JPH0450246Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は物品の仕分け装置、特に袋物や薄物
等の不定形の搬送物の仕分けに適した仕分け装置
に関するものである。

従来の技術 従来の仕分け装置としてはホイール浮出し式ソ
ータ、押出し式ソータ、傾倒式ソータおよび斜行
ベルト式ソータ等の種々の仕分け装置が知られて
いるが、袋物や薄物等の不定形の搬送物を仕分け
る場合に底面が柔らかいために仕分用ホイールが
空転したり、搬送面と仕分用押圧装置との間に搬
送物を噛込む等の問題があつた。

従つて、この様な搬送物の噛込みを防止するた
めに例えば実願昭61−71915号明細書（実開昭62
−183621号公報）に示されるように多数のローラ
が回転可能に平行に設けられたローラコンベヤに
おいて、ローラの間を左右横方向に移動可能に且
つ搬送面より突出するよう設けられた仕分けピン
を有する仕分け装置が提案されている。しかし、
この提案された新しい仕分け装置においても仕分
けピンが常に垂直に直立維持されるのが時として
困難で、案内ローラの遅れにもとづく仕分けピン
の倒込み現象が生じ、仕分けピンの移動が円滑に
行われず、騒音発生の原因となり、また部品数が
多くなる等の不都合な点がみられる。

従つて、この考案の目的はこの様な従来での問
題点を解決するために、仕分けピンが常に確実に
垂直に直立した状態で円滑に移動でき、袋物や薄
物等の如何なる搬送物をも仕分けることができ、
部品数を少なくでき且つ騒音を低減できる物品の
仕分け装置を提供することにある。

問題点を解決するための手段 この考案に依れば、物品の仕分け装置は、回転
可能に支持された多数のローラから成るローラコ
ンベヤにおいて、複数個のローラの間を夫々左右
横方向に移動可能に上方に突出するよう設けられ
た複数個の仕分けピン、これら仕分けピンの下端
が固着された支持軸、仕分けピンを駆動すべく該
支持軸の両端が回転可能に連結された無端状の駆
動チエン、仕分けピンを常に直立して支持するよ
うに案内する案内装置から成り、該案内装置は、
無端状の駆動チエンの長円形の軌道と同一形状で
且つ相互にずれて位置する２条のレール部材から
成る案内レールと、該レール部材の各々に沿つて
走行する２つのガイドローラと、該仕分けピンと
ガイドローラとを一体的に連結して成る三角形の
支持部材とを有している。

この考案の他の目的と特長および利点は以下の
添付図面に沿つて詳細な説明から明らかになろ
う。

実施例 図面の第１，２図に示される様に、この考案の
物品の仕分け装置はフレーム２の長手方向に間隔
を置いて多数のローラ４が回転可能に平行に設け
られたローラコンベヤから構成されており、ロー
ラ４の間を左右の方向に移動可能に且つ搬送面よ
り突出するよう設けられた仕分けピン２１を備え
ている。このローラコンベヤの各ローラ４は適宜
な駆動機構により駆動されるが、例えば各ローラ
４の下面に押圧用中間プーリを有する無端ベルト
を接触させ、無端ベルトを回転させることにより
ローラ４を駆動することもできる。

この様に各ローラ４が駆動されるようになつた
ローラコンベヤの所要の仕分け区分にて、図示さ
れる様に仕分時においてはローラ４の間を左右い
ずれの方向にも移動可能に且つローラ４により形
成される搬送面から上端が突出するように複数個
の仕分けピン２１が２組設けられている。これら
複数個の仕分けピン２１は同じ組のものが下端に
て支持軸２２に固着されており、各支持軸２２の
両端が駆動チエン２４に回転可能に連結されてい
る。各支持軸は無端状の駆動チエンの全周を２分
する位置に相対向して連結されるのが好適であ
る。各支持軸２２に取付けられた仕分けピン２１
を左右に移動するために横方向に間隔を置いた一
対のスプロケツト２５，２５と、これらスプロケ
ツト２５，２５にかけられた無端状の駆動チエン
２４とが設けられている。また、これら仕分けピ
ン２１が常に垂直な状態で左右に移動できるよう
に、支持軸２２および無端状の駆動チエン２４に
対して案内装置２７が設けられている。

