JP2593158B2 - 耐食性及び加工性に優れたチタン基合金材の製造方法 - Google Patents

耐食性及び加工性に優れたチタン基合金材の製造方法

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JP2593158B2 JP62175863A JP17586387A JP2593158B2 JP 2593158 B2 JP2593158 B2 JP 2593158B2 JP 62175863 A JP62175863 A JP 62175863A JP 17586387 A JP17586387 A JP 17586387A JP 2593158 B2 JP2593158 B2 JP 2593158B2
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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は腐食性の強い環境下で使用される加工性に優
れた耐食性チタン基合金材の製造方法に関する。
[従来の技術] チタンは耐食性に優れているので、従来の耐食性金属
に替って広く工業用材料として使われるようになってき
ている。特に硝酸、クロム酸、塩素酸、二酸化塩素、又
は塩素酸塩等のような酸化性腐食環境並びに海水その他
塩化物を含む腐食環境において優れている。しかしなが
ら、塩酸、硫酸などのような非酸化性酸においては、上
記のような環境下で使用するほど威力を発揮しない。そ
のためこの点を改良する合金として、Ti−Ni合金が開発
された。
[発明が解決しようとする問題点] 上記Ti−Ni合金は、ニッケルを添加するので、加工性
が著しく悪くなる欠点を有している。そしてこの合金は
ニッケルの添加量を少なくすることにより、加工性の低
下を少なくすることができるが、耐食性の向上がのぞめ
なくなり、加工性を低下させずに耐食性を向上させるこ
とは事実上不可能であった。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は上記問題点を解決する方法を検討したとこ
ろ、含有金属元素の量及び熱処理温度が大きな影響をも
つことがわかり、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明はルテニウム、パラジウムのうち1
種以上合計で0.005wt%〜2.0wt%、1.7wt%以下のコバ
ルトと1.0wt%以下のバナジウムのうち1種以上合計で
0.05wt%〜2.0wt%を含み、さらに酸素含有量0.15wt%
以下及び鉄含有量0.15wt%以下に規制し、残部が実質的
にチタンよりなるチタン基合金を600℃〜690℃の温度で
熱処理することを特徴とする耐食性及び加工性に優れた
チタン基合金材の製造方法である。
本発明においてルテニウム、パラジウムを添加するの
はこれらの添加元素により著しく耐食性を向上させるこ
とができるためであるが、これらの金属はチタンに比べ
て非常に高価であるため、あまり多くを添加することは
経済的でない。したがってその上限を合計で2.0wt%と
した。下限を0.005wt%としたのは、これより少ない含
有量では耐食性向上の効果がみられないためである。
又、コバルト、バナジウムは前記ルテニウム、パラジ
ウムとの相乗効果により、さらに耐食性を向上させるた
めであるが、上限をそれぞれ規制したのはそれより多く
含有すると延性の低下が起こり始め、加工性が悪くなる
ためであり、下限を全体で0.05wt%としたのは、それよ
り少い量では耐食性の向上に役立たないからである。
又、加工性を改善するためには、酸素濃度を0.15wt%
以下及び鉄濃度を0.15wt%以下にする必要がある。
以上の組成の面だけでなく、加工性及び耐食性に大き
く影響を与える因子に熱処理がある。一般に金属は加工
するにしたがい硬化してゆくため必ず熱処理を行い、加
工性を回復させる工程がとられるが、この時の熱処理条
件をあやまると加工性がかえって悪くなったり、耐食性
を低下することがある。
本発明において熱処理温度を600℃以上としたのは、
これより低い温度では良好な加工性が得られないためで
あり、上限を690℃としたのは、耐食性の点では相変態
を起こさない750℃以下で良いものの、加工性の点で690
℃以下で良好な加工性が得られると考えたからである。
[実施例] 第1表No.1〜15にチタン基合金(as Roll材)の組成
を示し、又比較材としてNo.16、No.17に純チタンおよび
Ti−0.5Niを示す。これら各材料を各種熱処理した場合
の耐食性を第1表に併せて示す。腐食速度は沸騰1wt%H
Cl溶液を用い、これに材料を24時間浸漬する方法を用い
て求めた。又、すきま腐食試験は供試材表面にポリスチ
レンフィルムを塗り、10%NaCl沸騰水溶液に浸漬させ、
10時間毎に試験片を観察し、すきま腐食発生の有無をた
しかめた。なお、No.1〜15のチタン合金の酸素含有量は
0.07wt%〜0.1wt%の範囲にあり、鉄含有量は0.02wt%
〜0.04wt%の範囲にある。
第1表よりわかるように、No.16の純チタンに比べNo.
