JPH04318246A - 内燃機関の空燃比学習制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比学習制御装置

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JPH04318246A
JPH04318246A JP8672991A JP8672991A JPH04318246A JP H04318246 A JPH04318246 A JP H04318246A JP 8672991 A JP8672991 A JP 8672991A JP 8672991 A JP8672991 A JP 8672991A JP H04318246 A JPH04318246 A JP H04318246A
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JP
Japan
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air
fuel ratio
learning
area
region
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JP8672991A
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English (en)
Inventor
Shinpei Nakaniwa
伸平 中庭
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Japan Electronic Control Systems Co Ltd
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の空燃比学習制
御装置に関し、詳しくは、自動車用内燃機関における吸
入混合気の空燃比が目標空燃比に一致するように、運転
領域別に空燃比学習補正値を学習するよう構成された装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空燃比フィードバック補正制御機
能をもつ電子制御燃料噴射装置を備えた内燃機関におい
ては、特開昭60−90944号公報,特開昭61−1
90142号公報等に開示されるように、空燃比の学習
制御が採用されているものがある。
【0003】空燃比フィードバック補正制御は、目標空
燃比(例えば理論空燃比)に対する実際の空燃比のリッ
チ・リーンを機関排気系に設けた酸素センサにより判別
し、該判別結果に基づき空燃比フィードバック補正係数
LMDを比例・積分制御などにより設定し、機関に吸入
される空気量に関与する機関運転状態のパラメータ(例
えば吸入空気流量Qと機関回転速度N)から算出される
基本燃料噴射量Tpを、前記空燃比フィードバック補正
係数LMDで補正することで、実際の空燃比を目標空燃
比にフィードバック制御するものである。
【0004】ここで、前記空燃比フィードバック補正係
数LMDの基準値(目標収束値)からの偏差を、複数に
区分された運転領域毎に学習して学習補正係数KBLR
C(空燃比学習補正値)を定め、基本燃料噴射量Tpを
前記学習補正係数KBLRC により補正して、補正係
数LMDなしで得られるベース空燃比が略目標空燃比に
一致するようにし、空燃比フィードバック制御中は更に
前記補正係数LMDで補正して燃料噴射量Tiを演算す
るものである。
【0005】これにより、運転条件毎に異なる空燃比の
補正要求に対応した燃料補正が行え、空燃比フィードバ
ック補正係数LMDを基準値付近に安定させて、空燃比
制御性を向上させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に、運転領域別に学習補正係数KBLRC を学習させ
るときに、区分された運転領域の境界付近に実際の運転
条件が該当するときには、僅かな運転条件の変動によっ
て該当運転領域が変化することになってしまい、これに
より、各領域別の学習補正係数KBLRC が振れて空
燃比変動が発生するという問題があった。
【0007】かかる問題点を解消するためには、該当運
転領域の判別にヒステリシスを設け、運転条件の僅かな
変化に伴って、学習される該当運転領域がハンチングす
ることを防止すれば良い。即ち、例えば図21に示すよ
うな格子によって運転領域が区分され、運転領域間で矢
印方向に実際の運転条件が変化するときに、図中斜線部
に実際の運転条件が位置するときには、実際の該当領域
ではなく、前回までの該当領域を学習領域として継続的
に学習させるものであり、かかるヒステリシスの設定に
より、運転領域の境界付近で運転条件が変動しても、こ
れに伴って学習される領域がハンチングしてしまうこと
を防止できるようになる。
【0008】前述のようなヒステリシスの設定において
、比較的狭い運転領域においては、運転条件が当該領域
に止まっている機会が少ないから、他の領域からの運転
条件が移動してきたときには、早めに該当領域として判
別されるようにヒステリシスを比較的小さく設定し、狭
い運転領域での学習機会を確保できるようにすることが
好ましい。また、運転領域が狭い場合には、隣接する領
域に対して要求補正レベルの段差が小さいから、ヒステ
リシスを小さく設定して該当領域判別のハンチングが発
生し易くなっても、これに伴って学習補正係数が大きく
振れることがない。
【0009】一方、比較的広い運転領域においては、ヒ
ステリシスを小さく設定してあると、隣接する運転領域
に対して補正要求レベルの段差が大きいから、学習補正
係数の振れが大きくなってしまい好ましくなく、広い運
転領域では学習機会も充分に確保できるから逆にヒステ
リシスを比較的大きく設定することが望まれる。従って
、区分された運転領域個々の大きさが学習マップ上で大
小異なる場合には、ヒステリシスを一定とすると、狭い
運転領域での学習機会が減少したり、広い運転領域での
学習補正係数が大きく振れたりするという問題が発生し
、特に、運転領域を全体的に細かく区分し、その中で運
転領域の広さにばらつきがあると、上記の学習機会の減
少やハンチングがより問題点となる。このため、個々の
運転領域別にヒステリシス値を予め設定記憶させておき
、運転領域の大きさに対応したヒステリシス特性で学習
する領域の判別を行わせることが望まれるが、区分され
た運転領域別にヒステリシスのデータを持つことは、特
に運転領域の区分数が多い場合には多くの記憶容量を必
要とするという問題がある。
【0010】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、多くの記憶容量を必要とすることなく、学習マッ
プ上の個々の運転領域に適したヒステリシス特性で学習
領域を特定させることができるようにすることを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】そのため本発明にかかる
