JPH0450981Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、中空角型材の穴明プレス機によつて
穴明を行なう際に生じる、“カジリ”によつて穴
明刃部が破損するのを防止する中空角型材の穴明
プレス機におけるパンチ刃部破損防止装置に関す
るものである。

〔従来の技術〕

従来、穴明プレス機によつて、例えばアルミニ
ウムサツシ用中空角型材に穴明を行なう場合に
は、断面角型ダイを定盤上面部に設けた受台上面
部に載置させ、ダイの後端部は機台に設けた取付
具に固定させてダイに挿入される中空角型材に穴
明をしていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来の穴明プレス機においては、ダイのパ
ンチ穴とパンチとの位置は規制されているが、穴
明に際してはダイが幅方向にずれたり、また上下
方向に跳て位置づれを起してダイのパンチ穴とパ
ンチとに所謂「カジリ」現象を起して中空角型材
に正確な穴明をすることができない問題点を有
し、加工歩留が悪いばかりか、パンチ刃部の破損
やパンチ穴縁部の破損を招いていた。さらに、誤
操作によつて空打するとパンチ刃部は破損する事
態を生ずるので、穴明作業には常に細心の注意を
要し、作業性の改善が望まれている実情にある。

本考案は、従来の穴明プレス機の欠点を改善す
ることを目的として案出したものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案装置におい
ては、角型ダイの両側面部に位置させてダイの
前・後部位に一対の案内用回転体をそれぞれ設
け、ダイの中央部位の両側面部に位置させて一対
のダイ位置設定用ローラを廻動可能に設けると共
に、この各ローラにストツパー体を付設し、さら
にダイ上面部より間隙を置いてダイ押え体を前・
後部位に設けた構成とした。

また、ダイのパンチ穴の両側部と前部裏面に発
条ビスをそれぞれ設けた。このビスはダイに挿入
される中空角型材の内面部をビスの有する反発力
によつて挿圧してその材を密に保持させることが
できる。

また、ダイの後端部に支持杆を設け、その杆の
他端部をダイホルダーに設けた承持具に嵌合させ
て穴明完了の部材を受持するようにした。

〔作用〕

上記のように構成した本考案装置の作用を、第
１図及び第２図に対応させて説明する。

角型ダイに挿入された中空角型材は、そのダイ
の両側面部の位置させて設けられた前部の一対の
案内用回転体の外側面部によつて両側から押えら
れ、次いで一対のダイ位置設定用ローラがコイル
バネの発条作用によつて中空角型材の両側面部に
強制当接されてダイを自動的に定められた位置に
設定させる。この時にそのローラはストツパー体
によつて定位置に止める。次いで中空角型材はダ
イの後部位に位置させて設けた一対の案内用回転
体の両側面部に当接されて押えられ、ダイ全体を
定位置に自動的に設定されるので、中空角型材の
穴明は正確に行なわれる。穴明に際し、ダイが衝
撃によつて跳上るのを防止するための押え体が設
けられているので、穴明は円滑に行なわれるため
に、穴明時にカジリを起すことがないのでパンチ
刃部の破損を防止することができると共に、空打
の誤作業によつても、パンチ刃部の破損を防止す
ることができる。ダイ位置は自動的に設定される
ので、穴明に対する作業性を著しく向上させるこ
とができる。

中空角型材の外側部に字状に折曲させた突出
縁部が一体的に形成した中空角型材（第１図中に
一点鎖線で示してある。）においては、各案内用
回転体の内の一方の回転体が前記突出縁部の脚部
外側面部に当接するように位置させて設けるとよ
い。この場合にも各一対の案内用回転体によつて
ダイの位置が決められる。

ダイに発条ビスを設けることにより、ビスの有
する発条作用によつてダイに挿入された中空角型
材の内側面部及び底面部をそのビス頭部で押圧さ
せて両者間のなす隙間を均等に保つて穴明を行な
うことができる。

