JPH0442340B2 - - Google Patents

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JPH0442340B2
JPH0442340B2 JP61003895A JP389586A JPH0442340B2 JP H0442340 B2 JPH0442340 B2 JP H0442340B2 JP 61003895 A JP61003895 A JP 61003895A JP 389586 A JP389586 A JP 389586A JP H0442340 B2 JPH0442340 B2 JP H0442340B2
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JP
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dehydration
temperature
optical fiber
transparent vitrification
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JP61003895A
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Yasuro Furui
Kunihiro Matsubara
Akira Iino
Mikio Kokayu
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
    • C03B37/01446Thermal after-treatment of preforms, e.g. dehydrating, consolidating, sintering

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
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  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)
  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
『産業上の利用分野』 本発明は光フアイバ用の多孔質母材を脱水なら
びに透明ガラス化するための処理方法に関し、さ
らに詳しくは水素に起因したロス増のない光フア
イバを得るための母材処理方法に関する。 『従来の技術』 一般に、石英系からなる光フアイバ用の多孔質
母材は、VAD法(Vaper Phase Axial
Deposition Method)、OVD法(Outer
VaperPhase Oxidation Methop)を介してつく
られ、その後、多孔質母材は脱水ならびに透明ガ
ラス化され、透明な光フアイバ母材となる。 多孔質母材を脱水し、透明ガラス化する一手段
に米国特許第3933454号の発明(以下、先行技術
2という)があり、それよりも古い当該手段とし
て米国特許第3459522号の発明(以下、先行技術
1という)がある。 先行技術2において処理対称となる多孔質母材
は、火災加水分解反応を介して生成されたガラス
スートを堆積させることにより形成されたもので
あり、かかる多孔質母材を、塩素ガスを含む雰囲
気中で同時に脱水、透明ガラス化している。 先行技術2の処理母材から得られる光フアイバ
の場合、波長は650〜1100nm帯における伝送特性
が10dB/Km前後であるが、波長950nmに吸収ピ
ークがみられる。 一方、先行技術1では、火炎加水分解以外の手
段で多孔質母材をつくり、その多孔質母材の脱水
を塩素含有雰囲気中で行ない、脱水済み母材の透
明ガラス化を非塩素含有雰囲気中で行なう、いわ
ゆる二工程化を特徴としている。 先行技術1において、脱水処理工程と透明ガラ
ス化工程とを二工程化する理由の一つは、経済的
な考えに基づくものであり、他の理由の一つは、
塩素含有雰囲気中に長く母材を曝したとき、その
母材中に多量の塩素が停滞し、それによつてガラ
ス中に割れの発生する虞れが生じるからである。 しかし、先行技術1にて処理されたガラスは、
前記先行技術2よりも伝送特性が悪い。 しかも先行技術1に関して、先行技術2は以下
の理由により、火炎加水分解により得られた多孔
質母材の脱水に適していないと説述している。 すなわち、先行技術1において使用される塩素
含有雰囲気内の多量の塩素は、多孔質母材のつぎ
の処理においてボイドを発生せしめ、かつ、市販
純度の塩素源に含まれている汚染物が、許容限度
を越えてガラス中に導入される虞れがある。 さらに先行技術1では、塩素化室内にて多孔質