内燃機関の空燃比学習制御装置は、図1に示すように構
成される。図1において、機関運転条件検出手段は、機
関に吸入される空気量に関与する運転パラメータを少な
くとも含む機関運転条件を検出し、基本燃料供給量設定
手段は、前記検出された機関運転条件に基づいて基本燃
料供給量を設定する。
【0012】また、空燃比フィードバック補正値設定手
段は、空燃比検出手段で検出される機関吸入混合気の空
燃比と目標空燃比とを比較し、実際の空燃比を目標空燃
比に近づけるように前記基本燃料供給量を補正するため
の空燃比フィードバック補正値を設定する。更に、記憶
手段は、予め設定された機関運転条件パラメータの閾値
データに基づき複数に区分された運転領域毎に前記基本
燃料供給量を補正するための空燃比学習補正値を書き換
え可能に記憶している。
【0013】ここで、補正値演算手段は、記憶手段にお
ける閾値データ間の偏差の所定割合として前記閾値デー
タを補正するための補正値を演算し、該当領域判別手段
は、記憶手段において予め設定された前記閾値データ及
び前記演算された補正値に基づき該当運転領域の変化を
抑止する方向に補正された閾値データに基づいて記憶手
段における複数の運転領域中での該当運転領域を判別す
る。
【0014】そして、空燃比学習手段は、空燃比フィー
ドバック補正値の目標収束値からの偏差を学習し、前記
該当領域判別手段で判別された該当運転領域に対応する
空燃比学習補正値を前記偏差を減少させる方向に修正し
て書き換える。燃料供給量設定手段は、前記基本燃料供
給量,空燃比フィードバック補正値及び前記記憶手段に
おける該当運転領域の空燃比学習補正値に基づいて最終
的な燃料供給量を設定し、燃料供給制御手段は、前記設
定された燃料供給量に基づいて燃料供給手段を駆動制御
する。
【0015】
【作用】かかる空燃比学習制御装置によると、該当領域
判別手段が、予め設定された運転領域を区切るための閾
値データ及び該当運転領域の変化を抑止する方向に補正
された閾値データに基づいて記憶手段における複数の運
転領域中から該当運転領域を判別するよう構成され、所
謂ヒステリシスをもって該当運転領域の判別がなされる
。ここで、前記閾値データの補正に用いられる補正値は
、予め設定された閾値データ間の偏差の所定割合として
演算され、閾値データ間の偏差は各運転領域の広さを示
すから、個々の運転領域の広さに応じた補正値を設定す
ることができ、以て、各運転領域の広さに応じたヒステ
リシス特性で学習する領域を判別させることができる。
【0016】また、前記閾値データは、該当運転領域の
判別において最低限必要なデータであり、補正値の演算
には、かかる閾値データの他、閾値データ間の偏差の所
定割合を決定するデータがあれば良いから、多くの記憶
容量を必要とすることはなく、記憶容量の節約を図れる
【0017】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。一実施例
を示す図2において、内燃機関1にはエアクリーナ2か
ら吸気ダクト3,スロットル弁4及び吸気マニホールド
5を介して空気が吸入される。吸気マニホールド5の各
ブランチ部には、各気筒別に燃料供給手段としての燃料
噴射弁6が設けられている。この燃料噴射弁6は、ソレ
ノイドに通電されて開弁し、通電停止されて閉弁する電
磁式燃料噴射弁であって、後述するコントロールユニッ
ト12からの駆動パルス信号により通電されて開弁し、
図示しない燃料ポンプから圧送されてプレッシャレギュ
レータにより所定の圧力に調整された燃料を、機関1に
噴射供給する。
【0018】機関1の各燃焼室には点火栓7が設けられ
ていて、これにより火花点火して混合気を着火燃焼させ
る。そして、機関1からは、排気マニホールド8,排気
ダクト9,三元触媒10及びマフラー11を介して排気
が排出される。コントロールユニット12は、CPU,
ROM,RAM,A/D変換器及び入出力インタフェイ
スを含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各
種のセンサからの入力信号を受け、後述の如く演算処理
して、燃料噴射弁6の作動を制御する。
【0019】前記各種のセンサとしては、吸気ダクト3
中にエアフローメータ13が設けられていて、機関1の
吸入空気流量Qに応じた信号を出力する。また、クラン
ク角センサ14が設けられていて、本実施例の4気筒の
場合、クランク角180 °毎の基準信号REFと、ク
ランク角1°又は2°毎の単位信号POSとを出力する
。ここで、基準信号REFの周期或いは所定時間内にお
ける単位信号POSの発生数を計測することにより、機
関回転速度Nを算出できる。
【0020】また、機関1のウォータジャケットの冷却
水温度Twを検出する水温センサ15が設けられている
。 ここで、上記エアフローメータ13,クランク角センサ
14,水温センサ15等が本実施例における機関運転条
件検出手段に相当し、機関に吸入される空気量に関与す
る運転パラメータとは、本実施例において吸入空気流量
Q及び機関回転速度Nである。
【0021】また、排気マニホールド8の集合部に空燃
比検出手段としての酸素センサ16が設けられ、排気中
の酸素濃度を介して吸入混合気の空燃比を検出する。前
記酸素センサ16は、排気中の酸素濃度が理論空燃比(
本実施例における目標空燃比)を境に急変することを利
用して、実際の空燃比の理論空燃比に対するリッチ・リ
ーンを検出する公知のものであり、本実施例では、理論
空燃比よりもリッチ空燃比であるときには比較的高い電
圧信号を出力し、逆にリーン空燃比であるときには0V
付近の低い電圧信号を出力するものとする。
【0022】ここにおいて、コントロールユニット12
に内蔵されたマイクロコンピュータのCPUは、図3〜
図16のフローチャートにそれぞれ示すROM上のプロ
グラムに従って演算処理を行い、空燃比フィードバック
補正制御及び運転領域毎の空燃比学習補正制御を実行し
つつ燃料噴射量Tiを設定し、機関1への燃料供給を制
御する。
【0023】尚、本実施例において、基本燃料供給量設
定手段,燃料供給量設定手段,燃料供給制御手段,空燃
比フィードバック補正値設定手段,空燃比学習手段,補
正値演算手段,該当領域判別手段としての機能は、前記
図3〜図16のフローチャートに示すようにソフトウェ
ア的に備えられており、また、記憶手段としてはコント
ロールユニット12に内蔵された図示しないマイクロコ
ンピュータのバックアップ機能付のRAMが相当するも
のとする。
【0024】図3及び図4のフローチャートに示すプロ
グラムは、基本燃料噴射量Tpに乗算される空燃比フィ
ードバック補正係数LMD(空燃比フィードバック補正
値)を、比例・積分制御により設定するプログラムであ
り、機関1の1回転(1rev)毎に実行される。まず
、ステップ1(図中ではS1としてある。以下同様)で
