JPH04350138A - 耐食性に優れたチタン合金 - Google Patents
耐食性に優れたチタン合金Info
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- JPH04350138A JPH04350138A JP91203744A JP20374491A JPH04350138A JP H04350138 A JPH04350138 A JP H04350138A JP 91203744 A JP91203744 A JP 91203744A JP 20374491 A JP20374491 A JP 20374491A JP H04350138 A JPH04350138 A JP H04350138A
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C14/00—Alloys based on titanium
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- Metallurgy (AREA)
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- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性に優れたチタン
合金に関するものであり、特に酸化剤を含む高温・高濃
度の非酸化性酸中においても優れた耐食性を示すMo−
Cr系チタン合金並びにMo−Cr−Ruその他の白金
族元素系チタン合金に関するものである。
合金に関するものであり、特に酸化剤を含む高温・高濃
度の非酸化性酸中においても優れた耐食性を示すMo−
Cr系チタン合金並びにMo−Cr−Ruその他の白金
族元素系チタン合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、化学工業はめざましい発展を示し
、新しいプロセスの開発や既存のプロセスの省力化並び
に効率化が次々と進んでいる。それにともない、装置材
料にも塩酸や硫酸等を代表とする非酸化性酸のような過
酷な腐食環境における耐食性が要求されるようになって
きた。特に、最近では、高温・高濃度の非酸化性酸の使
用が増え、装置材料の腐食環境はますます厳しくなって
きている。また、環境問題に関わる廃液、廃ガス、廃棄
物処理においても、その処理プロセスにおいて、高温・
高濃度の塩酸や硫酸が関与することが多く、それに耐え
うる装置材料が要求されている。以上の背景に加えて最
近では、経済的な観点から装置材料におけるイニシャル
コストのみよりも保守及び保全が容易であることを考慮
してのトータルコストの面が重視されるようになり、上
記環境で高価な高級耐食性材料を使用する例が増加して
いる。
、新しいプロセスの開発や既存のプロセスの省力化並び
に効率化が次々と進んでいる。それにともない、装置材
料にも塩酸や硫酸等を代表とする非酸化性酸のような過
酷な腐食環境における耐食性が要求されるようになって
きた。特に、最近では、高温・高濃度の非酸化性酸の使
用が増え、装置材料の腐食環境はますます厳しくなって
きている。また、環境問題に関わる廃液、廃ガス、廃棄
物処理においても、その処理プロセスにおいて、高温・
高濃度の塩酸や硫酸が関与することが多く、それに耐え
うる装置材料が要求されている。以上の背景に加えて最
近では、経済的な観点から装置材料におけるイニシャル
コストのみよりも保守及び保全が容易であることを考慮
してのトータルコストの面が重視されるようになり、上
記環境で高価な高級耐食性材料を使用する例が増加して
いる。
【0003】このような耐食性材料は、金属材料と非金
属材料とに大別され、その特性に応じて各分野で利用さ
れている。特に金属材料は、伝熱性を要求される熱交換
器の分野や靭性を要求される設備基幹部分の分野で用い
られていることから、耐食性への信頼性及び経済性を兼
ね備えた金属材料が強く要望されている。
属材料とに大別され、その特性に応じて各分野で利用さ
れている。特に金属材料は、伝熱性を要求される熱交換
器の分野や靭性を要求される設備基幹部分の分野で用い
られていることから、耐食性への信頼性及び経済性を兼
ね備えた金属材料が強く要望されている。
【0004】現在、こうした高温・高濃度の非酸化性酸
中で用いられる金属材料としては、Nb、Ta、Zr、
ハステロイ及び耐食性チタン合金が知られている。しか
しながら、Nb及びTaは、耐食性には優れているもの
の極めて高価であるため、工業的な利用が制限され、ま
た、Zr及びハステロイは、Cl− の存在により耐食
性が劣化するという問題を抱えている。
中で用いられる金属材料としては、Nb、Ta、Zr、
ハステロイ及び耐食性チタン合金が知られている。しか
