされた上記ゼンマイの一端に係合する
係合部をもつ太陽歯車と、同太陽歯車の回転軸に
回動自在に装設され本体にたいする係合部を突設
した固定小歯車を設け、これら太陽歯車と固定小
歯車との間に連係し、上記回転軸の回転方向にた
いして略直方向に移動自在な切替歯車を具えたゼ
ンマイ巻上げ側歯車系と、同じく上記回転軸の回
転方向にたいして略直角方向に移動自在な切替歯
車を具えた解除側歯車系とを構成するとともに、
上記ゼンマイ巻上げ側歯車系の切替歯車には常時
これと噛合する遊転歯車を設けてなるものであ
る。

「実施例」 以下図に示す一実施例について本発明を説明す
ると、１はケーシングで、同ケーシング１は合成
樹脂等により中空の車輪状に形成され、その二分
割される一方にはゼンマイ２を収納するゼンマイ
収納部ドラム３が一体形成されており、また印ろ
う状の合せ部４の外縁にはゴム等によるタイヤ部
材５が嵌着されている。６はゼンマイ収納ドラム
３の上部に装着された中仕切で、同中仕切６とケ
ーシング１の外側板とに軸受け部を形成し、同ケ
ーシング１のの中心に軸受けされ上記ゼンマイ２
の一端に係合する係合部７をもつ太陽歯車８と、
同太陽歯車８の回転軸９に回動自在に装設され本
体にたいする切り欠き軸等の係止部１０を突設し
た固定小歯車１１を設け、これら太陽歯車８と固
定小歯車１１との間に連係し、上記回転軸９の回
転方向にたいして略直角方向に移動自在な切替歯
車を具えたゼンマイ巻上げ側歯車系と同じく上記
回転軸９の回転方向にたいして略直角方向に移動
自在な切替歯車を具えた解除側歯車系とを構成す
る。すなわち固定小歯車１１と噛合する遊星歯車
１２と同歯車１２の回転軸１３を中心とする円弧
状の長穴軸受１４に移動自在に軸受けされ、遊星
歯車１２と常時噛合し、太陽歯車８にたいして接
離自在に噛合する切替歯車１４よりなるゼンマイ
巻上げ側歯車系を構成する一方、太陽歯車８と噛
合する遊星歯車１６と同歯車１６の回転軸１７を
中心とする円弧状の長穴軸受１８に移動自在に軸
受けされ、同遊星歯車１６と常時噛合する切替歯
車１９と、これと一体の平歯車２０を具え同歯車
２０を上記固定小歯車１１にたいして接離自在に
噛合する様にしたゼンマイ解除側歯車系を構成し
ている。かかるゼンマイ巻上げ側歯車系の切替歯
車１５には常時これと噛合する位置に遊転歯車１
５ａを設けている。

「作用」 以上の様な構成により、上記ケーシング１自体
は自動車玩具等の走行玩具の車輪として供するこ
とができる。しかして上記係止部１０を図示省略
の走行玩具の車体に固定し、同車体を後退させる
と、ケーシング１の時計方向の回動とともにゼン
マイ巻上げ側歯車系の遊星歯車１２、切替歯車１
５を介して太陽歯車８を時計方向に回動し、ゼン
マイ２を巻上げることができる。このとき遊星歯
車１６は反時計方向に回動してこのトルクによつ
て切替歯車１９を外方に移動させ、ゼンマイ解除
側歯車系をフリーとしている。また同車体から手
を放すとゼンマイ２の開放に伴う太陽歯車８の反
時計方向の回動とともに、ゼンマイ解除側歯車系
の遊星歯車１６、切替歯車１９、平歯車２０、固
定小歯車１１を介して車体を前進駆動することが
できる。このとき遊星歯車１２は反時計方向に回
動してこのトルクによつて切替歯車１５を外方に
移動させ、ゼンマイ巻上げ側歯車系をフリーとし
ている。かかるゼンマイ巻上げ側歯車系の切替歯
車１５の移動において、同切替歯車１５は常時こ
れと噛合している遊星歯車１５ａの回転時の反力
を受けてこの移動を確実に規制することができ
る。

「発明の効果」 以上の様にゼンマイ巻上げ側歯車系を介してゼ
ンマイを巻上げる時にはその切替歯車１５が回転
軸９の回転方向にたいして略直角方向、すなわち
回転による遠心力を受ける方向の移動であつても
上記遊星歯車１５ａの助けをかりて確実にこの切
替歯車１５を移動させることができ、その遊転歯
車１５ａは空転するのみであるので機械的損失は
少ない。これによつてゼンマイ巻上げならびに開
放時の動作を確実にすることができ、従来型の復
帰用スプリングを無くすことができ、部品点数を
少なくするとともに組立工数を大巾に削減し、製
造コストを低減できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すゼンマイ動力
装置を具えた駆動輪の要部切欠平面図、第２図は
同じく駆動輪の要部切欠側面図、第３図は従来型
のゼンマイ動力装置を具えた駆動輪の要部切欠平
面図、第４図は同じく駆動輪の要部切欠側面図で
ある。 同図中、１はケーシング、２はゼンマイ、８は
太陽歯車、１１は固定小歯車、１２，１６は遊星
歯車、１５，１９は切替歯車、１５ａは遊転歯車
である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 中空の車輪状に形成し、その一側にゼンマイ
   収納ドラムを具えたケーシングと、同ケーシング
   の中心に軸受けされ上記ゼンマイの一端に係合す
   る係合部をもつ太陽歯車と、同太陽歯車の回転軸
   に回動自在に装設され本体にたいする係止部を突
   設した固定小歯車を設け、これら太陽歯車と固定
   小歯車との間に連係し、上記回転軸の回転方向に
   たいして略直角方向に移動自在な切替歯車を具え
   たゼンマイ巻上げ側歯車系と、同じく上記回転軸
   の回転方向にたいして略直角方向に移動自在な切
   替歯車を具えた解除側歯車系とを構成するととも
   に上記ゼンマイ巻上げ側歯車系の切替歯車には常
   時これと噛合する逆転歯車を設けてなることを特
   徴とするゼンマイ動力装置を具えた駆動輪。