は、酸素センサ(O2 /S)16から排気中の酸素濃
度に応じて出力される電圧信号を読み込む。
【0025】そして、次のステップ2では、ステップ1
で読み込んだ酸素センサ16からの電圧信号と、目標空
燃比(理論空燃比)相当のスライスレベル(例えば50
0mV)とを比較する。酸素センサ16からの電圧信号
がスライスレベルよりも大きく空燃比が理論空燃比より
もリッチであると判別されたときには、ステップ3へ進
み、今回のリッチ判別が初回であるか否かを判別する。
【0026】リッチ判別が初回であるときには、ステッ
プ4へ進んで前回までに設定されている空燃比フィード
バック補正係数LMDを最大値aにセットする。次のス
テップ5では、前回までの補正係数LMDから所定の比
例定数Pだけ減算して補正係数LMDの減少制御を図る
。また、ステップ6では、比例制御を実行したことを示
すフラグであるFPに1をセットする。
【0027】一方、ステップ3で、リッチ判別が初回で
ないと判別されたときには、ステップ7へ進み、積分定
数Iに最新の燃料噴射量Tiを乗算した値を、前回まで
の補正係数LMDから減算して補正係数LMDを更新す
る。また、ステップ2で酸素センサ16からの電圧信号
がスライスレベルよりも小さく空燃比が目標に対してリ
ーンであると判別されたときには、リッチ判別のときと
同様にして、まず、ステップ8で今回のリーン判別が初
回であるか否かを判別し、初回であるときには、ステッ
プ9へ進んで前回までの補正係数LMDを最小値bにセ
ットする。
【0028】次のステップ10では、前回までの補正係
数LMDに比例定数Pを加算して更新することにより燃
料噴射量Tiの増量補正を図り、ステップ11では、比
例制御が実行されたことを示すフラグである前記FPに
1をセットする。ステップ8でリーン判別が初回でない
と判別されたときには、ステップ12へ進み、積分定数
Iに最新の燃料噴射量Tiを乗算した値を、前回までの
補正係数LMDに加算し、補正係数LMDを徐々に増大
させる。
【0029】リッチ・リーン判別の初回で補正係数LM
Dの比例制御を実行したときには、更に、空燃比学習補
正制御に関わる後述するような各種処理を行う。尚、本
実施例では、図17に示すように、全運転領域を16の
単位運転領域に区分してそれぞれの単位運転領域別に学
習補正係数KBLRC1を書き換え可能に記憶した16
領域学習マップと、全運転領域を256 の単位運転領
域に区分してそれぞれの単位運転領域別に学習補正係数
KBLRC2を更新可能に記憶する256 領域学習マ
ップを備えて構成される。また、上記のように運転領域
を区分しないで全運転条件で適用される学習補正係数K
BLRC φも学習設定されるようにしてあり、2つの
学習マップからそれぞれ該当する運転領域の学習補正係
数KBLRC1,KBLRC2 を検索し、これらと前
記学習補正係数KBLRC φとによって基本燃料噴射
量Tpが補正されるようになっている。
【0030】空燃比フィードバック補正係数LMDの比
例制御が行われたときには、まず、ステップ13で、1
6領域学習マップ上の1つの運転領域に安定して止まっ
ている状態か否かを判別するためのカウント値cntの
判別を行う。後述する図5〜図8のフローチャートに示
すプログラムにおいて、16領域学習マップ上で該当す
る運転領域が所定微小時間毎に変化しているときに、前
記カウント値cntには所定値(例えば4)がセットさ
れるようになっており、ステップ13でカウント値cn
tがゼロでないと判別されると、ステップ14へ進んで
カウント値cntを1ダウンさせる処理を行う。
【0031】ステップ15では、後述するように、前記
16領域学習マップの殆どの運転領域が学習済であると
きに1がセットされるフラグflagの判別を行う。前
記フラグflagが1であるときには、ステップ16へ
進む。ステップ16では、運転条件が前回と略同じであ
るか否かを判別し、前回と略同じでない場合にのみステ
ップ17へ進む。
【0032】ステップ17では、最新の補正係数LMD
平均値(a+b)/2の目標収束値Target(=1
.0)に対する偏差の絶対値に基づいて、学習値の不適
切度合いを示すΔストレスのマップを参照し、補正係数
LMDの目標収束値Targetに対する偏差の増大に
応じてΔストレスを増大設定する。そして、前記Δスト
レスの積算値がセットされる「ストレス」に今回求めた
Δストレスを加算する。後述するように、前記ストレス
が所定以上になると、既に学習済の空燃比学習補正係数
KBLRC が不適切であるものと判断し、学習を最初
からやり直させるようになっている。
【0033】図5〜図8のフローチャートに示すプログ
ラムは、運転領域別の空燃比学習プログラムであり、所
定微小時間(例えば10ms) 毎に実行される。ステ
ップ21では、前記フラグFPの判別を行い、FPが1
であるときには、ステップ22へ進みFPをゼロリセッ
トした後、本プログラムによる各種処理を行い、ゼロで
あるときにはそのまま本プログラムを終了させる。
【0034】ステップ22でFPをゼロリセットすると
、次のステップ23では、全運転領域に共通の空燃比学
習補正値である学習補正係数KBLRC φ(初期値1
.0 )が学習済であるか否かを示すフラグFφの判別
を行う。ここで、フラグFφがゼロであって学習補正係
数 KBLRCφの学習が済んでいないときには、ステ
ップ24へ進み、前記補正係数LMDの最大・最小値a
,bの平均値(←(a+b)/2)が略1.0 である
か否かを判別する。
【0035】(a+b)/2が略1.0 でないときに
は、ステップ26へ進み、(a+b)/2から補正係数
LMDの目標収束値Target(本実施例では1.0
 )を減算した値に所定係数Xを掛けた値を前回までの
学習補正係数KBLRC φに加算し、該加算結果を新
たな学習補正係数KBLRC φとして設定する。 KBLRC φ←KBLRC φ+X{(a+b)/2
−Target}また、ステップ26では、16領域学
習マップ及び256 領域学習マップそれぞれの運転領
域に記憶されている学習補正係数KBLRC1,学習補
正係数KBLRC2を全て初期値である1.0 にリセ
ットする。
【0036】前記ステップ24で(a+b)/2が略1
であると判別されると、ステップ25で前記フラグFφ
に1をセットして、全運転領域に対応する学習補正係数
 KBLRCφの学習が済んでいることが判別されるよ
うにする。 一方、ステップ23で前記フラグFφが1であると判別
された場合には、今度は運転領域を基本燃料噴射量Tp
と機関回転速度Nとに基づいて複数に区分した運転領域
別の空燃比学習を行う。
【0037】まず、ステップ27では、256 領域学
習マップ上で、現在の運転条件が該当する領域〔K,I
〕を判別する。ここで、図17に示すように、Kは機関
回転速度Nをパラメータとして区切られる格子上での該
当位置を示し、Iは基本燃料噴射量Tpをパラメータと
