JPH0435198Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動製図機の画線ヘツドに関するもの
である。

（従来技術とその問題点） 筆記に伴ない鉛芯が消耗する都度、鉛芯を軸方
向に押下し繰り出すようにしたそれ迄の画線ヘツ
ドに比し、鉛芯を消耗に応じて自動的に繰り出せ
るようにした画線ヘツドが、その操作性の簡便さ
から近年着目を浴びている。

上記画線ヘツドは、第２図に例示する如く鉛芯
の前進は許容するがその後退は楔作用にて妨げる
ことが可能なボールチヤツク機構１０１をホルダ
ー１０２内に配置するとともに、その前方に保持
部材１０３を有するスライダー１０４をスプリン
グ等の弾撥部材１０５により前方に付勢し摺動自
在に配置して構成されており、前記スライダー１
０４の前端面１０６を紙面に垂直に押し付けた状
態で筆記を行なうことにより鉛芯の消耗に応じて
スライダー１０４を後退させ、該押し付けを解く
ことで弾撥部材１０５の弾撥力で前進復帰するス
ライダー１０４の保持部材１０３にてボールチヤ
ツク機構１０１より鉛芯を前端面１０６と画一の
状態のまま引き出せるようになつている。これに
より、複雑な芯繰り出し機構を要することなく、
スライダー１０４の前端面１０６を紙面に押し付
け、そして離すのみで、消耗した分の鉛芯を繰り
出し連続した筆記に応ずることができる。

しかし乍ら、上述せる構造には以下の様な問題
がある。即ち、通常、ボールチヤツク機構１０１
のチヤツク１０７内には、使用する芯の外径より
若干大径であり、芯が２本入り込まない程度の内
孔１０８が形成されており、当然0.3mm，0.5mmと
いつた細径の芯を使用する場合ではこれに応じた
細径の内孔１０８が必要となる。ところが、加工
上このような細径の内孔１０８を精度良くチャツ
ク１０７内に形成することは非常困に難であるこ
とからしばしば不良を続出し生産性に欠けるとい
つた問題がある。

（考案の目的） 本考案は上述せる問題点に鑑みなされたもの
で、チヤツクの内孔を精度良く形成することがで
き、芯を１本づつ確実にチヤツクに供給すること
ができる自動製図機の画線ヘツドを提供せんとす
るものである。

（考案の概要） 本考案は、鉛芯の前進は許容するがその後退を
楔作用にて妨げることが可能なボールチヤツク機
構をホルダー内に配置するとともに、該ボールチ
ヤツク機構の前方に保持部材を有するスライダー
を弾撥部材により前方に付勢し摺動自在に配置し
てなる画線ヘツドにおいて、前記ボールチヤツク
機構のチヤツクの内孔にホルダーに固定された案
内管を挿入配置してなる自動製図機の画線ヘツド
をその要旨とし、上記目的に応ずるものである。

（実施例） 以下、本考案を実施例に基づき詳細に説明す
る。

第１図において、参照符号１は自動製図機の可
動部（図示せず）に取付け可能なホルダーであ
り、該ホルダー１内には、前方を複数に分割され
た開閉自在なチヤツク２と、該チヤツク２前方外
面に形成された縦断面皿状のボール受座３に載置
されるボール４と、該ボール４を滑動案内し得る
傾斜案内面５を備える作動体６と、前記チヤツク
２を作動体６に対し後方に付勢するスプリング等
の弾撥部材７とより構成されるホボールチヤツク
機構８が配置されている。該ボールチヤツク機構
では、チヤツク２内に挿通される鉛芯の前進を許
容し、その後退を楔作用にて妨げることが可能で
あり、言い換えれば鉛芯は前方には抵抗なく移動
できるが筆記圧が鉛芯に加つた際には筆記圧に抗
して鉛芯を強く保持することができるようになつ
ている。よつてこの作用を満足するものであれ
ば、図示例以外のボールチヤツク機構を採用して
も良いこと勿論である。９は鉛芯を僅かな力で保
持せる保持部材１０を有するスライダーであつ
て、該スライダー９は前記ボールチヤツク機構８
の前方にあつて作動体６の前端面との間に張設さ
れたスプリング等の弾撥部材１１で前方に付勢さ
れた摺動自在に配置されている。又、該スライダ
ー９は外面段部１２をホルダー１前端に取り付け
られた前ホルダー１３の内面段部１４に当接して
前端部分を前ホルダー１３前端より突出してい
る。尚、前記せる弾撥部材１１の張設位置は作動
体６の前端面に限らず、前ホルダー１３或いはホ
ルダー１内面であつてもよい。１５は前記チヤツ
ク２の内孔２ａに前方部分を挿入配置された金
属、樹脂よりなる案内管であり、該案内管１５は
使用する芯の外径よりも僅かに大きく、芯が２本
入り込まない内径を有しており、後部に嵌着され
たガイド１６をホルダー１の後端凹所１ａに嵌合
してホルダー１に固定されている。もつとも前記
案内管１５はガイド１６を用いずとも直接ホルダ
ー１に嵌入するようにしてもよい。このようにチ
ヤツク２の内孔２ａの内径は使用する芯が0.3mm、
0.5mmといつた細径である場合でも何ら加工上の
問題を生ずることなく、案内管１５の外径よりも
大きな径で容易に形成することができる。かよう
な案内管１５の内孔２ａへの挿入位置は、チヤツ
ク内孔２ａの中間部あれば図示例に限らず、適当
で良いが、案内管１５の外径と内孔２ａの内径と
にあまり差がない場合は、チヤツク２の開閉に支
障を生じぬ位置に設定する必要がある。

（考案の効果） 以上の如く、チヤツクの内孔にホルダーに固定
された案内管を挿入配置してなる本考案によれ
ば、0.3mm，0.5mmといつた細径の芯を使用する場
合でもチヤツクには案内管の外径よりも大きな径
の内孔を何ら加工上無理なく形成することがで
き、該内孔に挿入配置された案内管で芯を１本づ
つ確実にチヤツクに供給することができる。又、
案内管はホルダーに固定されているので、芯の繰
り出し及び筆記時におけるチヤツクの横ブレを規
制することができ、該チヤツクの横ブレによつて
生ずる芯折損の問題を未然に防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す縦断面図、第２
図は従来例を示す縦断面図である。 １……ホルダー、２……チヤツク、２ａ……内
孔、８……ボールチヤツク機構、９……スライダ
ー、１０……保持部材、１１……弾撥部材、１５
……案内管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鉛芯の前進は許容するが、その後退を楔作用に
   て妨げることが可能なボールチヤツク機構をホル
   ダー内に配置するとともに該ボールチヤツク機構
   の前方に保持部材を有するスライダーを弾撥部材
   により前方に付勢し摺動自在に配置してなる画線
   ヘツドにおいて、ホルダー内に案内管を固定する
   とともに、該案内管をボールチヤツク機構のチヤ
   ツク内孔中間部まで挿入したことを特徴とする自
   動製図機の画線ヘツド。