この案内装置２７は、長円形をなしていて曲線
部にて互いに長手方向にずれた２条のレール部材
３１，３２から成る案内レール２８と、この案内
レール２８のレール部材３１，３２に沿つて夫々
走行するガイドローラとしての２つのローラ３
３，３４と、これらローラ３３，３４が取付けら
れたほゞ三角形の支持部材３５とを有している。
ローラ３３，３４は第５，６図に明示される様に
ほゞ三角形の支持部材３５の底辺側の角部に異な
つた長さのローラ軸３７，３８をもつて取付けら
れており、この支持部材３５は頂部側の角部にて
取付ピン３９によつて仕分けピン２１の支持軸２
２の端部に一体的に取付けられかつ駆動チエン２
４に枢支されている。

この様な三角形の支持部材３５の底辺側の角部
に回転可能に設けられたローラ３３，３４は三角
形の支持部材３５の姿勢すなわち向きを変えるこ
となく案内レール２８に沿つて案内走行される場
合に、各ローラ３３，３４の軌跡は長円形の軌跡
を構成する曲線部においてずれた軌跡を描くこと
は容易に明らかである。すなわち、第３図に示さ
れる案内レール２８において、ローラ３３，３４
は共に上側および下側の水平直線部分にては同一
軌跡を描き、例えば第５図左側のローラ３３は第
３図の案内レール２８のレール部材３１に沿つて
左側の曲線部では外側を、右側の曲線部では内側
の軌跡を描き、また第５図右側のローラ３４はレ
ール部材３２に沿つて左側の曲線部では内側の軌
跡を、右側の曲線部では外側の軌跡を描き、従つ
てローラ３３，３４の軸心間距離に相応する距離
だけ第３図にて同一長円形軌跡を左右に互いにず
らした２重の長円形軌跡を描くものになる。尚、
スリツト５０はローラ３３の走行中にレール部材
３２と交叉するときにローラ軸３７の通過を妨げ
ないために設けられているものである。従つて、
曲線部において第４図に示される様にローラ３
３，３４の各々を相互にずれたレール部材３１，
３２に沿つて案内走行するよう案内レール２８が
形成されている。

斯様に、２つのローラ３３，３４の描く２つの
軌跡と、支持部材３５を駆動チエン２４に連結す
る取付ピン３９の描く軌跡との、相互にずれた３
つの軌跡によつて案内された支持部材３５は常に
同一姿勢をもつて駆動チエン２４により駆動され
るので、支持軸２２に固着された仕分けピン２１
は常に真直ぐに直立した状態を確実に取ることが
でき、いかなる場合にも倒込むことがない。本実
施例においては支持部材を駆動チエンおよび２つ
のローラにより案内するようにしたがローラに代
えてベルト、チエンを用いたり、３つのローラに
より案内して別途駆動手段を設けるなど、この考
案の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが
可能である。

仕分けピン２１を駆動するための駆動チエン２
４は正逆転切換可能な電動機４５により駆動され
る駆動スプロケツト４０によつて駆動される。す
なわち、第１，２図に示される様に、駆動スプロ
ケツト４０はフレーム２に回転可能に支持された
駆動軸４１の両端近くに設けられ、駆動チエン２
４の下走行側で噛合つている。また、この駆動チ
エン２４の電動機は駆動チエン２４に設けられた
作動部材４２によつて開閉作動される近接スイツ
チ４３によつて制御されるようになつている。勿
論、駆動チエン２４は電動機４５および駆動スプ
ロケツト４０により駆動される他に、スプロケツ
ト２５，２５のいずれかを駆動することによつて
駆動することもできる。また、別の方法として電
動機と駆動スプロケツトの間に正逆転切換用クラ
ツチ装置を介して左右に仕分けるようにしてもよ
い。