しながら、Nb及びTaは、耐食性には優れているもの
の極めて高価であるため、工業的な利用が制限され、ま
た、Zr及びハステロイは、Cl− の存在により耐食
性が劣化するという問題を抱えている。
【0005】一方、耐食性チタン合金については、Ti
−Pd合金等が知られているが、これらチタン合金は、
塩酸や硫酸のような非酸化性酸に対しては耐食性が不十
分である。Moを数十%添加したTi−Mo合金(例え
ば、TRANSACTIONS OF THE
ASM、286頁、VOL54、1961年−STER
N等著−参照)並びに安価な貴金属であるRuを更に微
量添加して一段と耐食性を向上させたTi−Mo−Ru
合金(特願平01−337389参照)が塩酸や硫酸に
対し優れた耐食性を示す。これらのTi−Mo−(Ru
)合金は、組織が均一なβ相であるため加工性に優れて
おり、装置用材料として種々の形状に加工することがで
きる。さらに、これら合金は、Nb、Taよりは安価な
Moを使用するため、他の高級耐食材料に比較して経済
性にも優れている。
−Pd合金等が知られているが、これらチタン合金は、
塩酸や硫酸のような非酸化性酸に対しては耐食性が不十
分である。Moを数十%添加したTi−Mo合金(例え
ば、TRANSACTIONS OF THE
ASM、286頁、VOL54、1961年−STER
N等著−参照)並びに安価な貴金属であるRuを更に微
量添加して一段と耐食性を向上させたTi−Mo−Ru
合金(特願平01−337389参照)が塩酸や硫酸に
対し優れた耐食性を示す。これらのTi−Mo−(Ru
)合金は、組織が均一なβ相であるため加工性に優れて
おり、装置用材料として種々の形状に加工することがで
きる。さらに、これら合金は、Nb、Taよりは安価な
Moを使用するため、他の高級耐食材料に比較して経済
性にも優れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Ti−
Mo−(Ru)合金は、確かに、不純物の存在しない塩
酸や硫酸のような非酸化性酸中では優れた耐食性を示す
が、非酸化性酸中に不純物としてわずか数ppmの酸化
剤が混入すると、Moの過不働態化によって耐食性が著
しく劣化するという問題点を呈する。一般に、実環境で
はFe3+やCu2+の微量の不純物イオンや溶液中の
溶存酸素等の酸化剤が混入するのが普通であるために、
これらの酸化剤によって耐食性が劣化するというのは致
命的な欠点であり、そのためにTi−Mo−(Ru)合
金の工業的な利用は著しく制限されていた。以上のよう
に、Ti−Mo−(Ru)合金は、非酸化性酸に対して
非常に優れた耐食性、加工性、経済性を有しているにも
かかわらず、微量の酸化剤によって耐食性が著しく劣化
するという工業材料として致命的な欠点を有していた。
Mo−(Ru)合金は、確かに、不純物の存在しない塩
酸や硫酸のような非酸化性酸中では優れた耐食性を示す
が、非酸化性酸中に不純物としてわずか数ppmの酸化
剤が混入すると、Moの過不働態化によって耐食性が著
しく劣化するという問題点を呈する。一般に、実環境で
はFe3+やCu2+の微量の不純物イオンや溶液中の
溶存酸素等の酸化剤が混入するのが普通であるために、
これらの酸化剤によって耐食性が劣化するというのは致
命的な欠点であり、そのためにTi−Mo−(Ru)合
金の工業的な利用は著しく制限されていた。以上のよう
に、Ti−Mo−(Ru)合金は、非酸化性酸に対して
非常に優れた耐食性、加工性、経済性を有しているにも
かかわらず、微量の酸化剤によって耐食性が著しく劣化
するという工業材料として致命的な欠点を有していた。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、酸化剤の存在する非酸化性酸の非常にきびしい
腐食環境でも優れた耐食性を示し、かつ加工性及び経済
性にも優れた耐食性材料を提供することを課題としてい
る。
であり、酸化剤の存在する非酸化性酸の非常にきびしい
腐食環境でも優れた耐食性を示し、かつ加工性及び経済
性にも優れた耐食性材料を提供することを課題としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、多くの検討
の結果、Ti−Mo合金にCrを更に添加した合金が酸
化剤の存在する非酸化性酸の非常にきびしい腐食環境で
も優れた耐食性を示すことを見出すに至った。更に、T
i−Mo−Ru等の白金族元素一般合金にCrを添加す
ると一層優れた耐食性を示すことも判明した。本発明は
、この知見に基づいて、(1)Mo:10〜40wt%
及びCr:0.1〜15wt%を含有しそして残部がT
iと不可避的不純物とからなる耐食性に優れたチタン合
金、並びに(2)Mo:10〜40wt%、Cr:0.
