JPH04329849A - 耐遅れ破壊性に優れた高強度ボルト用鋼 - Google Patents

耐遅れ破壊性に優れた高強度ボルト用鋼

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JPH04329849A
JPH04329849A JP10166291A JP10166291A JPH04329849A JP H04329849 A JPH04329849 A JP H04329849A JP 10166291 A JP10166291 A JP 10166291A JP 10166291 A JP10166291 A JP 10166291A JP H04329849 A JPH04329849 A JP H04329849A
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JP
Japan
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steel
delayed fracture
fracture resistance
strength
less
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JP10166291A
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Shoichi Ohashi
章一 大橋
Toshihiko Takahashi
高橋 稔彦
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は140kgf/mm2 
以上の引張強さを有し、かつ耐遅れ破壊性に優れた高張
力ボルト用鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、特に構造物の大型化、自動車や土
木機械等の軽量化に伴い、引張強さ120〜130kg
f/mm2 以上の高張力ボルトの開発が要求されてき
ている。 従来、高張力ボルトは、JIC G4105 SCM4
35及びJIC G4105 SCM435の低合金鋼
を焼入れ、焼き戻し処理を行い製造されているが、14
0kgf/mm2 以上の引張強さを有するボルトおい
ては、未だ世の中に広く普及しておらず、耐遅れ破壊性
が劣化することから、はるかに強度の低いF11Tクラ
スのボルトにおいてさえ、使用制限を受けているのが現
状である。
【0003】140kgf/mm2 以上の高張力ボル
トとして、例えば、特開昭60−114551号公報、
特開平2−145746号公報、特開平2−23234
0号公報等に各種成分の高強度鋼及びその製造方法が提
案されている。これらの発明は、遅れ破壊クラックは、
オーステナイト粒界を起点・伝播経路として発生するこ
とに注目し、粒界偏析元素の低減、粒の細粒化等により
粒界強化を図り、耐遅れ破壊性を改善しているものであ
る。
【0004】しかし、本発明者らは、遅れ破壊に関する
長年の研究により、鉄と鋼72(1986)S1518
に示すように、遅れ破壊は140kgf/mm2 以上
の材料においては、極めて微量の拡散性水素(0.3p
pm 以下)で誘起されることを明かにしており、単に
粒界強化だけでなく、鋼材に侵入し、拡散する水素自体
を抑制しなければ、完全に遅れ破壊に対する懸念を払い
のけることはできないことを示した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は140kgf
/mm2 以上の引張強さを有し、かつ耐遅れ破壊特性
に優れた高張力ボルト用鋼を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐遅れ破
壊性に優れた高張力ボルト用鋼の開発を進めた結果、鋼
材への水素侵入・拡散を抑制する成分として、Si及び
Niが極めて効果的であることを見出した。すなわち、
本発明の要旨とするところは、重量%で、C:0.20
〜0.50%、Si:0.5〜3.0%、Ni:0.5
〜3.0%、Mn:0.25〜1.5%、Cr:3.0
%以下、Mo:0.05〜1.0%、N:0.02%以
下なる量を含有し、更に必要に応じて、Al:0.00
5〜0.1%、Nb:0.01〜0.2%、Ti:0.