母材を脱水処理した後、その脱水済み母材を塩素
化室内から透明ガラス化用の凝固室へ移すとき、
当該脱水済み母材中に再度水分の侵入する場合が
ある。 その他、先行技術1のように二工程化するより
も、脱水と透明ガラス化とを同時に行なうことが
できれば、経済的効果が高まる。 こうした背景が、先行技術2において脱水と透
明ガラス化とを同時に行なわせる動機となつてい
る。 『発明が解決しようとする問題点』 周知の通り、光フアイバへ水素(H2)が拡散
混入した場合、その伝送特性が経時的に劣化する
が、これの対策に関する技術的経緯は“日経エレ
クトロニクス”「解決した光フアイバの水素によ
る損失増加問題1、2」(1984年12月3日号)に
詳述されているが、水素ロス増ピークとして従来
注目されていたのは波長1.39μm、1.41μmにおけ
るSiOHおよびGeOHの吸収ピーク、水素分子に
よる波長1.24μmにより吸収ピークなどであり、
これ以外の重面な水素ロス増ピークに関する研究
報告はまだ見られない。 ところが、光フアイバの伝送特性に関する本発
明者らの研究において、従来知られていない重要
なロス増ピーク、すなわち上記以外のロス増ピー
クとして、波長1.52μmにおける吸収ピークのあ
ることが発見された。 この1.25μmの吸収ピークについては、Si−H
振動吸収に起因すると考えられる。 上記吸収ピークの挙動の特徴として、本発明者
らの知見では、光フアイバケーブル製造工程中の
光フアイバが80〜100℃の高温を経験したとき当
該ピークが生じやすいこと、一たん出現した当該
ピークがその後ゆるやかに減少する傾向を有する
こと等が判明している。 第3図には、実際に波長1.52μmでの吸収ロス
増を起こした光フアイバのロススペクトルを示し
た。 同図で明らかなように、この吸収ピークが出現
する際の特徴として、1.55μm帯に吸収ピークが
現われると同時に1.39μm帯および1.24μm帯のロ
ス増加をも惹き起こすこととなり、したがつて
1.2〜1.6μm帯の伝送特性劣化を惹き起こす性質の
ものであることが理解できる。 このような吸収ピークは、波長1.2〜1.6μm帯で
の伝送特性が5dB/Km以下となる光フアイバにお
いて認識できる問題であるから、先行技術2のご
とき波長域、伝送特性では発見できず、先行技術
2よりも伝送特性の悪い先行技術1では全く予測
もつかない事項である。 『発明の技術』 本発明は上記の問題点に鑑み、波長1.52μmに
出現の水素ロス増ピークを発生させない光フアイ
バが得られる光フアイバ母材の処理方法を提供し
ようとするものである。 『問題点を解決するための手段』 本発明は、波長1.2〜1.6μm帯での伝送特性が
5dB/Km以下となる光フアイバの母材を得るた
め、石英系の多孔質母材を脱水ならびに透明ガラ
ス化する光フアイバ母材の処理方法において、脱
水処理工程が先行し、透明ガラス化工程が後行す
るよう、これらの工程を別々に行ない、先行する
脱水処理工程では、HeとO2と脱水ガスとにより
脱水雰囲気を形成するとともに、処理温度を上記
多孔質母材の実質的脱水反応開始温度以上かつ独
立閉孔形成温度未満に設定し、かかる脱水雰囲気
中の処理温度域を多孔質母材が通過し、後行する
透明ガラス化工程では、HeとO2またはHeのみで
透明ガラス化雰囲気を形成するとともに、処理温
度を最低透明ガラス化温度以上に設定し、かかる
透明ガラス化雰囲気中の処理温度域を上記脱水処
理後の母材が通過することを特徴とする。 『作 用』 本発明方法では、VAD法、OVD法等により作
製された多孔質母材を、それぞれ所定の雰囲気中
に入れて脱水ならびに透明ガラス化するとき、脱
水処理工程と透明ガラス化工程とを別工程で行な
うため、透明ガラス化後の母材の残留塩素量がご
く微量となり、その母材からは伝送特性の良好な
光フアイバが得られるようになる。 つまり、多孔質母材を脱水処理工程と透明ガラ
ス化工程とを同一工程で実施する方法の場合、そ
の母材が塩素含有雰囲気中で透明ガラス化される
ことになるため、透明ガラス化母材の残留塩素が
多くなり、これが原因でガラス中に構造欠陥が生
じ、水素を固着させるといつたメカニズムにより
水素ロス増を惹き起こすことになるが、本発明の
ごとく両工程を別々に行なう場合、こうした問題
が生じない。 本発明での脱水工程では、その雰囲気をHeと
O2と脱水ガス(塩素ガス、塩化チオニル、フル
オル系シランなど)とで形成し、その処理温度を
実質的脱水反応開始温度以上かつ独立閉孔形成温
度未満とする。 ここで脱水処理温度を実質的脱水反応開始温度
以上かつ独立閉孔形成温度未満としたのはつぎの
理由による。 すなわち脱水処理温度の下限を実質的脱水反応
開始温度以上に設定したのは、当該処理温度がそ