1〜15wt%及びRu、Ir、Os、Pd、Pt、R
hの1種以上:0.01〜2.0wt%(合計量)を含
有しそして残部がTiと不可避的不純物とからなる耐食
性に優れたチタン合金を提供するものである。
の結果、Ti−Mo合金にCrを更に添加した合金が酸
化剤の存在する非酸化性酸の非常にきびしい腐食環境で
も優れた耐食性を示すことを見出すに至った。更に、T
i−Mo−Ru等の白金族元素一般合金にCrを添加す
ると一層優れた耐食性を示すことも判明した。本発明は
、この知見に基づいて、(1)Mo:10〜40wt%
及びCr:0.1〜15wt%を含有しそして残部がT
iと不可避的不純物とからなる耐食性に優れたチタン合
金、並びに(2)Mo:10〜40wt%、Cr:0.
1〜15wt%及びRu、Ir、Os、Pd、Pt、R
hの1種以上:0.01〜2.0wt%(合計量)を含
有しそして残部がTiと不可避的不純物とからなる耐食
性に優れたチタン合金を提供するものである。
【0009】
【作用】本発明チタン合金において、Moを添加するの
は、Moを添加することで材料表面にMoの濃縮した保
護皮膜が形成され、塩酸や硫酸等の非酸化性酸中での耐
食性が著しく改善されるためである。しかし、これだけ
では環境中に数ppm程度の酸化剤が共存した場合、M
oの溶出によって耐食性が著しく劣化する。そのため、
更にCrを添加する必要がある。Crを添加することで
Moの溶出が抑制され環境中の酸化剤による耐食性の劣
化を防止することができる。
は、Moを添加することで材料表面にMoの濃縮した保
護皮膜が形成され、塩酸や硫酸等の非酸化性酸中での耐
食性が著しく改善されるためである。しかし、これだけ
では環境中に数ppm程度の酸化剤が共存した場合、M
oの溶出によって耐食性が著しく劣化する。そのため、
更にCrを添加する必要がある。Crを添加することで
Moの溶出が抑制され環境中の酸化剤による耐食性の劣
化を防止することができる。
【0010】Ru、Ir、Os、Pd、Pt、Rhの白
金族元素を更に1種以上含むTi−Mo−(白金族元素
)合金は更に耐食性に優れる。Crを更に添加すること
で酸化剤存在下での耐食性は著しく改善される。
金族元素を更に1種以上含むTi−Mo−(白金族元素
)合金は更に耐食性に優れる。Crを更に添加すること
で酸化剤存在下での耐食性は著しく改善される。
【0011】本発明合金は、以上の作用によって、酸化
剤の存在する高温・高濃度の非酸化性酸中でも優れた耐
食性を示す。
剤の存在する高温・高濃度の非酸化性酸中でも優れた耐
食性を示す。
【0012】ここでMoの含有量の下限を10wt%と
したのは、これより少ない量では表面保護皮膜の形成が
不十分であり、耐食性の向上が期待できないためであり
、またMoの含有量の上限を40wt%としたのは、こ
れより多くMoを添加しても耐食性の向上は僅かであり
、しかも高融点でかつ偏析しやすいMoを大量に含有す
ることから均質なインゴットを得ることが難しく、更に
熱間及び冷間加工性も悪化するためである。
したのは、これより少ない量では表面保護皮膜の形成が
不十分であり、耐食性の向上が期待できないためであり
、またMoの含有量の上限を40wt%としたのは、こ
れより多くMoを添加しても耐食性の向上は僅かであり
、しかも高融点でかつ偏析しやすいMoを大量に含有す
ることから均質なインゴットを得ることが難しく、更に
熱間及び冷間加工性も悪化するためである。
【0013】次に、Crの含有量の下限を0.1wt%
としたのは、これより少ない量では前述のCrの作用効
果が不十分であり、従って酸化剤存在下での耐食性の改
善に効果が不十分なためであり、他方その上限を15w
t%としたのは、これを超えて添加すると加工性が劣化
し、板や条の製造が困難となるためである。
としたのは、これより少ない量では前述のCrの作用効
果が不十分であり、従って酸化剤存在下での耐食性の改
善に効果が不十分なためであり、他方その上限を15w
t%としたのは、これを超えて添加すると加工性が劣化
し、板や条の製造が困難となるためである。
【0014】更に、Ru、Ir、Os、Pd、Pt、R
hの白金族元素の1種以上の含有量の下限を0.01w
t%としたのは、これより少ない量では十分な耐食性の
改善が確保できないためであり、他方上限を2.0wt
%としたのは特性上の効果が飽和することから、経済的
な不利を避けるためである。