して区切られる格子上での該当位置を示す。尚、図17
では256領域学習マップ上の各領域が同一の広さに設
定されているように記載してあるが、実際には、空燃比
補正精度の要求などから各運転領域の広さを適宜変化さ
せてあるものとする。
【0038】上記ステップ27における該当領域の判別
は、詳細には図15及び図16のフローチャートに示す
ように、ヒステリシスをもって行われる。図15及び図
16のフローチャートに示すプログラムにおいて、まず
、ステップ51で、現状の基本燃料噴射量Tpが256
 領域学習マップ上で該当する領域位置を判別するため
のカウンタiをゼロリセットし、次のステップ52では
、前記カウンタiが最大番地である15(Iは0〜15
の範囲で設定される)を越えたか否かを判別する。
【0039】そして、カウンタiが最大値15以下であ
るときには、ステップ53へ進み、カウンタiで指示さ
れる領域における最大基本燃料噴射量Tp〔i〕と実際
の基本燃料噴射量Tpとを比較する。前記最大基本燃料
噴射量Tp〔i〕は、運転領域を基本燃料噴射量Tpに
基づいて区分する際の閾値データに相当し、例えばカウ
ンタi=2に相当する領域に含まれる基本燃料噴射量T
pは、Tp〔1〕≦Tp<Tp〔2〕の範囲となる(図
18参照)。
【0040】ステップ53でTp〔i〕≦Tpであると
判別された場合には、カウンタiで指示されるTp領域
よりも実際のTpが大きいから、一段大きなTp領域に
含まれるか否かを次に判別させるために、ステップ54
でカウンタiを1アップさせてから再びステップ52へ
戻る。 そして、ステップ53で初めてTp〔i〕≦Tpである
と判別されたときのカウンタiで指示される領域が該当
領域として判別され、ステップ56へ進む。一方、予め
設定されている基本燃料噴射量Tpの閾値データTp〔
i〕の中での最大値より実際の基本燃料噴射量Tpが大
きい場合には、カウンタiが16にまでカウントアップ
されることになるが、この場合には、ステップ52から
ステップ55へ進んでカウンタiに改めて15をセット
してからステップ56へ進む。
【0041】ステップ56では、該当領域判別における
ヒステリシス特性の設定のために、基本燃料噴射量Tp
の閾値データTp〔i〕を補正するための補正値(ヒス
テリシス値)Tphis を、以下の式に従って演算す
る。 Tphis ←(Tp〔i〕−Tp〔i−1〕)/Ym
即ち、今回該当すると判別された領域位置iにおける基
本燃料噴射量Tpの幅を、閾値データTp〔i〕,Tp
〔i−1〕間の偏差として求め、これを予め設定された
固定値Ym(例えばYm=2,4,8)で除算すること
で、領域位置iの基本燃料噴射量Tpの変化幅の所定割
合として補正値Tphis が設定される。これにより
、各領域における広さに応じた補正値Tphis を設
定させることができ、後述するように、補正値Tphi
s が大きいときほど該当領域判別の応答が遅れるから
、広い領域においては該当運転領域の判別がハンチング
することを防止できる一方、狭い領域においては必要以
上に応答が遅れて学習機会が失われることを抑止できる
ことになる。
【0042】ステップ56で補正値Tphis を設定
すると、次のステップ57で前回において最終的に判別
された領域位置Iと、今回ヒステリシス無しに判別され
た領域位置iとを比較し、該当領域の変化方向を特定す
る。ここで、I<iであると判別されたときには、基本
燃料噴射量Tpの上昇によって該当領域の番地が増大し
た状況であり、このときには、ステップ58へ進み、領
域位置iにおける最小基本燃料噴射量Tp〔i−1〕に
前記補正値Tphis を加えた値(Tp〔i−1〕+
Tphis )よりも実際のTpが大きいか否かを判別
する。即ち、該当領域の移動があったものの、境界(閾
値データ)を僅かに越えた程度の基本燃料噴射量Tpの
変化によって該当領域が変化したものであるか否かを判
別するものである(図19参照)。
【0043】Tp〔i−1〕+Tphis ≧Tpであ
るときには、ステップ59へ進んで、最終的な領域位置
Iにi−1をセットし、今回閾値データTp〔i−1〕
を越えて領域位置iに入ったと判別されたものの、僅か
に境界を越えた程度であるから、それよりも一段下の領
域(領域位置iよりも基本燃料噴射量Tpレベルが一段
低い領域)に止まっているものとして、換言すれば、該
当領域の判別の応答を遅らせて該当領域を最終判別させ
る。
【0044】一方、Tp〔i−1〕+Tphis <T
pであるときには、閾値データTp〔i−1〕を大きく
越えて領域位置iの範囲に入り込んだものと判断され、
この場合には、ステップ60へ進み、今回の判別結果i
をそのまま最終判断としてIにセットする。また、ステ
ップ57で、I>iであると判別されたときには、基本
燃料噴射量Tpの減少変化によって領域位置の変化が発
生した状況であり、このときには、ステップ61へ進ん
で、Tp〔i〕−Tphis と実際のTpとを比較さ
せる。これは、今回の状況がTp〔i〕よりも大きかっ
た基本燃料噴射量TpがTp〔i〕を下回るようになっ
たことで該当領域iが判別された場合であるから、境界
Tp〔i〕に対する実際のTpの低下の程度を判別する
ものであり、この場合も、Tp〔i〕−Tphis よ
りも実際のTpが下回る場合にのみ、ステップ62へ進
み、領域位置iを最終判別結果とし(I←i)、Tp〔
i〕−Tphis ≦Tp<Tp〔i〕であって境界を
僅かに越えただけのときには、ステップ63へ進んで、
一段上の領域に止まっているものとして該当領域を最終
判別させる(I←i+1)。
【0045】更に、ステップ57で、I=iであると判
別されたときには、該当領域の変化がないから最終的な
領域位置Iを更新することなく、ステップ58〜63を
ジャップして、次の機関回転速度Nの該当領域位置Kの
判別に進む。上記のように、補正値Tphis によっ
て閾値データTp〔i〕を、該当領域の判別応答が遅れ
る方向に補正することで、閾値付近におけるTpの変化
で該当領域がハンチングすることが防止でき、引いては
後述する運転領域別の学習がハンチングすることを防止
できる。また、上記のように各領域の広さに応じたヒス
テリシス特性で該当領域の判別を行わせることができる
から、学習のハンチング発生防止と学習機会の減少の防
止とを両立させることができる。更に、運転領域の広さ
に応じたヒステリシス特性を設定するに当たって、閾値
データTp〔i〕間の偏差の所定割合としてヒステリシ
ス特性を決定する補正値Tphis をその都度演算す
るから、各領域別に予め補正値Tphis を記憶させ
ておく必要がなく、特に本実施例のように領域区分数の
多い学習マップにおいては記憶容量の節約を図れる。
【0046】上記のようにしてヒステリシスをもって現
状の基本燃料噴射量Tpが256 領域学習マップ上で
該当する位置Iを判別すると、次に、機関回転速度Nの
該当位置Kを判別するが、かかる領域位置Kの判別は、