の下限値を下回る処理温度のとき、効果のある脱
水処理ができない自明の理由があり、一方、脱水
処理温度の上限を独立閉孔形成温度未満に設定し
たのは、これ以上の温度のとき、多孔質母材の焼
結が過度に進むことにより当該母材の独立閉孔
(Closed pore)が生じ、その気孔内に塩素が閉
じこめられて水素ロス増の問題を惹き起こすから
である。 本発明の透明ガラス化工程では、その雰囲気を
HeとO2またはHeのみで形成し、その処理温度を
最低透明ガラス化温度以上とする。 この雰囲気が塩素を含まないことにより、当該
透明ガラス化に際してのガラス欠陥が生ぜず、ま
た、その処理温度が透明ガラス化温度以上である
ことにより、ガラス組成の均一度が高まり、ひい
ては光フアイバの伝送特性を良好にする。 かくて、本発明方法により処理された母材から
は、伝送特性の良好な光フアイバが得られること
となり、しかもその母材処理条件が適切であるこ
とにより、後述の実験例等で明らかなように波長
1.52μmに出現の水素ロス増ピークを発生させな
い光フアイバが得られる。 『実施例』 以下本発明方法の実施例につき、図面を参照し
て説明する。 第1図は本発明方法に用いる装置を例示したも
のであり、同図の1は電気炉、2はその電気炉1
の炉心管、3はその電気炉1のカーボン製ヒータ
である。 上記炉心管2はその下部にガス入口4を有し、
その上部にガス出口5を有している。 6はVAD法またはOVD法等により作製された
石英系の多孔質母材であり、この多孔質母材6は
石英系の支持棒7により担持されている。 第1図において多孔質母材6を脱水処理すると
き、ガス入口4から炉心管2内にHe、O2、脱水
ガス(例えばCl2)等を供給してその炉心管2内
を所定の雰囲気とし、さらに炉心管2内における
処理温度を実質的脱水反応開始温度以上かつ独立
閉孔形成温度未満とすべく、当該処理温度(実
温)をヒータ3により約900℃ないし1300℃程度
に設定する。 こうした上記炉心管2内には、その上部から多
孔質母材6を挿入し、該多孔質母材6を脱水処理
温度域に向けて適当な移動速度で降下させ、該多
孔質母材6をその下端から順次脱水処理する。 かかる脱水処理により多孔質母材6は焼結状態
となるが、この際の処理温度が前記のごとく独立
閉孔形成温度未満であるため、その母材6の気孔
が閉じられることがなく、したがつて母材6はそ
の各気孔内に侵入した脱水ガス成分(Cl2)をそ
のまま取りこんでしまうことがない。 脱水処理後の母材6はこれを透明ガラス化する
が、この透明ガラス化は第1図の電気炉1はまた
別途に用意された第1図と同様の電気炉1により
行なう。 脱水処理後の上記電気炉1を透明ガラス化のた
め引きつづき使用するときは、あらかじめ炉心管
2内にパージガスを流してその内部から脱水雰囲
気ガスを完全に排除するほか、一たん脱水済み母
材を炉心管2内の上部に引き上げる。 透明ガラス化のため別途の電気炉を使用すると
き、脱水用電気炉、透明ガラス化用電気炉を所定
値以上のクリーン度に保持されたケーシング内に
あらかじめ配置しておき、脱水用電気炉内の脱水
済み母材を透明ガラス化用電気炉内へ移し、その
炉心管の上部に脱水済み母材を位置せしめる。 しかる後、ガス入口4から炉心管2内にHeと
O2またはHeのみを供給してその炉心管2内を所
定の雰囲気に保持するとともに、炉心管2内にお
ける処理温度を最低透明ガラス化温度以上とすべ
く、当該処理温度(実温)をヒータ3により1350
〜1650℃程度に設定し、こうした炉心管2内に脱
水処理後の母材6を入れ、かつ、これを透明ガラ
ス化温度域に向けて適当な速度で移動(降下)さ
せることにより、当該脱水済み母材6をその下端
から順次透明ガラス化する。 かくて多孔質母材6の脱水処理ならびに透明ガ
ラス化処理が完了する。 なお、上記において脱水処理後の母材6を透明
ガラス化するとき、炉心管2内における母材処理
速度(移動速度)は、伝送特性のよいものを得る
点で低速とするのが望ましく、その速度の具体的
1例として100mm/時があげられる。 また、透明ガラス化時の処理温度は特に上限は
ないが、1700℃程度で炉心管2が融けるので実用
上、その上限温度は1650℃程度がよい。 つぎに本発明方法に関する実験例について説明
する。 以下に述べる実験例では、VAD法により作製
した各母材からコア直径9μm、純石英クラツド直
径125μm、△=0.3%のシングルモード光フアイ
バをつくり、試験方法の1例として、これら光フ
アイバを100℃の100%水素雰囲気内に入れて15分
間保持し、その後、各光フアイバを取り出してそ
れぞれのロススペクトルを測定し、これらの水素
ロス増特性を初期ロス特性との比較において評価