hの白金族元素の1種以上の含有量の下限を0.01w
t%としたのは、これより少ない量では十分な耐食性の
改善が確保できないためであり、他方上限を2.0wt
%としたのは特性上の効果が飽和することから、経済的
な不利を避けるためである。
【0015】以上の本発明合金、すなわちTi−Mo合
金或いはTi−Mo−Ru等の白金族元素合金にCrを
添加した合金は、酸化剤の存在する高温高濃度の非酸化
性環境中での耐食性が著しく優れており、工業的に十分
な耐食性を発揮する。
金或いはTi−Mo−Ru等の白金族元素合金にCrを
添加した合金は、酸化剤の存在する高温高濃度の非酸化
性環境中での耐食性が著しく優れており、工業的に十分
な耐食性を発揮する。
【0016】さらに、本発明合金では、Mo、Crの添
加により上記本発明の範囲内での金属組織が加工性のよ
い単一β相となるため、熱間加工性はいうにおよばず、
冷間加工性も極めて優れており、板、条、線等に加工で
きる。さらに、曲げ加工、プレス加工の成形加工によっ
て装置材料として必要な種々の形状に容易に加工するこ
とができる。
加により上記本発明の範囲内での金属組織が加工性のよ
い単一β相となるため、熱間加工性はいうにおよばず、
冷間加工性も極めて優れており、板、条、線等に加工で
きる。さらに、曲げ加工、プレス加工の成形加工によっ
て装置材料として必要な種々の形状に容易に加工するこ
とができる。
【0017】
【実施例及び比較例】次に、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。試験材料としてはTiにMo及びC
r更にはRu、Ir、Os、Pd、Pt、Rhの1種以
上を所定量添加したボタンインゴットを溶製し、熱間圧
延および冷間圧延によって2mmの厚さに仕上げた。更
に、比較材としてTi−Mo合金、Ti−Mo−白金族
元素合金及びハステロイC−276を用意した。これら
の試験材を冷間圧延後、20mm×20mmの板に切断
し、溶体化処理後表面を600番研摩紙で仕上げ、表面
を清浄化して、酸化剤としてFe3+を所定量添加した
10%沸騰塩酸中で全面腐食試験に供し腐食速度を算出
した。また、冷間圧延時のエッヂ割れの状態を観察した
。 その結果を表1に示す。
基づいて説明する。試験材料としてはTiにMo及びC
r更にはRu、Ir、Os、Pd、Pt、Rhの1種以
上を所定量添加したボタンインゴットを溶製し、熱間圧
延および冷間圧延によって2mmの厚さに仕上げた。更
に、比較材としてTi−Mo合金、Ti−Mo−白金族
元素合金及びハステロイC−276を用意した。これら
の試験材を冷間圧延後、20mm×20mmの板に切断
し、溶体化処理後表面を600番研摩紙で仕上げ、表面
を清浄化して、酸化剤としてFe3+を所定量添加した
10%沸騰塩酸中で全面腐食試験に供し腐食速度を算出
した。また、冷間圧延時のエッヂ割れの状態を観察した
。 その結果を表1に示す。
【0018】表1において、No.1〜No.5は、M
oを5wt%〜50wt%まで変化させたものである。 酸化剤がない場合(Fe3+無添加)、Mo10wt%
から耐食性は顕著に向上するが、他方40wt%を超え
ると冷間加工性が極端に悪化する。よって、Moの添加
量を10wt%〜40wt%とした。しかし、これらの
合金もFe3+を添加すると耐食性が著しく劣化するこ
とがわかる。
oを5wt%〜50wt%まで変化させたものである。 酸化剤がない場合(Fe3+無添加)、Mo10wt%
から耐食性は顕著に向上するが、他方40wt%を超え
ると冷間加工性が極端に悪化する。よって、Moの添加
量を10wt%〜40wt%とした。しかし、これらの
合金もFe3+を添加すると耐食性が著しく劣化するこ
とがわかる。
【0019】No.6〜No.10は、Ti−20wt
%Moに、Crを0.05wt%〜20wt%添加した
ものである。Cr0.05wt%添加したもの(No.
6)は、Fe3+の増加に伴い耐食性は劣化し、Crに
よる改善効果は認められない。Crを0.1wt%以上
添加してはじめてFe3+添加時の耐食性は改善される
。そのため、Crの添加量の下限を0.1wt%とした
。ところが、Cr量が15.0wt%を超えると、冷間
圧延時のエッヂ割れが激しく加工性が悪化する。そこで
Crの上限を15.0wt%とする必要がある。
%Moに、Crを0.05wt%〜20wt%添加した
ものである。Cr0.05wt%添加したもの(No.