また、ダイと承持具間にわたつて設けた支持杆
は、ダイの固定保持と穴明完了の中空角型材を保
持する役目を果すが、ダイは既述せるように案内
用回転体とダイ位置設定用ローラの相乗作用によ
つて定められた位置を自動的に確保するので、従
来のように断面角型の支持体とすることを要しな
い。

〔実施例〕

実施例について図面を参照して説明すると、第
１図は本考案装置の正面図、第２図は第１図のＸ
−X′線に沿う横断面図である。

定盤１の中央部に長手方向に受台２が設けられ
ている。

この受台上面部に断面角型のダイが載置されて
中空角型材が挿入される。ダイ３の両側面部に位
置させて前・後部位にそれぞれ一対の案内用回転
体（例えば、ボールベアリング）４，４′が設け
られる。図示では一点鎖線で示される中空角型材
の突出縁部に形成される脚面部に当接されるよう
に各一方の案内用回転体４，４′が設けられてい
る。

ダイの両側中央部位に一対のダイ位置設定用ロ
ーラ５，５がコイルバネの発条作用によつて廻動
可能に設けられ、このローラはストツパー体６，
６によつて定位置に当接される。

ダイの上面部より間隙を置いてダイ前・後部位
に押え体７，７が設けられて、穴明時にダイが上
下に跳るのを防止させている。

ダイのパンチ穴８の両側部に各２個と前部裏面
に２個づつ発条ビス９が設けられビス頭部は僅か
に突出されている。定盤１上面部には案内杆１４
にスプリングコイル１５が嵌挿され、前記案内杆
の頂端部はラム１２に設けられ、このラムにパン
チ１３が設けられている。前記ラムには穴明時に
ラムの上下動を安定にするためのスライド杆１６
が設けられている。ダイの後端部に支持杆１０の
一端部が固定されると共に、その他端部は、受台
の後端部に設けられたダイホルダー３ａの後部中
央部に取付けた承持具１１に嵌挿されている。

〔考案の効果〕

本考案は、以上説明したように構成されたの
で、以下に記載されるような効果を奏する。

本考案は、ダイの前・後部位の両側面部に位置
させて設けられた各一対の案内用回転体とダイの
中央部位の両側面部に位置させて設けられた一対
のダイ位置設定用ローラとの相乗作用によつてダ
イの位置が自動的に定められるので、パンチ刃部
の破損を防止し、かつ的確に中空角型材に穴明を
することができる。

また、自動的にパンチとダイのパンチ穴とが一
致されるので、誤作業の空打によつてもパンチ刃
部を破損することがない等の効果をもたらす。

また、ダイに設けた発条ビスによつてダイに挿
入された中空角型材の内面部を保持するので、穴
明時の打撃による位置の狂いがなく、正確に穴明
をすることができる。さらにダイに設けた支持杆
は、従来の角型材に比して小となし得る有利性を
有する。このことは、ダイが上記のように自動的
に位置設定されることによるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置の要部構成を示すものにし
て、第１図はその正面図、第２図は第１図のＸ−
X′線における横断面図である。 １……定盤、２……受台、３……ダイ、３ａ…
…ダイホルダー、４，４′……案内用回転体、５
……ダイ位置設定用ローラ、６……ストツパー
体、７……押え体、８……パンチ穴、９……発条
ビス、１０……支持杆、１１……承持具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 定盤１の上面部中央部に断面角型の受台２を長
   手方向に設け、該受台上面部より間隙を置いて断
   面角型ダイ３を設け、該ダイの両側面部に位置さ
   せて前・後部位に一対の案内用回転体４，４′を
   夫々設け、前記ダイ中央部位の両側面部に位置さ
   せて一対のダイ位置設定用ローラ５を廻動可能に
   設けると共、前記ローラのストツパー体６を夫々
   設け、ダイ３の上面部より間隙を置いてダイ前・
   後部位に押え体７，７を設け、該ダイのパンチ穴
   ８の両側部とダイ前部裏面部に発条ビス９を夫々
   設けてなる中空角型材の穴明プレス機におけるパ
   ンチ刃部破損防止装置。