前述の領域位置Iの判別と全く同様にして行われるので
、図16のフローチャートのステップ64〜ステップ7
6に示される領域位置Kの判別に関わる各種演算処理の
説明は省略する。
【0047】ここで、再び図6のフローチャートに戻っ
て説明を続ける。ステップ27で256 領域学習マッ
プ上での該当領域〔K,I〕が検出されると、次のステ
ップ28では、前記該当領域〔K,I〕が含まれる16
領域学習マップ上の領域として、16領域学習マップ上
での該当領域〔B,A〕を検出する。そして、次のステ
ップ29では、16領域学習マップ上での該当領域が前
回と同一であるか否かを判別する。そして、16領域学
習マップ上で該当運転領域が変化したときには、ステッ
プ30へ進んで、前記ステップ14で1ダウンされるカ
ウント値cnt に所定値(例えば4)をセットする。
【0048】ステップ31では、16領域学習マップに
おいて領域〔B,A〕における学習が終了しているか否
かを示すフラグF〔B,A〕を判別し、このフラグF〔
B,A〕がゼロであって領域〔B,A〕での学習が終了
していないときには、ステップ32へ進む。ステップ3
2では前記カウント値cnt がゼロであるか否かを判
別し、カウント値cnt がゼロでなく16領域学習マ
ップにおける該当領域の変動があるときには、そのまま
本プログラムを終了させ、カウント値cnt がゼロで
あって16領域学習マップ上で該当する運転領域が安定
しているときにのみステップ33へ進む。
【0049】ステップ33では、前記図3及び図4のフ
ローチャートに示したプログラムでサンプリングされる
空燃比フィードバック補正係数LMDの最大・最小値a
,bの平均値(a+b)/2、即ち、補正係数LMDの
中心値が、目標収束値Targetである初期値(=1
.0)付近であるか否かによって学習の進行を判別する
。ここで、補正係数LMDの平均値が略1.0 である
と認められず学習が済んでいないときにはそのままステ
ップ35へ進み、補正係数LMDの平均値が略1.0 
であって学習済であると認められるときには、ステップ
34でフラグF〔B,A〕に1をセットしてからステッ
プ35へ進む。
【0050】ステップ35では、16領域学習マップ上
の領域〔B,A〕に対応して記憶されている学習補正係
数KBLRC1に対して、最大・最小値a,bの平均値
から目標収束値Target(本実施例では1.0)を
減算した値に所定係数X1を掛けた値を加算し、その結
果を16領域学習マップ上の今回の運転領域〔B,A〕
に対応する学習補正係数KBLRC1として新たに設定
し、マップデータの更新を行う。
【0051】     KBLRC1〔B,A〕←KBLRC1〔B,
A〕+X1 {(a+b)/2−Target}このよ
うな16領域学習マップ上の〔B,A〕領域の学習中に
おいては、256 領域学習マップにおいてこの〔B,
A〕領域に含まれる16領域の学習補正係数KBLRC
2については、ステップ36でこれを全て初期値1.0
 にリセットする。一方、ステップ31で、フラグF〔
B,A〕が1であると判別されたときには、ステップ3
7へ進み、16領域学習マップ上の運転領域〔B,A〕
を、更に16領域に細分する256 領域学習マップの
学習へ移行する。
【0052】ステップ37では、補正係数LMDの平均
値である(a+b)/2が、目標収束値Targetの
1.0 に略一致しているか否かの判別を行い、(a+
b)/2が略1.0でなく空燃比フィードバック補正係
数LMDによる補正を必要としている未学習状態である
ときには、ステップ38へ進む。ステップ38では、(
a+b)/2から目標収束値Target(本実施例で
は1.0 )を減算した値に所定係数X2を掛けた値を
、256 領域学習マップの現在の運転条件が含まれる
運転領域〔K,I〕に対応して記憶されていた学習補正
係数KBLRC2〔K,I〕に加算し、この加算結果を
当該運転領域〔K,I〕における新たな補正係数KBL
RC2〔K,I〕として設定し、マップデータの更新を
行う。
【0053】   KBLRC2〔K, I〕←KBLRC2〔K, 
I〕+X2 {(a+b)/2−Target}一方、
ステップ37で、補正係数LMDの平均値である(a+
b)/2が目標収束値Targetの1.0 に略一致
していると判別されたときには、ステップ39へ進み、
256 領域学習マップの現在の運転条件が含まれる運
転領域〔K,I〕の学習が終了したことが判別されるよ
うにフラグFF〔K,I〕に1をセットする。
【0054】そして、ステップ40以降では、今回学習
が終了したと判別された256 領域学習マップ上の所
定運転領域〔K,I〕に対して同一マップ上で隣接する
運転条件の近い複数の運転領域(図20参照)それぞれ
に対して、該当領域〔K,I〕における学習補正係数K
BLRC2に基づき推定される適正な学習補正係数KB
LRC2を設定する制御を行う。
【0055】ステップ40では、256 領域学習マッ
プにおいて現在の運転条件が含まれる領域位置を示すK
,Iからそれぞれ1を減算した値をm,nにセットし、
次のステップ41ではm=K+2であるか否かを判別す
る。ステップ40からステップ41へ進んだときにはス
テップ41でNOの判別が下されるから、ステップ42
に進んで〔m,n〕で示される256 領域学習マップ
上の運転領域の学習が終了しているか否かを、フラグF
F〔m,n〕が1であるかゼロであるかによって判別す
る。
【0056】ここで、フラグFF〔m,n〕がゼロであ
って学習が終了していないときには、ステップ43へ進
む。 このステップ43では、前記256 領域学習マップ上
における領域位置〔m,n〕を16領域学習マップ上の
領域位置〔m/4,n/4〕に変換することで、領域〔
m,n〕が16領域学習マップ上で含まれる領域を特定
する。そして、256 領域学習マップ上での該当領域
である〔K,I〕に隣接する領域〔m,n〕が、16領
域学習マップ上で〔K,I〕と同じ〔B,A〕領域に含
まれるか否かを判別する。
【0057】即ち、〔K,I〕は〔B,A〕に含まれる
領域であるが、〔K,I〕の隣接領域は、16領域学習
マップ上で〔B,A〕に隣接する別の領域に含まれる場
合があるためであり、該当領域〔K,I〕と隣接領域〔
m,n〕とが同じ〔B,A〕に含まれるときには(〔m
/4,n/4〕=〔B,A〕)、ステップ44へ進み、
今回学習済であると判別された〔K,I〕領域に対応す
る学習補正係数KBLRC2をそのまま隣接領域〔m,
n〕の学習値として記憶させる。
【0058】一方、ステップ43で該当領域〔K,I〕
の隣接領域〔m,n〕が、16領域学習マップ上で異な
る領域に含まれると判別されたときには(〔m/4,n
/4〕≠〔B,A〕)、ステップ45へ進み、隣接領域
〔m,n〕に以下の式で算出される学習補正係数KBL
RC2を格納させる。   KBLRC2〔m,n〕←KBLRC1〔B,A〕
+KBLRC2〔K,I〕−KBLRC1〔m/4,n