6)は、Fe3+の増加に伴い耐食性は劣化し、Crに
よる改善効果は認められない。Crを0.1wt%以上
添加してはじめてFe3+添加時の耐食性は改善される
。そのため、Crの添加量の下限を0.1wt%とした
。ところが、Cr量が15.0wt%を超えると、冷間
圧延時のエッヂ割れが激しく加工性が悪化する。そこで
Crの上限を15.0wt%とする必要がある。
【0020】次に、No.11〜No.15は、Ti−
20wt%Mo合金にRuを0.005wt%〜4.0
wt%まで添加したものである。酸化剤がない場合(F
e3+無添加)、Ruを0.01wt%以上添加するこ
とで、Ti−20wt%Moよりも更に耐食性は向上す
る。よって、Ruの下限を0.01wt%とする必要が
ある。一方、Ru2.0wt%を超えると耐食性は飽和
するため高価なRuをさらに添加する必要はなくなる。 このため、Ruの範囲の上限を2.0wt%とした。し
かし、このTi−Mo−Ru合金もFe3+の増加にと
もない耐食性は著しく劣化することがわかる。
20wt%Mo合金にRuを0.005wt%〜4.0
wt%まで添加したものである。酸化剤がない場合(F
e3+無添加)、Ruを0.01wt%以上添加するこ
とで、Ti−20wt%Moよりも更に耐食性は向上す
る。よって、Ruの下限を0.01wt%とする必要が
ある。一方、Ru2.0wt%を超えると耐食性は飽和
するため高価なRuをさらに添加する必要はなくなる。 このため、Ruの範囲の上限を2.0wt%とした。し
かし、このTi−Mo−Ru合金もFe3+の増加にと
もない耐食性は著しく劣化することがわかる。
【0021】No.16〜No.20は、Ti−20w
t%Mo−0.1wt%RuにCrを0.05wt%か
ら20.0wt%まで添加したものであるが、Cr量が
0.1wt%以上になるとFe3+添加時の耐食性を改
善され酸化剤の有無にかかわらず優れた耐食性を示すよ
うになる。ただし、Crの添加量が15wt%を超える
と冷間加工性が極端に悪化する。そこで、Ti−Mo−
Ru合金においてもTi−Mo合金の場合と同様にして
Crの添加量を0.1wt%〜15.0wt%とする必
要がある。
t%Mo−0.1wt%RuにCrを0.05wt%か
ら20.0wt%まで添加したものであるが、Cr量が
0.1wt%以上になるとFe3+添加時の耐食性を改
善され酸化剤の有無にかかわらず優れた耐食性を示すよ
うになる。ただし、Crの添加量が15wt%を超える
と冷間加工性が極端に悪化する。そこで、Ti−Mo−
Ru合金においてもTi−Mo合金の場合と同様にして
Crの添加量を0.1wt%〜15.0wt%とする必
要がある。
【0022】表2〜4に示すように、No.21〜No
.70は、同様な方法によりIr、Os、Pd、Pt、
Rh、Auの白金族元素及びCrの耐食性に与える効果
を調べたものであるが、その傾向はTi−Mo−Ru合
金の場合と同様であった。
.70は、同様な方法によりIr、Os、Pd、Pt、
Rh、Auの白金族元素及びCrの耐食性に与える効果
を調べたものであるが、その傾向はTi−Mo−Ru合
金の場合と同様であった。
【0023】No.71〜No.78はRu、Ir、O
s、Pd、Pt、Rh、Auを複合添加したものの効果
を調べたものであるがいずれも単独添加と同様にCr添
加の効果が得られることがわかった。そこで、これらの
添加元素の合計を0.01wt%〜2.0wt%とした
。
s、Pd、Pt、Rh、Auを複合添加したものの効果
を調べたものであるがいずれも単独添加と同様にCr添
加の効果が得られることがわかった。そこで、これらの
添加元素の合計を0.01wt%〜2.0wt%とした
。
【0024】No.79には比較材であるハステロイC
−276の結果を示す。本発明合金はFe3+の添加量
にかかわらずハステロイC−276よりも耐食性に優れ
ていることが理解される。
−276の結果を示す。本発明合金はFe3+の添加量
にかかわらずハステロイC−276よりも耐食性に優れ
ていることが理解される。
【0025】以上、本発明の合金はTi−Mo合金及び
白金族元素を含むTi−Mo合金にCrを添加すること
で酸化剤を含む高温高濃度の非酸化性酸中での耐食性が
著しく改善することが確認される。
白金族元素を含むTi−Mo合金にCrを添加すること
で酸化剤を含む高温高濃度の非酸化性酸中での耐食性が
