JPH0446928Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、ワイヤドツトプリンタに使用される
印字ヘツドに係り、特に組立工程途中におけるア
ーマチユアの脱落を防止するストツパー構造に関
する。

〔従来の技術〕

第５図は、従来のドツトプリンタ印字ヘツドの
内部構造を示した部分断側面図である。

同図に示すように印字ヘツドは、フロントケー
ス１とリアケース２とからなるケーシング及びそ
の内に収納された磁気駆動装置からなる。そして
この磁気駆動装置は断面形状が略コ字状のヨーク
３と、ヨーク３に立設したコア４と、コア４に巻
装したコイル５と、ヨーク３およびコア４の端面
と、リアケース２との間に配設された磁性材料か
らなるアーマチユア６と、アーマチユア６の一端
に連結されたワイヤ７と、アーマチユア６の一端
とヨーク３の上端間に介挿された復帰用ばね８
と、アーマチユア６の他端とリアケース２との間
に介挿された支持用ばね９と、リアケース２の下
面に固着されたダンパー１０と、ヨーク３上に載
置固定されたアーマチユアガイド１１とで構成さ
れている。

前記アーマチユアガイド１１は、第６図にその
一部を示すように、各アーマチユア６に対応して
複数の保持部１１ａを有しており、これら保持部
１１ａは円環状の周壁１１ｂによつて一体に連結
されている。そしてアーマチユア６は隣接する２
個の保持部１１ａよりも僅かに幅狭に形成されて
いるので、円周方向に規制されて各コア４と対向
するようになつている。またアーマチユア６とコ
ア４上端間のギヤツプ（磁気ギヤツプ）は、アー
マチユア６の上面が前記ダンパ１０に当接するこ
とで所定寸法に設定されている。

以上のような構成の印字ヘツドはコイル５に通
電することにより磁気吸引力でアーマチユア６を
吸引し、電流を切ることにより、吸引の際に圧縮
された復帰用ばね８の復帰力でアーマチユア６を
押し戻してアーマチユア６に連結されたワイヤ７
を駆動し印字を行なうものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、このように構成された印字ヘツドを
組立てる場合は、アーマチユアガイド１１の各保
持部１１ａの間に復帰用ばね８を介してアーマチ
ユア６を挿入し、しかる後、フロントケース１の
上端にリアケース２を被着することで、アーマチ
ユアの上端に支持用ばね９とダンバー１０を当接
させ、アーマチユア６を位置決めしていた。この
ため、第７図に示すように組立工程の途中状態で
は、アーマチユアガイド１１に挿入したアーマチ
ユア６が復帰用ばね８の弾発力により押し戻され
てアーマチユアガイド１１から外れたり、そのア
ーマチユア６に連結したワイヤ７がフロントケー
ス１先端のワイヤガイド１ａから外れてしまうと
いう不都合があつた。

かかる組立途中の不都合を防止するために、ア
ーマチユアガイド１１の厚み寸法を大きくしてア
ーマチユア６のアーマチユアガイド１１からの脱
落を防止するとともに、ワイヤ７の長さを必要以
上に長くしてワイヤ７のワイヤガイド１ａからの
抜けを防止するなどの処置をほどこすと前者では
アーマチユアガイド１１の厚み寸法が徒に大きく
なるので印字ヘツドの小型化を阻害し、後者では
組立完了後にワイヤ７の不要部分を切断しなけれ
ばならないため作業性が悪いという新たな欠点が
発生した。

本考案の目的は上記従来技術の欠点を除き、組
立作業の簡易化が可能なワイヤードツトプリンタ
の印字ヘツドを提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するために本考案ではリアケー
スの装着前工程でのアーマチユアの脱落防止すべ
く、コアと固定関係にあるアーマチユアガイドの
一部に、復帰用ばねに抗してアーマチユアを支持
するための弾性力をもつたストツパーを設けた点
に特徴がある。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面にもとづいて説明
する。

第１図は本考案の一実施例に係るワイヤドツト
プリンタ印字ヘツドの断側面図、第２図はその印
字ヘツドに備えられるアーマチユアガイドの詳細
を示す平面図である。第１図において、ヨーク
３、コア４、コイル５、アーマチユア６、ワイヤ
７、復帰用ばね８、支持用ばね９、ダンパ１０等
は、第６図に示し、前記した従来例と同様である
ので説明は省略する。