/4〕上記のようにしてKBLRC2〔m,n〕を更新
設定すると、ステップ46では、前記mを1アップさせ
て再びステップ41に戻り、m=K+2となるまで各運
転領域毎に学習済・未学習を判別する。
【0059】そして、ステップ46におけるmの1アッ
プ処理の結果ステップ41でm=K+2であると判別さ
れると、今度はステップ47へ進みn=I+2であるか
否かを判別し、n≠I+2であるときには、ステップ4
8で再びmをK−1にセットし、次のステップ49では
nを1アップさせた後、ステップ42へ進む。ステップ
47でn=I+2であると判別されたときには、〔K,
I〕を囲む8つの運転領域全ての判別処理が終わったこ
とになるので、このときには、ステップ38へ進んで、
今回の領域〔K,I〕において既に学習済であると判断
されている学習補正係数KBLRC2の学習更新を行わ
せる。
【0060】前述のように、本実施例では、まず、全運
転領域に対応する学習補正係数KBLRC φを学習し
た後に、16領域学習マップ上での運転領域毎の学習を
行わせ、更に、この16領域学習マップの学習が済んで
いる領域については、その領域を更に16領域に分けて
学習を行わせるようにしたので、大きな運転領域から小
さな運転領域での学習へと進行することになり、大きな
運転領域での学習により空燃比の収束性が確保されると
共に、学習が進行すれば細かな運転領域毎の学習が行わ
れるから、運転条件の違いによる要求補正値の違いに精
度良く対応できる。
【0061】上記のようにして学習される3つの学習補
正係数KBLRC φ,KBLRC1, KBLRC2
に基づく最終的な空燃比学習補正係数KBLRC の設
定は、図9のフローチャートに示すプログラムに従って
行われる。図9のフローチャートに示すプログラムは、
バックグラウンドジョブ(BGJ)として処理されるも
のであり、まず、ステップ71では、16領域学習マッ
プ上の該当領域〔B,A〕に記憶されている学習補正係
数KBLRC1を読み出し、次のステップ72では、2
56 領域学習マップ上の該当領域〔K,I〕に記憶さ
れている学習補正係数KBLRC2を読み出す。尚、フ
ローチャート中に示すB×4+A及びK×16+Iは、
それぞれの領域位置をメモリ上の番地に換算するもので
ある。
【0062】ステップ73では、KBLRC φ+KB
LRC1+KBLRC2−2.0 →KBLRC とし
て最終的な学習補正係数KBLRC を設定する。上記
図9のフローチャートに示すプログラムで最終設定され
た学習補正係数KBLRC は、図10のフローチャー
トに示す燃料噴射量設定プログラムにおいて用いられる
【0063】図10のフローチャートに示す燃料噴射量
設定プログラムは、所定微小時間(例えば10ms) 
毎に実行されるものであり、まず、ステップ81では、
エアフローメータ13で検出された吸入空気流量Q及び
クランク角センサ14からの検出信号に基づき算出した
機関回転速度Nを入力する。そして、次のステップ82
では、ステップ81で入力した吸入空気流量Qと機関回
転速度Nとに基づいて単位回転当たりの吸入空気流量Q
に対応する基本燃料噴射量Tp(←K×Q/N;Kは定
数)を演算する。
【0064】次のステップ83では、前記ステップ82
で演算した基本燃料噴射量Tpに各種の補正を施して最
終的な燃料噴射量(燃料供給量)Tiを演算する。ここ
で、基本燃料噴射量Tpの補正に用いられる補正値は、
前記学習補正係数KBLRC 、空燃比フィードバック
補正係数LMD、及び、水温センサ15で検出される冷
却水温度Twに基づく基本補正係数や始動後増量補正係
数等を含んで設定される各種補正係数COEF、更に、
バッテリ電圧の変化による燃料噴射弁6の有効噴射時間
の変化を補正するための補正分Tsであり、Ti←Tp
×LMD×KBLRC ×COEF+Tsを演算して最
終的な燃料噴射量Tiが所定時間毎に更新される。
【0065】コントロールユニット12は所定の燃料噴
射タイミングになると、最新に演算された燃料噴射量T
iに相当するパルス巾の駆動パルス信号を燃料噴射弁6
に対して出力し、機関1への燃料供給量を制御する。ま
た、図11のフローチャートに示すプログラムは、前記
図3及び図4のフローチャートに示すプログラムに従っ
てサンプリングされる「ストレス」(空燃比フィードバ
ック補正係数LMDの目標収束値に対する偏差を積算し
た値)に基づく処理を行うプログラムであり、バックグ
ラウンドジョブ(BGJ)として実行される。
【0066】ステップ91では、空燃比学習補正値の不
適切度合いを示すパラメータとして、前記図3及び図4
のフローチャートに示すプログラムで設定されるストレ
スと、所定値(例えば0.8)とを比較して、学習が殆
ど終了しているときの空燃比フィードバック補正係数L
MDの変動度合い(ベース空燃比の変動度合い)が所定
以上であるか否かを判別する。
【0067】ここで、前記ストレスが所定値を越えると
きには、学習が殆ど終了しているものの、その学習結果
が不適切で空燃比ずれが発生しているものと判断し、学
習補正係数KBLRC φからの学習を再度行わせるた
めにステップ92へ進む。ステップ92では、各運転領
域の空燃比学習が終了しているか否かを判別するための
フラグFφ,F〔0,0〕〜F〔3,3〕,FF〔0,
0〕〜FF〔16,16〕を全てゼロリセットすると共
に、後述するように16領域学習マップ上で殆どの領域
が学習済となったときに1がセットされるフラグfla
g(図4におけるステップ15で判別されるフラグ)も
ゼロリセットし、更に、上記のようにして学習が最初か
らやり直されることになるから、ストレスについてもこ
れをゼロリセットする。
【0068】このように、空燃比フィードバック補正係
数LMDの基準値に対する偏差の度合いが所定以上に大
きくなったときに、学習をやり直すようにすれば、例え
ば吸気系に穴が開くなどの事故によって空燃比が急激に
変化したときに、大きな運転領域毎の学習が再度行われ
ることになるから、空燃比を速やかに目標空燃比に収束
させることができる。
【0069】次に図12〜図14のフローチャートに示
すプログラムに従って行われる細分領域に基づくより大
きな区分運転領域の学習補正係数の補正を説明する。こ
の図12〜図14のフローチャートに示すプログラムは
、バックグラウンドジョブ(BGJ)として実行される
ものであり、まず、ステップ101 では、全運転領域
に対応する学習補正係数 KBLRCφが学習済である
ときに1がセットされるフラグFφの判別を行い、前記
フラグFφがゼロであるときにはそのまま本プログラム
を終了させるが、1であるときにはステップ102 以
降へ進む。
【0070】ステップ102 では、本プログラムで使
用する各種パラメータであるSum,W,X,Yの初期
設定を行う。ここで、Sumは、16領域学習マップの
各運転領域で学習済である領域に記憶されている学習補
正係数KBLRC1の積算値であり、初期値として1.