著しく改善することが確認される。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【発明の効果】本発明合金は、酸化剤の存在する高温高
濃度の非酸化性酸中で優れた耐食性を示す。更に、本発
明合金はβ相が主体の金属組織となっているため加工性
にも優れ、さらに従来の高級耐食性材料よりも安価であ
るため、化学装置材料として工業的に著しい効果を発揮
するものである。
濃度の非酸化性酸中で優れた耐食性を示す。更に、本発
明合金はβ相が主体の金属組織となっているため加工性
にも優れ、さらに従来の高級耐食性材料よりも安価であ
るため、化学装置材料として工業的に著しい効果を発揮
するものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 Mo:10 〜40wt%、及びC
r:0.1〜15wt% を含有しそして残部がTiと不可避的不純物とからなる
耐食性に優れたチタン合金。 - 【請求項2】 Mo:10 〜40wt%、Cr:
0.1〜15wt%、並びに Ru、Ir、Os、Pd、Pt、及びRhの1種以上:
0.01〜2.0wt%(合計量) を含有しそして残部がTiと不可避的不純物とからなる
耐食性に優れたチタン合金。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP91203744A JPH04350138A (ja) | 1990-12-26 | 1991-07-19 | 耐食性に優れたチタン合金 |
US07/797,529 US5238647A (en) | 1990-12-26 | 1991-11-25 | Titanium alloys with excellent corrosion resistance |
GB9126191A GB2251440B (en) | 1990-12-26 | 1991-12-10 | Titanium alloys with excellent corrosion resistance |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41397790 | 1990-12-26 | ||
JP2-413977 | 1990-12-26 | ||
JP91203744A JPH04350138A (ja) | 1990-12-26 | 1991-07-19 | 耐食性に優れたチタン合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04350138A true JPH04350138A (ja) | 1992-12-04 |
Family
ID=26514090
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP91203744A Pending JPH04350138A (ja) | 1990-12-26 | 1991-07-19 | 耐食性に優れたチタン合金 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5238647A (ja) |
JP (1) | JPH04350138A (ja) |
GB (1) | GB2251440B (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010011492A (ko) * | 1999-07-28 | 2001-02-15 | 황한규 | 에어컨의 운전제어방법 |
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US8048572B2 (en) * | 2008-07-11 | 2011-11-01 | Eliot Samuel Gerber | Long life lead acid battery having titanium core grids and method of their production |
US7732098B2 (en) * | 2008-07-11 | 2010-06-08 | Eliot Gerber | Lead acid battery having ultra-thin titanium grids |