この様に構成されたこの考案の物品の仕分け装
置においては、適宜な制御装置からの仕分け指令
によつて所定の仕分け位置に到達した搬送物に対
し駆動チエン２４の電動機４５が所定の極性の電
流によつて作動されて駆動チエン２４が所定方向
に駆動されるので、一対の駆動チエン２４間に取
付支持された支持軸２２が駆動チエン２４と一緒
に駆動されて支持軸２２に固着された仕分けピン
２１がローラ４の間を横方向に移動され、ローラ
４の搬送面から突出した仕分けピン２１上端によ
つて搬送物を所定の仕分け場所に向かつて押し出
し、搬送物の形状および種類に係わりなく袋物や
薄物等どの様な搬送物をも仕分けることができ
る。この仕分け作動のときに、仕分けピン２１が
固着された支持軸２２は、支持部材３５が２つの
ローラ３３，３４によつて案内レール２８に沿つ
て、特に曲線部にては各レール部材３１，３２に
沿つて案内されかつ取付ピン３９が駆動チエン２
４により案内されるので、常に仕分けピン２１が
垂直に直立した状態で確実に仕分け作動され、搬
送物を噛込むことなく確実に仕分けできる。所定
の仕分け作動が終了したときに、駆動チエン２４
の電動機は近接スイツチ４３の作動によつて消勢
され、次の搬送物の仕分け準備ができる。

考案の効果 この様に、この考案の物品の仕分け装置に依れ
ば、適宜な制御装置からの仕分け指令に従つて所
定の仕分け装置の電動機を駆動して駆動チエンに
より仕分けピンを作動し、このときに案内装置の
２つのローラを各レール部材に沿つて案内走行し
て仕分けピンの支持軸を常に同一姿勢、即ち仕分
けピンを垂直に直立した状態を保つて作動するこ
とができ、定形、不定形、寸法の大小に係りなく
袋物や薄物等どの様な搬送物をも仕分けピンによ
つて噛込むことなく仕分けることができる。また
複数個の仕分けピンを１つの支持軸にて固着支持
し、この支持軸を一対の駆動チエン内に連結支持
して仕分作動するようになしているので、部品の
数を大幅に減少できると共に駆動チエン間に仕分
けピンの移動に障害となるような部材がないので
仕分けピンを十分有用な長さにすることができ、
底面の悪い搬送物でも確実に仕分けるようでき
る。さらに、案内装置により仕分けピンを垂直直
立状態にて確実に案内できるので仕分けピンの倒
込みを防止する特別な当板のような部材や手段を
設ける必要がなく、従つて仕分けピンが当板に突
き当たる音が無くなり騒音を低く抑えることがで
きる。以上のようにこの考案によれば製作費が安
価で簡単な構成で、部品数を節約でき確実に仕分
作動できる経済的な仕分け装置が得られる等の効
果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の物品の仕分け装置の側断面
概要図、第２図はこの考案の要部を示す正面断面
図、第３図は案内レールの正面図で、第４図は案
内レールの平面図、第５図は案内装置のガイドロ
ーラと支持部材の正面図で、第６図は第５図のＡ
−Ａ視図である。図中、２……フレーム、４……
ローラ、２１……仕分けピン、２２……支持軸、
２４……駆動チエン、２５……スプロケツト、２
７……案内装置、２８……案内レール、３１，３
２……レール部材、３３，３４……ローラ、３５
……支持部材、３７，３８……ローラ軸、３９…
…取付ピン、４０……駆動スプロケツト、４１…
…駆動軸、４２……作動部材、４３……近接スイ
ツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転可能に支持された多数のローラから成るロ
   ーラコンベヤにおいて、複数個のローラの間を
   夫々左右横方向に移動可能に上方に突出するよう
   設けられた複数個の仕分けピン２１、これら仕分
   けピン２１の下端が固着された支持軸２２、前記
   仕分けピン２１を駆動すべく支持軸２２の両端が
   回転可能に連結された無端状の駆動チエン２４、
   前記仕分けピン２１を常に直立して支持するよう
   に案内する案内装置２７から成り、前記案内装置
   ２７は、無端状の駆動チエン２４の長円形の軌道
   と同一形状で且つ相互にずれて位置する２条のレ
   ール部材３１，３２から成る案内レール２８と、
   前記レール部材３１，３２の各々に沿つて走行す
   る２つのガイドローラ３３，３４と、前記仕分け
   ピン２１およびガイドローラ３３，３４を一体的
   に連結して成る三角形の支持部材３５とを有して
   いることを特徴とする物品の仕分け装置。