0 がセットされ、前記Wはかかる積算演算におけるサ
ンプリング数をカウントアップするもので、初期値とし
ては1がセットされる。また、X,Yは、16領域学習
マップにおける格子位置を指定するものであり、初期値
としてそれぞれにゼロがセットされる。
【0071】次のステップ103 では、上記ステップ
102 でゼロリセットされるX,Yを座標位置とする
フラグF〔X,Y〕(16領域学習マップ上の各領域別
の学習済判別フラグ)の判別を行い、X,Yで指示され
る16領域学習マップ上の運転領域において学習済の領
域を探す。 X,Yは初期値ゼロであるから、〔0,0〕の運転領域
で未学習であるときには、ステップ104 でXが1ア
ップされて〔1,0〕となり、ステップ105 ではX
が4でないと判別されることにより再びステップ103
 での判別が行われる。
【0072】このようにしてXがステップ104 で1
アップされた結果4になると、ステップ106 でXを
ゼロリセットすると共に今度はYを1アップさせ、ステ
ップ107 でYが4であると判別されるまでは再びス
テップ103 へ戻り、ステップ104 へ進むとXが
1アップされるから、結果、Yを固定してXを変化させ
ることを繰り返して、16領域学習マップにおける各運
転領域でのフラグF〔X,Y〕が判別されるようになっ
ている。
【0073】ここで、16領域学習マップの運転領域で
フラグF〔X,Y〕が1であると判別される領域がある
と、ステップ103 からステップ108 へ進む。ス
テップ108 では、フラグF〔X,Y〕が1であると
判別され学習済である16領域学習マップ上の領域〔X
,Y〕に対応する学習補正係数KBLRC1〔X,Y〕
を、それまでの積算値Sumに加算すると共に、該加算
の回数(換言すれば積算サンプル数)をカウントするた
めにサンプリング数Wを1アップさせる。
【0074】そして、次のステップ109 では、前記
16領域学習マップ上の〔X,Y〕領域に含まれる25
6 領域学習マップ上の16領域において、学習済であ
る領域それぞれに対応する学習補正係数KBLRC2の
積算値Sump 及び学習済領域数Zを検出する。そし
て、次のステップ110 では、学習済領域〔X,Y〕
に含まれる16領域の中での学習済の領域数であるZと
所定値(例えば12)とを比較し、所定値を越える学習
済領域があるときには、ステップ111 へ進む。
【0075】ステップ111 では、〔X,Y〕領域に
含まれる学習済の領域に記憶されていた学習補正係数K
BLRC2の平均値(Sump/Z)と目標収束値Ta
rgetとの偏差の絶対値が、所定値(例えば0.04
)未満であるか否かを判別する。そして、前記偏差が所
定値を越える場合には、本来16領域学習マップの学習
補正係数KBLRC1〔X,Y〕で負担すべき補正分が
、256 領域学習マップの学習補正係数KBLRC2
に付加されているものと見做し、前記付加分を学習補正
係数KBLRC1側に転嫁すべくステップ112 へ進
む。
【0076】ステップ112 では、今回学習済である
と判別された16領域学習マップ上の領域〔X,Y〕に
記憶されていた学習補正係数KBLRC1〔X,Y〕を
、以下の式に従って学習更新する。     KBLRC1〔X,Y〕←KBLRC1〔X,
Y〕+(Sump /Z−Target)×γ即ち、上
記演算式によって256 領域学習マップが平均的に負
担している補正分を、それらを含む領域に対応する16
領域学習マップ側に転嫁して、256 領域学習マップ
による補正分を目標収束値Target=1.0 付近
に近づけるものである。
【0077】このように、256 領域学習マップが平
均的に負担している補正分をそれらを含む領域に対応す
る16領域学習マップ側に転嫁した場合には、その分2
56 領域学習マップ上の学習補正係数KBLRC2を
逆補正する必要があるため、ステップ113 の処理を
行う。即ち、次のステップ113 では、ステップ11
2 で補正された学習補正係数KBLRC1〔X,Y〕
の領域に含まれる256 領域学習マップ上の16領域
にそれぞれ記憶されている学習補正係数KBLRC2か
ら、学習補正係数KBLRC1に加算した分をそれぞれ
減算する。
【0078】このようにして、学習補正係数KBLRC
1に対する補正分を、学習補正係数KBLRC2に対し
て逆補正して修正すると、再びステップ104 へ戻っ
て16領域学習マップ上で学習済の領域を探し、学習済
の領域が検出されたときには、その都度前述のような処
理を繰り返すことになる。一方、ステップ110 で学
習済領域数Zが所定値以下であると判別されたときに、
及び、ステップ111 で256 領域学習マップ上の
学習補正係数KBLRC2が、充分に目標Target
に近いと判別されたときには、ステップ112 及びス
テップ113 をジャップしてステップ104 へ戻る
【0079】そして、16領域学習マップ上の全ての領
域について学習済の領域を調べると、ステップ107 
からステップ114 へ進むことになる。ステップ11
4 では、16領域学習マップ上での学習済領域の数を
カウントアップしたWが、所定値(例えば12)を越え
ているか否かを判別し、16領域学習マップの殆どの領
域が学習済であるかを判断する。
【0080】ここで、前記Wが所定値以下である場合に
は、ステップ115 でフラグflagにゼロをセット
してそのまま終了するが、前記Wが所定値を越えている
場合には、ステップ116 で前記フラグflagに1
をセットした後、ステップ117 以降で16領域学習
マップの学習済領域のデータに基づいて全運転領域に対
応する学習補正係数KBLRC φを修正する処理を行
う。
【0081】ステップ117 では、16領域学習マッ
プ上で学習済であると判別された領域における学習補正
係数KBLRC1の平均値(Sum/W)と、目標収束
値Targetとの偏差の絶対値が所定値未満であるか
否かを判別する。そして、前記偏差が所定値未満である
場合にはそのまま本プログラムを終了させるが、所定値
以上である場合には、本来、全運転領域に対応する学習
補正係数KBLRC φ側で負担すべき補正分が、学習
補正係数KBLRC1側に転嫁されているものと見做し
、かかる転嫁分を学習補正係数KBLRCφ側で負担さ
せるべくステップ118 へ進む。
【0082】ステップ118 では、以下の式に従って