US8232005B2 (en) | 2008-11-17 | 2012-07-31 | Eliot Gerber | Lead acid battery with titanium core grids and carbon based grids |
CN107746996A (zh) * | 2012-08-10 | 2018-03-02 | 新日铁住金株式会社 | 钛合金材料 |
RU2619535C1 (ru) * | 2016-07-12 | 2017-05-16 | Юлия Алексеевна Щепочкина | Сплав на основе титана |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2588007A (en) * | 1948-10-05 | 1952-03-04 | Battelle Development Corp | Titanium-molybdenum-chromium alloys |
GB710584A (en) * | 1952-02-28 | 1954-06-16 | Battelle Development Corp | Titanium-molybdenum-chromium alloys |
US2829974A (en) * | 1952-10-08 | 1958-04-08 | Rem Cru Titanium Inc | Titanium-base alloys |
GB838519A (en) * | 1956-07-23 | 1960-06-22 | Crucible Steel Co America | Stable beta containing alloys of titanium |
US2819960A (en) * | 1956-11-15 | 1958-01-14 | Rem Cru Titanium Inc | Formable acid resistant titanium alloys |
US2857269A (en) * | 1957-07-11 | 1958-10-21 | Crucible Steel Co America | Titanium base alloy and method of processing same |
US3063835A (en) * | 1959-06-18 | 1962-11-13 | Union Carbide Corp | Corrosion-resistant alloys |
JPS556471A (en) * | 1978-06-29 | 1980-01-17 | Toshiba Corp | Titanium alloy of superior vibration damping ability and production thereof |
US4666666A (en) * | 1984-11-22 | 1987-05-19 | Nippon Mining Co., Ltd. | Corrosion-resistant titanium-base alloy |
-
1991
- 1991-07-19 JP JP91203744A patent/JPH04350138A/ja active Pending
- 1991-11-25 US US07/797,529 patent/US5238647A/en not_active Expired - Fee Related
- 1991-12-10 GB GB9126191A patent/GB2251440B/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010011492A (ko) * | 1999-07-28 | 2001-02-15 | 황한규 | 에어컨의 운전제어방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
GB2251440B (en) | 1994-05-04 |
GB2251440A (en) | 1992-07-08 |
GB9126191D0 (en) | 1992-02-12 |
US5238647A (en) | 1993-08-24 |
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Date | Code | Title | Description |
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