本実施例の特徴は特に第２図に示すアーマチユ
アガイド１１の構造にある。すなわち本実施例で
は合成樹脂より成る略円板状のアーマチユアガイ
ド１１の周壁１１ｂにスリツト１１ｄを有するア
ーマチユアガイドの保持部１１ａ……をそれぞれ
中心に向つて突出するよう設けている。そして前
記スリツト１１ｄに隣する可動片１１ｅの略先端
部には各ストツパー１１ｃ……を円周方向に突設
させており各ストツパー１１ｃと保持部１１ａ間
の長さ寸法は、ストツパー１１ｃと対向する部分
のアーマチユア６の幅寸法より小さく設定されて
いる。

この様に構成されたアーマチユアガイド１１を
有する印字ヘツドの組立行程及び前記ストツパー
１１ｃの作用を第３図および第４図を主に用いて
詳細に説明する。

従来と同様にしてヨーク３上にアーマチユアガ
イド１１を載置し固定した後、第３図に示すよう
にアーマチユアガイド１１の各保持部１１ａ間に
復帰用ばね８に抗してアーマチユア６を挿入す
る。この際可動片１１ｅは弾性力をもつているた
めアーマチユア６挿入時にはこのアーマチユア６
に押し拡げられ挿入を許すが、挿入後は自５の弾
性力により元の位置に復帰し、アーマチユア６の
上面にストツパー１１ｃを当接させ、復帰ばね８
の弾性力に抗してアーマチユア６を支持する（仮
止め状態）。従つて、アーマチユア６は、後端部
と中央部がヨーク３とストツパー１１ｃにそれぞ
れ当接することで、アーマチユアガイド１１に安
定的に支持されることになり、このためワイヤ７
が連結されたアーマチユア６の先端部の浮き上が
りもなく、ワイヤ７も一度挿通したワイヤーガイ
ド部１ａから抜けることがない。

上記のようにして各アーマチユア６をアーマチ
ユアガイド１１に仮止めした後、フロントケース
１の上端にリアケース２を被着して組立てを完了
すると、第１図に示すようにアーマチユア６の上
面に支持用ばね９とダンパー１０が当接し、第３
図に示すような組立工程途中でのアーマチユア６
とストツパー１１ｃとの当接は解除され、アーマ
チユア６とコア４間の磁気ギヤツプはダンパ１０
により所定寸法に設定されることになる。なおか
かるリアケース２の組立作業は、前述の如く、ア
ーマチユア６がアーマチユアガイド１１に安定的
に支持された状態のもとで行うことができるた
め、非常に簡単に行うことができる。また、ワイ
ヤ７に抜け防止のための余分な寸法を持たせる必
要がないため組立完了後のワイヤ７の切断作業も
不要となる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、リアケー
スを被着する前の組立工程途中において、挿入し
たアーマチユアをヨークとストツパーにより安定
的に支持できるため、組立作業の簡易化がはかれ
るという顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の一実施例に係
り、第１図は印字ヘツドの断側面図、第２図はア
ーマチユアガイドの平面図、第３図は組立工程の
途中状態における印字ヘツドの断側面図、第４図
は同部分平面図、第５図ないし第７図は従来例に
係り、第５図は印字ヘツドの部分断側面図、第６
図はアーマチユアとアーマチユアガイドの関係を
示す部分平面図、第７図は組立工程途中状態にお
ける印字ヘツドの部分断側面図である。 １……フロントケース、２……リアケース、３
……ヨーク、４……コア、５……コイル、６……
アーマチユア、７……ワイヤ、８……復帰用ば
ね、９……支持用ばね、１０……ダンパ、１１…
…アーマチユアガイド、１１ａ……保持部、１１
ｂ……周壁、１１ｃ……ストツパー、１１ｄ……
スリツト、１１ｅ……可動片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数のワイヤと、該ワイヤが連結された磁性材
   料からなる複数のアーマチユアと、ヨークと、該
   ヨークに立設されるとともに前記アーマチユアに
   対向して配設されたコアと、該コアに巻回された
   コイルと、前記アーマチユアを前記コアから離反
   する方向に付勢する弾性部材と、前記アーマチユ
   アの上部に被着されたリアケースと、該リアケー
   スの下面に固着され前記アーマチユアの上面が当
   接することでアーマチユアとコア上端間のギヤツ
   プを所定寸法に設定するダンパと、前記アーマチ
   ユアとリアケースとの間に載置されたアーマチユ
   アガイドとを備え、前記コイルに通電することに
   より、前記アーマチユアをコア方向に吸引して前
   記ワイヤを駆動させるワイヤドツトプリンタの印
   字ヘツドにおいて、前記アーマチユアガイドに設
   けられた保持部に挿入後のアーマチユアを前記弾
   性部材の弾性力に抗して支持する弾性力をもつた
   ストツパー部を設けたことを特徴とするワイヤー
   ドツトプリンター印字ヘツド。