した。 この評価で用いた波長は1.52μmである。 実験は表1、2の通り多孔質母材の脱水処理条
件、透明ガラス化条件を種々変更し、これら母材
から得られたシングルモード光フアイバにつき、
上述の評価を行ない、各処理の最適条件を検討し
た。
【表】
【表】 なお、表1での処理方法は脱水処理と透明ガ
ラス化とを同時に行ない、表2での処理方法は
脱水処理と透明ガラス化とを別工程で行なつた。 各処理はそれぞれ第1図の電気炉を用いて実施
した。 表2中、T1は脱水処理時における処理温度を
示し、T2は透明ガラス化時における処理温度を
示す。 表1、表2の結果で明らかなように、処理方法
の場合は処理方法と比べ、水素によるロス増
が大きい。 処理方法においてロス増が大きくなる理由と
して、塩素含有雰囲気中で多孔質母材が透明ガラ
ス化されたため、ガラス中への塩素残留、その塩
素残留によるガラス構造欠陥の形成、そのガラス
構造欠陥への水素の固着といつたメカニズムが考
えられるのに対し、処理方法の場合は、脱水処
理と透明ガラス化とが別工程であるため、処理方
法のような問題が生じなかつたと推定できる。 一方、処理方法においても、この際のサンプ
ルである各光フアイバイ,ロに特性上の差がみら
れた。 これは、処理方法において処理温度(処理時
間も関与)をさらに探索すれば、より適切な処理
条件のあることを示唆している。 かかる観点から、処理方法における最適化の
ため、つぎの実験を行なつた。 この実験を実施した各パラメータの範囲は表3
の通りであり、当該実験では各パラメータを数値
的に種々組み合わせて、前記多孔質母材の脱水処
理ならびに透明ガラス化処理を行ない、その処理
後の母材を紡糸して得た光フアイバにつき、水素
添加による損失増加のテストを実施した。
【表】 なお、表3中の各温度は実温でり、同表中にお
ける各ガスの供給量はHe=65/min、Cl2=6.5
/min、O2=0.65/minである。 まず、雰囲気ガスについて、HeおよびCl2の組
み合わせと、He、Cl2およびO2の組み合わせとを
比較したところ、前者の雰囲気で処理された母材
から得られた光フアイバの場合、すべて水素添加
ロス増を示したのに対し、後者の雰囲気で処理さ
れた母材から得られた光フアイバは、水素添加ロ
ス増が軽微であつた。 つぎに脱水処理雰囲気を上記後者と同じ、透明
ガラス化雰囲気を前述したものと同じにし(He
とO2またはHeのみ)、脱水時の処理温度T1およ
び透明ガラス化温度T2をそれぞれ変化させて所
定の母材をつくり、当該母材を紡糸して各種サン
プル用の光フアイバを得た。 これら光フアイバにつき、既述の水素添加ロス
増テストを実施し、その結果を第2図に示した。 第2図において、×印は水素ロス増あり、〇印
は水素ロス増なし、●は水素ロス増なしであるが
初期ロスが大きいもの、▲印はOH吸収ロスが大
きいものを示す。 第2図においてT1=900℃のとき、その温度の
低さより化学的脱水反応、ひいては光フアイバ母
材の脱水が不十分となり、そのため初期のOH吸
収ロスが大きいと考えられ、●印については、ガ
ラス化温度が低すぎたため、既述のガラス組成不
均一が生じたと考えられる。 一方、×印の領域については、脱水処理温度が
高すぎることにより、既述の独立閉孔(塩素取り
こみ原因)が生じたと考えられる。 それに対し、〇印が点在する領域には脱水不十
分、ガラス組成不均一、独立閉孔など、上述した
種々の問題が発生せず、それゆえ初期ロス、水素
ロス増についていずれも良好な結果を示したと考
えられる。 かかる結果からすると、脱水ガスとしてCl2
用いる場合のT1、T2については、第2図の点線
で囲う領域内で設定するのがよいといえる。 つぎに、本発明において脱水ガスとしてCl2
代え、SOCl2を用いた場合の実験例について説明
する。 前記表1、2を参照して述べたと同様の実験を
行なうとき、脱水ガスとしてCl2に代わるSOCl2
を用い、脱水処理と透明ガラス化を表4、表5に
示す条件で実施した。
【表】
【表】 なお、表4での処理方法は脱水処理と透明ガ
ラス化とを同時に行ない、表5での処理方法は
脱水処理と透明ガラス化とを別工程で行ない、各
処理とも第1図の電気炉を用いて実施した。 表5中、T1は脱水処理時における処理温度を
示し、T2は透明ガラス化時における処理温度を
示す。 これら表4、表5の結果で明らかなように、処
理方法の場合は処理方法と比べ、水素による
ロス増が大きく、前記の結果と同様の傾向を示し
ている。 これは本発明において、脱水ガスとしてSOCl2
を用いた場合でもCl2と同様の効果が期待できる
ことを示している。 つぎに、脱水ガスとしてフルオル系シランを用
いた場合の実験例について説明する。 前記表1、2を参照して述べたと同様の実験を
行なうとき、脱水ガスとしてCl2に代わるSiF4