005〜0.05%、V:0.01〜0.5%、B:0
.0003〜0.005%の内の1種または2種以上含
有し、残部は実質的にFe及び不可避的不純物からなる
ことを特徴とする耐遅れ破壊性に優れた高強度ボルト用
鋼にあり、強度140kgf/mm2 以上に調質して
も、耐遅れ破壊性に優れていることを特徴としている。
【0007】
【作用】以下に、本発明における鋼の組成限定理由につ
いてのべる。 (a)C:0.20〜0.50% Cは、素材鋼に熱処理を加えることにより所要の強度を
付与するための有効な元素であり、その効果を得るため
には0.20%以上含有させることが必要である。しか
し、多すぎると靱性を劣化させると共に耐遅れ破壊性を
劣化させるので、0.50%以下としたが、できれば0
.30%以下が望ましい。
【0008】(b)Si:0.5〜3.0%Siは、鋼
の脱酸、強度増加に有効な元素であると同時に、鋼材へ
の水素侵入・拡散を抑制し、耐遅れ破壊性の向上にも有
効な元素であるが、その含有量が0.5%未満ではその
効果は得難く、できれば0.77%を越えることが望ま
しい。一方、その含有量が3.0%を越えると靱性の劣
化が著しくなるため、その含有量を0.5〜3.0%と
した。
【0009】(c)Ni:0.5〜3.0%Niは、鋼
の焼入性、強度、靱性及び耐腐食性の向上に効果がある
ばかりでなく、Siと同時に添加することにより、鋼材
への水素侵入・拡散を抑制し耐遅れ破壊を向上させる元
素であるが、その含有量が0.5%未満では、その効果
は得難く、できれば0.81%を越えることが望ましい
。一方、その含有量が、3.0%を越えると、効果が飽
和し、しかも比較的高価な元素なので、その含有量を0
.5〜3.0%とした。
【0010】図1にSi,Niの同時添加の効果を示す
。これは、各々10φ×100mmのサンプルを950
℃×30分で焼入れ、500℃×60分で焼戻し処理し
、36%塩酸に20分間浸漬し強制的に鋼中に水素をチ
ャージした後に、熱的分別法によりサンプルの水素放出
曲線を求めたものである。図から明らかなようにSi,
Ni同時添加したサンプルにおいて、250℃以下に見
られる拡散性水素の量が極めて少ないことがわかる。つ
まりSi,Niの同時添加が鋼中への水素侵入拡散を抑
制するのに非常に有効であることがわかる。
【0011】特開昭63−29314号公報では高Si
化することにより鋼中の水素の拡散を抑制し、しかもN
iを0.1〜4.0%、Zrを0.01〜0.15%の
範囲で添加することにより耐遅れ破壊性を改善できるこ
とが提案されているが、Si及びNiの添加量を上記の
ように適切な範囲内に制御し、しかも後述するように、
熱処理条件を適切にすれば、Zr等の高価な元素を添加
しなくとも、充分耐遅れ破壊性は改善可能である。
【0012】(d)Mn:0.25〜1.5%Mnは、
脱酸、脱硫に必要な元素であり、更に焼入性及び強度の
向上に有効であるので、0.25%以上必要であるが、
1.5%を越すと加工性が劣化するので、その含有量を
0.25〜1.5%とした。 (e)Cr:3.0%以下 Crは、焼入性、耐腐食性の向上に有効な元素であるが
、過剰になるとその効果が飽和し、むしろ、靱性が劣化
し焼戻も長時間要するので不経済であるので、3.0%
以下とすべきである。
【0013】(f)Mo:0.05〜1.0%Moは、
焼入性の向上に寄与すると同時に、結晶粒の微細化及び
粒界強化向上に寄与する元素であるが、0.05%未満
ではその効果は得難く、1.0%を越すと、その効果は
飽和するので、その含有量を0.05〜1.0%とした
。 (g)N:0.02%以下 Nは粒界に偏析し、粒界を著しく弱くする元素であるた
め、遅れ破壊を助長する有害な元素である。そのため含
有量を0.02%以下に抑制する必要がある。
【0014】(h)Al:0.005〜0.1%Alは
、鋼の脱酸の安定化、均質化及び細粒化を図るのに有効
な元素であるが、0.005%未満ではその効果を得る
ことはできず。一方、0.1%を越えて含有させても、
その効果は飽和してしまい、また介在物の増大による疵
が発生し、靱性が劣化するため、その含有量を0.00
5〜0.1%とした。
【0015】(i)V:0.01〜0.5%Vは、鋼を
細粒化し、さらに析出硬化して鋼の強度を向上させる作
用があるので、より高い強度が要求される場合に添加す
るが、0.01%未満ではその効果を得ることはできず
。一方、0.5%を越えて含有させても、その効果は飽
和してしまうため、その含有量を0.01〜0.5%と
した。
【0016】(j)Ti:0.005〜0.05%Ti
は、鋼を細粒化し、さらに析出硬化して鋼の強度を向上
させる作用があるので、より高い強度が要求される場合
に添加するが、0.005%未満ではその効果を得るこ
とはできず。一方、0.05%を越えて含有させても、
その効果は飽和してしまい、しかも被削性も劣化するよ
うになるため、その含有量を0.005〜0.05%と
した。
【0017】(k)Nb:0.01〜0.2%Nbは、
鋼を細粒化し、さらに析出硬化して鋼の強度を向上させ
る作用があるので、より高い強度が要求される場合に添