学習補正係数KBLRC φの学習更新を行わせる。 KBLRCφ← KBLRCφ+(Sum/Z−Tar
get)×γ2即ち、16領域学習マップ上の学習済領
域で平均的に負担している補正分を、全運転領域で補正
する学習補正係数KBLRC φに転嫁して、学習補正
係数KBLRC1が目標収束値Target=1.0 
付近に学習されるようにするものである。
【0083】ここで、学習補正係数KBLRC1を同じ
領域の学習補正係数KBLRC2に基づいて補正した場
合と同様に、学習補正係数KBLRCφを補正した分を
、各学習補正係数KBLRC1に逆補正することが必要
になり、ステップ119 では、16領域学習マップの
全ての運転領域の学習補正係数KBLRC1それぞれか
ら、学習補正係数KBLRCφに加算補正した分(Su
m/Z−Target)×γ2を減算して修正する。
【0084】尚、上記実施例では、エアフローメータ1
3で検出された吸入空気流量Qと機関回転速度Nとに基
づき基本燃料噴射量Tpが演算される構成としたが、こ
の他、吸入圧力PBと機関回転速度Nとの組み合わせ、
又は、スロットル弁開度TVOと機関回転速度Nとに基
づいて基本燃料噴射量Tpが演算される構成であっても
良い。
【0085】また、本実施例では、複数の学習マップを
個別に備える構成としたが、学習マップが1つで構成さ
れるものであっても、図15及び図16のフローチャー
トに示したようなヒステリシス特性の設定で該当領域を
判別させることで、同様な効果が得られる。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、区
分された運転領域別に空燃比学習補正値を更新可能に記
憶した学習マップ上で、実際の運転条件が含まれる運転
領域を判別するときに、個々の運転領域の広さに応じた
ヒステリシス特性で該当領域の判別を行わせることがで
き、学習される該当領域のハンチングを良好に防止しつ
つ、比較的狭い運転領域での学習機会を確保することが
できる一方、個々の運転領域の広さに応じたヒステリシ
ス特性の設定が多くの記憶容量を必要とすることなく行
えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例を示すシステム概略図。
【図3】空燃比フィードバック制御を示すフローチャー
ト。
【図4】空燃比フィードバック制御を示すフローチャー
ト。
【図5】空燃比学習制御を示すフローチャート。
【図6】空燃比学習制御を示すフローチャート。
【図7】空燃比学習制御を示すフローチャート。
【図8】空燃比学習制御を示すフローチャート。
【図9】空燃比学習補正係数の最終設定を示すフローチ
ャート。
【図10】燃料噴射量の設定を示すフローチャート。
【図11】学習の反復制御に関わる内容を示すフローチ
ャート。
【図12】学習結果の修正制御を示すフローチャート。
【図13】学習結果の修正制御を示すフローチャート。
【図14】学習結果の修正制御を示すフローチャート。
【図15】該当領域の判別を示すフローチャート。
【図16】該当領域の判別を示すフローチャート。
【図17】実施例における学習マップの様子を示す線図
【図18】実施例における学習マップの閾値データの様
子を示す線図。
【図19】ヒステリシス特性を示す状態図。
【図20】学習マップ上での隣接領域の推定学習を示す
線図。
【図21】従来の該当領域判別の様子を説明するための
線図。
【符号の説明】
1    機関 6    燃料噴射弁 12    コントロールユニット 13    エアフローメータ 14    クランク角センサ 15    水温センサ 16    酸素センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関に吸入される空気量に関与する運転パ
    ラメータを少なくとも含む機関運転条件を検出する機関
    運転条件検出手段と、該機関運転条件検出手段で検出さ
    れた機関運転条件に基づいて基本燃料供給量を設定する
    基本燃料供給量設定手段と、機関吸入混合気の空燃比を
    検出する空燃比検出手段と、該空燃比検出手段で検出さ
    れた空燃比と目標空燃比とを比較して実際の空燃比を前
    記目標空燃比に近づけるように前記基本燃料供給量を補
    正するための空燃比フィードバック補正値を設定する空
    燃比フィードバック補正値設定手段と、予め設定された
    機関運転条件パラメータの閾値データに基づき複数に区
    分された運転領域毎に前記基本燃料供給量を補正するた
    めの空燃比学習補正値を書き換え可能に記憶する記憶手
    段と、前記記憶手段における前記閾値データ間の偏差の
    所定割合として前記閾値データを補正するための補正値
    を演算する補正値演算手段と、前記記憶手段において予
    め設定された前記閾値データ及び前記補正値演算手段で
    演算された補正値に基づき該当運転領域の変化を抑止す
    る方向に補正された閾値データに基づいて前記記憶手段
    における複数の運転領域中での該当運転領域を判別する
    該当領域判別手段と、前記空燃比フィードバック補正値
    の目標収束値からの偏差を学習し、前記該当領域判別手
    段で判別された該当運転領域に対応する空燃比学習補正
    値を前記偏差を減少させる方向に修正して書き換える空
    燃比学習手段と、前記基本燃料供給量,空燃比フィード
    バック補正値及び前記記憶手段における該当運転領域の
    空燃比学習補正値に基づいて最終的な燃料供給量を設定
    する燃料供給量設定手段と、該燃料供給量設定手段で設
    定された燃料供給量に基づいて燃料供給手段を駆動制御
    する燃料供給制御手段と、を含んで構成されたことを特
    徴とする内燃機関の空燃比学習制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011153608A (ja) * 2010-01-28 2011-08-11 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の空燃比学習制御装置

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