JPS6334768Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は転造盤のワーク支持装置に関する。

従来、ロールダイス転造盤をねじ転造とスプラ
イン転造に兼用する場合は、そのワーク支持装置
をねじ転造時は揺動する構成のものに、スプライ
ン転造時は揺動しない構造のものにそれぞれ段取
り変えする必要があり、手間を要する不都合があ
つた。

即ちスプライン転造を行う場合は第３，４図に
例示するように、位置固定のスプライン転造ロー
ルダイス２ａと対をなす可動のスプライン転造ロ
ールダイス２ｂを所定位置に前進させて両ダイス
を一定の間隔に保ち、ワークＷが両ロールダイス
２ａ，２ｂ間に徐々に押し込まれて被加工部Ｓに
スプライン転造が行われる。この場合はワーク支
持装置は揺動させない。

ねじ転造を行う場合は、第５，６図に例示する
ように位置固定のねじ転造ロールダイス３ａと対
をなす可動のねじ転造ロールダイス３ｂが転造開
始前、鎖線の位置に置かれ、ワークＷの被加工部
Ｔがそのロールダイス３ａ，３ｂ間に所定位置ま
で送り込まれ、ついで可動のねじ転造ロールダイ
ス３ｂが固定のねじ転造ロールダイス３ａに向つ
て移動してワークＷを対向する両ダイス３ａ，３
ｂ間に挾み込むように作動してねじ転造を行う。
従つてワーク支持装置は可動のねじ転造ロールダ
イス３ｂに押しつけられるのに従つて揺動する。

本考案は、上記のように動作を異にするスプラ
イン転造と、ねじ転造とのワーク支持装置を共用
できるように構成することを目的とする。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図は本考案にかかるワーク支持装置の正面
図、第２図は第１図−線拡大断面図である。
７はベース、８はベース７上の往復台、９は往復
台上のワーク支持部、１０はガイドバー、１１は
センタ、１２は心押しセンタ、１３は心押し台で
ガイドバー１０に取付けられる。往復台８は支持
部９に取付けたバー１４を介し図に省いた往復台
前後用シリンダにより、第１図のストツパ１５の
位置から後退させる。支持部９をその後部１６の
掛合部材１７を介し、その右方の図に省略した支
持部前後用シリンダによりガイドバー１０に沿つ
て進退させる。

ワークＷを受台１８，１９の上に乗せ、支持部
９の内空に設けられたシリンダ機構（図に省略）
でセンタ１１を押し出し、心押しセンタ１２との
間にワークＷを支持させる。２０はセンタ１１と
一体の案内、２１はそのガイドバーで支持部９と
ワーク受台１８とに前後端が固着される。２２は
案内２０の上部に取付けたロツド、２３，２４は
支持部材９の上部に設けたロツド案内、２５はセ
ンタ１１の位置決めストツパでロツド２２のねじ
部に螺合させたナツトで構成される。

上記のようにワークＷを支持させた後、往復台
８をストツパ１５に当るまで前進させると、加工
部Ｓ又Ｔがダイス２ａ，２ｂ又３ａ，３ｂの設置
位置に至る。以上の構成は従来のワーク支持装置
と略同じである。

本考案はこのようなワーク支持装置に於て、ワ
ーク支持部９を往復台８に対しガイドバー１０を
中心に左右揺動自由に取付ける。又第２図のよう
に往復台８と支持部９の各左右側面に突部２７〜
３０を設け、その一側に於て往復台８と支持部９
との相対応する突部２８，３０間に押しばね３１
と進退自在の緊弛ピン３２を設ける。反対側面の
突部２７，２９間に押しばね３３を挾み、その突
部２７，２９間に挿脱する止め子３４を具える。
３５はばね受ピンである。

上記の構造に於て第２図のように突部２７，２
９間に止め子３４を差し込み、緊弛ピン３２をつ
まみ３２ａで例えば突部２８に固着したねじ筒３
６に対してねじ込み前進させて、緊弛ピンの先端
で突部３０を押し、反対側の突部２９を止め子３
４に押しつけて、ワーク支持部９を略鉛直になる
ように固定する。

上記のようにしてワーク支持部９を往復台８に
固定することによつて第３，４図のスプライン転
造加工を行うことができる。

つまみ３２ａの操作により緊弛ピン３２を後退
させその先端をばね受孔３７の開口端面位まで引
込め、止め子３４を外すと、ワーク支持部９はガ
イドバー１０を中心に往復台８に対して左右揺動
可能となる。従つてネジ転造時のワーク支持装置
が得られる。

なお第１図に於て支持部９の後端の掛合部１６
は部材１７に対し揺動する。又３８は往復台前端
の揺動摺動メタルである。

本考案は上記の構造であるから、一つのワーク
支持装置をスプライン転造とねじ転造とに共用す
ることができる。そして止ピン３２と止め子３４
の操作で両用に切換えられるから、構造・操作共
に簡単で能率的に転換される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ワーク支持装置の正面図、第２
図は第１図−線拡大断面図、第３図はスプラ
イン転造を行う場合の側面図、第４図はその一部
の平面図、第５図はねじ転造を行う場合の側面
図、第６図はその一部の平面図。 Ｗ……ワーク、２ａ……位置固定のスプライン
転造ロールダイス、２ｂ……位置可動のスプライ
ン転造ロールダイス、３ａ……位置固定のねじ転
造ロールダイス、３ｂ……位置可動のねじ転造ロ
ールダイス、８……往復台、９……ワーク支持
部、３２……支持部ロツクピン、３４……支持台
止め子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一方２ａ，３ａは位置固定型、他方２ｂ，３ｂ
   は位置可動型の一対の転造ロールダイスを用いる
   転造盤に於て、 ワーク支持部９をその往復台８に左右揺動可能
   に設け、 その揺動する側の両側部において、往復台８と
   ワーク支持部９に相対向する位置決め部材２７，
   ２９，２８，３０を間隙を形成して夫々設け、 その各間隙にワーク支持部９を起立方向に押す
   弾発部材３０，３１を設けると共に、 一方の位置決め部材２７，２９の間隙に挿脱自
   在の止め子３４を備え、他方の位置決め部材２
   ８，３０間にワーク支持部９の倒れ防止用の緊弛
   ピンを進退自在に設けた転造盤のワーク支持装
   置。