加するが、0.01%未満ではその効果を得ることはで
きず。一方、0.2%を越えて含有させても、その効果
は飽和してしまうため、その含有量を0.01%以上、
0.2%以下とした。
【0018】(l)B:0.0003〜0.005%B
は、鋼の焼入れ性を一段と向上させる作用があるので、
特に大型の製品で、より高い強度が要求される場合に添
加するが、0.0003%未満ではその効果を得ること
はできず。一方、0.005%を越えて含有させても、
その効果は飽和してしまい、しかも靱性も劣化させるた
め、0.0003〜0.005%とした。
【0019】組織は、上記組成の鋼で140kgf/m
m2 以上の引張り強さと良好な耐遅れ破壊性を有する
ためには、焼入れ焼戻し組織であることが望ましい。更
に焼戻し処理は、Si及びNiの水素侵入・拡散抑制効
果を充分に確保するため、できれば(1)(2)式の条
件を満足する事が望ましい。       T≦50×{〔Si〕+〔Ni〕}+77
3.15      (1)      T×(20+
logt)≦18500              
    (2)但し、Tは絶対温度表示の焼戻し処理温
度、tは時間表示の焼戻し処理時間、〔Si〕〔Ni〕
は重量%表示のSi及びNiの鋼中濃度である。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例により説明する。先ず
通常の方法により表1、表2(表1につづく)に示す成
分組成の鋼(符号1〜26)を溶製した。鋼1〜16は
本発明の範囲の組成を有している鋼で、鋼16〜26は
表1中の#印を付けた点において本発明の範囲から外れ
た鋼である。
【0021】各々について、強度を140〜160kg
f/mm2 のレベルに調質し、遅れ破壊評価試験を実
施した。 遅れ破壊評価試験は、図1に示す形状のノッチ付き試験
片を製作し実施した。この試験片の一端を固定し、他端
に荷重をかけることにより曲げ応力を加え、ノッチ部分
を酢酸ナトリウムと塩酸でPH=2に調整した溶液に浸
漬しつつ保持した。
【0022】荷重を変えて、曲げ応力と破断時間との関
係を調べ、遅れ破壊曲線を作成し、30時間以上破断せ
ずに維持できた荷重を下限界応力とし、30時間強度(
σB3Ohr ) /静的曲げ応力(σSB)の値、つ
まり30時間強度比で耐遅れ破壊性を評価した。結果を
表3に示すが、本発明鋼は耐遅れ破壊性に優れているこ
とは明らかである。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は140kg
f/mm2 以上の引張強さを有し、かつ耐遅れ破壊特
性に優れた高張力ボルト用鋼を提供するものである。例
えば、最近特に構造物の大型化、自動車や土木機械等の
軽量化に伴い、引張強さ140kgf/mm2 以上の
高張力ボルトの開発の要求が社会的に高まっているが、
これらのニーズに充分応えることが可能な耐遅れ破壊性
に優れた高張力ボルト用鋼を提供することが可能となる
【図面の簡単な説明】
【図1】Si,Ni同時添加の効果を示す図である。
【図2】遅れ破壊評価試験片形状を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  重量%で、C:0.20〜0.50%
    、Si:0.5〜3.0%、Ni:0.5〜3.0%、
    Mn:0.25〜1.5%、Cr:3.0%以下、Mo
    :0.05〜1.0%、N:0.02%以下含有し、残
    部は実質的にFe及び不可避的不純物からなることを特
    徴とする耐遅れ破壊性に優れた強度140kgf/mm
    2 以上の高強度ボルト用鋼。
  2. 【請求項2】  重量%で、C:0.20〜0.50%
    、Si:0.5〜3.0%、Ni:0.5〜3.0%、
    Mn:0.25〜1.5%、Cr:3.0%以下、Mo
    :0.05〜1.0%、N:0.02%以下に加えて、
    Al:0.005〜0.1%、Nb:0.01〜0.2
    %、Ti:0.005〜0.05%、V:0.01〜0
    .5%、B:0.0003〜0.005%の内の1種ま
    たは2種以上含有し、残部は実質的にFe及び不可避的
    不純物からなることを特徴とする耐遅れ破壊性に優れた
    強度140kgf/mm2 以上の高強度ボルト用鋼。
JP10166291A 1991-05-07 1991-05-07 耐遅れ破壊性に優れた高強度ボルト用鋼 Pending JPH04329849A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0657378A (ja) * 1992-08-13 1994-03-01 Nkk Corp 耐遅れ破壊特性に優れた高強度ボルト用鋼
CN107075631A (zh) * 2014-09-30 2017-08-18 株式会社神户制钢所 螺栓用钢和螺栓

Cited By (3)

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