用い、脱水処理と透明ガラス化を表6、表7に示
す条件で実施した。
【表】
【表】 なお、前記と同様、表6での処理方法は脱水
処理と透明ガラス化とを同時に行ない、表7での
処理方法は脱水処理と透明ガラス化とを別工程
で行ない、各処理とも第1図の電気炉を用いて実
施した。 表7中、T1は脱水処理時における処理温度を
示し、T2は透明ガラス化時における処理温度を
示す。 これら表6、表7の結果でも、処理方法の場
合は処理方法と比べ、水素によるロス増が大き
く、前記の結果と同様の傾向を示している。 したがつて、本発明での脱水ガスとしてSiF4
有効であることが理解できるが、脱水ガスとして
かかるSiF4を用いた場合、処理ガラス中にフツ素
がドープされるため、脱水処理温度T1、透明ガ
ラス化温度T2が前記各例よりも約100℃程度低温
化する傾向がみられる。 実験の結果からすると、SiF4を脱水ガスとして
用いる場合、T1、T2については、前記第4図の
一点鎖線で囲う領域内で設定するのがよいといえ
る。 第4図における×印、〇印、●印、▲印は前記
第2図と同様の意味をあらわす。 なお、実験例ではフルオル系シランを代表する
脱水ガスとしてSiF4をあげたが、Si2F6、SiHF3
SiH2F2、SiH3Fなども有効であり、CF6も有効で
ある。 ただし、石英炉心管をエツチングしてしまう脱
水ガスを用いる場合は、その炉心管に耐蝕性の処
理を施しておく必要がある。 『発明の効果』 以上説明した通り、本発明方法によるときは、
初期ロスが小さいだけでなく、波長1.52μmに出
現の水素ロス増ピークを発生させない光フアイバ
の母材が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法をこれに用いる装置ととも
に略示した説明図、第2図は本発明方法において
脱水ガスとしてCl2を用いた場合の適性処理温度
の範囲を示した説明図、第3図は波長1.55μm帯
のロススペクトルを示した説明図、第4図は本発
明方法において脱水ガスとしてSiF4を用いた場合
の適性処理温度の範囲を示した説明図である。 1……電気炉、2……電気炉の炉心管(処理雰
囲気)、6……多孔質母材。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 波長1.2〜1.6μm帯での伝送特性が5dB/Km以
    下となる光フアイバの母材を得るため、石英系の
    多孔質母材を脱水ならびに透明ガラス化する光フ
    アイバ母材の処理方法において、脱水処理工程が
    先行し、透明ガラス化工程が後行するよう、これ
    らの工程を別々に行ない、先行する脱水処理工程
    では、HeとO2と脱水ガスとにより脱水雰囲気を
    形成するとともに、処理温度を上記多孔質母材の
    実質的脱水反応開始温度以上かつ独立閉孔形成温
    度未満に設定し、かかる脱水雰囲気中の処理温度
    域を多孔質母材が通過し、後行する透明ガラス化
    工程では、HeとO2またはHeのみで透明ガラス化
    雰囲気を形成するとともに、処理温度を最低透明
    ガラス化温度以上に設定し、かかる透明ガラス化
    雰囲気中の処理温度域を上記脱水処理後の母材が
    通過することを特徴とする光フアイバ母材の処理
    方法。 2 VAD法により作製された多孔質母材を脱水
    し、透明ガラス化する特許請求の範囲第1項記載
    の光フアイバ母材の処理方法。 3 OVD法により作製された多孔質母材を脱水
    し、透明ガラス化する特許請求の範囲第1項記載
    の光フアイバ母材の処理方法。 4 脱水処理工程での処理温度を900〜1300℃に
    設定する特許請求の範囲第1項ないし第3項いず
    れかに記載の光フアイバ母材の処理方法。 5 透明ガラス化工程での処理温度を1350〜1650
    ℃に設定する特許請求の範囲第1項ないし第3項
    いずれかに記載の光フアイバ母材の処理方法。 6 脱水ガスが塩素ガスからなる特許請求の範囲
    第1項ないし第4項いずれかに記載の光フアイバ
    母材の処理方法。 7 脱水ガスが塩化チオニルからなる特許請求の
    範囲第1項ないし第4項いずれかに記載の光フア
    イバ母材の処理方法。 8 脱水ガスがフルオル系シランからなる特許請
    求の範囲第1項ないし第4項いずれかに記載の光
    フアイバ母材の処理方法。
JP389586A 1985-01-14 1986-01-11 光フアイバ母材の処理方法 Granted JPS61270232A (ja)

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