1〜15のすべての合金の耐食性が著しく向上している
が、その中でも熱処理温度が600℃、690℃の場合が800
℃焼鈍材より明らかに耐食性が向上しているのがわか
る。したがって熱処理温度が相変態する750℃以上にす
べきでないことがわかる。
次に加工性について述べる。
第2表は各種添加金属の含有量を変化させたチタン合
金を600℃、690℃、800℃で熱処理し、曲げ加工性がど
う変化するかを調べた結果である。No.1〜6はTi−Ru−
Co合金において、Co含有量及び熱処理温度を変化させた
ものである。なお、No.1〜30のチタン合金の酸素含有量
は0.06wt%〜0.08wt%の範囲にあり、鉄含有量は0.02wt
%〜0.03wt%の範囲にある。
まず、Co含有量が本発明の範囲内にある場合、熱処理
温度が600℃、690℃の場合には、非常に良い曲げ加工性
を有しているのに対し、変態点以上の800℃で熱処理し
たものは曲げ加工性が悪くなっている。又、Coの含有量
が本発明の範囲外と多くなると、いくら熱処理温度を変
えても効果がないことがわかる。以上の傾向はTi−Ru−
V、Ti−Pd−Co、Ti−Pd−Vのすべての合金に対し同様
であり、前記したようにV、Coの量の上限をもうける必
要があることがこの結果よりわかる。
さらに別な試験方法として引張り試験を行い、全伸び
の変化を調べたグラフを第1図に示す。この第1図より
わかるような、伸びの最大値は650℃で得られ、それよ
り温度が上昇しても低下しても伸びは劣る。従って、焼
鈍温度範囲としては最大の伸びからあまり伸びの低下が
起こらない600℃以上690℃以下とすべきと考える。本特
許は、この実施例より熱処理温度範囲を600℃〜690℃と
決定した。又、Co濃度が2.1%の場合には、熱処理温度
にあまり関係なく伸びがでないこともわかる。以上の傾
向はTi−Ru−Co合金ばかりでなく、Ti−Ru−V、Ti−Pd
−Co、Ti−Pd−V合金でも同様であった。
次に酸素及び鉄含有量の影響を調べるため、Ti−0.05
Ru−0.5Co合金の酸素及び鉄含有量を変化させた供試材
について引張り試験を行い全伸びを測定した。その結果
を第2図に示す。この結果からわかるように、酸素含有
量が0.15wt%、鉄含有量が0.15wt%を越えると著しく伸
びがおちることがわかる。これより、酸素濃度0.15もの
は曲げ加工性が悪くなっている。又、Coの含有量が本発
明の範囲外と多くなると、いくら熱処理温度を変えても
効果がないことがわかる。以上の傾向はTi−Ru−V、Ti
−Pd−Co、Ti−Pd−Vのすべての合金に対し同様であ
り、前記したようにV、Coの量の上限をもうける必要が
あることがこの結果よりわかる。
さらに別な試験方法として引張り試験を行い、全伸び
の変化を調べたグラフを第1図に示す。この第1図より
わかるように、伸びの最大値は650℃で得られ、それよ
り温度が上昇しても低下しても伸びは劣る。従って、焼
鈍温度範囲としては最大の伸びからあまり伸びの低下が
起こらない600℃以上690℃以下とすべきと考える。本特
許は、この実施例より熱処理温度範囲を600℃〜690℃と
決定した。又、Co濃度が2.1%の場合には、熱処理温度
にあまり関係なく伸びがでないこともわかる。以上の傾
向はTi−Ru−Co合金ばかりでなく、Ti−Ru−V、Ti−Pd
−Co、Ti−Pd−V合金でも同様であった。
次に酸素及び鉄含有量の影響を調べるため、Ti−0.05
Ru−0.5Co合金の酸素及び鉄含有量を変化させた供試材
について引張り試験を行い全伸びを測定した。その結果
を第2図に示す。この結果からわかるように、酸素含有
量が0.15wt%、鉄含有量が0.15wt%を越えると著しく伸
びがおちることがわかる。これより、酸素濃度0.15wt%
以下、鉄含有量0.15wt%以下にする必要があることがわ
かった。
[発明の効果] 本発明の方法により製造されたチタン基合金は、耐食
性にすぐれ、しかも良好な加工性を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は本発明材の引張り試験結果を示すグラ
フである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ルテニウム、パラジウムのうち1種以上合
    計で0.005wt%〜2.0wt%、1.7wt%以下のコバルトと1.0
    wt%以下のバナジウムのうち1種以上合計で0.05wt%〜
    2.0wt%を含み、さらに酸素含有量0.15wt%以下及び鉄
    含有量0.15wt%以下に規制し、残部が実質的にチタンよ
    りなるチタン基合金を600℃〜690℃の温度で熱処理する
    ことを特徴とする耐食性及び加工性に優れたチタン基合
    金材の製造方法。
JP62175863A 1987-07-16 1987-07-16 耐食性及び加工性に優れたチタン基合金材の製造方法 Expired - Lifetime JP2593158B2 (ja)

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